ソフトでマイルドな唄声:ニッキ・パロットNicki Parrottのアルバム~「Angel Eyes」
<My Photo Album 瞬光残像 = 南イタリア編>
アルベロベッロAlberobelloの夜(4)
(photo 2014.12)
* * * *
<Jazz>
Nicki Parrott 「Angel Eyes」
VENUS RECORDS / JPN / VHCD1167 / 2014
オーストラリア出身で、ニューヨークで活躍中のニッキ・パロットNicki Parrottのベースと、彼女のアルバムでお馴染みのJohn Di Martinoのピアノとのデュオ作品。もちろん彼女のヴォーカルが全編で彩る。
Tracklist は、下のように全15曲スタンダード・ラブ・ソング集
1. アイ・ワナ・ビー・アラウンド
2. ユー・メイク・ミー・フィール・ソー・ヤング
3. ザ・ニアネス・オブ・ユー
4. アイル・ネバー・ビー・ザ・セイム
5. あなたを想いて
6. ワン・フォー・マイ・ベイビー
7. アイ・ガッタ・ライト・トゥ・シング・ザ・ブルース
8. アイ・トールド・ヤ・アイ・ラブ・ヤ、ナウ・ゲット・アウト
9. 灯りが見えた
10. キャン・エニワン・エクスプレイン
11. サムシングス・ガッタ・ギブ
12. アイム・グラッド・ゼア・イズ・ユー
13. アイ・クライド・フォー・ユー
14. ユ・ードント・ノウ
15. エンジェル・アイズ
デュオ作品で、とにかく落ち着いた曲展開で聴いて疲れないアルバム。ピアノも丁寧な演奏をみせ、彼女のベースも語るような響きで休息にはピッタリである。
もともとシンガーとしてのスタートではなかった彼女のヴォーカルは、まろやかで角がなくソフトにしてマイルド、響きも良いので快感。しかも曲はバラード調で歌われ、尚更心休まる休息向きだ。このところのヴィーナス盤アルバムでは完全にジャズ・ベーシストというところから、ヴォーカリストというところが強調されてきている。
そして売れどきが勝負とばかり、ヴィーナス・レコードは頑張って、彼女のニュー・アルバムをハイピッチでリリースしている。更にこのアルバムと2013年のアルバム「The Lock of Love」などを今度はSACD盤で立て続けにリリースするが、それはそれでまあ結構なことではあるのだが・・・・。
ニッキ・パレットについては過去に何回か取り上げているので以下のものなどを参照して欲しい。
① http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/nicki-parrott-t.html
② http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/nicki-parrott-b.html
ところでここでも紹介した昨年のARBORS RECORDS盤のピアノ・トリオもの「IT'S GOOD DAY」は、なかなか彼女のベーシストとしてのジャズ盤としての高評価をしたところだが(http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/its-a-good-day-.html )、どうもヴィーナス・レコード盤は、いつも通りやっぱり一般受けの狙いが強く、彼女の演奏よりはヴォーカリストを前面に出していて、その線は全く変わっていない。それはちょっと空しいところもないではないが、それでも曲の中盤には両者のデュオ演奏部もそれなりに取り入れて、ベースの音もしっかりと聴こえてくるので、まあこうして我々も楽しんでいるのである。そんなところで大いに歓迎しておくことにしているのだ。
アルバムとしては、若干単調に流れている。その為か8曲目の” I told Ya I Love Ya,Now Get Out”、9曲目の”I'm Beginning To See The Light ”はややアップ・テンポの演奏もみせ、又 10曲目”Can Anyone Explain”で、突然男性ヴォーカルが入るも、そう大きな効果は上がっていない。
曲や演奏など何か山や谷がもう一つ欲しいような気がするのだ。そこで一工夫をと言いたいところだが、彼女のヴォーカルのパターンがこれなんで、ちょっと難しいかもしれない。そうは言っても、とにかく万人向きの良盤であることには間違いない。
(参考試聴)
| 固定リンク
「音楽」カテゴリの記事
- ジョン・バティステ Jon Batiste 「BEETHOVEN BLUES」(2024.12.05)
- ヨーナス・ハーヴィストJoonas Haavisto 「INNER INVERSIONS」(2024.11.25)
- コリン・ヴァロン Colin Vallon 「Samares」(2024.11.20)
- エミル・ヴィクリッキー Emil Viklicky Trio 「Moravian Rhapsody」(2024.11.30)
- アルマ・ミチッチ Alma Micic 「You're My Thrill」(2024.11.10)
「JAZZ」カテゴリの記事
- ジョン・バティステ Jon Batiste 「BEETHOVEN BLUES」(2024.12.05)
- ヨーナス・ハーヴィストJoonas Haavisto 「INNER INVERSIONS」(2024.11.25)
- コリン・ヴァロン Colin Vallon 「Samares」(2024.11.20)
- エミル・ヴィクリッキー Emil Viklicky Trio 「Moravian Rhapsody」(2024.11.30)
- アルマ・ミチッチ Alma Micic 「You're My Thrill」(2024.11.10)
「女性ヴォーカル」カテゴリの記事
- アルマ・ミチッチ Alma Micic 「You're My Thrill」(2024.11.10)
- メロディ・ガルドー Melody Gardot 「THE ESSENTIAL」(2024.11.05)
- エレン・アンデション Ellen Andersson 「Impressions of Evans 」(2024.10.31)
- サマラ・ジョイ Samara Joy 「Portrait」(2024.10.22)
- メラニー・デ・ビアシオ Melanie De Biasio 「Il Viaggio」(2024.10.16)
「ニッキ・パロット」カテゴリの記事
- ニッキ・パロット Nicki Parrott 「Misty」(2023.02.25)
- ニッキ・パロット Nicki Parrott 「Great 70's」(2021.09.10)
- キャロル・ウェルスマンCarol Welsman「This is Carol - Jass Beauties」(2019.09.03)
- ニッキ・パロットのニュー・アルバム Nicki Parrott 「from NEW York to PARIS」(2019.05.14)
- ニッキ・パロットNicki Parrott 「Stompin' At The Savoy」(2018.09.30)
コメント
ニッキ・パロット気軽に聞けていいですね。私は車の中に置いてあり、運転中に良く聞いています。でも、長時間ドライブのときには、テレサ・テン、ちあきなおみも聞きます。
投稿: 水戸老公 | 2015年2月27日 (金) 13時05分
水戸老公様、こんばんわ。こちらに出向いていただいて有り難うございます。
おっしゃるようにニッキ・パロットというのは不思議に聴いて疲労感がなく休まるんですね。これも一つの大事なことなんでしょうと思っています。
結構長距離運転なされるのでしょうか?、くれぐれもお気を付けてどうぞ。
投稿: 風呂井戸 | 2015年2月27日 (金) 20時07分