チャーリー・ヘイデン & ゴンサロ・ルバルカバ 「TOKYO ADAGIO」
10年ぶりにお目見えのデュオ作品~素晴らしい!
昨年残念ながら逝去したチャーリー・ヘイデンを偲ぶ意味か?、ここに来て彼の2005年のブルーノート東京公演がimpulse!からCD化、あのゴンサロ・ルバルカバのピアノとのデュオ作品だ。とにもかくにも注目のアルバム。
<Jazz>
CHARLIE HADEN GONZALO RUBALCABA
「TOKYO ADAGIO」
Universal Music France (IMPULSE!) / 0602547299260 / 2015
Recorded Live at Blue Note Tokyo, on March 16th-49th, 2005
Charlie Haden : bass
Gonzalo Rubalcaba : piano
お相手のピアニストがゴンサロ・ルバルカバとなると『Nocturne』(2001年)を思い出しますね、そして『Land of The Sun』(2004年)も。これらはデュオではありませんが。
チャーリー・ヘイデンのベースとなれば誰もが認めるところだが、ピアニストのキューバのゴンサロ・ルバルカバも私にとっては愛すべきピアニスト、最初に知ったのはアルバム『DIZ』(1994年)で、今でも愛聴盤。
(参照)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2015/03/post-496c.html
彼は更に私の愛するポーランドのアンナ・マリヤ・ヨペクのアルバム『POLANNA』でも哀愁のピアノを披露している(2011年)。
(参照)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/3-4392.html
しかし日本公演って、彼らにとっても気持ちに一つの何かをもたらせてくれるのか?、多くのミュージシャンは良い演奏を残してくれますね。そして一方この公演に参加された者にとっては人一倍に感動でしょう。
そう言えば昨年は『CHARLIE HADEN JIM HALL』が、やはり「Impulse!」からリリースされているが、あれは1990年の録音もの。又キース・ジャレットとの『Last Dance』が「ECM」からリリースされ(2007年録音)、これらはデュオものですね。デュオと言えばチャーリーってところだが、まだまだ何処かから出そうな予感・・・・・。
さてこのアルバムは右のようなリストである。チャーリーとゴンサロがそれぞれ一曲ずつで、その他はスタンダード曲。しかしこれが又チャーリーの十八番のアダージオ演奏曲。どれもこれも納得の演奏だ。そしてライブものであるが、さすが日本人、拍手の入れ方が、しっかり曲が演奏し終わってきちんとするところはまさに録音向き。このアルバムでは曲間に拍手が入っているが、これならアルバム制作時に無理に入れなくとも良いと思うぐらいである。
この二人は1986年に初めて会ったと言うことであるが、チャーリーはゴンサロを結構お気に入りであったようだ。
1曲目からお馴染みの曲が、説得力のあるアダージオに変身して聴く者を魅了させる。この曲”En la orilla del mundo”は、2001年のアルバム『Nocturne』にやはり1曲目に登場。更に最後の曲”Transparence”も収録されていたもの。
しかしこのアルバムの絶妙なコンビは”Solamente una vez”に見るが如くで、ゴンサロが美しくメロディーを流して行くうちに、バックで静かにチャーリーのベースが演じられているが、ピアノが次第に音を下げて行き、いつの間にかバックに回って、ベースが静かであるにも関わらず前面に出て曲を演ずる。そこは心に響く世界が生まれている。そして再びピアノの旋律がよみがえり曲が終了する。こうした流れの味は繊細な両者のデュオ作品であるからこそ一層その美しさに感動してしまうのである(この曲もデュオではないが、アルバム『Land of The Sun』に登場している)。
(試聴)
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コメント
いや知りませんでした。一体デュオ・アルバムがいくつ出てくるんでしょうか。それにしても、ノクターンは名盤でした。ヘイデンを上回るベーシストは出てくるんでしょうかね。
投稿: 爵士 | 2015年6月20日 (土) 21時52分
爵士さん、こんにちわ。
ヘイデンのデュオ作は、昨年Jim Hallとのものも出て評判よかったんですが・・・、私はこのルバルカバのピアノとのデュオものの方が好きですね。これは良いアルバムです。
投稿: 風呂井戸 | 2015年6月21日 (日) 10時51分
風呂井戸さん,こんばんは。TBありがとうございました。
このアルバム,Charlie Haden自身も聞いて,リリースをしたいと言っていたような記述がライナーにありましたけれども,そう思って当然の素晴らしい音源ですよね。
こんな素晴らしい音源が残っているなら,もっと出して欲しいものです。期待しましょう。
ということで,こちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2015年7月 4日 (土) 19時45分
中年音楽狂さん、コメント、TB 有り難うございます。
しかしCharlie Hadenも、多くのデュオものがありますが、このアルバムはピカイチですね。
このアルバムも奥さんのRuth Cameronがプロデュースしてますね。これからも彼女に頑張ってもらって、掘り出し物に期待したいと言うところでしょうか。
投稿: 風呂井戸 | 2015年7月 4日 (土) 21時22分
風呂井戸さま、、
お返事遅くなって申し訳ありませんでした。m(_ _)m
丁々発止とはまた違うデュオの醍醐味を聴かせてもらいましたね。
ヘイデンが亡くなってしまってからもこんな素敵なアルバムがでてくるなんて、、とても、不思議な気持ちですが、、ちょっと期待しちゃうところもありますよね。
投稿: Suzuck | 2015年8月17日 (月) 17時20分
Suzuckさん、わざわざお越し頂いて有り難うございます(TBもどうも・・です)。
チャーリーの奥様のヴォーカルものも、チャーリーの為にも、もう一枚ぐらい期待しているのですが・・・。
投稿: 風呂井戸 | 2015年8月18日 (火) 20時47分