今にして知るラドカ・トネフRadoka Toneff の悲痛な美、そしてステイーヴ・ドブロゴスSteve Dobrogoszの美のピアノ・タッチ
名盤「FAIRY TALES」の北欧の暗さの中の美を・・・・・
<Jazz,Classic>
RADKA TONEFF STEVE DOBROGOSZ 「FAIRY TALES」
BOMBA RECORDS, BOM 1532, 1982
今にして知ったノルウェーの歌姫ラドカ・トネフ。これもスウェーデンで活躍しているピアニストのスティーヴ・ドブロコスのアルバムの流れから到達したもの。
しかしこの「暗さの中の澄んだ歌声の美」は・・・なんと表現して良いか難しい。しかしこうした30年前のアルバムに今にして至ったことに取り敢えず感謝である。しかしこれをジャズと言うのか?クラシックと言うのか?
ジャンルを越えての「静と美」と言っておく。 ここで歌うラドカ・トネフは1952年にノルウェーに生まれ(母はノルウェイ人のピアニスト)、そして1982年、このアルバムをリリースした数ヶ月後に30歳で亡くなっている。おそらく自殺とみられているが・・・そんなことを知りつつ聴くためか”悲痛な美”として聴かざるを得ないのだが・・・・又彼女の歌声を支える唯一の楽器がスティーヴ・ドブロゴスのピアノの美しさであって、その世界を倍増するところである。
一度は経験しておきたいアルバムとして大推薦である。
・・・・・さてここに至ったところは先に書いたように、ピアニストのスティーヴ・ドブロゴスのソロ・ピアノ・アルバム「Golden Slumbers」なのである。それは親愛なる爵士氏による紹介によって最近知るに至ったところであった。↓
<Jazz>
Steve Dobrogos 「Golden Slumbers」
Curling Legs/ Norway / CLPCD112/ 2009
ビートルズがこんな世界に変身するとは・・・・・レノン/マッカートニーのナンバーをピアノ・ソロで、心安まる美しさで描いてくれます。
ピアニストのスティーヴ・ドブロゴスは、1956年にアメリカのノースカロライナ州で生まれるも、バークリー音楽院卒業後、スウェーデンのストックホルムに移住、更に王位音楽アカデミーに入学して、ポップス、ジャズ、クラシックと幅広く学んで彼なりきのクラシックからジャズに渡る音楽世界を構築している。
これは夫人の故郷がスウェーデンであったことによったということらしい。
そしてフィーメイルシンガーとピアノによるコラボにて数多くの名作を残してきている一方、クラシックでも作曲者としての作品も残してきた。
このアルバムの<収録曲>
1. GOODNIGHT
2. GOLDEN SLUMBERS/YOU NEVER GIVE ME YOUR MONEY
3. ACROSS THE UNIVERSE
4. TWO OF US
5. BLACKBIRD
6. IF I FELL
7. DON’TLET ME DOWN
8. THE LONG AND WINDING ROAD
9. BECAUSE
10. YOU’VE GOT TO HIDE YOUR LOVE AWAY
11. I WILL
しかし、ビートルズを取り上げるジャズ・ミュージシャンも多いが、ピアノ・ソロでここまで美しく又心に響く音を聴かせてくれるのはトップ・クラスだ。しかもこれはまさしく北欧の世界だ。
(試聴)
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コメント
「Steve Dobrogos」から「ラドカ・トネフ」へと導かれましたか。わたしは同じノルウェイのシンガー、「リヴ・マリア・ローガン/Live Maria Roggen」からです。(追補版;北欧美女シンガー図鑑(その8) ~ノルウェイ、悲劇の癒し姫とは~)。30年も前にこんなアルバムがリリースされていたとは。恐るべし、北欧美女シンガーの奥の深さ ・・・。
投稿: 爵士 | 2014年10月26日 (日) 14時17分
Steve Dobrogosz がらみで、どうもまだまだ美女シンガーは広がって行きそうです・・・・、Janette Lindström とか、Anna Christoffersson とか・・・。いやはや、好きなものには止まるところを知りません(笑い)。
投稿: 風呂井戸 | 2014年10月26日 (日) 16時08分