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2015年9月30日 (水)

これは聴くべき! ダイアナ・パントンDiana Pantonのニュー・アルバム 「わたしの小さな願い~I Believe in Little Things」

不思議な気分にさせるアルバム~ここまで来ると本物だ!

<Jazz>

Diana Panton 「わたしの小さな願い~I Believe in Little Things」
  MUZAK / JPN / MZCF-1320 / 2015

I_believe
     Diana Panton ダイアナ・パントン(vocal)
     Don Thompson ドン・トンプソン(bass,piano,vibraphone)
     Reg Schwager レグ・シュワガー(guitar)
     Coenraad Bloemendal コンラート・ブロエメンタール(cello)



 カナダの人気女性歌手のダイアナ・パントン(カナダのオンタリオ州ハミルトン生まれ)の、スタジオ・アルバムとして2年ぶりの新作だ。(当ブログ・カテゴリー:「ダイアナ・パントン」参照)
  前作は「RED ルージュのため息」 (2013)で、ここでも取り上げたのだが、近作としてライブ・アルバム「my heart sings」(2014)もあった。というところで、久しぶりという感覚は無いのだが、あの独特の可愛らしさと優しさ、しかも爽涼さがあって、なんとも言えない不思議な安堵の世界に連れて行ってくれる。

(参照)
 ① http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/red-f326.html
 ② http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2014/12/post-aa84.html

Dp1(Tracklist)
1. イン・ザ・ワールド・オブ・マイ・オウン
2. 不思議の国のアリス
3. ピュア・イマジネイション
4. イマジネーション
5. シング
6. アイム・ゴーイング・トゥ・ゴー・バック・ゼア・サムデイ
7. レインボー・コネクション
8. リトル・シングス
9. 星に願いを
10. ハーフウェイ・ダウン・ステアーズ
11. エヴリバディ・スリープス
12. スリープ・イズ・ア・プレシャス・シング
13. ハッシャバイ・マウンテン
14. スランバー・バイ・ダーリン

 このアルバムの選曲は大人のジャズ曲を・・・というだけでなく、広く子供達にも親しまれている曲群をも含めているのだ。そして非常に優しいピアノ、ギター、ビブラフォンそしてチェロの響きが、落ち着いた静かにして美しい演奏を聴かせる。これは特に彼女を見いだし育てたドン・トンプソンDon Thompsonのなせる技がここに集約している。そしてその優しい演奏に支えられての彼女の心安まるヴォーカルが響く。

 いや~~これには参りましたね、ジャズの世界でここまで少女ムードを醸しつつそして大人を納得させる郷愁の世界を構築されると、もはや何をか言わんやという降参の世界ですね。彼女のこれまでに築いてきた世界の一つの頂点と言ってもいいかもしれない。過去のアルバムは、大人の世界に少女のムードの加わった端麗さでそれなりに人気はあったけど、評価としてはどうなんだろうと実は私自身は思っていたが、ここに至るとこりゃ~本物で、今この世界を築く女性ヴォーカリストはちょっといないのではと、取り敢えず絶賛してしまうのである。多くの者に歌われている”When you wish upon a star 星に願いを”を聴いてみても、この曲も完全に彼女の物になっている。更に、”Hushabye mountain”はチェロの響きも含めてこの美しい世界は感動もの。
 そしてこのジャケ・デザインも歴史に残る出色ものですね。

「全ての子供達と子供の心を持ち続ける大人たちへ~聴いた誰もが優しい気持ちになれる、ダイアナからの素敵な贈り物」

   ・・・・と言うキャッチフレーズは、偽りで無かったアルバムであった。

(視聴)

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2015年9月26日 (土)

映画 時代劇回顧シリーズ(1) 嵐寛寿郎 と「鞍馬天狗」 -私の映画史(15)-

映画は唯一の娯楽の時代があった!!

