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2015年2月28日 (土)

今にしても心に響くアルバム~アイリーン・クラールIrene Kral「where is love?」

      <My Photo Album 瞬光残像 = 南イタリア編>

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アルベロベッロAlberobelloの夜(5)
 白壁に円錐形の石積み屋根を載せたこの家屋は、16世紀から17世紀にかけて開拓のために集められた農民によって造られたものだという。現在は1996年に世界遺産として登録されて以来、可愛い住居群のため観光客に人気。住居や土産もの店として利用されている。私が訪れた12月は、丁度クリスマスとの関係で、若い人たちが夜にもかかわらず大勢散策していた。  (photo  2014.12)

               *    *    *    *

   <Jazz>

    IRENE KRAL「恋の行方 where is love ?」
    Choice / CHCD 71012 / 2001(Original 1975)
    Recorded at Wally Heider Studios,Los Angeles, December 1974

Whereislove
          IRENE KRAL (vocal)
          ALAN BROADBENT (piano)


 1975年のアルバムですが・・・今にしてこうしてCDにて音質もしっかり確保して聴けるというのは幸せなことです(若干音が割れるところはありますが・・・)。残念ながらこのアルバムはリリース当時(当然LP)は、私はリアル・タイムに接したわけでなく、今にして聴いているのです。それは多分この40年前に於いては、こうした世界のジャズ・バラードには関心が無かったと言ってよく、今のような心に感じて聴くことは出来なかったと思われるところですが・・・・・。

List 収録は左のような9曲。”When I look in Your Eyes”などはふと懐かしさを誘うが、その他そう有名どころの曲が並んでいるわけではないが、それがなんと郷愁感と安堵感とを呼び起こす。なんといっても良いのは変な技巧をこらさない自然な語りかけの心が感じられる歌い方は好感持てる源であろう。
 ”Kral”と言っても、今や時めく”Diana Krall”などがかなりの尊敬の念を抱いているらしい。近年はジャズ・ヴォーカルと言えば女性天国。しかもJazzy not Jazz路線がもてはやされているが、この1970年代の彼女の世界は、そんな現在のシンガーのお手本になっているようだ。
 

Bwirenewgirls
 このアイリーン・クラールは、1932年シカゴ生まれのアメリカン・ジャズ・シンガーだが、1978年悲運にも46歳で乳癌のため亡くなっている。このアルバムは結婚後の10年間のブランク後のカンバック・アルバムであったというが、非常に評価と支持を得たもの。この後、ピアニストのアラン・ブロードベントと最初で最後の来日をしているが、推測では自己の病態は知っての上のライブ活動であったようだ。しかしそんな悲劇的な様子は全く見せずに演じていたという。
  このアルバム、彼女のヴォーカルのバックはアラン・ブロードベントのピアノのみで、歌唱力そのものが問われる構成。そこに見事な歌声を披露している。

A_b_trio アラン・ブロードベントは、グラミー賞ピアニスト。ニュージーランド出身、米国バークレー音楽院で学んでの活動。過去の名作を一枚あげると・・・・

Alan Broadbent Trio 「Song of Home」 Atelier Sawano / AS013 / 2001
Alan Broadbent (piano), Andy Brown (bass), Frank Gibson jnr (drums) 
Recorded 1984
(tracklist)
1. What is this thing Called Love?
2. Solar
3. Song of Home
4. Oleo
5. Upper Manhattan Medical Group
6. Sophisticated Lady

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そして近年では・・・・・

「SOPHISTICATED LADIES」 EMARCY / UK / 2011
  チャーリー・ヘイデン・クァルテットのピアニストとして、メロディ・ガルドー、ダイアナ・クラールの登場するこのアルバムにて聴いたのを思い出す。

(参照)
http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/charllie-haden-.html

(参考試聴) Irene Kral "when i look your eyes"
 

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2015年2月25日 (水)

ソフトでマイルドな唄声:ニッキ・パロットNicki Parrottのアルバム~「Angel Eyes」

        <My Photo Album 瞬光残像 = 南イタリア編>

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アルベロベッロAlberobelloの夜(4)
                                                             (photo 2014.12)

              *    *    *    *

        <Jazz>
              Nicki Parrott 「Angel Eyes」
               VENUS RECORDS / JPN / VHCD1167 / 2014

Angel_eyes

 オーストラリア出身で、ニューヨークで活躍中のニッキ・パロットNicki Parrottのベースと、彼女のアルバムでお馴染みのJohn Di Martinoのピアノとのデュオ作品。もちろん彼女のヴォーカルが全編で彩る。

