トーマス・エンコThomas Enhcoのピアノ・ソロ・アルバム「FEATHERS」
ジャズ・ピアノの楽しさとは・・・・・??
<Jazz>
THOMAS ENHCO 「FEATHERS」
Emarcy / US / 4721763 / 2015
Thomas Enhco : piano
all songs composed by Thomas Enhco
Recorded at Oct.6-9,2014
フランスの若手のエリートであるトーマス・エンコThomas Enhcoのトリオ・アルバム「Jack & John」(多分彼のリーダー作3作目)を聴いたのは2013年だったと思うが、若手にしてはジャズ・ピアノのこなしに感心したものだった。あれはBassがJohn Patitucci 、Drumsは Jack Dejohnette というところで、ベテランのリズム隊によるもので、相当のてこ入れがあったんでしょうね、いずれにしても快作であったことは間違いない。
(参考)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/thomas-enhco-ja.html
このところ彼のソロ・アルバムがリリースされていたが、なんとなくちょっと躊躇しながらいたのだが、それでも結局のところ気になって手に入れていたものである。又ここに取り上げるのも後回しになって、ようやくその気になってこうして書いているのですが・・・。
全8曲(↑クリック拡大)、彼が2年の歳月をかけて書き上げたオリジナル曲集だ。とにかくフランスジャズ界の貴公子と言われていて、そのマスクもあまく1988年生まれであるから今年27歳という若さで人気者。
このアルバム、クラシックとジャズを幼い頃から学んできたというキャリアが随所に見られる。
ピアノ・ソロと言うとことで、彼のやりたいところがそのまま出てくるところに注目してみたが、まずスタート曲”Watching you sleep”を聴くと思った通りのクラシック・ムードに包まれる。
ところが、2曲目”Looking for the moose”には一転して現代音楽調にして技巧が前面に出てくる曲。途中に美しいピアノ独特の音が聴くことが出来るが、しかしこれは何度も聴いてみないと馴染めるかどうか疑問の曲。
3曲目”Je voulais te dire”は、なんとなくKeithの世界が感じられる曲。ようやく私はほっとして聴き入った。
4曲目”Mishievous”は再びテクニックの前面に出た曲で、このあたりが彼の期しているところが見えてくる。
5曲目”The last night of february”、7曲目”Sand creek song”あたりはクラシックの世界からのジャズ・ファンへの贈り物と言った感じで、懐かしい景色が頭に浮かぶような私好みの曲。こんな曲が主力で構成していてくれると良いのだが・・・・。
と、いっところで全体的にみると確かに彼の技巧が前面に出て、それを売り物にしたハイレベルのアルバムと言って良いだろう。
昨夜しっとりと聴いたが、今夜も是非そんな気持ちで聴きたいと思うかと言ったら・・・・??、といったところだろうか?、良いところもあるのだがね・・・・。
ジャズ・アルバムとしては、これは演ずる者のものというイメージが私には強く感じられ、聴く者のジャズ・ピアノの楽しさというものとはちょっと乖離があるかなぁ~~と思うのだが・・・・・、そのあたりは好みでしょうね。
(視聴)アルバム「FEATHERS」より
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