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2015年4月30日 (木)

期待の話題 : メロディー・ガルドーMelody Gardot & ロジャー・ウォーターズRoger Waters

 期待の2015年初夏の話題-2題

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 我が家のクレハモクレンも咲いて春たけなわとなりましたが(↑)・・・・ここに来て期待のニュースが入ってます。

<Jazzの話題>
 メロディー・ガルドーMelody Gardot のニュー・アルバム「Currency of Man ~出逢いの記憶~」がこの6月にリリースされる。
New いっや~~、久しぶりです。メロディー・ガルドーは私の期待のシンガーソングライターですからね。彼女の2012年の「アブセンスAbsence」以来3年ぶりのニュー・アルバムですね(http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/melody-gardot-a.html)。前作はラテンよりの作品で、ちょっと私の期待する”都会の夜”ムードとちょっと違ってはいたが、全米ジャズ・アルバム・チャート1位にはなりました。
 期待の今作は又プロデュサーがラリー・クラインに戻って、ジャジーな世界を聴かせてくれるのは間違いなさそうです。

(試聴1) ”Same To You”

(試聴2) ”Preacherman”

<Rockの話題>
 さて話はジャズからロックの方に変わって、続いての期待は、あのピンク・フロイドのGenuineと言われるロジャー・ウォーターズの「The Wall」ライブを記録した映画が今秋劇場公開が決まったことですね。多分いずれDVD化はされるでしょう。

Rogerwatersthewalllive これはToronto International Film Festival (2014年9月)にて公開された映像もの。
 2010-2013年の4年にわたっての記録的ロング・ラン・ライブとなった「The Wall Live」の記録ものが、ここに来てようやくオフィシャルに公開される。
 残念ながら日本嫌いのロジャー・ウォーターズのこと”日本ライブ”は実現しなかったが・・・・と、言うよりも実際のところは、とにかく資材が大量で、ちょっと東洋ライブまでは拡大できなかったようですね。
 しかしこの映像ものは単なるライブ記録に止まらず、関係映像が盛り込まれているようで、期待ものである。

002 そしてロジャー・ウォーターズのもう一つの話題は、あのイスラエル問題に対峙したニュー・アルバムの噂があったんですが、目下は1992年の話題作「Aused to Death 死滅遊戯」がリマスタリングされ高音質化、SACD、 Blu-ray Audio 5.1チャンネル・サラウンド・リミックスで、ジャケもリニューアルされてこの7月に発売と言うことになってます(LP盤もあり)。
 このアルバムは、私はこれこそ真のピンク・フロイド最終盤と勝手に思っている作品で、彼の社会に対する警鐘というコンセプト・アルバムであったことと(中国の天安門事件など忘れられない)、中身の音楽的濃さも抜きんでている名作だったので、ここで再発は時代感覚も現在にも十分通ずるところから当然と判断する。参加ミュージシャンはジェフ・ベック始め充実しての中身の濃いアルバムであっただけに、サウンドの高音質化というのも興味のあるところ。
 そしてそれに続いて彼のニュー・アルバムが登場すれば文句のないところだが・・・・・そこは目下定かな話は浮上していない。

(試聴1)

(試聴2)

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2015年4月25日 (土)

ダイアナ・クラールDiana Krallの原点アルバム「stepping out」

  久しぶりに聴いてみると・・・・・これぞジャズの花

    <Jazz>

                  diana Krall 「stepping out」
               
Justin time Records / JUST 50-2 / 1993

Steppingout

         Recorded at Kingsound in North Hollywood, Oct.18-19,1992
                               Diana Krall : Vocals and Piano
                               John Clayton : Bass
                               Jeff Hamilton : Drums

 今年リリースされたダイアナ・クラールのアルバム「Wallflower」は、ジャズというよりは彼女のヴォーカル・アルバムということで、ストリングス・オーケストラも入ってのもので、いろいろと巷では賛否両論。そうはいっても彼女の独特のヴォーカルで楽しんでいる人も多かったというところだが・・・・・。
 (参照)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2015/02/post-aec5.html