 私の映画好きは、小学生時代にその原点がある。隣に住んでいたお兄さんが映画好きで、よく私を連れて行ったのだ。私がまだ幼い小学校低学年の時であり、当時の映画館では入場料は私の分は取らなかった。そんなこともあったのか、よく連れて行ってもらったのである。・・・・こんな事が私と映画の関わり合いの始めであったのだが。

Kuramatengu1_2 その記憶にある中で、主たる映画は、なんとアラカン(嵐寛寿郎)の「鞍馬天狗」(左)。今思えば多分その映画は日活版の「鞍馬天狗」(1938-1941 8本制作)なのではなかったか?、と推測するのだ。と言うことは、戦前の映画になる。多分旧作の映画上映館であったと思うから。
 なにせ、勿論テレビなども無い時代であったから、その映される映像はモノクロではあっても、動く映像を観るというそのものにも感動があった。そして時代劇のその内容には、幼き私にとっては強烈な印象があり、帰ってきて夜寝ても恐ろしく夢に見てうなされるぐらいインパクトがあったものである。このような”痛快時代劇”なんてところは、成人に近い人に言えることで、とにかく幼き子供には恐ろしい映画であったのです。

 私が映画をその額面通り楽しむものとして、アラカンの「鞍馬天狗」を観たのは、美空ひばりの杉作少年の登場する松竹版(4本)以降のことである。それは1951年の「鞍馬天狗 角兵衛獅子」からだ。当初この映画は映画館で観たのではなく、とにかく戦後娯楽も無くただただ民衆は働いて生活する世の中であった為、これはどこのどういった企画かは知らないが、駅前広場に夜になると大きな白幕を張ってスクリーンとし、そこに投影して多くの人が集まって楽しむというものである。だからおそらくこれは映画館での一般公開も済んでの作品であって、こうして娯楽というものも殆ど無い市民の”憩いの場作り”として行われた上映であったと思う。劇場で演芸を観るのと同じに皆拍手をして観たものだった。

松竹映画 「鞍馬天狗 角兵衛獅子」 (昭和26年(1951年))

Kuramax_2
制作 小倉浩一郎
原作 大佛次郎
脚本 八尋不二
監督 大曽根辰夫
撮影 片岡 清
出演 嵐寛寿郎 (鞍馬天狗)
    美空ひばり (杉作)
    山田五十鈴 (礫のお喜代)
    月形龍之介 (近藤勇)
    川田晴久 (黒姫の吉兵衛)

 「鞍馬天狗」というのは大佛次郎原作ものであり、大衆小説の冴えたるもので、そこで作られた勤王の使命感を持った主人公。大正13年(1924年)にスタートして、47作ある。その中で人気のあるのは、この少年向きとして書かれた「角兵衛獅子」は「少年倶楽部」に連載(1926~27)されたもの。
 この鞍馬天狗の物語の時代背景は、幕末の混乱期に於ける尊皇攘夷派らの王政復古、武力討幕路線の台頭期にある。娯楽的には幕府側の新撰組(近藤勇)と鞍馬天狗の勤王の志士との闘いを描いたもの。
 佐幕派の勝海舟や勤皇派の西郷隆盛、桂小五郎、木戸孝允といった実在人物が登場するところも面白い。

 とにかく「鞍馬天狗」と言えば「アラカン」と誰もがと言ったもので、「アラカン」こと「嵐寛寿郎」の演ずるものが抜群に支持されてきた。マキノ映画の1927年から最終は宝塚映画の1956年の作品まで、なんと40本のアラカンの「鞍馬天狗」映画があるのだ。

Photo_2 この美空ひばりの杉作少年が登場する映画は、戦後の映画復興の最先端を行ったもので、嵐寛寿郎にしてみれば、一連のシリーズの最後の1/3に入った頃のものだ。とにかく格好良いアラカンの鞍馬天狗と可愛い美空ひばり、そして魅惑の山田五十鈴、武士の姿を最も格調高く演ずる月形龍之介と役者が揃っている。これほどの娯楽映画は過去に無かったといってよいほどのもの。
 今はDVDものとして鑑賞できる数少ない鞍馬天狗ものの一本だ(左)。
 この映画でも、美空ひばりは凄い。子役ながらも、とにかく圧倒的な支持を得た。有名な話だが、なんと子供ながら山田五十鈴の色気に負けないところを見せたとアラカンは感じたということだ。その後、映画の制作上、人気維持のため「鞍馬天狗 鞍馬の火祭」(1951年)、「鞍馬天狗 天狗廻状」(1952年)と続けて彼女の出演が望まれ、そして制作された。
 
