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2014年9月29日 (月)

マリス・ヤンソンスによるショスタコーヴィチ「交響曲第10番」

マリス・ヤンソンスの執念的ショスタコ10番の録音

<Classic>

          MARISS JANSONS (Chief Conductor)
         ROYAL CONCERTGEBOUW ORCHESTRA AMSTERDAM

       
SHOSTAKOVICH  SYMPHONY No. 10 in minor,OP.93
                                     
  RCO RCO13001 ,2013
                  Recorded Live at Concertgbouw Amsterdam
                  on 29 january 1 and 4 February 2009
        SACD(Hybrid)  DSD multichannel surround 5.0

No10

  久々にクラシックの話題である。マーラー、ブルックナーなど比較的難解にして長大な交響曲に対してきているマリス・ヤンソンス(Mariss Ivars Georgs Jansons 1943-)であるが、彼にとってはマーラーと共にこのショスタコーヴィチは更に一層生涯をかけてのテーマであることは想像に難くない。既に過去にショスタコーヴィチ交響曲の全曲録音は成し遂げているが、更にこうして新録音にも意欲たっぷりである。

 
 (参照) ①http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/11-8bab.html
       ②http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/post-b798.html
      ③http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/post-b181.html

Dmitrishostakovich1
 私が惹かれるショスタコーヴィチの第10番こそ彼の真の姿の交響曲とも言えるのかも知れない。
 しかしこの交響曲の悲劇的発想により、共産国家に対しての反体制的発想とのジダーノフ批判を再び呼び起こした「第十論争」という物議をかもした問題作であった。
 しかしこの前作「第9番」が共産国建設礼賛を期待した国家的期待を裏切った作品であったことによる彼の立場の急落後、8年というブランクを開けての作品であったが、批判とは裏腹に、初めて彼の心を描いた作品としての評価も勝ち取ったものでもある。それはスターリンの死を見届けて一気に書き上げた作品として、スターリンと自己の対比を描ききったものとの解釈と、その悲観的な世界が何を意味しているかが、今でも批判と感動の交錯するショスタコーヴィチの重要な交響曲なのである。

 チェロとコントラバスによる序奏から始まる第一楽章、真寡の問われた「証言」によるとスターリンを描いていると言われる猛烈な勢いの弦楽合奏を展開する第二楽章、そして彼の名前を旋律にした暗示的な第三楽章、悲痛な序奏から彼の音名の連呼で終わる第四楽章。こうした内容に、個人の表現の自由を訴えた切実な声と理解されている。

 さてこの交響曲は、あのカラヤンも多くのショスタコーヴィチの交響曲の中で、この第10番のみを二度録音している(Dg Originals  4775909 , 1981年ベルリン・フィル)。その意味はどこにあるのかは想像によるしか無いが・・・・

Jansons1
 ここに紹介した盤の指揮者マリス・ヤンソンはショスタコーヴィチを演ずるにエネルギーを注いでいるラトビアの指揮者だ。彼は前にも触れたように、この盤の録音前にも「ショスタコーヴィチ全集」を出している。この全集の最初の録音は第7番で1988年、最後に録音されたのが第13番で2005年のもので、18年の作業であった(この全集の第10番は、1994年にフィラデルフィア管とセッション録音)。
 彼は、ショスタコーヴィチの理解者であったムラヴィンスキーで有名なレニングラード・フィルファーモニーの指揮者でもあったアルヴィド・ヤンソンスの子で、リガで生まれた。母親はユダヤ系で父親や兄弟をリガ・ゲットーで殺害された人だ。ショスタコーヴィチがソ連の反ユダヤ主義に批判的であったこと(交響曲第13番)からもマリス・ヤンソンのショスタコーヴィチへの理解を試みるところは当然想像できるところだ。そしてムラヴィンスキーの下で共同作業も経験してきている。
 現在は、レニングラード・フィル(現サンクトペテルブルグ・フィル)の指揮者から始まって国際的に広く招請を受け指揮をとっている。

Sym10 さてこのヤンソン指揮盤は、SACD盤でDSDマルチチャンネルによっての録音も素晴らしい。ハイレゾ・オーディオの時代になって、CDへの要求も厳しい昨今であるが、繊細な音の表現も良く臨場感に於いても最右翼である。
 私は旧来ムラヴィンスキー盤(←Victor VICC-40256、1976年録音)を愛聴してきたが、最近聴いたこのヤンソンには、演奏の緻密さとダイナミックスさが充実していて喝采を浴びせるのである。

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2014年9月25日 (木)

ジョエル・レンメル・トリオJoel Remmel Trio : 「MORE THAN FISHERMAN」

クラシカルな中にコンテンポラリーな試み~これぞ青春の成せる技か?

