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2014年10月30日 (木)

ジャネット・リンドストレムJeanette Lindström スティーヴ・ドブロゴスSteve Dobrogosz ~「Feathers.」

いやはやこれも恐るべき名盤だった・・・・・・

<Jazz>
    Jeanette Lindström   Steve Dobrogosz  「Feathers.」
          PROPHONE RECORDS  / SWEDEN / PCD053 / 2000


Feathers
  スウェーデンで活躍している ピアニストのスティーヴ・ドブロゴスSteve Dobrogoszがらみで、ちょっと過去のアルバムに探りを入れていたら、これ又2000年にリリースした名盤に辿り着いた。
 いやはや恐るべき女性シンガー、ジャネット・リンドストレムJeanette Lindströmに到達。このアルバムはドブゴロスの例によっての思索的クラシック調でありがらジャズの世界も感じざる澄んだピアノの響きに、リンドストレムのヴォーカルのマッチングがお見事と言わざるを得ない。

Featherslist
 Tracklistは左の如くで、過去の名曲のカヴァーと同時に、ご両人のオリジナルも入っている(1.4.8.10.11の5曲。”Like Water”はシンガーで作曲者でもあるリンドストレムの曲で、その他4曲はドブロゴスによるもの)。
 彼等の取り上げた曲は、バート・バカラック、ジョニィ・ミッチェル、エルビス・コステロ、ヘンリー・マンシーニなど多彩そのもの。しかし、これが全てドブゴロス調で有り、リンドストレムの歌になっていて、過去のこれらの曲を全く意識させない。このあたりが恐ろしい。
 静かな空間に語りかけるような歌声がジャズという範疇を超えて眼前に流れる。そしてあのスティーヴ・ドブロゴスの繊細にしてクリアなクラシック調のピアノの調べが迫ってくる。
 私の好きな”The Look of Love”がこんな世界になってしまうのかと驚きでもあった。とにかく静かに女性ヴォーカルとピアノの音に浸りたいという時にはこの一枚をと・・・・思うのである。

Jeanettelindstrom3
  このジャネット・リンドストレムは、1971年にスウェーデンに生まれ、父親がジャズ奏者(ドラムス)であったことから幼い時からジャズには親しんでいた。高校時代にはピアノを弾きジャズ・バンドを始めたとか。その後も南スウェーデンの音楽学校、更にストックホルムの王立音楽院でも音楽を学んでいる。1995年に彼女の率いるクインテットがジャズ・イン・スウェーデンという賞を受け、初のレコーディングとなりCDアルバム「アナザー・カントリー」でデビューとなる。

Jeanettelindstrom2_2


 参考までに、彼女の過去のアルバムをリスト・アップしてみた。

 <Jeanette Lindström のDiscography>

 

1. Another Country / Caprice , Sweden / 1995
2. I Saw You / Caprice , Sweden / 1997
3. Sinatra ~ Weill / Caprice , Sweden / 1999
4. Feathers / Prophone , Sweden / 1999.12
5. Walk / Amigo , Sweden /  2003
6. In The Middle Of This Riddle /Amigo, Sweden/ 2005
7. Whistling Away The Dark /Amigo, Sweden/ 2007
8. Attitude & Orbit Control / Diesel Music, Sweden/2009
 

(試聴)

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2014年10月27日 (月)

愛すべき ヨス・ヴァン・ビースト・トリオJos Van Beest Trio ~「L Love You」

こうしたムーディーで明るくスウィングするジャズも時には・・・・・

<Jazz>

          JOS VAN BEEST TRIO 「I Love You」
           ALTELIER SAWANO,  CD,  AS138,  2013

L_love_you
 オランダのピアニスト、ヨス・ヴァン・ビーストのトリオ作品を澤野工房は何故か一生懸命リリースしている。何故かと言ったら失礼かも知れないが、如何にも欧州という感覚が無いところが気に入っているのだろうか?。いずれにしても重いジャズ、軽い(明るいと言った方が良いか)ジャズという分け方をしてみれば、如何にも明るく楽しくそしてムーディーなジャズそのものである

Josmarielle10242
1. Hello Dolly*
2. Tokyo City Lights
3. Dymphy’s Song
4. I Love You*
5. As Times Goes By
6. You Look Good to Me
7. Django*
8. On the Sunny Side of the Street
9. Stella by Starlight
10. Isn’t She Lovely*
11. Acapulco*
12. Round Midnight

Jos van Beest (piano)
Evert J. Woud (bass)
Frits Landesbergen (drums)
Joost Zoeteman (guitar* 印)