 さてそんな時に話題も多いので、ふと原点回帰で、もう20年以上前の彼女のスタジオ・1st・アルバムを引っ張り出して久々に聴いてみると、”おおそうだったか”と、懐かしく彼女のジャズを手に取るように感じられて、結構納得しているのであります(笑)。

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 当初あまり気にしていなかったんですが、彼女の人気を最高潮に押し上げた John Clayton のBass、 Jeff Hamilton の Drumsが、もう既にこの時からフィーチャーされていたんでしたね。そして彼女のピアノよるトリオ演奏が、オーソドックスな展開で、非常に聴きやすいものであった事を今ここで再認識しているのです。

 このアルバムは1993年にリアルタイムに私は聴いたのではなく、彼女の存在は3rdアルバム「All for you」のグラミー賞のエントリーで知ったわけで、その後5thアルバム「When i look in your eyes」で彼女のスタイルが確立して、そのあたりからファンとなったということで、アルバムは軒並み当時手に入れた。・・・・と言うことは1990年代の後半になる頃に多分初めてこれを聴いたと言うことですね。その後ヒット・アルバムが立て続けに出ているので、むしろこのアルバムは意外にあまり聴かずに棚に収まったままでいたと言っても良い状況であった。
 参考までに、彼女のスタジオ・アルバムを並べてみると、こんなところで(↓)12枚になる・・・・「Wallflower」は12作目ということになりますね。

①-Stepping Out 1993
2-Only Trust Your Heart 1995
3-All for you : A dedication to the Nat King Cole Trio 1996

4- Love Scenes  1997
5- When I look in your Eyes  1999
6- The Look of love  2001
7- The Girl in the other room  2004
8- Chrismas songs  2005
9- From this Moment on  2006
10- Quiet night   2009
11- Glad rag doll  2012
12- Wallflower  2015

(参照)①http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/diana-krall-54f.html
 
http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/diana-krall-6df.html

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さて収録の12曲は左のようなところだが、曲の合間に演奏部分をたっぷり取ったり、又4曲はインストメンタルもので、結構トリオ演奏を重要視しているアルバムだ。そんなところに今となっては初々しいダイアナのヴォーカルが乗ってくる。彼女は1964年生まれであるので、当時28歳と言うことになるが、それにしては堂々たるものであるし、9曲は彼女のアレンジによる演奏であった。

”This can't be love” Claytonのベースに乗って彼女のピアノも快調にリズム・カルでちょっと一時代前の感はあるが楽しいジャズを展開。こうして聴いてみると当時の方がやっぱり現在の親父声よりは女性らしい声ですね(笑)。

”Between the devil and the deep blue sea”はヴォーカルなしのトリオ演奏で楽しい。
 
”Body and soul”は、スロー・バラードで、ピアノの響きもなかなか叙情的。
 
”Jimmie”は彼女のオリジナル曲。これがなかなかベースはアルコ奏法で聴かせてくれるしっとりとした曲。もちろん彼女のピアノも哀愁があって良い。

とにかくこのアルバムは、曲の配列もヴォーカルものインストものと織り交ぜながら、テンポの配慮も旨くなかなか配列が上手な出来が良いものである。

ダイアナ・クラールのかっての本来のジャズものも、最近作アルバム「Wallflower」の反動で、聴きたくなることもあって、ふと思い出してこうして取り出して聴いてみると、今にしてこれらのアルバムの価値観を感じますね。

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  更に2ndアルバム「Only trust your heart」(←)のジャズ路線も思こすことになるのだが、このアルバムでは、アルバム・タイトル曲”Only trust your heart”(Benny Carter,Sammy Cahnの曲)のピアノ・プレイはムードたっぷりで、私の好み。

 こうして原点回帰してみると、やっぱり彼女の本格的ジャズ・アルバムを次回は期待したいと思うところに至るのですね。

(試聴)

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2015年4月21日 (火)

ロバート・ラカトシュRobert Lakatosのピアノ・ソロ「MARMOSETS」

やっぱり聴きたくなるアルバム

<Jazz>

       ROBERT LAKATOS PIANO SOLO 「MARMOSETS」
            Atelier Sawano / AS 078 / 2008

   Marmosets
              Recorded December 19&20,2007 at Pirouet Studio Munich
              Robert Lakatos : Piano

