ミシェル・ビスチェリアMichel Bisceglia のピアノ・トリオ「singularity」
透明感のある美旋律のピアノに圧倒される
あの寺島靖国の「Jazz Bar 2007」で知らしめられた美旋律ピアノのトリオ曲”Paisellu miu”。この曲は、ミシェル・ビスチェリアMichel Biscegliaというベルギーのピアニストによる右のアルバムに収録されている。(参照 http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/post-402b.html )
「INNER YOU」 (Prova Records, PR0701-CD1, 2007)
Michel Bisceglia (p)
Werner Lauscher (b)
Marc Lehan (ds)
(Tracklist)
1,Sandino
2.Out to Sea
3.Lorenz Factor
4.Softly as in a morning sunrise
5.Simone
6.Paisellu Miu
7.With Purpose
8.Blues for alice
9.Side Square
10.The Traveller
このアルバムはトップにチャーリー・ヘイデンの”Sandino”が登場し、ビスチェリア自身のオリジナルも5曲。全編美旋律の洪水だ。そしてこのアルバムに引きずられて、目下彼の5アルバムを聴いているが、とにかくどれもゆったりとしていて聴きやすくそして流麗なメロディーと哀愁感は、天下一品。
そこで最新作をチェックしてみよう。 ↓
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<Jazz>
michel bisceglia. singularity
Prova Records , PR1401CD22, 2014
ミシェル・ビスチェリアの今年のニュー・アルバム。メンバーは上の「INNER YOU」と同一のトリオ。(これには同時に「my ideal」というライブ・アルバムも一緒にリリースされた。ここには7曲収録されていて、「INNER YOU」から、”Out to sea”が登場し、更にあの哀愁の名曲”.Paisellu Miu”が聴けるし、プロコム・ハルムの”青い影 a whiter shade of pale”も演じられている)
このトリオのリーダーのビスチェリアはピアニスト、作曲家、アレンジャーとして目下油の載ったところ。ベルギー人であるが、どうもイタリア系らしい。彼の紹介などを見ると、やはりビル・エヴァンスやキース・ジャレットに影響を受け、そしてラフマニノフに傾倒しているようだ。 1970年生まれで、1997年以来現メンバーでトリオを編成してCDをリリースしている。ヨーロピアン・ピアノ・トリオにおいて、もはや重要な一人にのし上がっている。
このアルバムは、左のように9曲。オリジナル曲を展開しているが、とにかく聴く者にとって説得力のある心に浸みるメロディーと演奏が続く。特に近年のジャズの一つの流れである攻撃的な方向はない。つまりオーソドックスで精神安定剤的演奏につつまれる。メロディーもなかなか哀感が漂っていて魅力的。
はっきり言って、特に集中して聴くということでなく、バックグラウンド・ミュージックとして流していても抵抗がないと言うかグッドである。これもジャズの一つの大事な要素と思っているが・・・。
(視聴) ”Puccini”
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コメント
私もJAZZ BAR 2007で知って、そのアルバムに参った一人ですが、こんな新作が出ていたのですか ・・・。
投稿: 爵士 | 2014年7月17日 (木) 23時28分
爵士さん、こんにちわ。
Biscegliaも日本でこのところ認識が高まっているようです。「INNER YOU」は、しばらく手に入らなかったんですが、最近再入荷しているんですね。
2009年には、彼のオリジナル曲アルバム「INVISIBLE LIGHT」が出てますが、これはやや前進的な線を狙ってますが、相変わらずの楽しめるアルバムです。あとスタンダード集「The Night and The Music」も・・・と。これからも期待株ですね。
投稿: 風呂井戸 | 2014年7月18日 (金) 18時36分