 何と言ってもアルバム・タイトルが「I Love You」ですから、ジャケ・デザインは、真っ赤なハートの洪水。そしてお馴染みの”Hello Dolly”からスタート。そして東京を描いた”Tokyo City Lights”は彼自身の曲で、軽快にリズムカルにスウィングして楽しませてくれる。そして”Dymphy’s Song”はスローな展開に味付けがなかにか良い。ギターが入っての”I Love You”は、やっぱり気持ちを高ぶらせてくれる。ジョン・ルイスの” Django”は、しっとりと聴かせてくれたと思いきや、後半は転調してギターも入って又々楽しい世界に。
 こうしたこのアルバムの感覚は私が好んで聴いている欧州ジャズとは別物なんですが、時にはこのように何もかも忘れてムーディーな世界に埋没して、楽しく聴くジャズも良いものです。
 ヨス・ヴァン・ビーストという人は今まで全く聴く機会もなく来たので解らないのですが、こうした”陰”でなく”陽”の世界を描くのが得意なのだろうか?。久しぶりに聴き安く楽しいジャズにお目にかかりました。

(参考) Jos van beest Trio

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2014年10月24日 (金)

今にして知るラドカ・トネフRadoka Toneff の悲痛な美、そしてステイーヴ・ドブロゴスSteve Dobrogoszの美のピアノ・タッチ

名盤「FAIRY TALES」の北欧の暗さの中の美を・・・・・

<Jazz,Classic>
             RADKA TONEFF  STEVE DOBROGOSZ 「FAIRY TALES」
                     BOMBA RECORDS,  BOM 1532,  1982

Fairytales
  今にして知ったノルウェーの歌姫ラドカ・トネフ。これもスウェーデンで活躍しているピアニストのスティーヴ・ドブロコスのアルバムの流れから到達したもの。
 しかしこの「暗さの中の澄んだ歌声の美」は・・・なんと表現して良いか難しい。しかしこうした30年前のアルバムに今にして至ったことに取り敢えず感謝である。しかしこれをジャズと言うのか?クラシックと言うのか?
ジャンルを越えての「静と美」と言っておく。

Radkatonefffoto2 ここで歌うラドカ・トネフは1952年にノルウェーに生まれ(母はノルウェイ人のピアニスト)、そして1982年、このアルバムをリリースした数ヶ月後に30歳で亡くなっている。おそらく自殺とみられているが・・・そんなことを知りつつ聴くためか”悲痛な美”として聴かざるを得ないのだが・・・・又彼女の歌声を支える唯一の楽器がスティーヴ・ドブロゴスのピアノの美しさであって、その世界を倍増するところである。
 一度は経験しておきたいアルバムとして大推薦である。


・・・・・さてここに至ったところは先に書いたように、ピアニストのスティーヴ・ドブロゴスのソロ・ピアノ・アルバム「Golden Slumbers」なのである。それは親愛なる爵士氏による紹介によって最近知るに至ったところであった。↓

<Jazz>
    Steve Dobrogos 「Golden Slumbers」
        Curling Legs/ Norway / CLPCD112/ 2009

Gorden_slumbers1ビートルズがこんな世界に変身するとは・・・・・レノン/マッカートニーのナンバーをピアノ・ソロで、心安まる美しさで描いてくれます。

 ピアニストのスティーヴ・ドブロゴスは、1956年にアメリカのノースカロライナ州で生まれるも、バークリー音楽院卒業後、スウェーデンのストックホルムに移住、更に王位音楽アカデミーに入学して、ポップス、ジャズ、クラシックと幅広く学んで彼なりきのクラシックからジャズに渡る音楽世界を構築している。
 これは夫人の故郷がスウェーデンであったことによったということらしい。

 そしてフィーメイルシンガーとピアノによるコラボにて数多くの名作を残してきている一方、クラシックでも作曲者としての作品も残してきた。

Sd_3このアルバムの<収録曲>
1. GOODNIGHT
2. GOLDEN SLUMBERS/YOU NEVER GIVE ME YOUR MONEY
3. ACROSS THE UNIVERSE
4. TWO OF US
5. BLACKBIRD
6. IF I FELL
7. DON’TLET ME DOWN
8. THE LONG AND WINDING ROAD
9. BECAUSE
10. YOU’VE GOT TO HIDE YOUR LOVE AWAY
11. I WILL

 しかし、ビートルズを取り上げるジャズ・ミュージシャンも多いが、ピアノ・ソロでここまで美しく又心に響く音を聴かせてくれるのはトップ・クラスだ。しかもこれはまさしく北欧の世界だ。