<Jazz>
           JOEL REMMEL TRIO 「MORE THAN FISHERMEN」
           ATELIER SAWANO / JPN / PMM006 / 2014

 More_than_fishermen

 昨年の夏にここで彼等の1stアルバム「Lumekristall」(2012年作品)を取り上げたのだが・・・、これはその若きトリオの2ndアルバム。
 メンバーは下記のとおりで変わっていない。ドラマーのAleksandra は女性で、彼女の曲が1.、7.曲(*印) の2曲。2曲目の” Still Alive ”(**印)がHeikkoの曲で、その他全てJoel Remmelの曲というところ、つまりオリジナル曲によって構成されている。

Joel Remmel (p)
Heikko Remmel (b)
Aleksandra Kremenetski (ds)

1. Imeline nouandja *
2. Still Alive **
3. More Than Fishermen
4. Maast lahti
5. Jaanuari vihm
6. Correction
7. Lullaby *
8. Seitsme maa ja mere taga
9. A Cat with a Short Tale

Trio5 いっや~~、このトリオ、確実に前進していますね。クラシックをベースとした印象の曲と、ジャズに新しさを求めての試みがうまく合体して楽しめます。
 Aleksandraの2曲(1.7.)では特にクラシカルな雰囲気が出ている。ベースもピチカートに加えアルコ奏法(ボウイング奏法)がそのムードを盛り上げる。
 又アルバム・タイトル曲” More Than Fishermen”や8曲目の”Seitsme maa ja mere taga”などでは、なかなかの複雑な展開を三者のアンサンブルが効果を上げてテクニカルにもそしてセンスにおいても優れたものを感じられる。
 又5.6.曲目の” Jaanuari vihm”、” Correction”では、スローな中にもニュー・ジャズへの試みがあり、思索的な流れを作り上げている中に緊張感を生んでいる。音の一つ一つの余韻をしっかり生かして、若さの挑戦も感じられるところだ。こうゆうのが私は好きなんですが、これにはこのアルバムの録音の良さも貢献している。ベースのまろやかさとシンバルの繊細な音も見事に生きている。

 全体に非常に印象の良いアルバムに出来上がっている。メンバーのJoel Remmel とHeikko Remmelは兄弟のようで、その父親は現在もジャズで活躍しているベーシストTaavo Remmel だという。音楽環境に恵まれて育っているようで、これからの更なる北欧のジャズ・ミュージック・シーンで活躍し、そして世界に羽ばたいて欲しい。

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2014年9月22日 (月)

ピンク・フロイド・ソング・トップ10 TOP10 - PINK FLOYD SONGS

ULTIMATE CLASSIC ROCK 発表の ピンク・フロイド・ソング・トップ10

 「ULTIMATE CLASSIC ROCK」では、歴史的な1970年代から1980年代には、トップを走り続けたピンク・フロイドの14アルバムを考察し、シド・バレット時代の”サイケデリック・バンドMind-Tripping Psychedelic Band”から、ソング・ライターであるロジャー・ウォーターズ主導の”Progressive Rock Band”への流れのなかで、トップ10を選定した。

(参照) ULTIMATE CLASSIC ROCK
       http://ultimateclassicrock.com/pink-floyd-songs/

    その結果の10位から~~~

Top102_2  やっぱりアルバム「狂気The Dark Side of The Moon」が強いですね。”Money”で資本で動く社会批判がロジャー・ウォーターズによって叫ばれているし、”Brain Damage”が強烈な印象を植え付けた。
   シド・バレット時代が10位に入っていて良かったです。
 そして以下、5位から輝く1位は以下の通りである。