 このところ何となくジャズ・ピアノ・ソロをよく聴いているのだが、そんな中でハンガリーのシャズ・ピアニストのロバート・ラカトシュRobert Lakatosに言及しておかねばならないだろう。
 ロバート・ラカトシュは実はあの寺島靖国のピアノ・トリオものの推薦から興味を持ったことから始まり、一方ハンガリーのニコレッタ・セーケNikoletta Szöke のフィーメール・ジャズ・ヴォーカル・アルバムのバック演奏から彼の演奏するピアノの調べに強烈な印象があったのだが、どちらかというと最近になって彼のピアノ・トリオものを中心に総なめしているところで、そんな中でこのソロ・アルバムは日本リリースからも数年以上経っているとは言え、出会って非常に印象深いものであったというものだ。
 (参照)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2015/03/robert-lakatos-.html
            http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2015/02/robert-lakatos-.html

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 このアルバムは、上のようにスタンダード集ではあるが、彼自身のオリジナルや、彼の実兄のオリジナル曲も演じられている。とにかくピアノ・ソロであるので、トリオ作品が多い彼の演奏の中でもこれは彼の本質を知ることにも繋がり、更にそこにみる素晴らしさが感じ取れるアルバムでもある。

Rl3 4曲目”Marmosets”が彼自身のオリジナル曲で、やさしさの感じられるメロディー中に非常にパッセージ・ワークの優れたジャズ・ピアノを展開している。
  しかしこのアルバムで彼の人気を高めたのは”Psalms”という彼の実兄の曲であった。「聖詩・聖歌」といってよいのか、この曲の素晴らしさと美しいピアノの澄んだ音と繊細なるピアノ・タッチの連続には納得の世界そのものである。
 又”Throw it away”の哀感と、”I fall in love too easily”の流麗な演奏には、ついつい耳を傾けるところだ。

 ジャズ・ピアニストにとっても、おそらくソロ・アルパムはこれ又ひと味違ったやり甲斐があるものだと思うが、自己の求めるものと聴き手とのバランスとの葛藤もあろうかと思う。そんな意味でも彼はなかなか味なセンスを持っていると言えるのではないか。

(試聴)
Robert Lakatos は意外にYoutubeに乗ってるものが少ないんですね。そこでこのTrioもののピアノの音を参考にしてください(これは以前にも取り上げました)。   

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2015年4月17日 (金)

トーマス・エンコThomas Enhcoのピアノ・ソロ・アルバム「FEATHERS」

ジャズ・ピアノの楽しさとは・・・・・??

<Jazz>

            THOMAS ENHCO  「FEATHERS」
               Emarcy / US / 4721763 / 2015

Feathers
        Thomas Enhco : piano
                all songs composed by Thomas Enhco
                Recorded at Oct.6-9,2014
                     
 フランスの若手のエリートであるトーマス・エンコThomas Enhcoのトリオ・アルバム「Jack & John」(多分彼のリーダー作3作目)を聴いたのは2013年だったと思うが、若手にしてはジャズ・ピアノのこなしに感心したものだった。あれはBassがJohn Patitucci 、Drumsは Jack Dejohnette というところで、ベテランのリズム隊によるもので、相当のてこ入れがあったんでしょうね、いずれにしても快作であったことは間違いない。
  (参考)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/thomas-enhco-ja.html

 このところ彼のソロ・アルバムがリリースされていたが、なんとなくちょっと躊躇しながらいたのだが、それでも結局のところ気になって手に入れていたものである。又ここに取り上げるのも後回しになって、ようやくその気になってこうして書いているのですが・・・。