Tracklist は、下のように全15曲スタンダード・ラブ・ソング集

1.  アイ・ワナ・ビー・アラウンド 
2.  ユー・メイク・ミー・フィール・ソー・ヤング   
3.  ザ・ニアネス・オブ・ユー 
4.  アイル・ネバー・ビー・ザ・セイム   
5.  あなたを想いて
6.  ワン・フォー・マイ・ベイビー 
7.  アイ・ガッタ・ライト・トゥ・シング・ザ・ブルース    
8.  アイ・トールド・ヤ・アイ・ラブ・ヤ、ナウ・ゲット・アウト 
9.  灯りが見えた 
10.  キャン・エニワン・エクスプレイン   
11.  サムシングス・ガッタ・ギブ 
12.  アイム・グラッド・ゼア・イズ・ユー   
13.  アイ・クライド・フォー・ユー
14.  ユ・ードント・ノウ
15.  エンジェル・アイズ

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 デュオ作品で、とにかく落ち着いた曲展開で聴いて疲れないアルバム。ピアノも丁寧な演奏をみせ、彼女のベースも語るような響きで休息にはピッタリである。
  もともとシンガーとしてのスタートではなかった彼女のヴォーカルは、まろやかで角がなくソフトにしてマイルド、響きも良いので快感。しかも曲はバラード調で歌われ、尚更心休まる休息向きだ。このところのヴィーナス盤アルバムでは完全にジャズ・ベーシストというところから、ヴォーカリストというところが強調されてきている。

 そして売れどきが勝負とばかり、ヴィーナス・レコードは頑張って、彼女のニュー・アルバムをハイピッチでリリースしている。更にこのアルバムと2013年のアルバム「The Lock of Love」などを今度はSACD盤で立て続けにリリースするが、それはそれでまあ結構なことではあるのだが・・・・。

 ニッキ・パレットについては過去に何回か取り上げているので以下のものなどを参照して欲しい。
 ① http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/nicki-parrott-t.html
 ② http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/nicki-parrott-b.html

 ところでここでも紹介した昨年のARBORS RECORDS盤のピアノ・トリオもの「IT'S GOOD DAY」は、なかなか彼女のベーシストとしてのジャズ盤としての高評価をしたところだが(http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/its-a-good-day-.html )、どうもヴィーナス・レコード盤は、いつも通りやっぱり一般受けの狙いが強く、彼女の演奏よりはヴォーカリストを前面に出していて、その線は全く変わっていない。それはちょっと空しいところもないではないが、それでも曲の中盤には両者のデュオ演奏部もそれなりに取り入れて、ベースの音もしっかりと聴こえてくるので、まあこうして我々も楽しんでいるのである。そんなところで大いに歓迎しておくことにしているのだ。
 アルバムとしては、若干単調に流れている。その為か8曲目の” I told Ya I Love Ya,Now Get Out”、9曲目の”I'm Beginning To See The Light ”はややアップ・テンポの演奏もみせ、又 10曲目”Can Anyone Explain”で、突然男性ヴォーカルが入るも、そう大きな効果は上がっていない。
 曲や演奏など何か山や谷がもう一つ欲しいような気がするのだ。そこで一工夫をと言いたいところだが、彼女のヴォーカルのパターンがこれなんで、ちょっと難しいかもしれない。そうは言っても、とにかく万人向きの良盤であることには間違いない。

(参考試聴)

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2015年2月22日 (日)

PC欲張り大作戦~遂にXP脱落

      <My Photo Album 瞬光残像 = 南イタリア編>

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アルベロベッロAlberobello(南イタリア)の夜(3)
なかなか異国の夜もよいものです・・・・・・            (photo 2014.12)

            *    *    *    *

「Windows 10」の前に・・・・とりあえず新構成でスタート

Pc8001<ちょっと振り返って・・・・・・>
 考えて見ると私のパソコンとのお付き合いは長い。既に35年以上になる。なんと言ってもスタートは「NEC-8001」(右)だった。当時はパソコンを発売していたのは、私の記憶では、シャープ(MZ-80K)NEC(PC-8001)日立(MB-6880)の3社のみ。大手家電メーカーなどは見向きもしない分野だった。私はかっては真空管などのメーカーNEC機から入門したのだが、私の職場は当時で250人以上はいたのだが、誰一人パソコンを知っている者もおらずに一人での研究アプローチだった。

Io 当時パソコン関係の雑誌としては「I/O (アイオー)」、電波新聞社の「月刊マイコン」、「月刊アスキー」などをよく読んだ(多分、こんな話は懐かしい人が沢山いると思います)。これらは愛好者の投稿された記事も多く楽しいものだった。

