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2015年10月31日 (土)

映画 時代劇回顧シリーズ(5) 中村錦之助「宮本武蔵」5作品   -私の映画史(19)-

時代劇映画の更なる新しい道・・・・・・文芸路線へ

 とにかく映画の全盛時代の1950年代を経て、1960年代となると映画そのものが次第に下降路線となりつつある時、その時代を反映しつつそこには新路線が登場したわけだが、その一つがリアリズム映像であり、更にもう一つの方向として単なる痛快娯楽路線から一歩進んで、文芸的な世界を模索する路線も誕生してきた。

東映映画 内田吐夢   監督
       中村錦之助 主演

          「宮本武蔵」            (1961年公開)
          「宮本武蔵 般若坂の決斗」 (1962年公開)
          「宮本武蔵 二刀流開眼」   (1963年公開)
          「宮本武蔵 一乗寺の決斗」 (1964年公開)
          「宮本武蔵 巌流島の決斗」 (1965年公開)

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 吉川英治原作の「宮本武蔵」の映画化である。なんと5年かけての製作、当時とすればこの5年間は非常に長く感じられたものだった。そしてこの映画は、監督内田吐夢の一つのロマンの作品と言われている。過去の時代劇と違って、人間の姿・心を描こうとするところに文芸作品と言われる所以である。
 又、武蔵を演ずる中村錦之助の代表作とも言われるところは、彼のこの5年間の役者としての進歩の姿がこの一連の作品に見えてくるところだ。特に第一作での気合いの入れ方は当時驚かされたものだ。

Photo_3製作:大川博 
企画:辻野公晴、小川貴也、翁長孝雄 
原作:吉川英治 
脚本・監督:内田吐夢 
脚本:鈴木尚之、成沢昌成
撮影:坪井誠、吉田貞次 
照明:和多田弘、中山治雄
録音:野津裕男、渡部芳丈 
美術:鈴木孝俊 
音楽:伊福部昭、小杉太一郎 
編集:宮本信太郎 
助監督:山下耕作、富田義治、杉野清史、鳥居元宏、加藤晃、篠塚正秀、野波静雄、鎌田房夫、菅孝之、大串敬介 
記録:梅津泰子 
装置:上羽峯男、館清士、木津博 
装飾:宮川俊夫、佐藤彰 
美粧:林政信 
結髪:桜井文子 
衣裳:三上剛 
擬斗:足立伶二郎 
進行主任:植木良作、神先頌尚、片岡照七、福井良春
邦楽:中本敏生

 出演:
中村錦之助(宮本武蔵)
高倉健(佐々木小次郎)
片岡千恵蔵(長岡佐渡)
三国連太郎(宗彰沢庵)
月形龍之介(日観)
田村高広(柳生但馬守)
里見浩太郎(細川忠利)
木村功(本位田又八)
丘さとみ(朱実)
入江若葉(お通)
平幹二朗(吉岡伝七郎)
江原真二郎(吉岡清十郎)
岩崎加根子(吉野太夫)
薄田研二(柳生石舟斉)
浪花千栄子(お杉)
木暮実千代(お甲)
河原崎長一郎(林吉次郎)

 この作品は、内田吐夢監督の拘りが見事に描かれた。勿論吉川英治原作の意志は尊重されているが、内田吐夢自身の人間像に迫るところに魅力がある。 又キャストを見ても当時の東映の総力を挙げている。

 第一作「宮本武蔵」 (1961年公開)
 関ヶ原の戦いに敗れ、敗軍の兵として追われる錦之助の過去の美剣士錦之助像を殴り捨てた武蔵(たけぞう)の演技。それをみる三國連太郎の沢庵坊主の若き者への人間像への導きにポイントがあって、内田吐夢のこの映画への目的が明確に出る。

 第二作「宮本武蔵 般若坂の決斗」 (1962年公開)
 名門吉岡道場にて門弟を打ちのめして遺恨を残す。奈良の宝蔵院にての僧兵を一撃で即死させる。前半を静かに描いて、クライマックスの般若坂の決斗で爆発的にリアリスティックに闘いを描く。浪人の首が飛ぶところは、話題になった映画「用心棒」の壮絶さの上を行く。このあたりが内田吐夢の手法が見事に観客を虜にする。しかしこの二部でも”闘いの結果の殺人”と”僧の世界の真髄”に疑問を持つ武蔵。
B
 
 第三作「宮本武蔵 二刀流開眼」
(1963年公開)
 柳生石舟斉へと向かうも高弟との闘いとなり、二刀流が自然に生まれる。吉岡清十郎との洛北蓮台寺野に於ける決闘に勝利。名門の当主のプライドを守り通そうとする清十郎の悲壮感は壮絶に描かれる。勝利無くして武士の姿なしと剣の道に疑問を持ちながらも進む武蔵。