Featherslist

 全8曲(↑クリック拡大)、彼が2年の歳月をかけて書き上げたオリジナル曲集だ。とにかくフランスジャズ界の貴公子と言われていて、そのマスクもあまく1988年生まれであるから今年27歳という若さで人気者。
 このアルバム、クラシックとジャズを幼い頃から学んできたというキャリアが随所に見られる。
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 ピアノ・ソロと言うとことで、彼のやりたいところがそのまま出てくるところに注目してみたが、まずスタート曲”Watching you sleep”を聴くと思った通りのクラシック・ムードに包まれる。
 ところが、2曲目”Looking for the moose”には一転して現代音楽調にして技巧が前面に出てくる曲。途中に美しいピアノ独特の音が聴くことが出来るが、しかしこれは何度も聴いてみないと馴染めるかどうか疑問の曲。
 3曲目”Je voulais te dire”は、なんとなくKeithの世界が感じられる曲。ようやく私はほっとして聴き入った。
 4曲目”Mishievous”は再びテクニックの前面に出た曲で、このあたりが彼の期しているところが見えてくる。
  5曲目”The last night of february”、7曲目”Sand creek song”あたりはクラシックの世界からのジャズ・ファンへの贈り物と言った感じで、懐かしい景色が頭に浮かぶような私好みの曲。こんな曲が主力で構成していてくれると良いのだが・・・・。

 と、いっところで全体的にみると確かに彼の技巧が前面に出て、それを売り物にしたハイレベルのアルバムと言って良いだろう。
 昨夜しっとりと聴いたが、今夜も是非そんな気持ちで聴きたいと思うかと言ったら・・・・??、といったところだろうか?、良いところもあるのだがね・・・・。
 ジャズ・アルバムとしては、これは演ずる者のものというイメージが私には強く感じられ、聴く者のジャズ・ピアノの楽しさというものとはちょっと乖離があるかなぁ~~と思うのだが・・・・・、そのあたりは好みでしょうね。
 
(視聴)アルバム「FEATHERS」より

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2015年4月13日 (月)

アヴィシャイ・コーエン・トリオAvishai Cohen Trio 「FROM DARKNESS」

エスニックな世界を持ったベーシストのトリオ作品

<Jazz>

         AVISHAI COHEN TRIO 「FROM DARKNESS」
          Razdaz Records / RD 4616 / 2015

Fromdarkness 
 イスラエル出身のベーシストででアメリカでジャズをしっかりと身につけた(チック・コリアのベーシストを務めたことでも実績を積み重ねている)アヴィシャイ・コーエン、これは彼のトリオ編成の近作。

Avishai_cohen571 私が彼のトリオ作品に接したのは2008年リリースのアルバム「Gently Disturbed」で、どちらかというとイスラエルという異国ムードが感じられるとはいえ、ヨーロピアン・ジャズ寄りの味付けが特徴というところを聴かせてくれ、それ以来何となく聴きたいミュージシャンとなっているのである。
 一年前には「ALMAH」というトリオ+ヴァイオリン、ヴィオラという編成で、ジャズとクラシックの融合を試みた作品もリリースしていて、その活動は盛ん。

(参照)
「Gently Disturbed」(2008)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/avishai-cohen-t.html
「SEVEN SEAS」(2011)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/seven-seas.html

Fromdarknesslist このアヴィシャイ・コーエン・トリオというと、やはり彼のベースの演奏と共に、彼の曲の美しさをに期待が大きい。今回のこのアルバムも11曲中10曲が彼のオリジナル曲で構成されている。(最後の”Smile”のみ誰もが知るチャプリンの曲)

 メンバーは
   Avishai Cohen : Bass
      Nitai Hershkovits : Piano
      Daniel Dor : Drums

                         ・・・・・・・と、重要なピアニストは、前作のベースとピアノのデュオ作品「Duende」(2012年)からのNitai Hershkovits がこの作品でも起用されている。
 2011年の「SEVEN SEAS」は、イスラエル関係からの多彩なプレイヤーとコーエンのヴォーカルと、とにかくイスラエル・ムードたっぷりのエスニックな背景を持ったアルバムだったが、今作のような彼のベースとピアノ、ドラムスとのトリオ作品は、以前からメンバー・チェンジはあるとは言えオーソドックスなジャズ・アルバムに仕上げている。