147949_m2 こんなことから、私が映画ファンとして最も好きだった俳優がこの嵐寛寿郎であった。そして最も映画に夢中になった年頃では「明治天皇と日露大戦争」(1957年)が最大の作品。とにかく日本初の大型シネマスコープ作品作成として注目され、明治天皇役ということに恐れおののいたアラカンであったが、結果的には絶賛の嵐(笑)であった。
 その後、もうアラカンも映画界では一歩下がって、別の味を出してくれたのだが、それがあの高倉健の「網走番外地」シリーズでの登場であった。嵐寛寿郎が演じた“八人殺しの鬼寅”は映画史に残る名キャラクターとして語り継がれている。

(参考映像)

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2015年9月22日 (火)

リヴァーサイドRIVERSIDEのニュー・アルバム「LOVE, FEAR AND THE TIME MACHINE」

  良きにつけ悪しきにつけ一皮むけたリヴァーサイド
    ~久々のプログレ・バンドの試みは?~

  <Progressive Rock>

        Riverside 「LOVE, FEAR AND THE TIME MACHINE」
        INSIDEOUT / Germany / 0507260 / 2015

Love
           All Tracks recorded at Serakis Studio , Warszawa, Poland
            between Nov 2014 and Jun 2015

 2003年からの不動のメンバーのリヴァーサイドのニュー・アルバム登場。
 今や英国Steven Wilsonを代表に数少ない本格派プログレとして、最も私の期待株のポーランドのプログレッシブ・ロック・バンドの最新作6作目。前作から2年半ぶりの登場。
 もともとダークな持ち味と、社会的問題意識の持ったバンドとしてヘヴィなサウンドは彼らのパターンであるが、さて今作は・・・・・。

(Tracklist)
1.  Lost (Why Should I Be Frightened By a Hat?)
2.  Under the Pillow
3.  #Addicted
4.  Caterpillar and the Barbed Wire
5.  Saturate Me
6.  Afloat
7.  Discard Your Fear
8.  Towards the Blue Horizon
9.  Time Travellers
10.  Found (The Unexpected Flaw of Searching)

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 まず数曲聴いて思うことは、う~~ん、ちょっと変わったぞ。まずはヴォーカルの占める位置が多くなったこと、リーダーでベーシストであり作曲者のMariusz Dudaのヴォーカルが非常に美しくなった。簡単に言えば一皮むけた、つまり垢抜けた。あの陰の世界から若干明るさを少し加味した世界に変化している。更に時にヘヴィな音も聴こえてくるが、明らかにそのヘヴィさの後退。
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 この変化は?、そうだなぁ~やっぱり私の期待とは若干異なった世界への歩みだ。決して問題意識を忘れた世界では無いのだが、ポーランドという国の不幸から現代の新世界への陰影を描くバンドとしての感覚。その世界観から彼らの存在が認められてきた近年のロック界。そんな状況からの、現代における守備範囲を構築してしまった結果であろうか?。
 Mariusz Dudaは、1970年から1980年代の彼らの歩みを回顧し、今回は一つの曲風の転機を試みたのだ。彼らのホーム・ページでも、その「変更」は一つの精神的解放ではあるが、又襲ってくる恐れでもあると言っている。人生の未知への歩みへの恐れとこのバンドの未知への不安とオーバーラップさせて、このアルバムの作成となったようだ。そして内面的な因子が大きくなった。
 彼らの曲におけるインストゥルメンタルの重要性のパターンがかなり後退。これは私的にはちょっと賛成できないと言うか、寂しいですね。特に8曲目”Towards the Blue Horizon”に於いて、ヘビーなメタリックな音と、アコースティックな音と、美しいヴォーカルの三者の交錯が、彼らの心の交錯の結果を表しているのかも知れない。

 ・・・と、このアルバムを評価していたが、実は今作にはもう一枚の「DAY SESSION」という5曲が”DISC 2”として付いている。これがなんと全曲インストゥルメンタルなんですね。

