ジャネット・リンドストレムJeanette Lindström スティーヴ・ドブロゴスSteve Dobrogosz ~「Feathers.」
いやはやこれも恐るべき名盤だった・・・・・・
<Jazz>
Jeanette Lindström Steve Dobrogosz 「Feathers.」
PROPHONE RECORDS / SWEDEN / PCD053 / 2000
スウェーデンで活躍している ピアニストのスティーヴ・ドブロゴスSteve Dobrogoszがらみで、ちょっと過去のアルバムに探りを入れていたら、これ又2000年にリリースした名盤に辿り着いた。
いやはや恐るべき女性シンガー、ジャネット・リンドストレムJeanette Lindströmに到達。このアルバムはドブゴロスの例によっての思索的クラシック調でありがらジャズの世界も感じざる澄んだピアノの響きに、リンドストレムのヴォーカルのマッチングがお見事と言わざるを得ない。
Tracklistは左の如くで、過去の名曲のカヴァーと同時に、ご両人のオリジナルも入っている(1.4.8.10.11の5曲。”Like Water”はシンガーで作曲者でもあるリンドストレムの曲で、その他4曲はドブロゴスによるもの)。
彼等の取り上げた曲は、バート・バカラック、ジョニィ・ミッチェル、エルビス・コステロ、ヘンリー・マンシーニなど多彩そのもの。しかし、これが全てドブゴロス調で有り、リンドストレムの歌になっていて、過去のこれらの曲を全く意識させない。このあたりが恐ろしい。
静かな空間に語りかけるような歌声がジャズという範疇を超えて眼前に流れる。そしてあのスティーヴ・ドブロゴスの繊細にしてクリアなクラシック調のピアノの調べが迫ってくる。
私の好きな”The Look of Love”がこんな世界になってしまうのかと驚きでもあった。とにかく静かに女性ヴォーカルとピアノの音に浸りたいという時にはこの一枚をと・・・・思うのである。
このジャネット・リンドストレムは、1971年にスウェーデンに生まれ、父親がジャズ奏者(ドラムス)であったことから幼い時からジャズには親しんでいた。高校時代にはピアノを弾きジャズ・バンドを始めたとか。その後も南スウェーデンの音楽学校、更にストックホルムの王立音楽院でも音楽を学んでいる。1995年に彼女の率いるクインテットがジャズ・イン・スウェーデンという賞を受け、初のレコーディングとなりCDアルバム「アナザー・カントリー」でデビューとなる。
<Jeanette Lindström のDiscography>
1. Another Country / Caprice , Sweden / 1995
2. I Saw You / Caprice , Sweden / 1997
3. Sinatra ~ Weill / Caprice , Sweden / 1999
4. Feathers / Prophone , Sweden / 1999.12
5. Walk / Amigo , Sweden / 2003
6. In The Middle Of This Riddle /Amigo, Sweden/ 2005
7. Whistling Away The Dark /Amigo, Sweden/ 2007
8. Attitude & Orbit Control / Diesel Music, Sweden/2009
(試聴)
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コメント
私の家の近くにあるスエーデン人のご主人を持つ女性が開いた北欧雑貨店でたまたま見つけたCDが、「ジャネット・リンドストレム/In the Middle of This Riddle ~この謎解きの途中で」でした。「スエーデン美女シンガー図鑑」を書き始めた第一号の記事でした。
投稿: 爵士 | 2014年11月 2日 (日) 21時56分
ジャネット・リンドストレムは私にとっては今回このアルバムが初物でして・・・・・、スティーヴ・ドブロゴスの誘導によるこうしたヴォーカルなのか?、はたまたこれが彼女の本質なのか?もう少し私なりに探ってみたいと思っているところです。
投稿: 風呂井戸 | 2014年11月 3日 (月) 14時27分