Dsc04946small このアルバムでは最も長い曲”Ballad for an Unborn”が良いですね。美しいピアノのメロディー、それにベースが響き、ドラムスが追って乗ってくる。やがてベースがピアノが交互に旋律を奏で、そしてここでは静寂と異空間のドラムスがその後に続く。絶妙の間をとって三者が叙情的な世界を構築している。
 全体的にベースとドラムスのリズム取りはパワーがある。そんなところはこのトリオの特徴だ。
 アルバム・タイトル曲”From Darkness”では、モダニスティックな世界が展開されるが、一方”Halelyah”、”Almah Sleeping”ではクラシック的なピアノが聴ける。
 最後は懐かしのメロディーで心を和らげて締めくくるのである。
 異色と言えば異色なのかもしれないが、非常に聴きやすいトリオ・アルバムである。

(視聴) "Beyond"

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2015年4月 9日 (木)

ジョヴァンニ・ミラバッシGiovanni Mirabassiのニュー・アルバム「NO WAY OUT」

ヴィブラフォンをフューチャーしてミラバッシの挑戦は続く・・・・・

<Jazz>
       GIOVANNI MIRABASSI QUARTET 「 NO WAY OUT」
           Cam Jazz / CAMJ 7884-2 / 2015

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 ジャズ・ピアノを愛する者にとっては、なんと言っても説得力のあるのは、イタリア出身でフランスを拠点に活躍しているピアニストのジョヴァンニ・ミラバッシ(1970年生まれ)だ。ここで彼のニュー・アルバムを取り上げよう。
  そういえばミラバッシと言うと、 「Animessi」という日本企画もののジブリのアニメ・ソング・アルバムが昨年リリースされていたが、こっちはCAMJazzから彼の久々の本格的ニュー・アルバムの登場。今回は次のようなメンバーによるカルテットである。

Giovanni Mirabassi : Piano
Stefon Harris : Vibes
Gianluca Rebzi : Double Bass
Lukmil Perez Herrera : Drums

Nowayout2_2 なんとミラバッシお馴染みのピアノ・トリオ+ヴィブラフォンのカルテットだ。このところ私にとってはヴィブラフォンものは久しぶりである。かってのようにどこにも登場した感のあった時代があったが、最も代表的なMJQを思い起こすと、その現代性は隔世の感ありの進歩がこのアルバムにある。まあ近年はヴィブラフォンものが、ちょっと少ないように思うのは・・・私の好みの為だろうか?。それはそれとしてこのアルバムはそんなところの注目点がある。

 ミラバッシのCAMJazzからというと、韓国での収録のオーケストラをバックにしてのトリオもの「VIVA V.E.R.D.I.」が2013年にリリースされて以来の第2弾だ。あのアルバムの評価は若干私は戸惑ったところがあったのですが、その時に、ふとミラバッシはある壁に当たっているのではないか?という事が、頭をよぎったのであった(彼の存在感を世に示した2001年の「AVANTI!」の再現盤2011年の「ADELANTE!」もその一つか)。そして今回のヴィブラフォンを加えてのカルテット、これはやっぱり一つには彼の壁を破りたい挑戦なのだろうと私はこのアルバムを聴いて確信を持った。

Nowayoutlist 収録曲(右)は8曲で、全曲ミラバッシのオリジナルという気合いの入ったモノ。そしてトリオは前作と同じメンバーだが、ヴィブラフォン奏者は、まさに現代を代表するアメリカのステフォン・ハリスStefon Harris を呼んでNYブルックリンで2013年12月の録音。
 まずこのアルバムの出来は一口に言ってハイレベル演奏だ。とにかくミラバッシのピアノ・プレイは更に磨きがかかっていて、密度の高い流麗にして詩情豊かで、しかもダイナミックなプレイを展開。彼の新展開への意気込みが伝わってくる。そしてハリスのヴィブラフォンとの交錯、共鳴、アンサンブルはちょっと並のレベルではない。

