ポーランドのピアノ・トリオRGG のアルバム 「AURA」
思索的な美しさと優しさと、そしてアグレッシブの対比が面白い
<Jazz>
RGG「AURA」
OKeh / US / 88875017602 / 2015
Łukasz Ojdana : piano
Maciej Garbowski : double bass
Krzysztof Gradziuk : drums
「RGG」は2001年結成のキャリアのあるポーランドのピアノ・トリオ(Raminiak, Garbowski, Gradziuk=三人の頭文字をとってバンド名となっている)。しかし前作の『SZYMANOWSKI』(2013年)からは、ピアニストはラミニアクPrzemysław Raminiakに変わって、若きウカシュ・オイダナŁukasz Ojdana が務める(バンド名の変更なし)。そしてそのアルバムがメジャー・レーベルからの初リリースとなったもの。かって演ずる曲の美しさはさすがショパンの国と言うことで定評があったと言うが、私は実はこのアルバムが初聴き。
Tracklistは右の如く、彼らのオリジナル曲が7曲あり全14曲。
冒頭から新加入のピアニストのオイダナの曲”Adivinanza”で始まるが、静かな思索的ピアノの音から流れる。そして中盤から後半にかけて三者で盛り上がり再び静かなピアノで終わるというパターンだが、単なる美旋律といタイプでなく一つ一つの音の余韻に奥深さを追求する。そして続く”W.R.U.”ではかなりアヴァンギャルドなアグレッシブな演奏を展開。その後の曲”Letila Zozula”は、ウクライナのフォーク・ソングのようだが、ベースが静謐な世界を描きシンバルの音がサポートしてそこにピアノが美しい旋律を奏でる。
ピーター・ガブリエルの曲”Don't give up”が哲学的感覚を呼び起こすものに変化してしまうし、次のベーシスト・ガルヴォースキのオリジナル曲”Pulsar”は、ベーシストとドラマーによって静にして不思議な世界に導いてくれる。
こんなパターンで”静謐にして思索的”であるところと、”アグレッシブな演奏”と、”美旋律の美しさ”をと・・・・聴く者を飽きさせない。
そして最後は美しく静かなる聖歌で終わる。
なかなか聴くたびに奥深いアルバムで、ユーロピアン・ジャズ・シーンで評判のトリオであることが納得出来るアルバムだ。
(視聴)
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