 我々がプログラムとしてパソコンを利用するのはベーシックBASICを使ったのですが、私は素人そのものですから、これも雑誌などに記載されているものを勉強してパソコンに入力して動かしたのでした。なんと統計計算にはほんとに有力なものだった。
 一方しかし反射ゲームのように速度の必要なものはマシン語を使ったのでしたが、このマシン語を入力するソフトもあって、こつこつ入力したことを思い出すと懐かしいです。

60012 もともと私がパソコンに興味を持ったのは遊びの分野なんです。当時人気ゲームであった”インベーダー・ゲーム(スペースインベーダー)”などを自宅で出来ることへの興味でした。その為、そのプログラムを雑誌で入手してマシン語で入力し、それをカセット・テープに記録しておくという手法である。この頃は、ゲーム・ソフトを買うのでなく、プログラムを仕入れて自分でゲームを作ることに満足感があった。
 そしていよいよ一般家庭を意識したパソコンとしてNECから「PC-6001」が発売され(1981年)、グラフィックスやサウンドという概念も入ってきた。コンピューター・ゲームがいよいよ家庭には入ったという感じです。
Pc6001_2
余談ですが、思い出すのはその他、当時は簡易に作るゲームとして、なんといってもアットマーク「@」は、悪者の代表で、追っかけゲームでは、悪者は「@」を使ったものです。

 その後NEC機は「PC-8001mkII」、「PC-8801」、「PC-9801」と発展していったわけです。パソコンがNECの天下になったのは、ニュー・マシンを出しても、苦労して作った過去のプログラムを使えるように配慮したことでした。こんな時に登場したパソコンのワープロ機能、そしてNECとNiftyの「パソコン通信」は、一気にパソコンを花形にしました。私もPC-VAN(NECのパソコン通信)の一員として楽しみました。当時の懐かしゲームは「ドア・ドア」、「ニュートロン」そして「ロード・ランナー」等ですね(古い話はこの後も語れば尽きないので終わりにします)。

Dsc01387w_2 <さて、現実の話ですが・・・・>
私はつい先日、「Win7」機のHDDがクラッシュするという事故に遭い、やむをえず「Win8.1」機を購入しました。それまでは、「WinXP」、「WinVista」、「Win7」の3機を並べて設置して分配器を使って2画面で、目的別に使っていました。2画面は平行して2機使うためでした。そのメインの7が壊れて慌てふためいたのですが、こんな環境下でしたので、とにかく私にとっての貴重なる画像データ関係は今回のHDDクラッシュでも失わずに事を得ました。

 そして「Win8.1」を購入しても、この壊れた「Win7」機は、50,000円で全て購入初期状態に修理して目下動き始めました。その為、配置換えを展開して「WinXP」を外して、「WinVista」、「Win7」、「Win8.1」と並べて新しい目的別使用を開始したのです。これにより遂に役目を終えての「XP」機は、これまでの機能から解放させました。3機使用は、①趣味の画像処理関係はネットに繋がないで使用する、②ネットに繋いでのフル回転機器、③残る一台はオーディオ関係とoffice-PowerPoint関係使用と色分けしています。

Dsc01394w このところ現在までプリンターは目的別に3機、スキャナーは1機を繋いでいます。今度もそれを継承した新パソコン・トリオの生活を始めたのですが、とにかくお互いをうまく利用してHDDクラッシュによるデータの喪失で頭が真っ白にならないようなパソコン生活をしたいと思っているのです。
 そんなところですが、今や時代も変わって、”Cloud”、”One Drive”などの機能が一般化して、更に外付けハード・ディスクもお手頃価格で手に入る時代となっており、まあ私なりきのバック・アップ生活が出来そうです。

(懐かしのゲーム「スペースインベーダー」)

(懐かしのゲーム「ロードランナー」)

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2015年2月19日 (木)

さすがにこりゃマイッタ~アルコナARKONA 「YAV」

      <My Photo Album 瞬光残像 = 南イタリア編>

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アルベロベッロAlberobello(南イタリア)の夜(2)
訪れたのは、ヨーロッパの一大行事であるクリスマス行事を迎えるところであったため、このトゥルッリの並ぶ地域はクリスマス・イルミネーションとライト・アップで見事な夜景であった
                                        (Photo 2014.12)