Nowayout1 なんと言っても3曲目の”Two finger snaps”が凄い。四者の劇的なスリリングなアンサンブル、そして又四者が交互に前面に出てくるうねりが圧巻。
 2曲目”The snow white syndrome”、4曲目”L'Audance”では、ヴィブラフォンの役回りが快調。ミラバッシのピアノとの交錯にメロディーの主張も響かせ、そこに多分ミラバッシのものと思われる”うなり”というよりは”歌声”がバックに重なって曲に色づけする(まあこの「声」は賛否両論あるだろうと思うところだが・・・私は否定的)。
 6曲目”What was that dream about”では、ミラバッシの従来の持ち味を感じさせるピアノ・トリオが前半に詩的叙情性を演じ、中盤にヴィブラフォンが主導して、後半の四者の盛り上がりへと流れ込む。
 最終曲”II Bandolero stanco”は、トリオの美しさで締めくくる。

 このアルバムは明らかにミラバッシが一つの壁を打ち破るべく、彼の技量をたたき込んで作り上げた一枚だ。それだけにレベルが高い。さてこの高さを聴く者がどこまで消化出来るかが問題のアルバム。
 (参考)
  http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/giovanni-mirava.html

 (視聴) ”NO WAY OUT”がないので”Howl's moving castle”を

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2015年4月 6日 (月)

スー・ゲルガーSue Gerger日本デビュー作 「Clocks」

ジャズてもなく、いわゆるポップでもなく、単なるフォークでもなく・・・・・・・?

<Jazz,  Folk>

             Sue Gerger 「Clocks」
              Inpertment / JPN / RCIP0217 / 2014

Clocks
Sue Gerger: Lead Vocals, Background Vocals, Piano, Electric Piano, Guitar, Ukulele, Xylophone, Keyboard
David Gratzer: Guitars
Luka Gaiser: Bass, Bass Guitar
Stefan Mörtl: Drums, Percussion
Rob Bargad (p,org,background vo,key)
Michael Erian (ts)
Primus Sitter (g)
Matthias Erian (programming)
Igmar Jenner(vln)
Sophie Abraham (cello)

 Arranged by Rob Bargad & Sue Gerger
Produced by Rob Bargad

  2011年にリリースされたアルバムのジャケや曲順を変更して日本版として2014年12月に登場したモノ。(目下その後のアルバムは登場していないようだ)

 スー・ゲルガーは、オーストリアはウィーンからお目見えしたシンガーソングライターである。従ってアルバム全14曲彼女の作詞作曲によるもの。

Sg1<Tracklist>
 
01. This Sound
02. Honeypie
03. Poet’s Melancholy
04. Bitter End
05. Frozen Face
06. Blade Of Grass
07. Moviemaker’s Fiction
08. Pretty Girl
09. Set On Fire
10. Twat
11. Endless Street
12. Foundations
13. Cold Water
14. Clocks

 このアルバム、販売上はジャズに分類されているようだが、私の聴くところでは、どうもジャズと言った世界でない。ポピュラーと単に言うところでもなく、つまりジャージーであるが、どちらかと言うとフォーク調の曲が詰まっている。
 これに至ったのは、もうかなり前にやっぱり美女狩り得意の友人からの紹介であった。宣伝文句は”美貌の歌姫”として紹介されているが、なかなかジャケや宣伝写真は美女狙いには工夫されているので、こうした場合若干さっ引いた方が良いかも・・・・と、余計なことを言ってはいけないのだろうが。
 とにかく一度聴いたままで、少々間が空いてしまったが、今ここに遅まきながら取り上げた次第。
 彼女の声は、うーーんまあそれなりに良い線は行っていると表現しておく。ややアンニュイでスウィートと言ったところか。
Sg32
 バックの演奏陣はメンバーは多いのだが、意外にシンプルな印象で、技巧的な面白さは特になく、彼女のヴォーカルとキーボード・プレイが主体となる。曲の流れは、つまりフォーク調であるのでテンポはゆったり系。そしてそれぞれの曲を聴いてみるに、技巧に走っていないので印象はなかなか良い。

