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2014年4月30日 (水)

ダニエル・サボーDaniel Szabo ピアノ・トリオ・アルバム : 「A SONG FROM THERE」

コンテンポラリー・ジャズ・ピアノ・トリオの楽しさ
Dsc_0964
 我が家の石楠花(シャクナゲ)も、今年も春の桜(しだれ桜)に続いて開花しました(左)。
 まさに春爛漫と言ったところです。厳しい冬に耐え毎年堂々と生きて行く植物には敬意を表したくなる一年の中での春の季節の感動でもあります。
     ~~~~
 さて、今日取り上げるミュージックは、ハンガリー出身(1975年生まれ)で、クリス・ポッターやカート・ローゼンウィンケルとの競演盤が高く評価された実績のあるダニエル・サボーDaniel Szaboだ。
 彼の演奏するジャズ・ロック(Free Mind Trio)の楽しさもさることながら、このピーター・アースキンにエドウィン・リヴィングストンというメンバーとのトリオを組んでの(特にアースキンのドラムスは期待もの)、2013年に録音された全曲オリジナルによる最新ピアノ・トリオ作品で、コンテンポラリー・ジャズの完成度の高さに驚くのである。
<Jazz>
DANIEL SZABO  PETER ERSKINE  EDWIN LIVINGSTON
 「A SONG FROM THERE」
          Szabomusic 1001 (disk UNION   DUJ 113 / 2014)
992
DANIEL  SZABO (p)
PETER ERSKINE (ds)
EDWIN LIVINGSTON (b)
Recorded in Los Angeles in May of 2013 by Talley Sherwood at Tritone Studio

 このアルバムの魅力はダニエル・サボーのアドリブの妙が感じ取れるクールと表現して良いだろうピアノ・プレイに加えて、ピーター・アースキンの更にサラっとしたドラムスが印象的なアルバムだ。
 NMVの紹介では・・・・・・・・・・・・・・
ダニエル・サボーのダークな魅力が完成の域に達した傑作”と評している。
さらにライナーからの紹介文は下記のようなところ・・・・・・・
そのダークな個性が演奏、作曲の両面で完全に確立され、恐るべき完成度にある本作品こそ、彼のキャリアでメルクマールとなる大傑作と位置付けたい。また2013年にリリースされたあらゆるピアノトリオ作品の中でも、個人的にナンバーワンに推薦するつもりだ。~その美麗なタッチとオリジナル曲の深い叙情性に安らぎを覚える。しかしその反面、彼の演奏、作曲に多大なる影響を与えた故郷ハンガリーのバルトークにインスパイアされた野獣性が裏テーマとして、マシナリーな禁欲さを持って呈示されるので、じっと聴いている内に、何やら心落ち着かないものが沸き上がってくるのである。~(ライナーより抜粋)
Index_042  (Tracklist)
  1.  Hun-Fro Blues
  2.  Kids' Dance (dedicated to Aron and Julia)
  3.  Eastynato
  4.  A Song From There
  5.  Barbaro Con Brio (Hommage ā Bela Bartok)
  6.  I Crooned It Before
  7.  Hun-Fro Blues-Alternate Take
 
 
 まあこれらの紹介は少々大袈裟だが、確かに洗練されたクールなプレイに、曲によっては抒情性も聴かれ、しかし真骨頂は時としてみせる”動”の部分のテンションの高い攻撃性もちらつかせ、決して単調で無い迫力も感じられる。
 1曲目” Hun-Fro Blues”は、アースキンのブラシによる音が先導してそこにサボーのピアノが変化に富んだアドリブを繰り返し、ベースとドラムスの繰り返すビートにのっての不思議なメロディーが展開する。更にドラムス・ソロもお目見えして、並でないコンテンポラリーな異次元に引き込んで行く。これは良いぞと・・・次の曲に期待充分。
 2曲目” Kids' Dance”ではサボーの抒情性あるピアノ・プレイ。そしてアーキンスのシンバルを主とした軽快にしてクール、そして躍動感あるところに圧倒される。ベースも描くところは負けてはいない。なるほどこれはコンテンポラリー・トリオとして一目も二目も置かざるを得ないのである。
  4曲目のアルバム・タイトル曲はピアノの印象的な旋律、そしてベースとドラムスのソロが登場して単調でない曲作りはお見事。5曲目”Barbaro Con Brio ”には一転してのアグレッシブなアップテンポの曲。このあたりの刺激も魅力の一つ。 
 
 あまりくどくど言うのを止めて聴いて欲しい。わたしのようなヨーロッパの哀愁、抒情派を好むものにも、このクールにしてややダークの色合いがあるも、ビートに乗ったジャズ世界は魅力がたっぷりであった。 
 

(視聴)

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コメント

古井戸さん,こんにちはmonakaです。
このアルバム、確かに確固たる意志のあるピアニストで必ずポジションを示すような人ですね。
ここのところ、聞かなければと思うピアニストのアルバムが矢次ばやにでていています。
まちがえたことをおもわないように聞きたいとおもっています。

さてガラティの情報ですが、ソロ・コンサートをグリーン・グレームの主催でやるらしいです。

ということは何らかの形で「September in japan」が発売になるのでしょうね。

グレイムのプロデューサーに発売、講演の問い合わせをしましたので、もし回答があったらお知らせします。

公演ですが下記の日程です。

07.25 (金) センチュリーコート丸の内 (東京)
07.26 (土) ポーラ美術館 (箱根)
07.28 (月) 石の蔵 (宇都宮)

行けるかどうか微妙ですが、行きたいですね。

投稿: monaka | 2014年5月15日 (木) 20時40分

 monakaさん、情報有り難う御座います。
 このERSKINEとSZABOの構築するクールにして繊細な部分は何とも言えず虜になります。
 ところで、ガラティは何としても・・・・と、思うところです。私の場合は、狙い所はやっぱり東京ですかね。
 諸々関係情報よろしくお願いします。

投稿: 風呂井戸 | 2014年5月15日 (木) 22時20分

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» 奥深さ A SONG FROM THERE / DANIEL SZABO [JAZZ最中]
大変評判も良いし、アースキンがドラムスを叩いているので買うことにした。このピアニスト前作ではクリポタがはいっていたので耳がどうしてもそっちにいってしまったから強い印象をもたなかったけれど、今度はピアノ・トリオだからはっきりと印象が持てるだろう。 まず...... [続きを読む]

受信: 2014年5月15日 (木) 20時41分

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