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2015年8月30日 (日)

サラ・ガザレク Sara Gazarek+ジョシュ・ネルソン : 「DUO」

美声ガザレクのヴォーカルとピアニストとのデュオ作品

Sg3_3 女性ジャズ・ヴォーカルものに求めるモノは何なんだろうと、ふと思うことがある。それは声が美しく歌うところムードがあって、ついでに美貌であればそれはそれで良いように思うのだが・・・・・。
 不思議に次のアルバムを心待ちにする訳でもないし、かといってそこにあれば取り敢えずは聴いてみたいとは思う。そんな感覚のシンガーの代表格にサラ・ガザレクがいる。
  今年そんな彼女のニュー・アルバムが登場した。果たして私にとってどんな感覚になるのだろうか?。

    <Jazz>
        SARA GAZAREK + JOSH NELSON 「DUO」
           CORE PORT / JPN / RPOZ-10011 / 2015


Duo
          SARA GAZAREK (VOCAL,編曲)
          JOSH NELSON (PIANO,編曲)

          2015年1月 Capitol Studio (Hollywood)録音

71lajfmlbll__sl1213_ 少々前に彼女のヴォーカルとTRIOSENCEとの『where time stands still』というアルバムがあったが(→)、ピアノ・トリオ+αの演奏と彼女のヴォーカルの融合は、都会派というので無く、どこか田園地帯の牧歌的ムードにピッタリの世界を構築していた。

 さて、それはそれとして今回のニュー・アルバムはデビュー以来10年以上も、サラ・ガザレクの全オリジナル・アルバムやライヴで名コンビぶりを発揮しているピアニスト、ジョシュ・ネルソンとのデュエット・アルバム。曲は彼らのオリジナルとカヴァー曲との構成だが、過去に演奏してきた曲が多い。

(Tracklist)

1.All Again (Josh Nelson)         
2.Blackbird / Bye Bye Blackbird (John Lennon - Paul McCartney) (Mort Dixon / Ray Henderson)
3.O Pato  (Neuza Teixeira - Jayme Silva)
4.(On The) Sunny Side of the Street (Dorothy Fields / Jimmy McHugh)
5. I Can't Make You Love Me  (Michael Reid - James Shamblin)
6.Petit Papillon  (Josh Nelson & Sara Gazarek)
7.Mood Indigo (Duke Ellington - Irving Mills – Albany Bigard)
8.No Moon At All (David Mann – Redd Evans)
9. I Don't Love You Anymore (Josh Nelson / Sara Gazarek / Cliff Goldmacher)
10.Father Father (Laura Mvula)
11.The River / Riverman (Poem; Sara Teasdale; Music ; Josh Nelson) (Nick Drake)
12.Behind Me (Josh Nelson / Sara Gazarek)

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 サラ・ガザレクは歌唱派といっていいのだろう、このアルバムもデュオと言っても彼女の唄を聴くといったそのもの。そしてカヴァー曲も、彼女なりきの世界へと歌い込んでゆくところはかなりのもの。
 2曲目の”Blackbird”と”Bye Bye Blackbird”の併わせ技にみるように、彼女なりきの解釈でのカヴァーを試みている。12曲目”Behind Me”はボーナス曲なので、このアルバムの締めは11曲目の”The River / Riverman ”であって、ここでも二つの曲の併せによって、歌いたい内容を知らしめる方法を取っている。これだけ歌には歌唱力をもってそのメッセージに重点をおいていることが解る。なんとサンバも登場するが、やっぱりサンバではなくガサレク節なのである。
 とにかくこのアルバムもスタートのJosh Nelsonの曲”All Again ”を聴くと同時に、やっぱり彼女のジャズはフォークに近いとを実感する。聴く者の心に響く歌をナチュラルに歌い上げたいというところが彼女の世界なのだろう。ジャズっぽいと言えば8曲目”No Moon At All ”あたりに聴くことが出来る。

 ガザレクは透明感のある歌声と心に響く歌唱力で評判だが、紹介記事を見ると、1982年、米シアトルで生まれている。高校でジャズを学び、在学中の2000年、デューク・エリントン・ジャズ・フェスティヴァルで第1回エラ・フィッツジェラルド賞を受賞したという。南カリフォルニア大学のソーントン音楽学校に進み、ソーントン・ジャズ・オーケストラなどと共演。プロデューサーのジョン・クレイトンに認められ、2005年にコンコード・ジャズ・フェスティヴァルに出演。1stアルバム『ユアーズYours』で日本デビュー。

 ジョシュ・ネルソンJosh Nelsonは、サラ・ガザレクのデビュー以来10年以上も、彼女の全オリジナル・アルバムやライヴでピアノを演奏して名コンビと言われている。種々のカヴァー曲の編曲もタッチして、彼女のナチュナルと言われる音楽パターンを形成してきた最重要人物とされている。

 さて結論だが、このアルバムの私的偏見感想であるが、やっぱり以前感じたとおりのフォーク寄りの世界であって、美しく歌い上げるところは良いのだが、逆に面白さがどうも感じないのだ。それは私のジャズに期待する好みの世界とはちょっと違っている部分というところであろう。そして逆にそのところは、好きな人にとってはたまらないところと言えるのかも知れない。

(視聴)

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コメント

自然体でシンプルながらJAZZYな感性をも併せ持つガザレクの歌声。気になるシンガーの一人です。「triosence」とコラボしたアルバム、「Where Time Stands Still 」、ジャケも良かったが、、「Like the Wind」も好きな曲。

投稿: 爵士 | 2015年9月 2日 (水) 13時59分

爵士さん今晩わ。こちらはこのところ夜は秋のムードとなってきましたので、ミュージックとの関係も深まりつつあります(ニッコリ)。おっしゃるように、あのアルバムのトップの曲”Like the wind”はギター、ベース、ピアノの三つどもえの演奏が美しく、そこにガザレクのヴォーカルも非常に自然で良いですね。
 ただ私は女性ジャズ・ヴォーカルには、ちょっと危険なムードも好むところがあって、そんな意味で別の期待もありまして・・・・・(笑い)、ちょっと欲張りですかね。

投稿: 風呂井戸 | 2015年9月 2日 (水) 20時10分

いやいや、あんな健康的なシンガーが気になりだしたのも、定年過ぎてから。それまでは色気と妖気と美貌が女性シンガーの命。歌の甘さより先立っていたものです。

投稿: 爵士 | 2015年9月 2日 (水) 22時57分

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