              *    *    *    *

 ~ロシアン・ロック界の雄~
 ペイガン・フォーク・メタル・バンド=アルコナ

     <Rock>
               ARKONA 「YAV」
               NAPALM Records / NPR526 / 2014

Yav2
Masha "Scream" - voice
Sergei "Lazar" - guitar
Ruslan "Kniaz" - bass
Andrey Ischenko - drums
Vladimir "Volk" - wind ethnic instruments

 久々にロックの話題です。どうもこのところ私にとってのロック界は低調であるのだが、我が親愛なるロック・ミュージックの友nr氏のお勧め(?)で聴いてみました。
 美しいジャケですね~~、と思ってよく見るとなんとも恐ろしい世界がみえてくる。
 
  

Masha_scream_arhipova2 ここで取り上げた「アルコナARKONA」はロシア・モスクワ出身のフォークロア・ペイガン・メタルバンドで、”ペイガンメタルの雄”と言われているが、なんとメイン・ヴォーカルのマーシャMaria“Masha Scream”Arhipovaは女性にもかかわらず、とにかく迫力満点。そのヴォーカル手法はグロウル(デス・ボイス)とクリーンヴォイスを両方こなす。そしてその曲は、ほゞアルバム全曲を彼女が作曲している。土着的な叙情と美しい音楽との評もあるが、それは解らないことはないが、いやはや私にはなかなかついて行くのが大変と言ったところ。しかし聴いているとぐんぐん引き込まれていくのも事実。

 ペイガンメタルとは民族音楽的なフォーク&ヴァイキング・メタルの中でもブラック・メタルに近いジャンルだそうだ。
 そもそも”ペイガニズムPaganism”という言葉があるが、自然崇拝、多神教の信仰という世界のようで、彼らが”ペイガンメタル”と言われるのには、パイプや笛などを多用してフォークロア(「民族、民間伝承」の意味)の牧歌的世界に、更にストリングスも加わってそれにメタル・ロックが合体したパターンで迫ってくるところが味噌である。

Yavlist さてこのアルバムは、CD+DVDで、もちろんCDが彼らにとっての7作目のニュー・アルバム(Tracklistは右の9曲)。そしてDVDは、ボーナス版で彼らのモスクワでの10周年記念ライブ映像版で22曲が収録されている。
 オープニングの宗教的な美しさから一転してグロウルの世界が展開。しかし全編に流れる不気味で神秘的にして土着的な世界は疾走してアレンジ豊かな中にダイナミックに迫ってくる。そしてマーシャ嬢のデス・ボイスは、とにかく言葉の意味が全くわからないのもあって、強い怒りなのか、苦しみ・悲しみ・痛みなのか、もともと私はデス・ボイス嫌いであるのだが、女性であるからなんとなく興味を持って聴いてしまう。

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 アルバム・タイトル曲の”YAV”は、13分を超える大曲で、美しさと不気味さの伴った激しさが裏腹に交錯して圧巻。

 ロシアのロックは、1990年代から2000年に形成されたという歴史は浅いのだが、今やそのクオリティの高さは定評がある。このアルコナも2002年からの活動で10年以上の歴史を刻んできて、音楽性のレベルはかなりのところにある。その気で聴くと一つの感動が得られることが恐ろしい。このバンドのシンガー・ソングライターのマーシャ譲は、”嬢”と言えども、ギターのLazerと夫婦で、2人の子供がいる。まだまだ頑張っているところがお見事と言わざるを得ない。とにかくこのようなペイガン・(メタル)ロックという世界は知らなかったのは私だけか?、ロック界の幅広さには驚くのである。

(試聴)”Zarozhdenie”
 

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2015年2月16日 (月)

ジャズ路線が強化~ヘイリー・ロレンHalie Loren の新譜「butterfly blue」そして”バレンタイン・スペシャル・ライブ”

        <My Photo Album 瞬光残像 =南イタリア編>

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アルベロベッロAlberobello(南イタリア)の夜・・・・・・
白い壁ととんがり帽子の屋根の可愛い家(トゥルッリTrulliと言われる)で、この村には1000以上が保存されている。この地方では石灰岩が採れ、それを積み重ねて作られているもの。1996年に世界遺産に認定されて、人気の観光地。
                                           (photo 2014.12)


                *    *    *    *

    <Jazz>
       Halie Loren 「butterfly blue」
       Victor Entertainment / JPN / VICJ61709 / 2015

Butterfly_blue

  この2月は例年のごとく、ヘイリー・ロレンのジャパン・ツアーが行われている。もう彼女は日本では売れ筋のジャズ・ウォーカリストだ。アラスカ出身の彼女が日本で話題になったのは、アルバム「青い影 they Oughta Write a Song・・・」で、当時ここでも取り上げたが、もう5年も経過したんですね(参照 :http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/halie-loren-a9e.html)。
 今回、私も参戦したライブは、今年発売のこのニュー・アルバムを引っさげて「Butterfly Blue-Valentine Special」として東京”Cotton Club”で行われたもの。

