ロツク心をくすぐってくれたダイアナ・クラールDiana Krall の新譜「wallflower」
これは私にとってのロック史礼賛盤だ~お見事!!?
<Rock, Jazz>
Diana Krall 「wallflower」
Verve / US / 0602537866854 / 2015
出る出ると言いながら、なかなかリリースされなかったダイアナ・クラール(1964年カナダ生まれ、本名"Diana Jean Krall")のニュー・アルバムだ。前作のオールド・ジャズへのアプローチと打って変わって、なんと嬉しいことに歴史的ロックのオンパレード。私は1970年代よりジャズにもメジャーなものには足を入れていたとは言え、どちらかというとロックの歴史と流れてきた人間にとっては、彼女のアプローチは嬉しいかぎりだ。
さて、今回はプロデュサーはグラミー賞受賞においては数多くの経歴のあるデヴィッド・フォスターということで、彼の編曲も冴え渡り、なかなか大衆的なダイアナ・クラールを堪能できる。(彼女については何度も取り上げているので、そちらを参考に ↓)
① http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/glad-rag-doll-4.html
② http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/diana-krall-54f.html
とにかく彼女は重症の肺炎を昨年患って、その為かこのアルバムも数ヶ月遅れでの登場であった。今はとりあえず回復しているようで何はともあれ良かったというところだが・・・。
<tracklist>は下のようで、1960年末から1970年代を中心に、ロックの歴史を語るがごとく選曲となっており、参考までに、以下に曲の出所とその年代を記しておく。
M1) 「California Dreamin'」 from Mamas & Papas 『If You Can Believe Your Eyes &
Ears』(1965)
M2) 「Desperado」 from Eagles 『Desperado』(1973)
M3) 「Groupie (Superstar)」
from Delaney & Bonnie 『D & B Together』(1969)
M4) 「Alone Again
(Naturally)」 from Gilbert O'Sullivan 『Singer & His Songs: Very Best
Of』(1972)
M5) 「Wallflower」 from Bob Dylan 『Another Self Portrait 1969-1971: Bootleg Series
10』(1971)
M6) 「If I Take You Home Tonight」(Paul McCartoney)
M7) 「I Can't Tell You Why」 from Eagles 『Long Run』(1979)
M8) 「Sorry Seems To Be The Hardest Word」
from Elton John 『Blue Moves』(1976)
M9) 「Operator (That's Not The Way
It Feels)」 from Jim Croce 『You Don't Mess Around with Jim』(1972)
M10)「I'm Not In
Love」 from 10cc 『Windows In The Jungle』(1975)
M11)「Feels Like Home」 from Bonnie Raitt -O.S.T. 『Michael』(1995)
M12)「Don't Dream It's Over」
from Crowded House 『Crowded House』(1986)
M13)「In My Life」 from The Beatles 『Rubber Soul』(1965)
M14)「Yeh Yeh Featuring Georgie
Fame」 from Georgie Famee & The Blue Flames 『20 Beat
Classics』(1965)
M15) Sorry Seems To Be The Hardest Word - Live From Paris France
M16) Wallflower - Live From Paris, France
いやはや、ダイアナ・クラールに歌わせると全曲バラードと化して、一層懐かしさが心にしみ込んでくる。
アルバム・タイトル曲の 「Wallflower」はボブ・ディランの曲で、このアルバムのデラックス版はライブ録音ものも登場する。
そしてこのアルバムではイーグルスが2曲「Desperado」 、「I Can't Tell You Why」が登場する。ここで私の好きな 「言い出せなくてI Can't Tell You Why」を選んでくれたのは嬉しいですね。
もちろんビートルズも登場するが、なんとポール・マッカートニーの新曲も入る(「M6」)。
とにかくエルトン・ジョン、10cc、クラウデット・ハウスなどなど・・・・。
そしていくらダイアナ・クラールが親父声とは言え、おかしいなぁと思ったら、マイケル・ブブレイとブライアン・アダムスとのデュオが2曲入っている(「M4」、「M11」)。「M13」-「M14」の4曲は、デラックス版のボーナス・トラックス。