1. Heavenland
2. Return
3. Aether
4. Machine
5. Promise


 こちらは、以上の5曲で構成されている。そしてあの過去に構築した薄暗い叙情と陰影、時にヘヴィに・・・・、そして浮遊感たっぷりのどこか深遠な美を聴かせるインストゥルメンタルによる作風が充満している。
 これを聴いてみて、なるほど彼らは過去の5枚で貫いてきた作風の基礎はこれだが、今作では一歩脱皮を試みたことが解る。しかしこの”DISC 2”の組み合わせを試みたのは、過去のものを完全に放棄はしていない。むしろその放棄する自信は無かったのかも知れない。従ってこのニュー・アルバムは、対比するスタイルを組にしてリリースしたのであろうと・・・・・推測するのだ。
 しかしこの5曲も、納めの曲”Promise”においては、アコースティックな音で何処か光明の見える納め方をしているところに、転機を迎えた今の彼らが見えてくるのであった。

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2015年9月18日 (金)

デヴィッド・ギルモアDavid Gilmour のニュー・アルバム「飛翔 RATTLE THAT LOCK」

力みの無いところが・・・・良いというか、肩すかしというか?
   ~もうプログレって言わない方がギルモアも安まる~

     <Rock>

           DAVID GILMOUR 「RATTLE THAT LOCK」
          Columbia / USA / 88875123262 / 2015

Rattlethatlock
David Gilmour : Guitars, Vocals
Phil Manzanera : Hammond organ
Stive DiStanislao : Drums
etc.

    デヴィッド・ギルモアの2006年『オン・アン・アイランド』以来9年振りのニュー・アルバムの登場(和題「飛翔」って、ワープロ「一太郎」みたいだが)。ソロとしては通算四作目となるが、先頃のピンク・フロイドのラスト作『永遠(TOWA) The Endless River』からすれば早いと言えば早いリリース。とにかく発売当初の騒ぎからすれば、一年も経たない今となっては、あっと言うまに過去のアルバムとなってしまったという結局のところ失敗作であった『永遠』であっただけに、ピンク・フロイドの大看板を背負うところに無理があったというところで、彼のソロとしてのリリースはむしろ期待度が高い。
 今回のこのアルバムもBlu-specCD2、Blu-rayなどなど、ハイレゾ音源も含めてなかなか力が入っている。

List その中身だがTrackListを見るとおり、全10曲。宣伝としては”天にも昇るが如く。桃源郷へと誘う、儚くも美しい夢幻の調べ”と言うところで、既にアニメーションでアルバム・タイトル曲”Rattle That Lock”は宣伝されてきた。この曲は、女房のポリー・サムソン(サイモン)Polly Samsonがジョン・ミルトンの叙事詩『失楽園』(私は読んではいない)にインスピレーションを得て作詞し作曲にも関わったというが、ピンク・フロイド世界とは異なって、なかなか軽快で面白そうと期待を持たせた。

 さて、彼の看板の美しい魅力のギターで始まってギターで締めるアルバム全曲を聴いてみて結論はこんなところだ・・・・・・”深みとか深刻さというところはない。でもそんなに明るいわけでも無い。それでも聴きやすく、聴いて疲れない”これは一つのミュージックのパターンとしては評価は出来ると思う。

Dg_3 やっぱり2曲目の”Rattle That Lock”は最も注目して良いのだろう。まあ軽いけどそれで良いと思う。
  3曲目”Faces of Stone”これは歌謡曲ですね。
  5,6曲目はギルモア節そのものですね。前作からの流れを感ずるところ。
  9曲目”today”はそれほど面白みは無い。
 ところが実は、8曲目”The Girl in The Yellow Dress”これは頂き物。やっぱりギルモアはピンク・フロイド看板を意識しないで、自己の感ずるところ自己の描くところとしての作品、これでいいのだ。この曲も女房ポリー・サムスンとの共作だが、こうしたブルース調の世界が構築できるところは捨てたものじゃないですね、もともと彼にはブルースが基礎にあったしね。なかなかJazzyで面白い。

