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2015年1月31日 (土)

イヴォンヌ・ウォルターYvonne Walter : 「Bitter Sweet-Remembering Ann」

           <My Photo Album 瞬光残像 = 南イタリア編>

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アマルフィAmarfi(南イタリア)にて   (photo 2014.12)

            *    *    *    *

     <Jazz>

     Yvonne Walter「Bitter Sweet-Remembering Ann」
       MUZAK / JPN / MZCF1297 / 2014

Bitter_sweet
Yvonne Walter (v) , Sabin Todorov (p),  Mary Hehuat (b),  Eric Ineke (d),  Rony Verbiest (Sax)
録音: 2012年8月/アントワープ・オランダ,  2013年3月/アントワープ・オランダ

1 オランダのジャズ・シーンでは、ベテラン中のベテラン・シンガーでありながら日本デビューは2009年の「I wish I know」(右)で、実は未だにそのアルバムは聴いてないのです。しかしジャケは忘れられないもので、いやに気になっていたところで・・・、それを飛び越してこの昨年リリースしたアルバム「Bitter Sweet」が友人からのお勧めで、私にとっては彼女と初面会といったことになりました。

 前作はコルトレーンに捧げたアルバムだったが今作はやはり偉大なシンガーの面影を偲んでと言うところのようだ。つまり彼女の国オランダ出身のアン・バートンを取り上げてのトリビュート盤である。

 さてこれがなかなかのくせものアルバムで、彼女のボリュームのある歌声が全編に響き渡る。それもグルーミーと表現される世界であり、それに又一癖もある歌い回しで説得力抜群、これぞ大人を納得させるヴォーカルもの。そしてバックのピアノがジャズ心を描ききるがごとく、華麗な演奏を展開し、アルト・サックスがムードを盛り上げる。

(Tracklist)

1.  アイム・ア・フール・トゥ・ウォント・ユー 
2.  柳よ泣いておくれ
3.  ソング・フォー・リブラ 
4.  アイ・ウィッシュド・オン・ザ・ムーン 
5.  イン・ザ・ウィー・スモール・アワーズ 
6.  アイル・ビー・アラウンド 
7.  ドント・エクスプレイン 
8.  ホエア・キャン・アイ・ゴー 
9.  ゴー・アウェイ・リトル・ボーイ 
10.  オールド・デヴィル・ムーン 
11.  ユーヴ・チェンジド 
12.  ザ・ウインド 
13.  いそしぎ 
14.  宵のひととき

Image002c 彼女はイヴォンヌ・ドゥ・コックYvonne de Kokの名で20年以上ジャズ・スタンダードを歌ってきたが、名をイヴォンヌ・ウォルター(彼女の母親の名前)と変えて、彼女自身の曲をレコーディングするようになったという。 彼女は南オランダのエイントホーフェンEindhoven生まれで、7歳からピアノを習い、高校自体にバンド歌手となり作曲も始めた。年齢は不詳だが、これだけのキャリアから押して知るべしというところ。そしてジャズの道を深めるために多くの伴奏者と共に演ずることを望むタイプらしい。小編成のバックでのソウルフルなヴォーカルを好んでいるという。
 このアルバムもそんな彼女の一面を見せているのか、オランダ出身の伝説的シンガーであるアン・バートンAnn Burtonに正面から向かってバラードを中心に迫っていく。

 彼女のオリジナル曲(”ソング・フォー・リブラ Song For Libra”)も3曲目に登場するが、彼女の歌唱力を聴かせるなかなか説得力のある曲だ。
 又”ホエア・キャン・アイ・ゴーWhere Can I Go”(M8)は、第二次世界大戦以前のユダヤ人の強制移住を歌うトラディショナル・ソングで、アンのユダヤ人というルーツをここで歌い込んでいるらしい。最後に”いそしぎThe Shadow of Your Smile”が登場して何かほっとするのであった(この後ボーナス・トラック”A Lovely Way To Spend An Evening”が収録されているが、これ又イヴォンヌ節そのものでいやはや参ったというところです)。
 アンの陰影は十分描ききっているが、イヴォンヌの方が声にボリュームがあって更に迫力を感ずるし、ペテランの味のあるアルバムであった。

(試聴)

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コメント

いや、この方も初耳。「アン・バートン」へのトリビュート盤ですか。風呂井戸評は興味をかきたてますね。

投稿: 爵士 | 2015年2月 2日 (月) 23時11分

 爵士さん・・・私は驚きの初聴きでした。しかしその内容には実に奥深い歴史の重積のようなヴォーカルを展開していて、ジャズの世界はほんとに広いとつくづく思わされたところです。

投稿: 風呂井戸 | 2015年2月 3日 (火) 21時33分

I am so grateful for your post.Thanks Again. Fantastic.

投稿: Ted | 2015年2月21日 (土) 23時12分

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