ジョエル・レンメル・トリオJoel Remmel Trio : 「MORE THAN FISHERMAN」
クラシカルな中にコンテンポラリーな試み~これぞ青春の成せる技か?
<Jazz>
JOEL REMMEL TRIO 「MORE THAN FISHERMEN」
ATELIER SAWANO / JPN / PMM006 / 2014
昨年の夏にここで彼等の1stアルバム「Lumekristall」(2012年作品)を取り上げたのだが・・・、これはその若きトリオの2ndアルバム。
メンバーは下記のとおりで変わっていない。ドラマーのAleksandra は女性で、彼女の曲が1.、7.曲(*印) の2曲。2曲目の” Still Alive ”(**印)がHeikkoの曲で、その他全てJoel Remmelの曲というところ、つまりオリジナル曲によって構成されている。
Joel Remmel (p)
Heikko Remmel (b)
Aleksandra Kremenetski (ds)
1. Imeline nouandja *
2. Still Alive **
3. More Than Fishermen
4. Maast lahti
5. Jaanuari vihm
6. Correction
7. Lullaby *
8. Seitsme maa ja mere taga
9. A Cat with a Short Tale
いっや~~、このトリオ、確実に前進していますね。クラシックをベースとした印象の曲と、ジャズに新しさを求めての試みがうまく合体して楽しめます。
Aleksandraの2曲(1.7.)では特にクラシカルな雰囲気が出ている。ベースもピチカートに加えアルコ奏法(ボウイング奏法)がそのムードを盛り上げる。
又アルバム・タイトル曲” More Than Fishermen”や8曲目の”Seitsme maa ja mere taga”などでは、なかなかの複雑な展開を三者のアンサンブルが効果を上げてテクニカルにもそしてセンスにおいても優れたものを感じられる。
又5.6.曲目の” Jaanuari vihm”、” Correction”では、スローな中にもニュー・ジャズへの試みがあり、思索的な流れを作り上げている中に緊張感を生んでいる。音の一つ一つの余韻をしっかり生かして、若さの挑戦も感じられるところだ。こうゆうのが私は好きなんですが、これにはこのアルバムの録音の良さも貢献している。ベースのまろやかさとシンバルの繊細な音も見事に生きている。
全体に非常に印象の良いアルバムに出来上がっている。メンバーのJoel Remmel とHeikko Remmelは兄弟のようで、その父親は現在もジャズで活躍しているベーシストTaavo Remmel だという。音楽環境に恵まれて育っているようで、これからの更なる北欧のジャズ・ミュージック・シーンで活躍し、そして世界に羽ばたいて欲しい。
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