私の愛する老兵カメラ(9):ニコンF2フォトミック / (jazz)ロニー・リン・パターソン=ピアノ・トリオ
多くを語る必要の無いまだまだ現役カメラ
NIKON F2 Photomic
「ニコンF」は日本の一眼レフの代表的のようなカメラであるが、そもそもかって1950年代はニコンの主力カメラは、レンジファインダー式の「ニコンSP」である。「ライカM3」以上の誉れ高いカメラであったが、しかしこのレンジファインダーの分野は圧倒的にライカを主力としてドイツの独壇場で有った。そこで日本はそれ以上のカメラの機能的先進性を狙っての一眼レフの開発を試みたわけだ。そんな事情で、ニコンにおいても先ずは「SP」の発展型として、その部品を流用して一眼レフファインダー式カメラとして製作され、日本の各社に遅れて1959年に発売されたものが「ニコンF」だ。そして外部測光式のフォトミックファインダーを搭載した「ニコンFフォトミック」が1962年に発売され、1964年の東京オリンピックでその地位を確立したカメラだ。その後1965年にはTTL測光のフォトミックTファインダーを搭載して一つの完成品となったのである。
しかし所詮「SP」からの流用製作は難点も有り、「SP」から脱却しての完全な一眼レフとしての基本構想で作り上げたのがこの「ニコンF2」である。そして1971年にフォトミック・ファインダー搭載を標準としてこの「ニコンF2フォトミック」が発売された。
日本で初めて35mm一眼レフが発売されたのはニコンに先駆けて7年前の1952年に、旭光学(現ペンタックス)が発売した「アサヒフレックス」(左←)であり、それから日本のカメラ王国の歴史が始まったと言って良い。
ここに紹介した「ニコンF2フォトミック」は、実は私の父親の愛機であり私が引き継いでいるが、この当時は私の場合は、「ミノルタSRT101」そして「ミノルタXD」と、そんな流れが主力カメラであった。
もともと日本の一眼レフの歴史は、旭光学に続いてマミヤ光機「マミヤプリズマットNP」そしてオリオン精機産業の「フェニックス」「ミランダT」であり、東京光学「トプコンR」そして千代田光学精工の「ミノルタSR-2」(右→)である。
そしてその後に遅れてキャノン、ニコンが参入したという歴史なのである。こんな一眼レフの歴史をみるとこの60年の流れはほんとに興味津々たる日本の歴史でもあるのだ。
しかし現在のデジタル・カメラにおいても、この光学一眼レフの優秀性は生きている。又一方、歴史的フィルムの味はまだまだ捨てがたく、この「F2」を代表にしてフィルム・カメラは愛好家によって大切にされているのである。実は私もその一人なのであるが・・・・。
<今日のミュージック>
<Jazz>
寺島靖国「Jazz Bar 2009」
TERASIMA RECORDS TYR-1015 / 2009
寺島靖国の「Jazz Bar」シリーズの9枚目。相変わらず心を擽るピアノ・トリオものを中心に楽しませてくれる13曲が収められている。
そして7曲目のMAYAと、10曲目のCarin Lundin のヴォーカルものがうまく中休みを作ってくれる配置で聴きやすいアルバム。この2009年版もオムニバスとは言え全体としてのまとまりのよいアルバム。
1. PAINT IT BLACK / John Nazarenko Trio
2. MOSCOW NIGHT / Trio Acoustic
3. AUTUMN FIRE / Craig Schneider
4. 17 ROOMS / Misha Piatigorsky
5. LANGEBRO / Joakim Pedersen
6. ADORACAO(ADORATION) / Eric Reed
7. TRES PALABRAS / MAYA
8. FREEDOM FIGHTERS ADAGIO / Ronnie Lynn Patterson
9. CHAN CHAN / Matej Benko
10. JAG KAN SE DIG NARI / Carin Lundin
11. MELODY FOR ALON / Omer Klein
12. MONSIEUR PHILLIPPE / Phil Wright Trio
13. TANGO PARA MI PADRE / Kurt Ribak Trio
私は5.8.11の3曲はお気に入り。その中でも私の注目曲と言えば8曲目のRonnie Lynn Patterson の”Freedam Fighters Adagio”ですね。この寂しげなムードはたまりませんね。これは左のアルバム・・・・
Ronnie Lynn Patterson Trio 「FREEDOM FIGHTERS」
(Zig Zag Territories, ZTT 080802, 2008 )
・・・・・・・・・からの曲。
このピアニストのパターソンというのは黒人のフランス人。やはり黒人としての背景にフランス仕込みというムードを持った演奏だ。
Ronnie Lynn Patterson : piano
Louis Moutin : baterie
Stéphane Kerecki : contrebasse
このアルバムでは10曲中8曲がパターソンの曲。抒情性とスリリングが隣り合わせのような構成で、これ又印象深いところにある。オープニンクと締めくくりがAdagioとAllegroで纏め上げたところは洒落ていますね、なかなかの好盤。
(試聴)R.L.Patterson Trio
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