さてこのアルバム・タイトルの「wallflower」と言うのは、”パーティの主役になれず、壁際にポツンと咲く花になっているような女性の意”ということだが、まさに花形の彼女には似つかわしくないが、そこがむしろ味のあるところなのか?はた又、彼女自身にそのような感覚がどこかにあるのか?・・・、フォスターのトリックか?、ちょっと興味があるところ。
とにかくここでダイアナ・クラールが、私のような老骨を泣かせてくれるとは、まさに意外であって感激の一枚であった。しかしまあジャズ・ファンは、ちょっとスウィングする世界とは違っていることと、彼女のピアノ・プレイが聴けないことが物足りないかもしれないが(実はその点は私も少々そんな感じを持つのでした)、今回はお許しいただこう。
なおデラックス盤では、DVD付きもあり彼女のライブ3曲の映像版(「Sorry Seams to be The Hardest Word」、「Case of You」、「Wallflower」)。
(試聴)
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コメント
風呂井戸さん、こんにちは。
このアルバム、賛否が分かれそうなアルバムですね。
なんとなくこれからの進む方向を示したアルバムなのでしょうか(笑)
投稿: la_belle_epoque | 2015年2月 4日 (水) 23時17分
突然デス声にチャンジしたりしないんですか。
旦那がエルビス・コステロで、アレンジがデビット・フォスターなんですね。
へぇと思いました。
投稿: nr | 2015年2月 5日 (木) 08時30分
la_belle_epoque さん、コメントどうも有り難うございます。
この私の記事のタイトルのとおり、私にとって・・・・と言うことでは歓迎でした。まさにジャズ界から、ロックのイージーリスニング版と化けたダイアナ・クラールですね。これから彼女はヴォーカルの方向に流れるような話もないではないと言うことですが、今回はこれでOKとして、たぶんこの次のアルバムはガンガンとジャズ・ブレイをやってくれると私は踏んでます。・・・と、言うところから歓迎したんですが・・??、このままだと、ちよっとそれは寂しくなりますよね。
投稿: 風呂井戸 | 2015年2月 5日 (木) 18時30分
nrさん、今日わ。
突然デス声ですか?、もともとダイアナ・クラールは親父声ですから・・・・こんなところでいいんじゃないでしょうか?。それとも、マーシャ嬢のように頑張らせますかね(笑い)。
このアルバム聴いてみて解ったんですが、彼女はブライアン・アダムスのファンだったんですね。そしてこうしてデュオを組んでみると、声は結構似ているんですね。いやはや。
投稿: 風呂井戸 | 2015年2月 5日 (木) 18時39分
風呂井戸さん,こんにちは。TBありがとうございました。
このアルバム,ジャズという観点では物足りない部分もあるかもしれませんが,それを補って余りある音楽的魅力があると思います。これらの名曲を,このアレンジ,彼女の声でしっとりと歌われたら,まいらない方がおかしいとさえ感じてしまいました。
とにかく,我々の世代の郷愁を誘う曲ばかりですよ。先日の10CCのライブでも感じましたが,名曲の魅力は不滅ですよね。
ということで,こちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2015年2月 7日 (土) 11時57分
中年音楽狂さん、こちらにもTB有り難うございました。とにかく中年以上(笑)の私にとっても、ジャズ界からのこれはまさにサービスで、ついつい懐かしさを感動で味わせてもらいました。この次はバリバリのジャズ・ピアノ・プレイが襲ってくることと信じています。
投稿: 風呂井戸 | 2015年2月 7日 (土) 17時44分
風呂井戸さま、きちんとご挨拶をさせていただくのは初めてな気がいたします。
でも、いつも素敵なブログだと思っておりました。
そもそも、ブログタイトルがかっこよすぎます。。
勝手ではございますが、リンクさせていただきました。。
よろしく、お願いいたします。
と、これは反則なアルバムでしたね。
あの歌唱力でこの歌歌ったら、、そりゃ、普通の人間はノックアウトだろう。。って、トラックのオンパレードでした。
わたしも、末永くお世話になるとおもいます。
で、次回はばりばりって、意見にも賛成です!
投稿: Suzuck | 2015年2月18日 (水) 18時36分
Suzuckさん、こちらこそよろしくお願いします。ブロクは拝見しておりましたが、ダイアナ・クラールのお話で、なんとも共感の境地でついお邪魔していまいました。
これからも楽しいお話を期待しております。私のブログでは何が飛び出すか解りませんが・・・何かとご指導ください。
投稿: 風呂井戸 | 2015年2月18日 (水) 23時20分
Hi my friend! I wish to say that this post is amazing, nice written and come with almost all important infos. I¡¦d like to look extra posts like this .
投稿: Gonzalo | 2015年2月21日 (土) 19時07分
細かい曲紹介書いてくださりありがとうございます。いい曲が多いですが原曲を探して聴いてみます。
投稿: モンカー | 2015年9月 3日 (木) 21時22分