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2015年3月 3日 (火)

都会の夜をしみじみと・・・チャーリー・ヘイデンCharlie Haden

        <My Photo Album 瞬光残像 = 南イタリア編>

 

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アルベロベツロAlberobelloの夜(6)     (photo 2014.12)

           *    *    *    *

 

<Jazz>

 

チャーリー・ヘイデンCharlie Haden三題

 

A1lmgrey4vl__sl600_ 昨年(2014年)の7月に、76歳で亡くなられた悲報を受けて、ジャズ愛好家の多くのブログで取り上げられ弔辞が述べられたチャーリー・ヘイデン(Charles Edward "Charlie" Haden 1937-2014)であったが、今となると尚更その寂しさが感じられるところだ。
 私の場合は、古くからはジャズ愛好家として多くを聴いてきたという人間ではないのだが、特にキース・ジャレットには入れ込んできたという関係で、彼にはこの上なく愛着を感じてきた(最近の「Jasmine」http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/keith-jarrett-j.html)は当然としても、かってのKeith Jarrett 「 DEATH AND THE FLOWER 生と死の幻想」 impulse 32XD603 , 1974年作品など=参考http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/keith-jarrett-1.html

 ベーシストというのは、なんとなく地味である。そしてそんなところでメロディーを奏でるピアニスト等を支えながらも、人間的な叙情的な自己の世界を貫いてきたところに彼の美学があるように思うのだ。
 そして、彼には1960年代の活動を見ても、反戦という政治的なテーマも見え隠れしたしたが、それはあの時代の中で、もがきながらの彼の人間愛の結果であったと思う。

 さて一方、彼の描く世界はもう一つあると思ってきた。それはなんとなく昼間の雑踏から解放され、ふと自己を見つめる「静かな都会の夜」というイメージを私は持っていた。事実私自身の生活の中でもそんな役割を果たしてくれていたアルバムが多くある。このところもう彼の新作にはありつけないと思うと、なんとなく引っ張り出してきて、再びよく聴いているのである。

    Charlie Haden & John Taylor 「Nightfall」
    The Naim Label / England / naimcd077 /2004

 

Nightfall
NightfalllistRecorded at Roy O Disney Music Hall,  Oct. 2003
Charlie Haden : Double Bass,     John Taylor : Piano


 まずは、タイトルどおりの一日活動のの終わりである「黄昏(たそがれ)」を描いたアルバム。これが私はお気に入りなんですね。これを聴いていると時間が流れて深夜の静けさにまで私の心は及んで行くんです。この両者のデュオはなかなか聴きもの。ヘイデンの演出にテイラーのリリカルそのもののピアノが反応する。もう対ピアニストは百戦錬磨のヘイデンのこと、そこにテイラーのやや冷たさのある澄んだピアノの音を見事に交錯させている。

 

                 *                 *

 

             CHARLIE HADEN   KENNY BARRON  
            
「Night and The City」

               VERVE / VERVE 314 539 961-2 / 1998

 

Nightandthecity
Nightandthecitylist_3
Recorded Live on 1996, at The Iridium, N.Y.C.
CHARLIE HADEN : bass ,    KENNY BARRON : piano

 

 ライブ録音。それもパラパラの拍手、それが又夜のムードたっぷり。深夜もう多くが床につこうとしている時に、極上のピアノとベースのデュオを小さな会場で聴く。これ以上の贅沢はない。チャーリー・ヘイデンのアルバムですから、そりゃベースが響き渡ります。そしてケニー・バロンのピアノは、その一つ一つの音が輝いている。
 とにかく安らぎを、エレガンスであり、色つやがあるバロンのピアノが導いてくれるのである。ただスローでなくスウィング感を夜のムードに仕上げるところは、やっぱり並のミュージシャンでない。 

 

               *                *

 

        Charlie Haden   「Nocturne」
     GITANES / 013 611-2 / 2001 (VERVE /  440 013 611-2 / 2001)

 

Nocturne
      Recoded on August 27-31, 2000  at Miami,FL.
      Charlie Haden : Bass ,  Gonzalo Rubalcaba : Piano,  Ignacio Berroa : Drums 

Trackloist)
1. En La Orilla Del Mundo (At the Edge of the World)
2. Noche de Ronda (Night of Wandering)
3. Nocturnal
4. Moonlight (Claro de Luna)
5. Yo sin Ti (Me Without You)
6. No te Empenes Mas (Don't Try Anymore)
7. Transparence (Gonzalo Rubalcaba)
8. El Ciego (The Blind)
9. Nightfall (Charlie Haden)
10. Tres Palabras (Three Words)
11. Contigo en la Distancia/En Nosostros - (Without You in the Distance/ In Us)

 

 キューバそしてメキシコのボレロを中心として、チャーリー自身の曲2曲(4,9)を盛り込んでマイヤミにて、ピアノにゴンザロ・ルバルカバ、イグナシオ・ベローナのドラムスによるトリオ、それにプラスαのカルテット(曲により、ギター、ヴァイオリン、サックスなど)に近いタイプで演奏している。なんといってもこれ又ラテン・ムードを加味した都会の夜を描いてくれる。(このジャケのムードも気に入っています)
 チャーリーのバラードをリードするベースは録音もよく、聴くもの全身に響いてくるのだが、ルバルカバのピアノが良いですね。静かに落ち着いた中にメロディーを意外に優しく美しく甘く描いてくれる。なにせ「ノクターン」ですから、夜に聴くと最高の一枚。

 

(試聴)

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コメント

いや、どれも甲乙付けがたい3枚です。

投稿: 爵士 | 2015年3月 3日 (火) 23時44分

 爵士さん、おはようございます。
 今となると・・・尚更チャーリーのアルバムがいとおしい今日この頃なんです。

投稿: 風呂井戸 | 2015年3月 5日 (木) 08時41分

チャーリー・ヘイデンの、あの粘り気のあるベースがなかなか忘れられず、たまたま今回何枚か聴く機会がありましたが、ここに掲載されている3枚とも私も好きです。

今回私が取り上げたのはNocturneでしたけど、他のアルバムもたぶんブログに過去に取り上げたと思います。もうこういう幅の広い人はなかなか出てこないのかなあ、なんてことを聴きながら思いました。

当方のブログアドレスは以下の通りです。
https://jazz.txt-nifty.com/kudojazz/2022/06/post-d69e20.html?cid=143607075

投稿: 910 | 2022年6月13日 (月) 20時57分

すいません、ブログアドレスを間違えまして、正しくは以下の通りでした。編集で直せたら、よろしくお願いします。

https://jazz.txt-nifty.com/kudojazz/2022/06/post-d69e20.html

投稿: 910 | 2022年6月13日 (月) 20時59分

910さん
わざわざこちらまでコメントどうも有難うございました。
 私はもともとゴンザロのファンでして、なお更このアルバムが気に入ってます。二人で描く世界が、所謂、アメリカン・ジャズから一歩も二歩も現代風に広がっていると思ってまして、素晴らしかったですね。
 リンクも有難うございます・・このまま修正コメントも載せておきますので、よろしくお願いします。

投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2022年6月13日 (月) 22時18分

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