(試聴)

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2014年10月14日 (火)

フィリップ・レオジェPHILIPPE LÉOGÉのピアノ・ソロ : 「My French standards songbook」

フレンチ・スタンダード・ナンバーを美しいピアノ・タッチで

<Jazz>
          PHILIPPE LÉOGÉ 「My French standards songbook」
             Plus Lion Music,  PL4570 , 2014

Myfrenchss

1.  La vie en rose (Louiguy)
2.  La belle vie (Sacha Distel)
3.  Monsieur Claude - Worksong (Nat Aderley) - Girl talk (Neal Hefti) - Round midnight (Thelonius Monk) - Berimbau (Baden Powell)
4.  Nuages (Django Reinhardt)
5.  C’est si bon (Henri Betti)
6.  Ne me quitte pas (Jacques Brel)
7.  Et maintenant (Gilbert Becaud)
8.  Que reste-t-il ne nos amours (Charles Trenet)

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 ソロ・ジャズ・ピアノ・アルバムです。ムードはクラシック調でありながらジャズの楽しさと美学が伝わってくる。私にとっては、このフィリップ・レオジェPhilippe Léogéという人は初ものなんですが、知る人ぞ知るというところなんでしょうか。
 紹介ではフランスのピアニストであるが、80年代にボストンのバークリー音楽大学に学んだとか、そしてビッグ・バンド・リーダー、アレンジャー、ピアニスト、音楽監督などと努めたと記されている。

 まあとにかくスタート曲は、知らない人はいないと言うぐらい日本でも愛されたあのエディット・ピアフの代表曲”ラ・ヴィアン・ローズ(ばら色の人生)”だ。こんなところから親近感は湧くのだが、続く” La belle vie(素晴らしき人生)”など、このアルバム全編ピアノ・タッチの美しさが流れている。
 ”C'est si bon セ・シ・ボン”ではジャズの楽しさが味わえるし、ジャック・ブレルの” Ne me quitte pas (行かないで)”なんかは、私好みの哀愁たっぷり。そしてそれに続いてジルベル・ベコーの” Et maintenant (そして今は)”が登場する。時にはこんなシャンソンの流れもいいものですね。

 非常に親近感の湧く聴き安いピアノ・ソロ・アルバムである。

(参考) まだこのアルバムに関する映像ものは見られなかったので・・・
                Philippe Léogé "Balajo"piano solo

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2014年10月 9日 (木)

皆既月食とヘルゲ・リエン・トリオHelge Lien Trio ジャパン・ライブ 

秋の静かな上越の夜に・・・・ヘルゲ・リエン・トリオと共に皆既月食を観察、そしてライブ

Helge Lien        ヘルゲ・リエン    piano
Per Oddvar Johansen ペール・オッドヴァール・ヨハンセン  drums
Frode Berg        フローデ・バルグ    bass 

 今回は、ここで多くを語ることは止めよう。
 2014年10月8日は・・・・天空の見事なショーとヘルゲ・リエン・トリオが神秘な自然の姿を演じてくれた。
   at 上越ラ・ソネ菓寮 春日山店

Lienjohan
さすが、写真好きのヘルゲ・リエン氏、我々と会話をしながらニコンの一眼レフで、天体ショーの撮影。

Helge Lien &
Per Oddvar Johansen

(撮影 小生)


 

Lienberg

Helge Lien &
Frode Berg

撮影をして・・・・さていよいよ演奏に。

(撮影 小生)

Moon
皆既月食直前

ヘルゲ・リエン・トリオと我々が共に眺めた天体ショー

(撮影 小生)

Stage2
スモール・ステージ
彼等から約2メートルの位置で演奏を堪能

主として今回のニュー・アルバム「BADGERS and OTHER BEINGS」から・・・ほゞ全曲。

 これほどこのアルバムが天体ショーの神秘性とマッチングするとは思わなかった。

そして当然アンコールは・・・
”Natsukasii”

Xyz
演奏終了後のヘルゲ・リエン氏と私とのツー・ショット、後ろでフローデ・バルグ氏も顔を入れてくれました。
とにかくこんなアット・ホームな親密感の持てたライブ参加は初めてでしたね。

(参照) ヘルゲ・リエン・トリオ http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/helge-lien-trio.html

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2014年10月 4日 (土)

