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2015年3月24日 (火)

ロバート・ラカトシュ・トリオRobert Lakatos Trio 近作アルバム~「ROBITHOLOGY」、「SEPIA」

              <My Photo Album 瞬光残像 = 南イタリア編>

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色彩がなく異様な感じが迫ってくる南イタリアの歴史の街のマテーラ
                                                        (photo 2012.12)

                     *    *    *    *

<Jazz>

 ハンガリーのロバート・ラカトシュ・ピアノ・トリオの中身の濃さと美しさに惹かれて、2011年のアルバム「BUMERANG」を既にここで先日取り上げているが
(参照 http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2015/02/robert-lakatos-.html )
 目下彼のトリオものが澤野工房により7作登場している。そこで取りあえず近作の2アルバムの感想だ。

Sepia 最も近作は・・・・

ROBERT LAKATOS TRIO
「SEPIA」
Atelier Sawano / AS139 / 2014

Recorded on April15, 16, 2013 at Hardstudios, Switzerland

 ここでは、Drumsに Gregory Hutchinson を迎えての息子のChriatian Lakatos とのトリオ。今までのRobert Lakatos ものと若干印象が違う。つまり技巧的にもハイレベルなところが前面に出て、三者の演奏は明らかに近代トリオの試みを展開。これは歓迎するところと、一方やや聴く方が尻込みしてしまうところの相反した反応があっただろうと思う。私にとっては、過去のアルバムと比べてやや難解、その為このアルバムは取りあえずここに置いておく・・・・。

               *          *          *

 そして2012年のその前作に焦点を当てる(↓)・・・・

    ROBERT LAKATOS TRIO  「ROBITHOLOGY」
    ATELIER SAWANO / AS127 / 2012
    Recorded at Pannonia studio on feb. 14.15.2012

Robithology
Robert Lakatos : piano
Christian Lakatos : bass
Elemér Balázs : drums
Gábor Bolla : sax (track No.5, 8 and 11.)

Robithologylist

  トリオ・メンバーには、ベーシストとしてロバート・ラカトシュの息子のChristian Lakatos が2011年のアルバムから登場していて、今作も同じだ。

  Tracklistは左のごとく11曲。このうち5曲はラカトシュ自身のオリジナル曲。ベーシストのChristian Lakatosの1曲と、ドラマーのElmr Balzs の曲1曲と、主たるはオリジナル曲で構成されている。
 相変わらずロバート・ラカトシュのピアノは多彩なテクニックを背景にその音色は実に美しい。そして時に前衛的に、時に叙情的にと、その展開には彩りがあって見事である。

 このアルバムのタイトルが凄い「Robithology」というのは、ロバート(愛称Robi)+「theology」で、彼の”理論体系(神論)”と言うことで、自身の音楽性の表現のようだ。確かにスタートのKenny Barronの”Voyage”で、彼の四方八方から押し寄せてくるようなピアノ・プレイに満ちていて、これがクラシックを経て築き上げた「ラカトシュ世界」のオープニンクである。そして2曲目に彼自身の曲”In memory of Géza Pecek Lakatos”にて、あの叙情の世界が押し寄せてくる。そしてタイトル曲”Robithology”のリズム感は快調そのもので、しかしそれだけなく静かな瞑想の曲”Sweet and Bitter”との対比が素晴らしい。

Robithologytrio1
 又注目は、このアルバムになって前作では静かな位置にいたベースが、ソロ・パートも多くなり、息子としての単なるお供え物でなく、結構頑張ってトリオとして良い役割を担っている。
 そしてこのアルバムも、やはりボラのサックスが3曲に登場してその変化の付け方は、ラカトシュが一つの曲でも単純に終わらせない構成と同様に、アルバム自身の流れの中での変化にも一役買っている。

 音楽理論においては、私はその筋の人に譲るが、静かな曲”
Here's that rainy day”でもメロディーが流れる中にうねりがあって、単純に終わらせない展開などなかなか聴く方にも充実感が感じられる。ピアノ・トリオ・ジャズとしてのバランスと展開の妙の完成度からして、なかなかの名盤だと思う。

(参考視聴) Nikoletta Szöke のヴォーカルとRobert Lakatos のピアノ

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コメント

相撲取りみたいな大きな体をまるめ、大きな手で弾いていたライブがいまでも印象的。

投稿: 爵士 | 2015年3月28日 (土) 21時12分

爵士さんはライブ参戦していたんですね。
 私は彼に注目したのは最近ですので・・・そして色々と教えて頂きましてどうも。
 最近、それでもアルバムはだいたい揃いました。最近作は少々難しくなってますが・・・・。

投稿: 風呂井戸 | 2015年3月28日 (土) 23時48分

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