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2014年11月30日 (日)

ブルーノ・アンジェリーニ BRUNO ANGELINIのピアノの世界

独創性のミステリアスにして硬質なサウンド、哲学的・内省的・・・・・

     <European Jazz>

       BRUNO ANGELINI 「NEVER ALONE」
          ATELIER SAWANO / JPN / MIN006 / 2006

Never_alone                
                              Bruno Angelini (p)      Recorded March 20 and 21, 2006.
1. Immersion 2. Laura 3. Blue Monk 4. Where Flamingos Fly 5. Seasons In The Sun 6. Summertime 7. Lover Man 8. Sometimes I Feel Like A Motherless Child 9. When Sunny Gets Blue 10. Love Isn't Everything 11. Left Alone


 
Angelini450_millot3  澤野工房から2006年にリリースされたアルバムだが、友人に勧められて今にして初めて聴くこになったマルセーヌ出身のブルーノ・アンジェリーニBruno Angeliniのピアノ・ソロ・アルバム。
 これがなかなかのシロモノで、スタンダード曲を取り上げているが、まったく独特な彼の世界になっていて、彼のオリジナル曲を聴いているがごとくで、ちょっと哲学的・内省的世界に引っ張り込まれる。とにかくピアノの響きが低音部であれ高音部であれ、硬質で独特な余韻がミステリアスな雰囲気を作る。そして時に美しいメロディーも襲ってくるという意外性のアルバム。この世界にはいろいろな評価があるようだが、私にとっては結構聴き込んで行きたくなる魅力があった。
 彼は1965年生まれで、「Bill Evans Piano Academy」で教鞭もとっているという。最近はSébastien Texierのサックスとの共演のアルバムがリリースされている(アルバム「TOXIC PARASITES」(2012)、 「Pulsion」 (2010))。

~~~そこでちょっと更に探りを入れたくなって、彼名義のトリオ・アルバムを聴いてみた。(↓)

<Euoropean Jazz>
BRUNO ANGELINI, RICCRDO DEL FRA, ICHIRO ONOE
「EMPREINTES」       (Sketch, SKE333037,  2003)

Empreintes_3Bruno Angelini(P),Riccardo Del Fra(B), Ichiro Onoe(Ds)  Recorded:March 13 and 14, 2003
1. Aurores 2.     Autour De Sammy 3. Confidences 4.望郷Bohkyo 5. Morceau De Sable 6. Une Longue     Traversee 7. Caprices 8. K Particulier 9. Valentin Dance 

 2003年のブルーノ・アンジェリーニのピアノ・トリオ第一作。ドラムスは小野江一郎が担当している。やっぱりそうなんですね、ここでも極めて硬質でミステリアスなピアノ・サウンドを展開。
 収録曲は彼のオリジナル曲集で、1曲目と9曲目はソロ演奏で、2-8曲がトリオもの。哲学的というか内省的というか、特に1曲目のソロはジャズというよりは少々難解もので、前衛的なニュアンスを感ずる。しかし2曲目よりトリオとなって曲構成も落ち着くが、やはり彼の独自の空間を持った演奏で、ベース、ドラムスの絡みは高度な音楽センスが感じられる。4曲目は何故か日本語のタイトルで、メロディーも日本的な安心感をここに来て持つことが出来る。
 こうして聴いてみると、ブルーノ・アンジェリーニというのは、従来からのジャズというよりは現代音楽をジャズの手法を取り入れ演じているように聴ける。このようなアルバムを、時に思索的になって聴いてみるのも面白い。

<European Jazz>
  ANGELINI / FONDA / LOPEZ 
 「SILENT CASCADE」

         
(Konnex Records / KCD 5170 / 2007)
         Recorded September 29,2005

SilentcascadeBRUNO ANGELINI(p)
JOE FONDA(b)
RAMON LOPEZ(ds)


1.perpetual motion
2.silent cascade
3.soplo
4.passing
5.dense crowd
6.ilots coulants
7.corazon
8.ephemerals
9.woman walking
10.passees sans retour
 

  これは2007年リリースだが、彼名義のトリオものとしてはこれが近作となる。「Sketch」からでなく「Konnex」 からのリリースで、ECMっぽいジャケに変わっている。ベース、ドラムスのメンバーも変わっているが、相変わらず彼のジャズを越えた独創的アプローチは更に磨きがかかっている。つまり難解度も増しているのだ。そして”ミュージック”と言うか”演ずるピアノ音”と言うか、その境目を浮遊するが如くの演奏。
 ここまで来るとちょっと尻込みする。しかし”silent cascade”とか”woman walking”などを聴くと又更に聴きたくなるという魔力がある作品。

 ここにブルーノ・アンジェリーニの3枚のアルバムに向かってみたが、どうも私のレベルでは彼のソロのアルバム「NEVER ALONE」が最も親しみやすかったというところだった。しかし又彼の新作が出れば、恐い物見たさで、是非更に聴いてみたいたいという気持ちには変わりは無い。

(試聴)

(参考視聴)

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コメント

いつも透明性のある叙情的なジャズの名盤を紹介して頂きありがとうございます。たまたま猟盤していたら見つけた名盤がありますので、参考までにご紹介したいと思います。トルド・グスタフセン、ボボ・ステンセン、ケティル・ビヨルンスタに通じる作風です。ギリシアのピアニストであるバシリス・ツァボロプロス(Vassilis Tsabropoulos)のAchiranaが素晴らしいです。Amazonで他のCDも思わずクリックしてしまいました。ご存じかもしれませんが、ご紹介まで。

投稿: Issy | 2014年12月15日 (月) 02時47分

 Issyさん、コメント有り難う御座います。又名盤の紹介も有り難う御座います。Vassilis TsabropoulosはECM盤でありながら私は無着手でした。是非聴きたいと思います。又その他もいろいろと教えて下さい。どうも感謝です。

投稿: 風呂井戸 | 2014年12月15日 (月) 13時16分

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