キャメルCamelの復活 : 新録音「The Snow Goose」を買ってお祝い
昨年から今年のUK、欧州ツアー大成功~アンディ・ラティマーAndrew Latimerが完全復活!
<Progressive Rock>
Camel 「The Snow Goose」
Camel Productions CP 0014CD / 2013
多血症の治療で骨髄移植術後の骨髄線維症になり、その闘病生活から復活したキャメルCamelのバンド・リーダーであるギタリストのアンディ・ラティマーAndrew Latimer。2013年10月のUKから始まった今年の春までの欧州ツアーは全ての会場がSold outで、彼の復活を歓迎した。あの名作3rdアルバム「The Snow Goose」を引っさげて「The Snow Goose TOUR」としてキャメルの原点に戻っての復活劇。
思い起こせば、アンディ・ラティマーの過去の総決算的アルバムであった2002年の「A Nod And Wink」以来12年も経つんですね。'90年代はこのバンドも完全にアンディ・ラティマーのバンドになってBassのコリン・バスColin Bassと2人で「Dust And Dreams怒りの葡萄」 、 「Harbour Of Tears港町コーヴの物語」と名作コンセプト・アルバムを作り上げたが、その後の2003年には彼の多血症によって闘病生活に入ってのCamelの活動は休止、そして完全に消え去ったと思われていた。
しかし、ラティマーの主として映像もののディレクターをかって努めていたデビッド・ミナシアンが自己のアルバム「Ranrom Acts Of Beauty」を2010年にリリースしたが、そこに一曲だけラティマーが参加していた。これによってラティマーの復活が期待されたが、あれから3年経過の復活劇であった。
さてこのアルバムは完全に1975年版の復活祝いの再録音、オリジナルに一部を除いてかなり忠実に演奏している。ラティマーのギターが色濃くはなってアレンジもしているが、とにかく私としては、良し悪しよりお祝いとしてやっぱり買うことにしたというところ。
なにせもう40年近く前の作品の復刻。しかもこのアルバムに記しているように(”This recording is dedicated to the memory of Peter Bardens(1945-2002)”)、バンドCamelの歴史はキー・ボードの亡きピーター・バーデンス主導で始まったといっていいもの。アンディ・ラティマーは当然彼と共に歩み、バーデンスが脱退したその後も究極のところ彼がこのバンドを発展させ守ってきた。既にこの3rdあたりからは、ラティマーの力も大きくなってきていたのだった。
(私自身は、バーデンスの作品よりもラティマーのギター主導となった「Stationary Traveller」以降の方が好きなんですが・・・・)
さて、もともとこのアルバムはアメリカの作家ポール・ギャリコの「スノー・グース」を元に作られたキャメルのオリジナル曲。英兵がダンケルクの戦いで救援を待つ、それを救ったフリップ・ラヤダーがその後砲弾を浴びて倒れる。この醜い人嫌いの男と少女との間の純情の関係を、傷ついた一羽の鳥を媒介として語る哀しき物語を描いている。このあたりは生死の境の大病、そしてその後襲った全身の疼痛の悲劇、そしてそれを克服して復帰したラティマーの10年の闘病生活がどうもダブって来てしまって私自身も感傷的になって聴くという状態になっている。
さてここまで復活が現実となると、次なるラティマーの新作アルバムに期待と言うことだ。このあたりの情報はまだ私自身は得ていないが、そこに初めて我が愛するキャメルつまりアンディ・ラティマーの復活があると期待しているのである。
(視聴) 多分、もうステージには立てないと思っていたに相違ないラティマーの復活ライブにおける嬉しそうな顔が印象的です・・・・・・・・
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コメント
お久しぶりです。久しぶりのキャメルの話題なので、思わず反応してしまいました。
以前にも書きましたが、元気な頃のアンディ・ラティマーのライヴが忘れられません。当時はレイザーディスクで見ていました。
彼もまだ65歳、病気が回復して何よりですが、もう一花咲かせてほしいですね。
投稿: プロフェッサー・ケイ | 2014年5月20日 (火) 22時56分
プロフェッサー・ケイさん今晩わ。
ほんとに良かったですね、ここまでライブ活動が出来るまでにラティマーが回復したと言うことは。なにはともあれ喜んでいます。映像をみると元気そうです。又ベースのコリン・バスも結構歳を取りましたね。
わたしもレーザー・ディスク時代のライブ映像「PRESSURE POINS~live in concert」には感動でした。その後あの日の完璧全曲収録映像も出て喜んだのを思い出します。
さてさて、こうなれば彼のニュー・アルバムをなんとしても期待してしまいますね。
投稿: 風呂井戸 | 2014年5月21日 (水) 21時08分