幻の名盤:ジル・エキミアン・トリオGilles Hekimian Trio 「EQUILIBRES」
後にも先にもこれのみオンリーワンのトリオ・アルバム
<Jazz>
Gilles Hekimian Trio 「EQUILIBRES」
ATELIER SAWANO / JPN / AS 008 / 2000
Prduced by Alain Guerrini , Recorded 1977
Gilles Hekimian : piano
Pierre-yves Sorin : bass
Stephan Gremaud : drums
寺島靖国の『Jazz Bar 2002』で取り上げられたジル・エキミアン・トリオGilles Hekimian Trio というフランスのピアノ・トリオ。以前から気になっていていたが、実はここに来てようやく手に入れたアルバム。
(参照)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/post-6c88.html
このトリオは全く情報がなく、魅力的な演奏でありながら放置してしまっていたんですが、今になってふと思い出してのアプローチ。1977年録音だから、もうまごまごすれば四十年近く前の録音ものでありながら、2000年にATELIER SAWANOからリリースされ、話題になってそしてそれから十数年経っての今なのである。そしてこのトリオ、それ以来音沙汰が無く、勿論アルバムのリリースもなく、このアルバムのみが後にも先にも彼らの唯一の作品という訳なのである。
今こうしてSAWANO盤を聴いていて驚くべきか、非常に録音がクリアでベースの響きもよく、ピアノの硬質で澄んだ音、そしてドラムスの音も締まっていてシンバルは繊細で見事な録音に感動。
そしてマイルスの“Nardis”、ホレス・シルヴァーの“Nica's Dream”の2曲のほかは全て無名のピアニストのエキミアンのオリジナル作品6曲の合計8曲を収録されている。
冒頭の”Ballade pour G”から、ベースがリズムを刻みそこにピアノが乗ってくる手法がにくいにくい味がある。マイルスの”Nardis”を取り上げるところからも、意気込みが感じられる。とにかくこれが当時無名のピアニスト?、ベーシスト?と不思議な洗練された演奏。そしてピアノ・トリオといってもピアノ主導でなく三者の絡みがナイス・センスなのだ。
静謐な世界、怒濤のように流れる世界、そして叙情的にして美しい世界と描ききっている。
このアルバム・タイトル「EQUILIBRES」は、フランス語で「釣合い・均衡」を意味しているようだが、ほんとにバランスの良い演奏で驚く。当初はマイナーな自主制作に近いモノであったようだが、澤野工房から日本では2000年にリリースされ(既にSold outの盤)こうして聴くことが出来るのは嬉しいことだ。
いずれにしても、この盤以降は、このトリオは何の音沙汰も無いと言ったところで、やっぱり「幻の名盤」の一枚ということになるのでしょうね。
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コメント
風呂井戸さんこんにちは.
この記事読んで、このアルバムをオークションでゲットしました.
このアルバムはとてもいい演奏が詰まっていますね、風呂井戸さんが書いている通り録音もとてもいいですし.
TB貼らさせていただきます.
投稿: la_belle_epoque | 2015年7月22日 (水) 21時18分
la_belle_epoqueさん、コメント並びにTB有り難うございました。納得の良盤ということで、こうして書いた方も嬉しく思います。こういった隠れ名盤ってあるんですね。これも澤野工房様々というところでした。是非とも愛蔵盤にしてください。私の方からもTBさせていただきます。
投稿: 風呂井戸 | 2015年7月22日 (水) 22時06分