私の愛する老兵カメラ(3) 「ROLLEIFLEX」 / スールヴァイグ・シュレッタイェル Solveig Slettahjell
すまだまだ現役そのものの二眼レフカメラ
二眼レフカメラは私の実は原点カメラなんです。既に小学生から親父に持たされて撮影していた。クラスの記念写真も撮ったりしたものです。そしてフィルム現像・引き延ばしプリント・水洗・フェロ乾燥を全て自分でやるというところでした。
しかし当時はこのローライなんぞは絶対に小学生は持てないカメラで、当然私の持ち物は戦後のこのカメラ思想をまねた安物日本製二眼レフだった。しかしスクエアフォーマットの上から覗いた左右反対の世界は、これぞ「ザ写真」という気分でした。
ROLLEIFLEX 3.5F (FRANKE & HEIDECKE) 2265951
planar 1:3.5 f=75mm carl Zeiss Nr3270660
さて、このローライフレックスは、独逸(ドイツ)という国の象徴のようなカメラで、第二次世界大戦の敗戦国になってパテントが解放されて、初めて世界でまねをして作れるようになったいわく付きのもの。
ドイツのフォクトレンダー社を退社したパウル・フランケとラインホルト・ハイデッケの二人で開発した二眼レフの登場は1929年で、ローライフレックスオリジナルと言われるもの。これは117フィルム使用の6枚撮り。
一般的に日本で親しまれたのは、120フィルムを使用するようになってのものである。そして現在も愛されていて使用されているのは、1959年登場の上のローライフレックス3.5F(プラナー75mmF3.5又はクセノター75mmF3.5)、そして1960年にはローライフレックス2.8F(プラナー80mmF2.8又はクセノター80mmF2.8)の登場で、レンズの優秀性もあり完成型になったと言って良い。
とにかくこのカメラを持って撮影にスタンバイしてみると、如何に工夫の凝らされた機器であることが解る。ここまで研究つくして作り上げるかと・・・まさにドイツなのだ。ウエスト・レベル撮影の映像のピント合わせは勿論、露出計付きの絞り、シャッター・スピード設定全てが上から見た位置で出来る。フィルム巻き上げ、シャッター・チャージも同時に出來というメカニカル・オートが完成している。ここで私が講釈を述べるまでもなく、現在も愛され活用されているカメラだけあってその中身は濃い。
私は、このカメラを持ち歩く方が、なんとなく既に紹介した戦前のスプリング・カメラより気恥ずかしくなるなのは何故だろう。つまり如何にも好き者って感じがするせいだろうか?。これぞカメラって感じがするためだろうか?。いずれにしてもカメラ好きの頂点にあると言って良いものである。
<今日のミュージック>
寺島靖国 「Jazz Bar 2003」 (DIWRecords TYP-003)より・・・・・
寺島靖国のこのシリーズは、目下「2013年」ものまで続いているわけであるが、私は意外にこの「2003」はあまり聴かない。「2001」「2002」に比べるとちょっと刺激が少なかった。ジャケも魅力的に続いているのであるが、この年のものはちょっとランクは下。何時も聴き入るピアノ・トリオものもそれほど面白くない。そこで、このアルバムでは次の女性ヴォーカルものを選ぶ事にした。
SOLVEIG SLETTAHJELL ”My Heart Belongs To Daddy”
この誰でも知っている曲をスールヴァイグ・シュレッタイェルがここまで歌い込んだところに喝采を浴びせるのである。録音もなかなか生々しくて迫るものがある。
彼女の1stアルバム「Slow Motion Orchestra」(Bomba Records BOM22154/2002→) からの曲。
Solveig Slettahjell(vo)
Sjur Miljeteig (trumpet)
Per Oddvar Johansen (drums)
Mats eilertsen (doublebass)
Morten Qvenild (piano)
彼女はノルウェーの個性派ヴォーカリスト(1971~)で、彼女なりきのヴォーカル・センスが見事。やや哀愁感を持たせながらも、暗くならずに心に響かせる。声の質も格別特異的でも無いがややハスキーになるところもあって妙に印象に残るのである。彼女は目下数枚のアルバムをリリースしている。
(試聴)
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