ステファン・オリヴァSTEPHAN OLIVAのピアノ・ソロ・アルバム  「VAGUEMENT GODARD」

あのヌーベルバーグを今にして解釈すると・・・・

<Jazz>

          STEPHAN OLIVA 「VAGUEMENT GODARD」
          ATEIER SAWANO/JAPAN/CD/ILL313006/2013

Vaguement_godard

 フランスにて1960年代のヌーベルバーグを代表する映画監督ジャン・リュック・ゴダールJean-Luc Godardの映画作品に登場する曲を中心にして、ステファン・オリヴァStephan Oliva (フランス・ジャズ・ピアニスト)が、ピアノ・ソロで今に我々に迫ってくる。これは一聴の価値があると言えるのだが、それは明らかに映画音楽集では無く、オリヴァの彼なりきの解釈でのジャズ・ピアノ・ソロ集であるところが注目。そしてこれは映画音楽をモチーフにしてのアルバム作りの彼としては3作目。今、何でゴダールなのかというところに実は迫らなければいけないのかも知れないのだ。

Stephanoliva01
Stephan Oliva (piano)
   (*印 Stephan Oliva のオリジナル曲)

1, Vivre Sa Vie (女と男のいる舗道)
2, -2.1, Partir En Vitesse*
 -2.2, La Mort Bleue (気狂いピエロ)
3, -3.1, Sortir D'un Mauvais Reve*
  -3.2, Ferdinand (気狂いピエロ)
4, A Bout De Souffle Suite(勝手にしやがれ)
5, Portrait D'Anna Karina
 -5.1, Chanson D'Angela(女は女である)
 -5.2, Bande A Part(はなればなれに)
 -5.3, Angela, Strasbourg Saint-Denis(女は女である)
6, Blues Chez Le Bougnat (カラビエニ)
7, Valse Triste (アルファビル)
8, The Sea XII (フォーエバーモーツァルト)
9, Ouverture / Camille (軽蔑)
10, Elle Hesite ! (ゴダールの探偵)
11, -11.1, La Torture C'est Monotone Et Triste* (小さな兵隊)
   -11.2, Agnus Dei (パッション)
12, Sauve Qui Peut (La Vie) (勝手に逃げろ)
13, Est-ce Que Vous M'aimez ? (気狂いピエロ)

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 それぞれの曲の映画の邦題は( )に記したとおりで、私の知っている映画は「勝手にしやがれ」、「気狂いピエロ」(左)の二っ位である。そうそう「軽蔑」は、あのブリジッド・バルドーが演じていて評判だったが残念ながら観てないのです。まあ私は当時はここに選ばれふたヌーベルバーグの”女と男の物語り”というパターンはあまり好んで観なかったんですね。
 それでもここで最も多く3曲取り上げられている「気狂いピエロPierrot Le Fou」(フランス・イタリア合作映画)は、どうゆうわけか観ています。あの主演のアンナ・カリーナ(デンマークの女優、ゴダール監督と結婚していたがこの映画の後離婚)の特別のファンでも無かったんですが、日本人向けの美人ではありましたね。しかも主演男優のジャンポール・ベルモントってどうもあまり好きで無かったんですが・・・・。
 日本公開1967年ですから、ほんとに懐かしいですね。

 このどちらかというと男にとって魔性の女とも言えるタイプを描いたものとしては、ピンク・フロイドの曲で描かれた「モアMore」 (1971年、ミムジー・ファーマー、クラウス・グリュンバーグ主演、ルクセンブルグ映画)とも共通したところがある。(私の映画史「モア」http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-dd3f.html参照)これはこのコダール監督の助監督を務めたバーベット・シュローダーBarbet Schroeder監督作品だ。両者とも社会的な冒険と知識欲の旺盛な若い世代の愛を描いていると思うが、そこには悲劇的な結末が待っているところは共通している。

 
  さてこのオリヴァのピアノ・アルバムであるが、このようなヌーベルバークと言われた新世代の男女の関係を主体とした映画の音楽を取り上げ、彼の聴く者に思索的な世界に引っ張り込む彼自身の曲と組み合わせ、そして社会の裏側と人間の本質を見つめさせるが如く、ピアノの音と余韻とその流れが襲ってくるところは見事である。8曲目の”The Sea XII ”は、私が関心を持つあのケティル・ビヨルンスタの曲ですね。その他、有名どころのミッシェル・ルグラン、マーシャル・ソラールなどの曲が取り上げられているんです。
 このアルバム、澤野工房から昨年末にリリースしているんですが、今にして聴く機会が持ててここに取り上げた次第。

(参考) 映画「気狂いピエロ」

(試聴)

 

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