Haliecottonclub もともと彼女は2ndアルバム「青い影」でロック畑からのプロコム・ハレムの売れた曲(かって日産のシルビアのコマーシャル・ソングにも使われた)のカヴァーを”Jazzy not jazz”路線で展開して好評、一気に日本でも売れたわけだ。従ってジャズといってもポピュラーに近いアプローチがその後のアルバムでも展開しており、私は是非是非ジャズ路線を深めて欲しいと期待しているのですが、しかし、こうしてライブに望んでみるとステージでの流れにおいてはやっぱりジャズ色が濃く、なかなかその点は良い。今回”A Whiter Shade of Pale”も当然登場したが、ジャズ・アレンジはアルバムのものよりは進んでいる。これがライブでなきゃ・・・というジャズの醍醐味ですね。

 大柄でないスマートな体型、そして手の動きなどは曲に合わせてのジェスチャーが堂に入っており、又腰から足へのリズムの取り方はまだ若いエネルギッシュなダンスを小気味よく曲に合わせて展開し、そこにあのジャケそのままの美人でもあって、ステージ・ショーは見事である。
 更に、アルバムでのウィスパーから高音域に入るところの声がひっくり返るというちょっとしたこねくり回す唱法は、今回のステージでは(曲にも依るが)、むしろ少なく私としては好感が持てた。

Butterflybluelist さて、今回のアルバムの話に戻るが、彼女のヴォーカルのバックは、2nd「青い影」以来相変わらずのピアノ・トリオ(Matt Treder(p), Mark "Mo" Scheider(b), Braian West(ds)=来日のステージもこのメンバー)。そして曲により、フォーン、ギターが加わる(William Seiji Marsh, David Larsen, Joe Frenen, Daniel Gallo)。
 収録曲は右のようなところ。内容の主たるは暦年のスタンダード曲であり、フランク・シナトラ、ナットキングコールなどに挑戦してくれている。今回はジャズ色の濃い編曲であり、一歩洗練されてきた印象にある。これは一つの進化とみたい。

Halie
 以前も触れたことがあるが、彼女のファースト・アルバムは2nd以降とは全く異なって、どちらかというと”オルタナティブ・ミュージック”のパターンであり(参照 : 「Full Circle」(2006年) http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/halie-lorenstfu.html)、彼女はピアノ・プレイもみせた。しかしそれがその後”Jazzy not Jazz”路線が売れたため、その線でここ数年は経過して来た。そしてここにきてジャズの本質に迫ろうというアプローチを見せてくれたのである。さあこれは私は歓迎だが、これまでのファンの評価がどうなるか?、それによっては、これからの彼女の歩む道を決めるアルバムと言うことにもなりそうだ。

(試聴)

 

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2015年2月13日 (金)

フランチェスカ・タンドイFrancesca Tandoi 「SOMETHING BLUE」

             <My Photo Album  瞬光残像 = 南イタリア編>

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シチリア島のタオルミーナの絶壁の上にあるギリシャ劇場(紀元前3世紀のギリシャ遺跡で、ローマ時代に改築もされているようだが、昔からの古代の客席も残っている)の一部から街を望む
                                  (photo 2014.12)

                  *    *    *    *
    
        <Jazz>
           Francesca Tandoi Trio「SOMETHING BLUE」
            ATELIER SAWANO / JPN / AS142 / 2014

Something_blue

Francesca Tandoi: piano & vocal
Frans van Geest: bass
Frits Landesbergen: drums


 イタリア生まれで、オランダで活躍しているフランチェスカ・タンドイの2ndアルバムが、先の日本デビュー・アルバムから1年も経たないのにこの12月に登場だ。とにかく美人でピアニストでヴォーカルありと言うことで話題になった。そこで澤野工房も気合いが入っているのだろう、あっという間の第2弾リリース。彼女の前作はここでも先頃取り上げたばっかりだ(参照:Francesca Tandoi 「For Elvira」 http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/francesca-tando.html )。

<Tracklist>
01. Tricotism
02. Waltz for Debby *
03. That Old Feeling *
04. Too Marvelous for Words*
05. The Days of Wine and Roses
06. You Must Believe in Spring *
07. Something Blue
08. Volare *
09. Teach Me Tonight *
10. Save Your Love for Me *
11. Green Heels
12. Someone to Watch Over Me *

