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2015年9月18日 (金)

デヴィッド・ギルモアDavid Gilmour のニュー・アルバム「飛翔 RATTLE THAT LOCK」

力みの無いところが・・・・良いというか、肩すかしというか?
   ~もうプログレって言わない方がギルモアも安まる~

     <Rock>

           DAVID GILMOUR 「RATTLE THAT LOCK」
          Columbia / USA / 88875123262 / 2015

Rattlethatlock
David Gilmour : Guitars, Vocals
Phil Manzanera : Hammond organ
Stive DiStanislao : Drums
etc.

    デヴィッド・ギルモアの2006年『オン・アン・アイランド』以来9年振りのニュー・アルバムの登場(和題「飛翔」って、ワープロ「一太郎」みたいだが)。ソロとしては通算四作目となるが、先頃のピンク・フロイドのラスト作『永遠(TOWA) The Endless River』からすれば早いと言えば早いリリース。とにかく発売当初の騒ぎからすれば、一年も経たない今となっては、あっと言うまに過去のアルバムとなってしまったという結局のところ失敗作であった『永遠』であっただけに、ピンク・フロイドの大看板を背負うところに無理があったというところで、彼のソロとしてのリリースはむしろ期待度が高い。
 今回のこのアルバムもBlu-specCD2、Blu-rayなどなど、ハイレゾ音源も含めてなかなか力が入っている。

List その中身だがTrackListを見るとおり、全10曲。宣伝としては”天にも昇るが如く。桃源郷へと誘う、儚くも美しい夢幻の調べ”と言うところで、既にアニメーションでアルバム・タイトル曲”Rattle That Lock”は宣伝されてきた。この曲は、女房のポリー・サムソン(サイモン)Polly Samsonがジョン・ミルトンの叙事詩『失楽園』(私は読んではいない)にインスピレーションを得て作詞し作曲にも関わったというが、ピンク・フロイド世界とは異なって、なかなか軽快で面白そうと期待を持たせた。

 さて、彼の看板の美しい魅力のギターで始まってギターで締めるアルバム全曲を聴いてみて結論はこんなところだ・・・・・・”深みとか深刻さというところはない。でもそんなに明るいわけでも無い。それでも聴きやすく、聴いて疲れない”これは一つのミュージックのパターンとしては評価は出来ると思う。

Dg_3 やっぱり2曲目の”Rattle That Lock”は最も注目して良いのだろう。まあ軽いけどそれで良いと思う。
  3曲目”Faces of Stone”これは歌謡曲ですね。
  5,6曲目はギルモア節そのものですね。前作からの流れを感ずるところ。
  9曲目”today”はそれほど面白みは無い。
 ところが実は、8曲目”The Girl in The Yellow Dress”これは頂き物。やっぱりギルモアはピンク・フロイド看板を意識しないで、自己の感ずるところ自己の描くところとしての作品、これでいいのだ。この曲も女房ポリー・サムスンとの共作だが、こうしたブルース調の世界が構築できるところは捨てたものじゃないですね、もともと彼にはブルースが基礎にあったしね。なかなかJazzyで面白い。

 まあ、ブログレッシブ・ロックと言う世界ではない。それはそうですね、ギルモアはロジャー・ウォーターズの様な問題意識のロック世界を構築するタイプでもないのだから。そして女房ポリー・サムスン色の濃いものになって、ロックとしてはちょっと寂しいが、むしろやることをやり終えたという安堵感みたいなところが見えるこのアルバムで彼は良いと、私は結論づけるのである。

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コメント

割と伸び伸びやってて良いのかな〜って気がしてます。ここにきてようやく自分そのものを出してる気もするし。
まぁ、プログレじゃないですわな(笑)。ヒーリングに近い音だけど「永遠」に比べりゃ何倍も良い。バンドとソロ名を逆にすれば評判も全然違ったのにねぇ。

投稿: フレ | 2015年9月19日 (土) 08時44分

フレさん、こんにちわ。そうですよね、「永遠」に比べればこちらの方がギルモアらしい。それでも彼の1978年の1st「DAVID GILMOUR」に比べると一歩も二歩も譲っちゃいますが・・・・。しかしさすがフレさん、発想が素晴らしい!、そうそう”バンドとソロを逆にする”ってのが面白いかも知れない。
 いずれにしても、ギルモアは「ピンク・フロイドの構築された世界」の中で泳ごうとすると、フロイドの本質がロジャー・ウォーターズだったことが、ますます露呈してしまうわけで、彼は彼の生き方が大事なんですね。

投稿: 風呂井戸 | 2015年9月19日 (土) 09時06分

2000年代のサンタナに聞こえて、少し笑ってしいました。

暗い芸風のサンタナ。

投稿: nr | 2015年9月22日 (火) 21時15分

可能なら誤字修正しといて下さい。

笑ってしいました。→笑ってしまいました。

投稿: nr | 2015年9月22日 (火) 21時17分

今晩わ、nrさん。
 2000年代のサンタナですか?、「暗い芸風のサンタナ」オヤオヤ色々な聴こえ方がありますね、そりゃ~笑っちゃいますね。
 暗いなら、ロジャー・ウォーターズまで暗くなれば本物ですが・・・・そうはならないでしょう。なにせピンク・フロイドを勝ち取った時は、ピンク・フロイド名義で「道~カレラ・パンアメリカーナ」なる映像アルバムを出して、当時ギルモアとメイスンの脳天気さを露呈してしまって、ロジャー・ウォーターズの怒りを浴びて、マスコミからも呆れられた一件がありますからね。あれはもう内緒にして廃盤どころか、無いのも同然のものにしてしまったんですから。
 どうせならサンタナ位に陽気なったほうが良いですかね、まあこれはこれで受け入れましょうよ。

投稿: 風呂井戸 | 2015年9月22日 (火) 22時49分

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