 まあ、ブログレッシブ・ロックと言う世界ではない。それはそうですね、ギルモアはロジャー・ウォーターズの様な問題意識のロック世界を構築するタイプでもないのだから。そして女房ポリー・サムスン色の濃いものになって、ロックとしてはちょっと寂しいが、むしろやることをやり終えたという安堵感みたいなところが見えるこのアルバムで彼は良いと、私は結論づけるのである。

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2015年9月15日 (火)

1960年代の米テレビ連続ドラマ(映画)「COMBAT コンバット」の復刻版あれやこれや

人間ドラマは何時観ても・・・・それなりに感動するものだ

<アメリカ制作 連続テレビ映画(ドラマ)>

Combatmorrowjason1  「COMBAT !」
  米ABC放送(1962-1967)

日本放送=TBS系列、1962年11月7日~1967年9月27日 1時間番組

(監督)ロバート・アルトマン、バート・ケネディ、デッド・ポスト、ボリス・セイガル

(日本語吹き替え)
サンダース軍曹(田中信夫)、ヘンリー少尉(納谷悟朗)、ケーリ上等兵(山田康雄)、カービー二等兵/上等兵(羽佐間道夫)、リトルジョン上等兵(塩見竜介)、ウォルトン衛生兵(河内博)

Dvd
 昨年2014年10月末から始まった朝日新聞出版のDVDコレクション「COMBAT !」は、アメリカ制作連続テレビ・ドラマ(映画)だが、日本では1962年から放送が始まり1967年までの5年間続いたものだ。この間の全152話を復刻すべくDVDにて提供している。
 とにかく放送1時間で、1話は完結して、5年間毎週放送されたロング・ランもので、第二次世界大戦末期のアメリカ陸軍第361歩兵連隊K中隊第2小隊を描いての戦争が舞台である。しかし、実は中身はヒューマン・ドラマであった為に日本でも多くの支持を得た。
 目下その出版は佳境に入っているわけだが、それを手に入れて、おかげで時々鑑賞して懐かしがったり感激したりの日々を過ごしている。当時放映されたものを手を加えずに、日本語吹き替えもので、それが又観ていた者にとっては懐かしいのだ。

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 現在ネットでみると、この「COMBAT !」DVD映像ものは、この朝日新聞出版の他に、”(株)ブロードウェイ”というところからも、かっての”日本放送版”つまり日本語吹き替えもので、全152話をDVD6~7本入りの6巻で発売している。
 一般的には、外国映画は音声はオリジナルで、日本語字幕というタイプの方が当たり前で一般受けするのなのだが、この「COMBAT !」にかぎり、”日本語吹き替え”ものの方が人気がある。それは日本にての放送を当時熱心に観たものにとっては、そのほうが懐かしいからで、特にサンダース軍曹の声を担当した田中信夫は人気者ですね(そんなところで朝日新聞出版ものは、ドイツ兵のドイツ語部分は訳が無く何を言っているのか解らないのだが、こちらのブロードウェイものは日本語字幕が入るのでちょっとサービスは良い=このシリーズは若干値段は高いが、画像も良くお勧めである)。

 とにかくこの「COMBAT !」シリーズは、1962年と五十数年も前のものであり、モノクロ映像であるが、1966年になってから放送された最後の25話はカラーとなった。そのカラー版は全25話で1967年に放送終了した。

Simy32ri359b そしてこのカラー版は既に韓国からのリリースものがあって、それは吹き替えものでなく音声は英語オリジナルで、字幕が日本語と韓国語が選べるもの。
 実は私はこの「COMBAT !」も仕入れてみたのだが、カラー版であるので、迫力というか実感はそれなりに十分ほどあり、楽しめることは間違いない。しかしどうもサンダース軍曹、ヘンリー少尉などレギュラー出演陣の声が吹き替えものに慣れてしまっている為、オリジナル音声(サンダース軍曹のVic Morrowとヘンリー少尉のRick Jasonなど )は不思議にピンと来ない。慣れというのは恐ろしい、そんなものなんですね。