Francesca20tandoi20202 スタンダード曲が中心だが、前作1stよりは、今回はヴォーカル入りも多くなっている(上のリストの*印)。多分前作からの話題性を維持してファン・サービスを意識したところでしょうね。まあ彼女の歌声は澄んだ女性らしいものだが、ちょっとやや線が細い為か、若干説得力に欠ける。しかしあまり技巧にとらわれず、キュートな感じの線で歌われて、こねくり回した歌い方は私は好まないので、これで良いのではと思うところ。そんな訳でこのアルバムも相変わらず聴く者の心をとらえて支持を得そう、それもなにせ美人ですからね。
 トリオ・メンバーは前作と同じであるところをみると、固定しているトリオのようだ。ヴォーカルなしのピアノ・トリオ演奏の曲では、かなり彼女のピアノ・プレイはジャズ指向に充ち満ちている。多分そもそもは彼女はシンガーを目指していたのではなく、やはりジャズ・ピアニストとしての努力をしてきたのだろうと推測される。”The Days of Wine and Roses ”はムーディーに演じてアドリブも充実。” Something Blue ”、”Green Heels ”は快調にスウィングしてくれる。
 いずれにしても、これからが楽しみなアーティストである。

(試聴)

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2015年2月 9日 (月)

あのカルテットの第2弾~ラーシュ・ダニエルソンLars Danielsson「Liberetto Ⅱ」

       <My Photo Album 瞬光残像= 南イタリア編>

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タオルミーナTaorminaにてイオニア海を望む(南イタリア・シチリア島)
 タオルミーナという地は、ダイビングに魅せられた男たちを描いた映画「グランブルー」の舞台の街で、マリンブルーの海と背景にはシチリアの最も高い活火山エトナ山があってリゾート地として有名になったところ。温暖な気候で冬でもハイビスカスなどの花が咲くなど、さらにここを人気の地にしている。ここにも紀元前3世紀といわれるギリシャの遺跡が残っている。
                                       (photo  2014.12)

                  *    *    *    * 

   <Jazz>
     Lars Danielsson 「Liberetto II」
     ACT / Germany / 9571-2 / 2014

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Lars Danielsson / bass, cello, piano (on 01),piano melody (on 03 & 09)
Tigran / piano, fender rhodes
John Parricelli / guitar
Magnus Öström / drums, percussion, electronics


Special Guests:
Mathias Eick / trumpet
Dominic Miller / guitar (on 01)
Cæcilie Norby / voice (on 12)
Zohar Fresco / percussion & vocals (on 09)

 北欧スウェーデンの重鎮ベーシストが3年前に結成したクァルテットの続編(第2弾)を登場させた。(参照:2012年作アルバム『Liberetto』http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/lars-danielson-.html )
  ピアノにあのティグランを再び呼び、そしてドラムスはE.S.T.のマグヌス・オストロム、ギターにドミニク・ミラー。クラシック、フォーク、トラッドの音楽の流れは今回も生きていて、そのアコースティック・サウンドは、不思議な異国の情緒を描き、郷愁を感じさせる。ゲストにマティアス・アイク(tp)など、これまたダニエルソンの流れに溶け込んで味つけが見事。

Liberetto2list Tracklistは左のように12曲。M8はティグランの曲で、M10はダニエルソンとティグランの曲、その他はすべてダニエルソンのオリジナル。
 なかなか多彩な曲が展開する。第1曲目”Grace”からトランペット、ピアノ、ギターともう郷愁感たっぷりのメロディーを交互に聴かせダニエルソンの美学が響く。そして”Passacaglia”(M2)はギターのリズムにダニエルソンのベースが追いかけるように展開して民族ダンスが目に見えるようだ。”Miniature”はアルコ奏法で異空間に誘う。M5、M6、M7は、トランペットとベースのデュオの3部曲。こんな調子でそれぞれの曲に工夫が凝らされていて、全編一曲ごとに新鮮に聴こえてくる。

Ld3 なんと言っても、ダニエルソンの曲は北欧の大地から生まれてくるような印象で、メロディーが美しく、そしてなにかローカルな郷愁感に満ちていてつい引き込まれてゆくのである。このアルバムもその線は一つも崩れていない、と言うより益々それは高まっている。
 一口にジャズと言っても、こうした世界はやはり異色であって、その広さに驚くところだ。そしてなぜか何時も彼のアルバムを流すときは一人でじっくりと聴きたいのである。
 彼は1958年スウェーデン生まれで、、60歳少々前という年齢であり、今が一番脂がのっていると言っていいだろう。イェテボリの音楽院でクラシックのチェロを学び、その後ベースに転向。そしてジャズの世界に踏み込んだという経歴で、今やスウェーデン・ジャズ界ではなくてはならない存在となっている。