 まあこうしたアルバムは好みがあるので聴いてみてのお楽しみというところか?、でも一聴の価値は十分ある。それにつけても曲全てが彼女の作曲ものであると言うだけに、アルバム全体を通してみると、非常に似た雰囲気の曲が並んで単調という印象である。もともとそうゆう線のアルバムなのかもしれないが。

(視聴)”Endless Street”

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2015年4月 3日 (金)

シゼル・ストームSidsel Storm のニュー・アルバム : 「CLOSER」

      <My Photo Album 瞬光残像 = 南イタリア編>

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        マテーラ(南イタリア)の街で出会った少年    (photo 2012.12)

                *    *    *    *

<Jazz>

      SIDSEL STORM 「CLOSER」
    Victor Entertainment / JPN / VICJ61735 / 2015

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Sidsel Storm : vocal
Magnus Hjorth : piano
Snorre Kirk : drums
Jesper Thorn : Bass    
その他、Tobias Wiklund(trumpet) 、Gustaf Ljunggren(guiter) 、 Magnus Wiklund(trombon) 、 Carl-Oscar Osterlind(cello)

 2008年にアルバム「Sidsel Storm 」でデビューして、地元デンマークの音楽賞”最優秀国内ジャズ・ヴォーカル作品”を受賞。2010年「Swedish Lullaby」(バックにLars Janssonトリオで注目盤)、そして2012年の「Nothing In Between」(アルバム・ジャケが印象的)を経て、ここに順調に四枚目のスタジオ・アルバムの登場。
(参照 http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/jansidsel-storm.html )

 彼女はデンマーク出身のジャズ・シンガー・ソングライター。非常に落ち着いたジャズ・ヴォーカルを聴かせるので、2~3年前に彼女を知って以来マークしている北欧女性ジャズ・ヴォーカリスト。そしてそうこうしているところにニュー・アルバムの登場で、美女狩りを得意とする友人が即勧めてくれたアルバムです。

Ss<tracklist>

01.WALKING BLINDLY
02.APRIL IN PARIS
03.GET OUT OF BED
04.THAT OLD BLACK MAGIC
05.SADNESS
06.LEAD THE WAY
07.WHO CARES
08.I’VE GOT A CRUSH ON YOU
09.YOU LEAVE ME LOW

10.THE PARTY’S OVER
11.HOW DEEP IS THE OCEAN *

12.I’LL SEE YOU IN MY DREAMS *


 (*印 bornus tracks for japan)

 シゼル・ストームは、このアルバムでも派手さのないヴォーカルと言ってよいのか、落ち着いたバックの北欧ジャズ演奏に溶け込んで静かに歌い込んでいる。いわゆるバック演奏にも曲を表現する重点がしっかり置かれていて、まずは彼女一点張りのヴォーカル・アルバムと言うのでなく、バンド演奏の一つのそれぞれの楽器と対等な位置を占めるヴォーカルと言えよう。そんな意味で私にとってはむしろ納得のジャズ・アルバムなのである。
 そして演奏は、基本的にはトロンボーンまたはトランペットとピアノ、ベース、ドラムスのカルテットやクインテット・スタイルが基本で、かなり意欲的なところを聴かせてくれる。

 とにかく彼女の歌声は低音部はややハスキーなところがあるが高音部に行くに従って澄んでゆくというタイプで、シャウトするところはなく、非常に聴きやすい。父親がフォーク・シンガーだったとか、そんな血筋なのかゆったり歌い聴かせるというタイプである。
 面白いことに、このデンマークという国に流れる曲の特徴なのか、私が聴くと時に半音ずれるようなところがヴォーカルにあって、それが又妙に魅力的なのである。
 そして日本盤ボーナス・トラックを別にすると、”The Party's over”が最後の曲となるが、ここで初めてバック演奏は彼女のヴォーカルを支えるスタイルなって、しっとりと歌うシゼル・ストームを聴かせて締めくくるのである。

 昨年は日本ライブも行われ、それなりに成果もあったようで、これから更に日本のファンも獲得して行くのだろうと思っているところだが・・・・・。私的には、強いて難を言えば、”彼女のヴォーカルのここに痺れる”というポイントが癖のなさから薄いというところだろうか。

(参考視聴)

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