 この物語の中心は、サンダース軍曹とヘンリー少尉が主演なのだが、当初は交互に主役を務めていたが、次第に泥臭く、人間くさく、そして鬼軍曹であり、そこに隠れた人間性がありで、それが受けてサンダース軍曹が主役になっていった。この軍曹はサブマシンガンのトミーガンを持ちながら二枚目でない顔つきと、颯爽としていない歩きっぷりが又愛着を誘った。これを演じたVic Morrowは後に50歳代で映画撮影中の事故で、誤って落下したヘリコプターのローターに叩かれ残念なことに即死してしまった。

 今年の秋の夜長には、こんな懐かしのドラマを観て過ごすのも一つの楽しみである。

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2015年9月10日 (木)

初秋に聴くピアノ・ソロ2題 ブッゲ・ヴェッセルトフトBugge Wesseltoft「SONGS」と マーティン・ティングヴァルMartin Tingvall「en ny dag」

あの猛暑から一転して秋は確実に訪れて・・・・・

 今年の夏は7月からの猛暑で圧倒された年ではあったが、考えて見ると短かったとも言える。もう外は虫の声の合唱で、秋が来たことを知らせてくれているのだ。
 こんな時にはふと、心安まるピアノ・ソロが何とも言えずこの秋を歓迎するのだ。

 ここに2012年リリースされた二枚のアルバムが私にとってはこの秋スタートである。

        <Jazz>  
                  BUGGE WESSELTOFT  「SONGS」
                       Jazzland / Europe / 2791733 / 2012

Songs2
         Recorded in Bugges Room,April-September 2011
                 Bugge Wesseltoft : Piano

Buggelist
 もともとノルウェーのジャズ界の革新派で、この自ら作り上げたJazzlandレーベルで、エレクトロニクス派としてのサウンドを売り物に、まさしく未来ミュージックを作ってきたというブッゲ・ヴェッセルトフトJens Christian Bugge Wesseltoft。
 その彼の全くのピアノの原点を探るような聴き慣れたスタンダード曲(左リスト参照)のソロ演奏。2012年にリリースされたこのアルバムに今にして聴き惚れている。
 とにかくあの曲が、ここまで静かに美しく情緒たっぷりに心の奥まで鎮めてくれる曲となって、私にとってのこの秋の夜を演出してくれるとは・・・・・。

Bugge2
 彼のピアノ・ソロとしては1997年『It's Snowing on My Piano』、2007年『Im』、2009年『Playing』に続くもの。
 私は彼の作品にはあまり接触してこなかったが、ここに来て友人の紹介もあって納得して聴いている訳である。秋の夜にはふと我を見つめるに格好のアルバムだ。しかしこの落ち着き感は凄い・・・・。

                    *          *          *          *          *          *

     
      <Jazz>

               Martin Tingvall  「en ny dag」
               SKIP / GER / SKP91172 / 2012

En_ny_dag            
                  Martin Tingvall : Piano

 こちらはドイツの俊英ピアニスト(と言っても生まれは1974年スウェーデン)のマーティン・ティングヴァルMartin Tingvallによる2012年リリースの初のピアノ・ソロ・アルバムである。彼が主催する異色のインター・ナショナル・メンバーのピアノ・トリオ「TINGVALL TRIO」は私のお気に入りで、過去のECM的なスタジオ・アルバム(『Skagerrak (2006)、『Norr 』(2008)、『Vattensaga 』(2009)、『Vägen 』(2011)、『Beat 』(2014))は私の愛蔵盤でもある。

 (参照)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/tingvall-trio.html

 そんな訳で、彼のピアノ・トリオ・アルバムはここでも既に取り上げてきたところだが、このソロ・アルバムは、実は今回初めて聴くことになったもの。

  • (Tracklist)
    1. En Stjärna Faller 2:10
    2. En Början 4:25
    3. Debbie And The Dogs 4:20
    4. Efter VI Skildes Åt 4:22
    5. En Ny Dag 4:45
    6. Det Är Åska I Luften 3:46
    7. Så Hissas Flaggan På Midsommarafton 4:09
    8. Utan Ström I Harare 3:30
    9. Till Dem Därhemma 4:41
    10. Kvällens Sista Dans 4:14
    11. Myggan Som Inte Ville Dö 3:05
    12. När Barnen Sover 3:15
    13. Dagens Slut 1:55
  • Martin1 彼の描くところ、北欧からのメロディーがやっぱり流れてくると言うところか。その美しさというところは、何故か日本人の我々の郷愁を誘うという世界。
     4曲目”Efter VI Skildes Åt” は、”パーティーの後”という意味になるのだろうか、又12曲目”När Barnen Sover ”(”幼子が眠る時”?)などのこの郷愁感はもはや絶好調。
     美しいピアノ・メロディーの世界には、”都会の夜の静かさ”と”どこか都会から離れた自然に包まれた世界”と二つに分けてみると、彼の世界はやっぱり後者だろうなぁ~と思うのである。