(試聴)このアルバム最後を締めくくる美し曲”Beautiful Darkness ”

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2015年2月 6日 (金)

ジャズ・マニアを堪能させるジャズ~ロバート・ラカトシュ・トリオRobert Lakatos Trio : 「BUMERANG」

     <My Photo Album 瞬光残像=南イタリア編>

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地中海というかイオニア海の美しさをみせるタオルミーナ(南イタリア・シチリア島)にて・・・・
                                (photo  2014.12)

     *    *    *    *

     <Jazz>

     Robert Lakatos Trio 「BUMERANG」
     Atelier Sawano / JPN / AS114 / 2011
     Recording : Nov. 21 & 22 2010

Bumerang_2
    Robert Lakatos : piano
   Christian Lakatos : bass
   Dre Pallemaerts : drums
   Gabor Bolla : tenor sax - Tr.3,6,9


 久々にハンガリーですね。それもピアニストのロバート・ラカトシュRobert Lakatosはハンガリーのピアノを中心としてのマルチ・プレイヤーである。このアルバムに手を付けたのは、やはり寺島靖国の推薦からで、このアルバムはピアノ・トリオものですが、3曲にTener Saxが加わる。
 とにかくジャズの甘いも酸っぱいも知り尽くしてのジャズ道という感じのトリオ作品。なかなかのものでお見事と言いたい。昨年末から十分聴きこんでいなかったんですが、ここにきて彼らのすばらしさを実感している。私の印象としては、何度かと訪れたハンガリーですが、どうしてもブタペストの街の輩の風体から、こうした美意識の音楽がどうして生まれるのかと不思議でならないのですが、実態はロックの世界でもそうですが彼らの生み出すところには敬服してしまうのです。

List_2 10曲が収録されているが、3,6,9曲目には、テナー・サックスが旋律を奏でるが、この3曲はラカトシュとサックスのボラGabor Bollaによるオリジナル曲で、彼らのやりたいことをやらせてもらいますと言いたげなやや前衛的演奏を展開。これにはドラムス、ベースも同調してジャズの醍醐味をみせる。これがこのアルバムの中で良いメリハリを付けていて、曲の配置も絶妙だ。とくに”Fèlteni Kell”(M2)や”Love Letter”(M5)は、彼のピアノにより叙情的にしっとりと聴かせる曲仕上げでこの対比が面白い。
Rl2b とにかくオープニングの”You must believe in spring”のラカトシュの多彩にして流麗なピアノ・プレイで、こりゃただ者でないことが解る。さらにそれを”Spring is here”(M8)ではベース、ドラムスと掛け合っての演奏で、ジャズ・マニアにはたまらない展開だ。
  私はそこまでよく知らないのだが、彼の父親もジャズ・ピアニストで名を馳せていたと言うし、彼自身もブダペストの「バルトーク音楽院」でクラシック・ピアノを学んだというし、そのピアノを中心とした音楽への探求は人生そのもののようだ。
 やがてジャズへと転向するのだが、そこには基礎のしっかりしたものと、音楽環境の充実とで中身のあるところがにじみ出てくるのだろう。日本では2005年澤野工房」より、「SO IN LOVE」でデビューした。

Nikolettatrio 私は彼のピアノ・プレイはあのハンガリーの可愛いジャズ・シンガーのニコレッタ・セーケのアルバム「Shape of My Heart」(2011)、「Inner Blaze」(2012)など(参照:http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/inner-blaze-846.html)でのバックで演じている華麗なピアノ・トリオであるところから興味があったんですが、まだ彼自身のものは未聴アルバムが多く、これから楽しみに聴き込んでみようと思っているところなんです。

(試聴) 彼の過去のアルバムから・・・・

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2015年2月 3日 (火)

ロツク心をくすぐってくれたダイアナ・クラールDiana Krall の新譜「wallflower」

これは私にとってのロック史礼賛盤だ~お見事!!?