Top101_5 結局のところ、「ザ・ウォールThe Wall」、「炎Wish You Were Here」あたりがやっぱり強力なんですね。ライブで人気のあった”Time”が健闘していて驚きました。
 やっぱり”Comfortably Numb”はロック史に残る歴史的産物ですね。ウォーターズが幼少年期に発熱にうなされた気持ちからの現実から離れた世界を歌い上げた。ギルモアのギターも最も支持を得た曲ですね。

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2014年9月19日 (金)

フランチェスカ・タンドイ・トリオFrancesca Tandoi Trio の1stアルバム「FOR ELVIRA」

美女のピアノ・プレイとヴォーカルと・・・・・

<Jazz>
          Francesca Tandoi Trio 「For Elvira」
          ATELIER SAWANO,  AS140 ,  2014

Francesca_2
 これは完全にジャケ買いの世界ですね(笑)。私が手にすることになったのは、これは美女狩り得意の友人の紹介なんです。
 ピアノ・トリオですが、この美人ピアニストのフランチェスカ・タンドイの初物アルバムです。

  Francesca Tandoi (p,vo)
  Frans van Geest (b)
  Frits Landesbergen (ds)


 そして更に注目は、下のこのアルバムのTracklistを参考にしてほしいのですが、ピアノ・トリオであるが、曲によって彼女のヴォーカルも入る(4. 7. 9. 12. の4曲)。初聴きにおいて突然4曲目に彼女のヴォーカルが入ってちょっとビックリ。
 彼女はイタリア生まれだが、ハーグ王立音楽院で学んで、オランダにて現在活躍中とか。そしてこのアルバムでは彼女のオリジナル曲も2曲(*印)登場するが、その一つはアルバム・タイトル曲の”2.For Elvira”で、”1. In A Mellow Tone ”でスウィングするジャズを聴かせた後、この曲になってしっとりとしたムードを演ずる。こうしたところは結構私好みの展開だ。

(Tracklist)
1. In A Mellow Tone
2. For Elvira *
3. Love For Sale
4. P.S. I Love You
5. Dedicated To You
6. Parker 51
7. Estate
8. Mice's Blues *
9. You Do Something To Me
10. I'm Confessin' That I Love You
11. You're My Everything
12. Goodbye


Francesca20tandoi203
 ピアノ・ブレイは、ジャズの醍醐味であるスウィングも手慣れた感があるし、ユーロ調のメロディアスな流れも得意としているようで、アルバムの曲演奏構成もメリハリがあって良い。しかしこのアルバムは、Duke Ellington、 Cole Porter、 Gordon Denkins、Stan Getz などの曲を取り上げているので、いわゆるユーロっぽいニュー・ジャズの味はそれ程無い。”7. Estate ”を聴くと、ピアノのタッチがなかなか流麗と抒情性があって期待するところだが、自曲の”Mice's Blues ”では、いわゆる抒情性というのでなくリズムから生まれる楽しさが彼女の狙いなのかも知れない。どちらかというとオーソドックスなジャズで聴き安い。これから彼女のカラーがどんな方向に向かうのか?、まずはそれを楽しみとしておく。
 
 そうそう彼女のヴォーカルは、低音部に於いてはソフトでマイルドでなかなか魅力ある。そして高音部に於いては、ややキュートなところを狙っての作為的な発声をするところも感じられ、ちょっといまいち。もっと自然に大人っぽく歌ったらと思うのだが・・・、まあ取り敢えず聴いておきましょうというところだ。

(視聴)

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2014年9月15日 (月)

ティングヴァル・トリオTingvall Trio : ニューアルバム「BEAT」

インターナショナル・トリオの6作目も美しい世界だった

<Jazz> 
      TINGVALL TRIO 「BEAT」
               SKIP RECORDS   SKP9137-2  , Germany , 2014

Beat
 スウェーデンのピアニストのティングヴァルMARTIN TINGVALLとキューバのベーシストOMAR RODRIGUEZ CALVO、ドイツのドラマーJÜRGEN SPIEGELよりなるインター・ナショナル・トリオの6作目。今作はハイレゾ音源の供給やLPでのリリースもあり、音にもかなりこだわった作品。彼等の2006年からのDiscographyは下記のとおりである。

Skagerrak (2006)
Norr (2008)
Vattensaga (2009)
Vägen (2011)
In Concert (2013)
Beat (2014)

