グロリア・エステファンGloria Estefan : 「THE STANDARDS」
ラテン円熟歌姫のジャズ・スタンダード
<Jazz>
GLORIA ESTEFAN 「THE STANDARDS」
Crescent Moon Records 8876 546064 2 , 2013
あのラテン・ロックのサンタナがリリースしたラテンの祭典みたいなアルバム「CORAZÓN」はまさに華々しかったですね。あのアルバムに登場するグロリア・エステファンGloria Estefan(参照 :http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/santana-corazn-.html)は、やっぱり聴き応えあった。彼女のラテン調のどちらかというとジャズと言うよりはダンス・ポップ・ミュージックは、世界的に名を轟かせてきたところだ。既にベテラン歌手の彼女が昨年ジャズ・スタンダードを歌ってのアルバムをリリースしていたことを遅まきながら知って、ここに聴いているというところなんです。
登場するは、左のように13曲。いつもの踊って歌い上げるというパターンではなく、結構渋めに控えめに・・・と言ったところ。その為このアルバムでは、中低音を生かして、そしてややハスキーに、更に大人っぽさというか、円熟味を充分に披露して説得力ある唄が聴かれる。そうは言っても、やっぱりラテンっぽい節回しが登場したりして面白いスタンダード集。
そしてここに登場する曲には自らが英語の歌詞を付けた”The day you say you love me”のようなものもあるが、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語、フランス語と登場して、いやはやなかなか達者です。
ゲストは演奏陣に加えて、曲”Sonrie”ではイタリアの歌姫ラウラ・バウジーニとデュエットも披露。
かなりこのジャズ・スタンダードへの挑戦は、かねてからの志があって、充分その時を期しての製作であったようだ。それだけ円熟歌唱が充分感じられる出來なのである。
このアルバムでは、バックを支える演奏陣も充実していてオーケストラも入る。彼女の音楽人生の一つの形と言っても良いものと思う。
Dean Parks : Guitar
Chuck Berghofer : Bass
Gregg Field : Drums
Shelly Berg : Piano
Emilio Estefan : Alto, Tenor Sax
etc.
Miami Symphonic Studio Orchestra
グロリア・エステファンはReal Name は、Gloria Maria Fajardo で、1957年9月生まれ、従って今年56歳といことになる。キューバ生まれで、キューバ革命の時に家族とともに米国のフロリダ(マイアミ)へ移住したという経歴が有り、英語、スペイン語、フランス語などに通じている。それは苦労してマイアミ大学に入学して心理学、フランス語を学び学問の道にも身を寄せた結果のようだ。
そこで音楽バンドを演じていた夫のエミリオ・エステファンと出会って、音楽への道へと歩むことになったらしい。
とにかく米国とは言え、マイアミというのはキューバ人が主体の地であり、キューバ・ミュージックの拠点。
そして1980年代に、夫のマイアミ・ラテン・ロックのバンド「マイアミ・サウンド・マシーン」でリード・ヴォーカルを努め、世界的に知られる存在になった。
既に7度のグラミー賞受賞し、世界で1億枚のセールスを記録しているとか、その実績は凄い。
(視聴)
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コメント
お邪魔します。門外漢の私ですが、グロリア・エステファンだと知って、ビックリしました。80年代はマイアミ・サウンド・マシーンとともに、チャートを賑わせていた彼女です。今はジャズの分野でご活躍中だとは、露ほども知りませんでした。
それにしてもアメリカの女性シンガーは、リンダ・ロンシュタットをはじめ、ジャズの分野にも進出する傾向があるようですね。
投稿: プロフェッサー・ケイ | 2014年7月25日 (金) 22時19分
プロフェッサー・ケイさん、お早う御座います。
グロリア・エステファンは、さすがケイさん、しっかりかっては聴いていたんですね。私は少々でしたが、先日のサンタナのオールスター・アルバム「CRAZÓN」で、なかなか大人の味が出ていて、”変わったなぁ~~”と、久しぶりに注目して聴きました。あのアルバムでもやっぱり花ですね。・・・こんなことから最近のアルバムに注目してみましたら、昨年こんなジャズ・スタンダード・アルバムですっかり円熟の花になっていました。
投稿: 風呂井戸 | 2014年7月26日 (土) 08時43分