ダイアナ・クラールDiana Krall 2013年ライブ映像~「Netherlands 2013」
”グラッド・ラグ・ドール”ツアーのロッテルダム「north sea jazz」映像
<Jazz>
(DVD) Diana Krall 「North Sea Jazz ~Netherlands 2013」
ダイアナ・クラールの古きよき時代を彼女なりきの解釈で描いた2012年のアルバム「グラッド・ラグ・ドール」。そのリリースに伴っての2013年ツアー、オランダ・ロッテルダムでの「ノース・シー・ジャズ・フェス」の模様が記録されたブートものとはいえプロショットの良好映像版である。
そもそもあのアルバムは彼女の一つの挑戦であったと思うが、ちょっと私の期待は裏切っていた(参照 : 「GLAD RAG DOLL」~2012)。しかしこうしてステージを観てみると、がらっと印象は変わってくるから恐ろしい。やはりライブの魅力はジャズの醍醐味なんでしょうね。
Diana Krall (vocals, piano)
Stuart Duncan (viola, guitar)
Aram Bajakian (guitar)
Patrick Warren (keyboards)
Dennis Crouch (double bass)
Karriem Riggins (drums)
彼女の演奏としては、今までにない構成だ。ビオラ、キーボードが加わっての6人編成。いつものギタリストAnthony Wilson に変わって、Aram Bajakian が演ずる。そんなところもフレッシュな印象がある。しかし彼女の近年のピアノ・プレイはその充実度は増すばかりで、熱演を今回もしてみせる。そしてハスキーな歌声は、相変わらずの一種独特の魅力を発揮するダイアナ・クラール・ワールドだ。
(Setlist)
1.We Just Couldnt Say Goodbye*
2.There Ain't No Sweet Man That's Worth The Salt Of My Tears*
3.Just Like a Butterfly That's Caught In The Rain*
4.Everything's Made For Love
5.Let It Rain*
6.Temptation
7.Peel Me A Grape
8.Frim Fram Sauce 9.A Man Needs A Maid / Heart Of Gold
10.I'm Gonna Sit Right Down And Write Myself A Letter
11.How Deep Is The Ocean?
12.On the Sunny Side Of The Street
13.Lonely Avenue*
14.Just You, Just Me
15.I'm A Little Mixed Up*
(TOTAL 1h18min)
オープニングはアルバム「GLAD RAG DOLL」と同じにHarry M.Woodsの”We Just Couldnt Say Goodbye”。かっての懐かし華々しさのジャズ・ムードが展開する。このステージではアルバムから*印の6曲が登場するが、やはりビオラの音などが入って、彼女の今までになかった世界への挑戦が見て取れる。しかし無声映画の時代の曲”Let It Rain”はしっとりと歌い上げてなかなかいいムード。
その後は、彼女の得意のレパートリーの”temtation”だが、このメンバーのギターのBajakian始めそれぞれの熱演で、かってと印象が変わってリズミカルで面白く仕上がっていて聴きどころ。彼女のピアノ及びキーボードを操ってのアレンジは過去にも増して熱演で聴かせる。これはロックの愛好家にも聴いて欲しい仕上がり。この曲だけでもこのステージは大いなる価値があったことが窺える。
この後4曲は彼女のピアノ・ソロとヴォーカルで楽しませる。そしてその後再びメンバーが揃ってPaul Whiteman のカヴァーの”How Deep Is The Ocean?”を演ずるがこれまたムーディーな良い味が出ていて彼女の真骨頂。更にアルバムからのレイ・チャールズのヒット曲”Lonely Avenue”が、彼女の解釈で見事に現代の負の部分を感じさせるべく印象を与えてきて、ダークな中に感動を呼ぶ熱演、これは名演と言ってもいいのではと思う。いっやーー、やっぱりライブは良いですね。
こうしてライブ演奏を見てみると、この私の否定的であったアルバム「GLAD RAG DOLL」もなかなか興味あるものに感じてきた。
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