      <Rock, Jazz>

         Diana Krall 「wallflower」
         Verve / US / 0602537866854 / 2015

Wallflower

 出る出ると言いながら、なかなかリリースされなかったダイアナ・クラール(1964年カナダ生まれ、本名"Diana Jean Krall")のニュー・アルバムだ。前作のオールド・ジャズへのアプローチと打って変わって、なんと嬉しいことに歴史的ロックのオンパレード。私は1970年代よりジャズにもメジャーなものには足を入れていたとは言え、どちらかというとロックの歴史と流れてきた人間にとっては、彼女のアプローチは嬉しいかぎりだ。
 さて、今回はプロデュサーはグラミー賞受賞においては数多くの経歴のあるデヴィッド・フォスターということで、彼の編曲も冴え渡り、なかなか大衆的なダイアナ・クラールを堪能できる。(彼女については何度も取り上げているので、そちらを参考に ↓)
① http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/glad-rag-doll-4.html
② http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/diana-krall-54f.html

 とにかく彼女は重症の肺炎を昨年患って、その為かこのアルバムも数ヶ月遅れでの登場であった。今はとりあえず回復しているようで何はともあれ良かったというところだが・・・。

<tracklist>は下のようで、1960年末から1970年代を中心に、ロックの歴史を語るがごとく選曲となっており、参考までに、以下に曲の出所とその年代を記しておく。

M1) 「California Dreamin'」 from Mamas & Papas 『If You Can Believe Your Eyes & Ears』(1965)
M2) 「Desperado」 from Eagles 『Desperado』(1973)
M3) 「Groupie (Superstar)」 from Delaney & Bonnie 『D & B Together』(1969)
M4) 「Alone Again (Naturally)」 from Gilbert O'Sullivan 『Singer & His Songs: Very Best Of』(1972)
M5) 「Wallflower」 from Bob Dylan 『Another Self Portrait 1969-1971: Bootleg Series 10』(1971)
M6)  「If I Take You Home Tonight」(Paul McCartoney)
M7) 「I Can't Tell You Why」 from Eagles 『Long Run』(1979)
M8) 「Sorry Seems To Be The Hardest Word」 from Elton John 『Blue Moves』(1976)
M9) 「Operator (That's Not The Way It Feels)」 from Jim Croce 『You Don't Mess Around with Jim』(1972)
M10)「I'm Not In Love」 from 10cc 『Windows In The Jungle』(1975)
M11)「Feels Like Home」 from Bonnie Raitt -O.S.T. 『Michael』(1995)
M12)「Don't Dream It's Over」 from Crowded House 『Crowded House』(1986)
M13)「In My Life」 from The Beatles 『Rubber Soul』(1965)
M14)「Yeh Yeh Featuring Georgie Fame」 from Georgie Famee & The Blue Flames 『20 Beat Classics』(1965)

M15) Sorry Seems To Be The Hardest Word - Live From Paris France
M16) Wallflower - Live From Paris, France

Wallflowerdk
 いやはや、ダイアナ・クラールに歌わせると全曲バラードと化して、一層懐かしさが心にしみ込んでくる。
 アルバム・タイトル曲の 「Wallflower」はボブ・ディランの曲で、このアルバムのデラックス版はライブ録音ものも登場する。
 そしてこのアルバムではイーグルスが2曲「Desperado」 、「I Can't Tell You Why」が登場する。ここで私の好きな 「言い出せなくてI Can't Tell You Why」を選んでくれたのは嬉しいですね。
 もちろんビートルズも登場するが、なんとポール・マッカートニーの新曲も入る(「M6」)。
 とにかくエルトン・ジョン、10cc、クラウデット・ハウスなどなど・・・・。
 そしていくらダイアナ・クラールが親父声とは言え、おかしいなぁと思ったら、マイケル・ブブレイとブライアン・アダムスとのデュオが2曲入っている(「M4」、「M11」)。「M13」-「M14」の4曲は、デラックス版のボーナス・トラックス。

Diana_montreal2
  さてこのアルバム・タイトルの「wallflower」と言うのは、”パーティの主役になれず、壁際にポツンと咲く花になっているような女性の意”ということだが、まさに花形の彼女には似つかわしくないが、そこがむしろ味のあるところなのか?はた又、彼女自身にそのような感覚がどこかにあるのか?・・・、フォスターのトリックか?、ちょっと興味があるところ。

 とにかくここでダイアナ・クラールが、私のような老骨を泣かせてくれるとは、まさに意外であって感激の一枚であった。しかしまあジャズ・ファンは、ちょっとスウィングする世界とは違っていることと、彼女のピアノ・プレイが聴けないことが物足りないかもしれないが(実はその点は私も少々そんな感じを持つのでした)、今回はお許しいただこう。

 なおデラックス盤では、DVD付きもあり彼女のライブ3曲の映像版(「Sorry Seams to be The Hardest Word」、「Case of You」、「Wallflower」)。

(試聴)

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