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2015年8月 1日 (土)

寺島靖国の新シリーズ「For Jazz Vocal Fans Only Vol.1」

女性ジャズ・ヴォーカルをマニアックに絞ってのアルバムの登場

<Jazz>

  Yasukuni Terashima Presents
        「For Jazz Vocal Fans Only Vol.1」
         TERASHIMA RECORDS / JPN / TYR1045 / 2015

Forjazzvocalfansonly

 ”寺島レコード JAZZ BAR 15周年イヤー・プロジェクト第1弾”ということでリリースされたジャズ女性ヴォーカルに絞ったアルバムの登場だ。これは寺島靖国が満を持して送り出したと言うだけあって、私が思ったものと違ってかなりマニアックな選曲である。
 つまりもっと日本のジャズ・ファンに広く浸透している女性群の集合アルバムかと思いきや、意外に知らなかった女性ヴォーカリストが多く登場する(知らなかったのは私だけか(笑))。そして選曲もポピュラーな曲も登場するが、これまた初聴きというところも多かった。しかしそうは言っても難解なジャズものはではなく、結構聴きやすいものに絞っている。(ちょっとジャケはダサかったですね)

<Tracklist>

01. Sweet Baby J'ai「Left Alone」(Billie Holiday / Mal Waldron)
02. Sarah McKenzie「Close Your Eyes」(Bernice Petkere)
03. Lara Solnicki「Marcy Street」(Peter Gabriel)
04. Alexis Cole「Sway」(Norman Gimbel / Pablo Beltran)
05. Sweet Jazz Trio with Isabella Lundgren「These Foolish Things」(Holt Marvell / Jack Strachey / Harry Link)
06. Polly Gibbons「My Favorite Things」(Oscar Hammerstein / Richard Rogers)
07. Ilse Huizinga「You And The Night And The Music」(Arthur Schwartz)
08. Connie Evingson「Besame Mucho」(Consuelo Velazquez)
09. Karen Lane「Wild Is The Wind」(Dimitri Tiomkin, Ned Washington)
10. Dotschy Reinhardt「Moon Was Yellow」(Edgar Leslie, Fred Ahlert )
11. Petra Van Nuis「September In The Rain」(Al Dubin / Harry Warren)
12. Petra Van Nuis「A Day In The Life Of A Fool」(Carl Sigman / Luiz Bonfa)
13. JoAnn Funk「When I Grow Too Old to Dream」(Oscar Hammerstein / Richard Rogers)
14. Przemek Dyakowski feat. Joanna Knitter「Lady Be Good」(George Garshwin)
15. Stevie Holland「Tea For Two」(Irving Caesar / Vincent Youmans)

(01曲) Sweet Baby J'aiの「Left Alone」: いきなり彼女らしいヴォリュームのあるヴォーカル、そしてミュートを効かしたトランペットがバックで都会の夜のムードを盛り上げる(アルバム『Art of Blue』より)。これはやっぱりスタートを飾るに相応しい。
(02曲)(06 曲)残念ながらこれらの曲はバックの演奏陣がビック・バンドなのか、少々うるさくて私の好みとは異なるもの。
Larasolnicki2(03曲)カナダの Lara Solnicki(右)の「Marcy Street」: 女性ヴォーカルものは、やっぱりある程度ムードのある世界が良いですね。そんな意味では、この曲は良いです。バックの演奏がセンスよくフルート、パーカッションが頑張って、そしてオーソドックスな魅力的なヴォーカル。アルバム『Whoes Shadow?』から。
(04曲) Alexis Coleの「Sway」は、以前にも触れたことがあるのだが、もう何十年前のローズマリー・クルーニーものには残念ながら及んでいない。
(07曲) オランダでしたねIlse Huizingaの「You And The Night And The Music」は、先ずはしっとりと歌い込んで、途中から転調してこれぞジャズと言いたげな編曲。ちょっとシャレている(アルバム『Beyond Broadway』から)。
(08曲)しゃれていると言えば、このConnie Evingsonの「Besame Mucho」だ。ギターによる編曲も楽しめるし一聴の価値あり(アルバム『Stockholm Sweetnin』より)
Karen_lane(09曲) Karen SouzaでなくKaren Lane(右)の「Wild Is The Wind」、この人はオーソドックスなヴォーカリストのようだが、この曲は色気たっぷり(アルバム『Taste』から)。
(11曲)(12曲)この両曲はシカゴをベースに活躍しているPetra Van Nuisのヴォーカル。どちらかというと可愛いという声で、寺島靖国のお気に入りか、彼女だけが2曲登場(アルバム『Sweet Refrain』から)。

 こんな調子にこのアルバムでは、14人の女性ヴォーカリストが登場するが、それぞれ個性豊かで自分の唄回しを持っているという結構マニアックな手法で選んだメンバーだ。
 又登場するtrackは、やはりそれなりに良質な録音の曲が多い。これも寺島靖国の選曲の一つの要素なんだろうなぁ~と思って聴いたところだ。
 アルバム・タイトルからみると今後は”女性ヴォーカルに限る”と言うことではないのかも知れないが、いずれにしても目下はジャズ・ヴォーカルは女性の天国、これから楽しいアルバムとして発展して欲しいところである。

(参考視聴) Karen Lane

(参考視聴) Ilse Huizinga

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コメント

そうですか、そんなアルバムが出たんですね。寺島氏らしい ・・・。「Ilse Huizinga」、「Connie Evingson」まったくタイプの違う歌手ですが、わたしのご贔屓歌手でもあります。

投稿: 爵士 | 2015年8月 1日 (土) 23時04分

爵士さん、こんにちわ。
連日暑くてまいってます。そちらも尚更でしょうね。
 そうなんです、こんなアルバムもシリーズものとしてスタートしました。もともと私はオムニバスものってそう好きでは無いのですが・・・・寺島靖国ものは、ガイドとして喜んで聴いてます。録音も良いモノが多いですし。
 コニー・エヴィンソンに関しては私は未消化でした。案外真っ当な器用な歌手のイメージは持っていましたが、これを機会に、これから少々アタックしたいと思ってます。アレクシス・コールはもっと良いのですが、これは選曲ミスでしょうね。イルセ・ヒュイジンガは魅力の歌手ですね。カレン・レーンはちょっと色々な意味で面白いと思ったのですがが・・・どうなんでしょうか。

投稿: 風呂井戸 | 2015年8月 2日 (日) 11時20分

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