 そしてこのアルバムのtracklistは下のような12曲。

Beatlist_2

  2ndアルバム「Norr」を聴かせていただく機会がもてて興味を持つことになり、2006年の1stアルバム「SKAGERRAK」 、そしてこの最新アルバムに手を付けてみた・・・。従って私にとっては彼等は3作目になるのだが、ブログなどの諸氏の感想を見ると、E.S.T.と良く比較されているが、リズム・テンポの変化はあっても私はあまりそうしたイメージは感じない。もしろ彼等の世界の基本的な印象はクラシック調にあって、それにジャズ心が絡んでくる。アップテンポぎみになったときに、なんとなくロックからの影響を受けているのかなと思わせるところもあるが、それでも主流は端麗なメロディーをメランコリックに流してくれる。あまりフュージョンぽいところにはゆかない。

Trio2_2
 全曲、ピアニストのティングヴァルによるもので、それをトリオのメンバーがそれぞれの個性を出して編曲しているというパターン。一曲目”Den Gamla Eken”は、ウッド・ベースのアルコ奏法にピアノの旋律が美しく流れ、まるでクラシックを聴いている世界だが、2曲、3曲とジャズゥイな演奏を展開。そしてアルバム・タイトル曲の4曲目”Beat”は再び耽美的な演奏に戻り、アルバムの中ではそうした曲の配列の抑揚の見事さを感ずるところ。
 又7曲目”Heligt”は、一つの物語を映画で見ている気持ちにさせるピアノの調べで、壮大に展開する。
 技巧的に高度な演奏かどうかということは私には難しい評価で、ここではそれは別にして、極めて真摯な世界を折り目正しい姿勢で展開してくれるのである。とにかく聴き安いジャズ・ピアノ・トリオで安心して対応できる。そして最後の”De Vilsna Tomten”の美しいピアノには感服してしまう。

(視聴)
   ”BEAT”

   
       ”Den Gamla Eken”

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2014年9月11日 (木)

フェイツ・ウォーニングFates Warning 「DARKNESS IN A DIFFERENT LIGHT」

9年ぶりのアルバム~再びメタル色が濃くなるが・・・・・

 プログレッシブ・メタルと言われるフェイツ・ウォーニングとのお付き合いも、考えてみるともう30年近いのである。ちょっとこの月日の流れの速いのには驚きというか、むしろ恐ろしさを感じてしまう。
 私が彼等のアルバムに気合いが入ったのは「NO EXIT」(1988年)からで、詳細はこのブログの過去の記事に譲って、この彼等の最も直近のアルバムは昨年2013年リリースした「DARKNESS IN A DIFFERRENT LIGHT」であり、遅まきながらここで取り上げる。

   (参照)「フェイツ・ウォーニングのプログレッシブ・メタルの道」
  http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-cab7.html
    http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-c8c6.html

<Rock>

 FATES WARNING 「DARKNESS IN A DIFFERRENT LIGHT」
          INSIDE OUT  0524-2, 2013

Darkness

 このアルバム・ジャケは折り鶴と日の丸様の赤い丸で、なんとなく日本をイメージしているかに見えるが、この黒い鶴が少々気になる。このあたりが一連の彼等のアルバム・ジャケの特徴で、暗示的なところがミソ。

 どうしても9年ぶりとは思えないのですが、そうなんですね・・・あの2004年の「FWX」以来ですから、長い間を経てのリリース・アルバム。
 

Fw2
ジム・マテオス(Jim Matheos) :ギター
レイ・アルダー(Ray Alder) :ヴォーカル
ジョーイ・ヴェラ(Joey Vera) : ベース
フランク・アレスティ(Frank Aresti) : ギター
ボビー・ジャーゾンベク(Bobby Jarzombek) : ドラマー

 このメンバーを見て解るとおり、私が最も気になるのは前作そして今作とキー・ボードが無くなっていることだ。ドリーム・シアターを脱退したケヴィン・ムーアが努めた2作「A Pleasant Shade of Grey」(1997)、「Disconncted」(2000)は、結構ドリーム・シアターを越えてお気に入りだったんです。そして今作はツイン・ギターとなって登場。それだけにメタル色の復活とヘヴィさの増強は十分感じられる。しかしやはりそうは言っても、レイ・アルダーのヴォーカルと歌詞からは現代社会の暗部の愁いがここにも描かれる。
Darknesslist

