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2015年6月 4日 (木)

メロディ・ガルドーMelody Gardot渾身の注目新譜「Currency of Manカレンシー・オブ・マン~出逢いの記憶~」

           <My Photo Album> ~花の季節(6)~

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                                            NIKON D800 , AF-S NIKKOR 50mm 1:1.4G
             *    *    *    *

<今日のミュージック>

  私の一押し=メロディ・ガルドー待望のニュー・アルバム
~闇、哀しき訴え、光明、悟り・・・「社会意識」
へのアプローチ~
             今年の問題作

<Jazz、Rock、 Soul、 Root's Music>

             Melody Gardot 「Currency of Man」
        Universal Classics & Jazz / UCCU-1488 / 2015

Currency_of_man

 今回のニュー・アルバムも気合いが入ってますね。新譜発売からいくつかのバージョンがあって、お付き合いが大変です。少なくとも輸入盤で3タイプ?(10曲アルバム、15曲アルバム、デラックス・エディション(The Artist's Cutヴァージョン収録))あり、それに日本盤(16曲・SHM-CD)がリリースされた。

 前作『The Absence』からもう3年ですかね、あれはメロディ・ガルドーのラテン版というか、それまでのイメージを変えての彼女の意志でのセルフ・プロデュース作品であったが、今回は2009年のヒット作『My One & Only Thrill』のラリー・クラインのプロデュース。

(参照)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/melody-gardot-a.html

Mg2_2 彼女は1985年生まれのアメリカ・フィラデルフィア出身だが、19歳の時の交通事故で現在も後遺症が残っている。2009年に来日した際も光刺激を避けるためのサングラスと、下肢の障害をカヴァーするためのステッキによる歩行をしていた(しかし我々にはサービス精神旺盛な対応をしてくれたあの時からもう6年経つんですね)。
 しかし彼女のシンガー・ソングライターとしての才能は素晴らしく、都会的センスのジャジーな曲作りと歌唱力は魅力たっぷり。ピアノやギターも操っての弾き語りも得意で音楽そのものへの拘りも大きい。

Currencydlist
 さて今回のアルバムは左のような15曲。全曲メロディ・ガルドーのオリジナル(3曲に共作者が入る)、そして3曲のインスト曲もある。ロックやソウルっぽいところから、ジャズ、ブルースまでのまさにアメリカ南部文化と言うべき”roots music”への挑戦でもある。そしてそこにメロディ・ガルドー節が詰まっている。

  しかし最も注目は、勿論彼女のミュージックとサウンドにこだわったものである事だが、又それ以上に彼女の社会派活動と関連したコンセプト・アルバムだと言うことだ。彼女の言う”「社会意識」の世界”がテーマなのだ。それは彼女がこの数年に出会った印象深い人々を取り上げて歌い訴える・・・・。
 ”currency of man”つまり”人間の声価”に心を馳せるべきと言うところか?。彼女の言葉を借りると”今の世界における我々自身の価値の再認識。肌の色、社会的地位、出自に関わらず、誰もが人生の目的を持っている”と・・・・・人間の価値を訴える。

 既に公開されているプロモーションビデオにも描かれているように、”It Gonna Come”はストリート生活のホームレスのインテリジェンシーの高い老人の姿に何を見るか?。
 更に問題のPreacherman”は、1955年の黒人少年の虐殺事件の「エメット・ティル事件」を取り上げている。この母親の悲しみ・憤りを歌い上げ、この人種差別に関わるテーマをロック調のミュージックで迫ってくる。

 このアルバムの前半は社会の陰の部分に焦点を当て、”No Man's Prize”で彼女の唄が堪能できる。そして10曲目の”Preacherman”で問題意識の頂点に叩きつけるリズムで達する。しかしその後”Morning Sun”では心を広げる一つの光明を与え、12曲目の”If Ever I Recall Your Face”のこのアルバムでピカイチの美しい曲が流れ、自己を説得する。そして最後の”Burying My Troubles”で希望を感じさせて幕を閉じる。
 このアルバムは一つの映画を見たような展開をみせる。メロディ・ガルドー自身の音楽人生と人生観を集約したアルバムの完成だ。
       Still I know     I will find my happiness at last
        Somewhere in the bottom of a bottle  of a stone cut glass

 かって来日の際の、”日本の饅頭が旨かった”と笑いながら話す明るさの影には、「死」や「絶望」を一度見た人生の経験から作り上げられた彼女のもう一つの姿がこのアルバムには込められているのだろう。今年の一押しアルバムになることは間違いない。

                (credit ↓クリック拡大
Credit

(試聴1)

(試聴2)

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コメント

リリースされましたか。これはぜひ聴いてみたいところですね。

投稿: 爵士 | 2015年6月 4日 (木) 23時12分

 爵士さん、こんにちわ(と、言ってももう夕暮れです)。
 私は、Melody Gardot の新譜は、待ちに待っていました(笑)。彼女のミュージック・センスは群を抜いて垢抜けているからです。このアルバムはジャズ・アルバムとしては異質ですが、それだけ又しばらく楽しめそうと・・・・思っているところです。

投稿: 風呂井戸 | 2015年6月 5日 (金) 18時07分

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