アンナ・マリア・ヨペクAnna Maria Jopek~BOX SET「Dwa Serduszka Cztery Oczy」
<My Photo Album 瞬光残像 = 南イタリア編>
南イタリア・マテーラMateraの洞窟住宅群の中に入っていくと、こんな生活臭たっぷりの情景におめにかかれる。このような一見建物に見える住宅に入ると中は岩をくり貫いた洞窟なのである。 (photo 2012.12)
* * * *
<Jazz>
Anna Maria Jopek 「Dwa Serduszka Cztery Oczy」
AMJMUSIC / 179 478 2 / 2008
アンナ・マリア・ヨペク、2013年の秋にライブでお目にかかってから、まだニュー・アルバムはリリースされていません。そろそろ良いのではと・・・・思いつつ、その埋め合わせというか繋ぎに彼女のボックス・セット(3枚組)を仕入れて聴いているんですが、これがなかなかのもので、一枚は既に持っているアルバム(CD)ですが、その他2枚、一枚はライブ盤、一枚はレアトラック盤と納得の良盤でご機嫌なんです。
この3枚組ボックス・セットの内容は左のようなところ(クリック拡大)。
<一枚目> 「ID」
これは、異国情緒たっぷりのアルバムで、既に2007年にリリースされたもの(参照:http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/nightwach-cc87.html)で、ここでも過去に私は取り上げているので、それはそれとして・・・・・。
その後、2011年に「Haiku俳句」(ピアニスト小曽根真と共演)、「Sobremesa」、「Polanna」の3部作を一気にリリース(参照:http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/3-4392.html)して、彼女のポーランドを中心としての国際的なアプローチの結晶を完成させ、多くの賞賛と賞を獲得した。
それにより一つの頂点に達してしまった為か、このところ新作が届いていない。多分このような成功の次の作品には、自己の納得がそう簡単ではないのであろう。日本でのライブ時の様子は非常に元気であったので、目下は、ニュー・アルバムに着手していると思うのだが、待ち遠しいところだ。・・・・そんな訳でこのボックス・セットで、私は間を埋めているのです。
<二枚目> 「SPOZA」
ここに登場するこの2枚目が興味深い。これは未発表音源集であるので、そんなところも魅力。中身は誕生日パーテイーで録音されたモノとか、ゲスト演奏モノ、シングルに収録されていたモノなどや、未発表のサウンドトラックからの選曲ということらしいが、驚くことに録音が生々しく良好で、良い意味での意外性があった。
収録14曲中9曲は彼女の作曲、その他も作詞などしており彼女一色のアルバム。ポーランド語で解らないところが一層奥深いトラディショナルなムードをも醸し出す曲もあって面白い。又彼女への曲を長年手がけているMarcin Kydryńskiの曲 ”Jakby Nic Się Nie Stało”は、やはりヨペク味いっぱいの美曲。
バックの演奏陣にピアノは、Leszek Moźdźer、そして Tord Gustavsen(”Daleco”は納得の深遠な名曲)などの一流どころが演じているし、ギターのMarek Napiórkowskiの快演が聴ける。
<三枚目> そして3枚目の「JO & CO」は、”BMW Jazz Club”、”Ethno Jazz Festiwal”の2つのライブでの収録もの。これが又スタジオ盤と違って、ライブものの特徴そのもので、じっくりと演じて、歌い込みも見事な感動のシロモノ。
これは一枚のアルバムとしても過去にリリースされていたのですが、私は今になって初聴きでした。
登場するは、彼女自身の曲が5曲演じられる。アルバムで聴くのと違ったステージでの熱唱が、彼女の曲に対する意気込みが感じられて凄い。彼女のアルバムものの印象は、そう熱唱派には思えないのだが、東京ライブもそうだったが、かなりの熱唱派なんですね。この盤はライブものであった為、実は別扱いで、いままでは手にしてなかった。早く手に入れておくべきだったと今にして思うのだ。4曲目の”Aya 1984”は極上品。又ジャズを超えたフュージョン派ベーシストのリチャード・ボナの参加などもあって、ひと味もふた味も充実したヨペクの世界が見える。
締めの”Dwa Serduszka Cztery Oczy”の彼女の歌唱力をみせつけるヨペク節はまさに説得力十分の完成品。
(試聴)
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コメント
メセニーとのコラボ盤もなかなかディープてしたね🎶
投稿: ゆきねこ | 2015年3月24日 (火) 19時17分
ゆきねこさん、コメントどうも有り難うございます。
そうです、私はアンナ・マリヤ・ヨペクは、あの「UPOJENIE」が原点でした。
しかしジャズにせよ、ロックにせよ・・・やっぱりポーランドは素晴らしい。
投稿: 風呂井戸 | 2015年3月24日 (火) 20時35分
御意(^。^)
数年前、アンナ・マリヤ・ロペクを聴いたのは偶然でした。その後、貴BLGでマルチン・ヴァシレフスキをご教示頂き、月の裏までぶっ飛び!耽溺しまくったものの、脈絡のない音漁りでした、が!
今ようやく、この御投稿でポーランド文化の地政的水脈を意識したというところ…お笑いください(^_^.)
ワイダを観なければいけませんね
投稿: ゆきねこ | 2015年3月25日 (水) 09時18分
もとい、「ロペク」⇒「ヨペク」
失礼しました…ポーランド人名はむじかしい、苦笑
投稿: ゆきねこ | 2015年3月25日 (水) 09時22分
ゆきねこさん、どうもどうも・・・
ポーランドに行ってみて解ったんですが、さすがショパンの国、音楽に対する敬虔の念がジャンルを問わず充ち満ちていますね。その恩恵を少しでも・・・と、そんなところですかね(笑)。
投稿: 風呂井戸 | 2015年3月25日 (水) 23時02分
久しぶりにヨペクが聴きたくなりました。
投稿: 爵士 | 2015年3月28日 (土) 21時09分
爵士さん、そうですよね。
新作がどうもまだ届かないので・・・このボックスで間をつないでいます。「ID」のアルバムがダブってしまいましたが、その他の2枚で納得しています。
投稿: 風呂井戸 | 2015年3月28日 (土) 23時52分