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2015年5月12日 (火)

これは素晴らしい! ジョヴァンニ・グイディ・トリオGiovanni Guidi Trio「THIS IS THE DAY」

     <My Photo Album>  ~花の季節(1)~

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                 (Nikon D800 , AF-S NIKKOR 50mm 1:1.4 G, PL)
 

   <今日のミュージック>

 いっや~~これはトータル・コンセプト・アルバムだ!!

 1985年生まれのイタリアの若きピアニスト、ジョヴァンニ・グイディGiovanni Guidiのアメリカ人ベーシストThomas Morganと、ポルトガルのドラマーJoão Loboとのトリオ作品。ECMからの同メンバーの2作目。Eicherのプロデュースで期待大。

   <Jazz>
          GIOVANNI GUIDI TRIO 「THIS IS THE DAY」
         
  ECM / ECM2403 / 2015
           Recorded April 19-2,2014 at RSI Lugano
           Produced by Manfred Eicher

This_is_the_day
1. Trilly
2. Carried Away
3. Game Of Silence
4. The Cobweb
5. Baiiia
6. The Debate
7. Where They'd Lived
8. Quizas quizas quizas
9. Migration
10. Trilly var.
11. I'm Trough With Love
12. The Night It Rained Forever

Giovanni Guidi (p)
Thomas Morgan (b)
João Lobo (ds)

 オープニング曲”Trilly”で、クラシック調の美しく優しい調べに圧倒される。変な話だが、いや~~これがジャズで良いのかと・・・・思ってしまう。実はこれが又10曲目に”Trilly var.”として登場するのだから、このアルバムがどんなパターンなのか押して知るべしというところ。
 Tracklistは上記のとおりだが、5.8.11.の3曲以外の9曲はグイディ自身のオリジナル曲。

Ggtriow_2

 とにかく澄んだ美しさと非常に内省的であり、そして深い心を感じさせる。それは”1. Trilly”、”2. Carried Away”、”3. Game Of Silence”と続き、特に3曲目はイタリアというよりは、北欧を連想する何故か哀しく美しい魅力的な曲。ピアノの美しさに合わせてベースももの哀しく弾く(ベーシストのトーマス・モーガンも注目点)。私の聴きようでは、この3曲が一日のスタートからの流れを描いているのか?。
 そして時として緊張感の漂う世界がチラっと顔を覗かせる。それが”4. The Cobweb”、”5. Baiiia”、”6. The Debate”の中盤の3曲。若々しい前衛的な世界で、ピアノの音の余韻が素晴らしく、ドラムスの細かく刻む世界にベースとピアノの駆け引きも面白い。若き世代の混乱と闘い。
 そして”7. Where They'd Lived”、”8. Quizas quizas quizas”、”9. Migration”と、疑問の世界を描き、一つの混乱の姿から可能性を探る世界。
 再び、”10. Trilly var.”自己を見つめる内省の姿に。
 ”11. I'm Trough With Love”、”12. The Night It Rained Forever”で愛のある落ち着いた夜を迎える。
 
 まさに、悩める若き人生の一日を描いているトータル・コンセプト・アルバムとみる。見方によっては一つの人生を描いていると言っても良いのかもしれない。プログレッシブ・ロックの世界でよくみるトータル・コンセプト・アルバム、それに似た一つの形だ。ジャズ・アルバムとしては珍しいパターンである。しかしほんとにこれは素晴らしいアルバムだ。

Gg2 グイディは、イタリアのピアニストで30歳そこそこであり、こんな世界を描くところが不思議なくらいだ。そしてこの若さで、なんと既に約十年前にVenusレコードから日本デビューしている逸材(2006年アルバム「Tomorrow never knows」)。
 今回のECM2作前にも、2009年にはフルヴィオ・シグルータ (tp)、ジョアン・ロボ(ds)、ミルコ・ルベグニ(tp)らとの作品「The Unknown Rebel Band」、そして2011年にはジャンルカ・ペトレラ(tb)、マイケル・ブレイク(ts)、ジョヴァンニ・グイディ(p)、ジェラルド・クリーヴァー(ds)によるこちらはカルテット作品で「We Don't Live Here Anymore」を発表などの多彩な経過を経て来ている。

(試聴)

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コメント

風呂井戸さん,こんばんは。TBありがとうございました。

おっしゃる通り,このアルバム,冒頭の美しい響きからして素晴らしい演奏でした。まだ若いのに,こんな演奏をしてしまうなんて...って感じですが,非常によくできた作品ですよね。

ということで,こちらからもTBさせて頂きます。

投稿: 中年音楽狂 | 2015年5月15日 (金) 21時51分

中年音楽狂さん、こんばんわ。
 しかし、このアルバムの完成度は高いと思います。やっぱりManfred Eicherのプロデュースも大きいのでしょうね。
 日本に馴染みのあるThomas Morganも頑張ってますので・・・これからこのトリオが続くのか?注目です。
 そうそう、Giovanni Guidi trioの2006年のヴィーナス・レコードからの1stアルバムも、冒頭から”ローズマリーの赤ちゃん”でスタートしてなかなか味のアルバムです。
 トラック・バックも有り難うございました。

投稿: 風呂井戸 | 2015年5月15日 (金) 22時54分

こんにちは。トラバありがとうございました。
対応が遅くなってすみません。。

静謐で抑えめな感情表現がいいなぁ、と、おもいました。
それから、トーマス・モーガンが音的にいいバランスなんだなぁ。。と、おもいました。

こちらからもトラバしますね♪

投稿: Suzuck | 2015年5月16日 (土) 11時06分

Suzuckさん、わざわざコメント有り難うございました。いつもブログ拝見しています。「ジャズ批評」の2014年のベスト・アルバムも共感を感じています。今年のベスト・アルバムにこれが入るかどうか?まだ先の話ですが・・・それも楽しみです(笑)。

投稿: 風呂井戸 | 2015年5月16日 (土) 13時43分

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This Is the Day Giovanni Guidi Trio(ECM) 私は結構ECMレーベルの音楽が好きな方だと思っている。だから,新譜が出ると,自分の嗜好に合いそうなアルバムはできるだけ [続きを読む]

受信: 2015年5月15日 (金) 21時51分

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イタリアのピアニスト、ジョヴァンニ・グイディ。 10年ほど前にヴィーナスレコード [続きを読む]

受信: 2015年5月16日 (土) 11時12分

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