私の愛する老兵カメラ(5):スーパー・フジカ-6 / デヴィッド・ヘイゼルタイン・トリオ David Hazeltine Trio
富士写真フィルムの6×6スプリング・カメラ
基本的には私はスプリング・カメラは好きなんです。シャバラを畳んでレンズ部収納することにより、カメラの厚みが無くなって携帯に有利というだけでなく、撮影スタンバイ時、スプリングによってレンズ部が前方に飛び出すところが何とも言えない快感なんですね。このカメラは、120フィルム(ブローニー版)の6×6スクウェア・ホーマットというなかなか味なカメラ。
富士フィルム(当時は、富士写真フィルムFUJI PHOTO FILM と言った)は1948年に最初のカメラを作った。それがフジカシックスⅠA、このカメラのスタート機種だ。そして1952年にはフジカシックスⅡCSを発売して一躍人気機種となり、1955年には最終機スーパーフジカシックスを世に送り出した。それがこのカメラ、とにかくプロ、アマを通じての人気者で、直進ヘリコイド(距離はfeetで表されている)、連動距離計(レンジファインダー、二重像合致式)、自動巻き上げ、シャッターはSEIKOSHA-RAPID1-1/500。
そしてレンズはフジナー75mmF3.5。ところが面白いことにこの私の手持ちのカメラは、マミヤ・ファンによってMAMIYA-SEKOR 1:3.5 f=7.5cm に取り替えられているもの。こうした細工も出来たところが当時のカメラの楽しみでもあったのだ。そして現在も快調に機能していてくれる。
いずれにしてもカメラというのは、写真を撮る機能の大切さは当然基本ではあるが、手にして撮影までの操作に快感が無いとつまらない。そんな意味でもこのカメラは充分納得の品なのである。
<今日のミュージック>
寺島靖国「JAZZ BAR 2005」
DIW Records TYP-005 , 2005 ・・・・・・ より
このアルバムは、このシリーズ13枚の中では若干異色であまり聴かない方である。”kiss og fire”、”Red sales in the sunset”、”sway”など誰でも知っている聴き慣れた曲も多いのだが、それほど感動も無い。寺島靖国は”sway”は好きな曲とライナーに書いているが、私も好きな曲。ここではThe Andrew Read Trio が洒落た演奏とLisa Mackintosh のヴォーカルが、昔のローズマリー・クルーニーとペレス・プラードのヒットに対抗して、がらっとムードを変えているところが面白いが、それでも昔のローズマリー・クルーニーのインパクトには敵わない。
1.ドリーマー / ヴィート・シュベッツ
2.オルマンデ /ロバート・ラカトシュ
3.ムーンフラワー / ルイス・ヴァン・デイグ
4.アイ・フォール・イン・ラブ・トゥー・イーズリー / トーチ
5.フライ・オーヴァー / エルンスト・グレールム
6.ミスター・ボージャングル / フランクリン-クローヴァー-シールズ
7.ハヴァナ・ブルー / エリック・ヴァン・ダーリュイット
8.ノー・モア・ブルース / スライディング・ハマーズ
9.キス・オブ・ファイヤー / イングリッド・ルチア
10.夕陽に赤い帆 / 嶋津健一
11.ビバップ・タンゴ / デヴィッド・ゴードン
12.アイ・リメンバー・ジェフ / アラン・ミヨン
13.スゥエイ / アンドリュー・リード
14.オファー・リフューズド / ハクエイ・キム
15.グッドバイ / デヴィッド・ヘイゼルタイン
結局のところ私にとっては、2曲目のハンガリーのRobert Lakatos Trio”Allemande”は納得ものであるが、その他は最後のDavid Hazeltine Trioのアルバム「after hours」からの曲”goodbye”に魅力を感じたというところ。
David Hazeltine 「after hours」
Go Jazz 6032-2
David Hazeltine : piano
Billy Peterson : bass
Kenny Horst : drums
ジャズ・ピアニストのデヴィッド・ヘイゼルタインは、ミルウォーキーで生まれ育ち、13歳にしてシカゴ、ミネアポリスにてデビューしている。ニューヨークが活動拠点。バークリー音楽大学准教授を務めるジャズ指導者でもある。アルバムも多く、なかなかクリアでメリハリのあるピアノ・プレイを演じてくれるが、私のような欧州派にとってみると、若干世界は違う。しかし時として聴かれるリリカルなメロディーはなかなか味がある。この”goodbye”は、結構お気に入りの演奏。
(試聴) このアルバムではないが、私の持っているヴィーナス・レコードからのアルバム「不思議な国のアリス」からの彼の演奏を聴いてみてください。
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