     秋になってふと我に返って聴いた万人に推薦できる二枚のアルバムだった。

  • (視聴) Bugge Wesseltoft
  • (視聴) Martin Tingvall

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    2015年9月 4日 (金)

    カプサ・レイニンガー・フロウKapsa Reininger Fleau のピアノ・トリオ・アルバム : 「La Ligne De Kármán」

    一聴、無機質かと思う中にロマンと哀愁の交錯を感ずる
     ~エドゥアール・フェルレ
    Édouard Ferlet のプロデュース~

       <Jazz,  Fusion>

                 Kapsa Reininger Fleau 「La Ligne De Kármán」
                 ATELIER SAWANO / JPN / MEL 666016 / 2015

    La_ligne
                                Jean Kapsa (p)
                                Antoine Reininger (b)
                                Maxime Fleau  (ds)

                 Édouard Ferlet(Production)
                                                                 

    K1

    (Tracklist)
           1. L'alliance
           2. Clouded Mind
           3. Fango
           4. La separation
           5. Don't Speak Too Soon
           6. Gamma
           7. It Must Be Spring in New Zealand
           8. Le bois de Retz
           9. Mimesis
         10. Haramont
         11. Le taxidermiste
         12. Le typographe

     フランスからのピアノ・トリオ。注目はなんと言ってもあのジャン-フィリップ・ヴィレ・トリオJean-Philippe Trioのピアニストである私の注目のエドゥアール・フェルレÉdouard Ferletのプロデュースと言うところだろう。もうそれだけでゾクゾクしてくる。

    (参照)
    http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/jean-philippe-v.html
    http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/edouard-feriet.html

    R1_3 このトリオは私は初聴きである。三者の名を冠していて、つまりメンバー対等の世界を強調しているが、ピアニストのジャン・カプサの曲が主体である(1.2.3.4.5.6.12)。そしてベーシストのレイニンガーが3曲(7.8.10.)、三者によるものが2曲(9.11.)という構成。
     アルバム・タイトル「La Ligne De Kármán」は、”カルマンの伝記”という意味との解説がある。”カルマン”というのは、私は知らないのだが、ハンガリーの流体力学者で航空学者であるセオドア・フォン・カルマン(1881-1963)という人のことらしい。”カルマン渦列”というのがあって、どうもそのあたりから想像するに、”音の渦”との関係を描いているのだろうか・・・・・?、ちょっと興味のあるところ。

    M1 オープニング” L'alliance”は、カプサのピアノとレイニンガーの重低音が重なってリズムを刻むところに、そこに繊細なシンバルが乗り、ピアノの旋律が曲を展開するというちょっと異様な雰囲気からスタートする。しかし続く”Clouded Mind”は、澄んだピアノの音色が美しく哀愁感ある魅力的な世界を構築する。3曲目の”Fango”や特に6曲目の” Gamma”は、一転して現代音楽調の先鋭化した演奏の展開で、紛れもなく”渦の流れ”が聴こえてくる。しかしそこにみるピアノの調べ、ベースの調べはヨーロッパ的な美しさを秘めている。こんな調子で聴く者に油断を与えない。
     とにかく描くところ、単なる甘い哀愁の美とはゆかない。なかなか辛口のどちらかというと一歩も二歩も前進したピアノ・トリオを目指している姿が感じられる。しかし彼らのベースには、伝統的な美旋律が宿っていて、そこがこのアルバムの価値観に繋がっている。
     これからの彼らには多分このアルバムに止まらず注目されて行くであろうことは必須である。 (写真:Kapsa Reininger Fleau /Facebook より 

    (視聴)

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