Tracklistは左の10曲(この他に4曲入りのボーナスCD付き)。相変わらす殆どマテオスとアルダーの手によっている。
 曲によってはアコースティック・ギターも入り落ち着いたムードをとりまぜ、又ツイン・ギターとベースでヘヴィ・メタルの唸りを聴かせる。とにかく彼等の看板である変調子、浮遊感、哀愁ムードとスリリングの交錯、そしてドラマチックな展開はお見事である。このアルバムの充実感はやはりドリーム・シアターのお手本であったバンドとしての面目躍如といったところだ。

(視聴)

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2014年9月 3日 (水)

ピンク・フロイド戦争再び三度・・・”ニュー・アルバム合戦”スタート

 ギルモア・ピンク・フロイドのニューアルバム「The Endless River」

 

 ロジャー・ウォーターズ ”パレスチナ問題に切り込むアルバム”制作中

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 とにかくこのアルバム「The Endless River」は、ピンク・フロイド20年ぶりの新作で、この10月リリース。既に話題騒然・・・・爆発的に売れることは既に約束されている。デヴィッド・ギルモアは、先に個人名義のアルバム「On An Island」(2006年)をリリースするも、ピンク・フロイド名義のアルバムとは雲泥の差の売れ行き。やはり興行的にはどうしてもピンク・フロイド名義が必要となり、またもやそれに固執。これにはギルモア夫人のポリー・サイモンと彼女を取り巻く一連の輩の商業主義が再び沸騰したことに他ならない。彼等には、そろそろビック・マネーが欲しくなったというところ。1994年のアルバム「対」のセッション・グループものを使って大義名分は亡きリック・ライトの音楽を継承して彼に捧げるとしている。
 いやはや何時になってもピンク・フロイドは偉大なり。どうせ出すなら良い作品を期待したいところ。

Roger_waters2620x412_2
 さてここでロジャー・ウォーターズはどうするか?。既に自分が命をかけて作ってきたピンク・フロイドであるが、その名義に対抗してもかなわいことは百も承知。しかしこのところ彼にとって最も関心事であるパレスチナ問題にメスを入れざるを得ない心境にある。既にアメリカが肩を入れているイスラエルを痛烈に批判、その為彼はかなりのパッシングを受けている。
 冴えたるものは、ウォーターズの”今のイスラエルはかってのナチスと変わらない”という発言、つまりパレスチナ・ガザ地区を「壁」で包囲して、彼等の活動やこの地区外への交流を認めないイスラエルの行為は、ナチス・ドイツのかってのポーランドにおけるユダヤ人拘束のゲットーと変わらないと指摘したのだ。彼の「The Wall World Tour」でもこのバレスチナ問題に対峙している。彼の人権無視の戦争行為批判は終わらない。

 目下制作中のアルバムは、ウォーターズらしく又々ニュー・スタイルを貫くらしい。つまり”語り”あり、”SE”あり、勿論”彼の主張”ありの一風変わった”人権主張”のニュー・スタイル・ミュージック・アルバム(”放送劇”タイプとの噂が流れている。目下アルバム・タイトル不明)。
 ピンク・フロイドから離れての、良い意味での彼の歩みを更にエスカレートさせる。70歳になっても彼は問題意識からの作品作りにエネルギーを注いでいるようだ。
 多分これは商業ベースに乗せることは難しいことは本人も十分解ってのことだろう。社会・人間追求派としての成さねばならない一つの自己にとってのやむにやまれぬ採算度外視のミュージシャン魂として評価してやろう。
             * * * * * * * * * * * *
 そして又ロジャー・ウォーターズは、彼の2010ー2013年の4年にわたる「The Wall Tour」の記録をもとに映画製作を行った。人間の壁、社会の壁をテーマに、そしてパレスチナ問題にもアプローチ。これは2014年9月6日の「Tronto International Film Festival」に出品し、ベールを脱ぐというもの。(http://www.tiff.net/festivals/thefestival/programmes/specialpresentations/the-wall)

    題して・・・・・・「Roger Waters The Wall」

Rogerwatersthewall750x

  果たしてどんな中身になるのか?、又どんな形で我々の前に登場するのか?、ウォーターズのこと、常に「?」マークが付きまとう。

(視聴) Roger waters "Song for Paiestine"

            
   「The Wall Live」

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