Photo_7 第四作「宮本武蔵 一乗寺の決斗」 (1964年公開)
 吉岡一門の怨念は深く、平幹二朗演ずる吉岡伝七郎との三十三間堂の対決、そして73対1の一乗寺下り松の決死の闘いを描く。主題の一乗寺下り松の闘いでは、敵の総大将には子供が立てられ、武蔵はそれを殺す。その罪を武蔵は背負って生きる事になる苦痛を描く。又闘いのシーンは内田吐夢のリアリズムが展開する。とにかく武蔵は一本の田圃のあぜ道を走って走って走りまくり、追っ手と一対一の状態をつくり戦う。昔からの東映の踊りに近い大勢に囲まれてのチャンバラとは違う。勝負は一対一でないと勝てない姿が真実感を増す。しかもこのシーンだけがモノクロとなるとこに拘りが見えた。

 第五作「宮本武蔵 巌流島の決斗」 (1965年公開)
 佐々木小次郎との巌流島における宿命の決闘。常に勝利の為の方策、そしてその後の追っ手から逃走の道まで考えて闘いに望む武蔵の計算高いところを描きつつも、相手を殺したことへの勝者としての喜びは無い。ここでは武蔵の殺人への罪を実は内田吐夢は強調する。「戦う」ことから生まれる悲劇、剣の道から人間に迫ろうとした武蔵には・・・・残るは「空虚」のみ。

      ”この空虚・・・・所詮、剣は武器・・・・・・”

 この映画の制作中の5年間には又映画界には変化が起きていた。「時代劇の衰退」と「任侠映画の劉生」である。そんな時の時代劇の生き方への一つの回答であった作品でもあった。

(視聴)

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2015年10月28日 (水)

キャロル・ウェルスマンCarol Welsmanのニュー・アルバム「alone together」

もうカナダではベテラン組で・・・・大人のしっとりムードも

 とにかくカナダからは、これでもかこれでもかと女性ジャズ・ヴォーカルものがお目見えしてくるが、このキャロル・ウェルスマンCarol Welsmanは、1980年代より登場で、もうベテラン組。ここでも過去に何回か取り上げ来ているので紹介はそちらで(http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/carol-welsman-8.html )。

 さて今年になって、2012年以来3年ぶりのニュー・アルバムが登場している。

      <Jazz>
             Carol Welsman 「alone together」
           WELCAR MUSIC / US / WMCD368 / 2015


Alone_together2
Vocals/Piano:Carol Welsman
Bass: Rufus Reid
Drums: Lewis Nash
Trumpet: Wallace Roney
Guitar: Jay Azzolina (tracks 3, 6, 8)
Percussion: Steven Kroon (track 3)


 キャロル・ウェルスマンは、ピアニストでもあり、このアルバムは彼女のピアノ・トリオのパターンをとって、そして実力派そのものの大人の味を十分堪能させてくれるヴォーカルを披露。ジャズ・ベーシストとしては大御所といってよい Rufus Reidがしっかりバック演奏を固めている。ドラムスも Lewis Nashが努めてなかなか豪華メンバー。
 そして更に曲によってギター、トランペット、パーカッションなどが加わって、そのギターも良いし、トランペットもいい。 つまり演奏陣も洗練されたジャズを演奏してくれて、大推薦のジャズ・スタンダード曲盤である。

Cw1(Tracklist)
 
1. Day By Day
2. It Might As Well Be Spring
3. Sand In My Shoes
4. My Ship
5. Alone Together
6. Disappointed
7. If The Moon Turns Green
8. You Taught My Heart To Sing
9. The Blues Are Out Of Town
10. I Didn't Know About You
11. Killing Time

 1曲目”Day By Day”は、ピアノ・トリオにミュートを効かせたトランペットが乗って、ジャズ・アルバムに相応しいリズムカルな展開をみせ、2曲目”It Might As Well Be Spring”で、一転してしっとりと歌い上げるところは憎いスタートをみせるアルバムだ。
 相変わらず彼女のヴォーカルは低音から高音まで安定した響きで、小手先のテクニックに頼らない歌唱で、聴く者にとっては安定感たっぷり。
 5曲目に登場するアルバム・タイトル曲”Alone Together”は、バックなしの彼女の唄から始まって、中盤からジャズの醍醐味であるトリオ演奏が軽快で、ピアノ、ベース、ドラムスのリズムの刻みが楽しめる。
 7曲目”If The Moon Turns Green”の説得力ある歌い込みのバラードは、いよいよ私好みの世界が登場し、このアルバムはそれ以降の後半がなかなか魅力的。

(参考)<キャロル・ウェルスマンのDiscography>

  • 1987年 - Just Imagination (EMI)
    1995年 - Lucky to be me (Welcar Music)
    1997年 - Inclined (Welcar Music)
    1999年 - Swing Ladies, Swing - A Tribute to Singers of the Swing Era (Welcar Music)
    2001年 - Hold Me (BMG Music Canada)
    2003年 - The Language of Love ( Savoy)
    2005年 - What'cha Got Cookin' (Ludlow Music, Columbia Records)
    2007年 - Carol Welsman (Justin Time Records)
    2008年 - "Memories of You" - A tribute to Benny Goodman,  ( Muzak Records,Welcar Music)
    2009年 - I like Men – Reflections of Miss Peggy Lee ( Welcar Music)
    2012年 - Journey (Justin Time Records)
    2015年 -  (当アルバム) 「alone together」 (Welcar Music)
  • (視聴)

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    2015年10月24日 (土)

    映画 時代劇回顧シリーズ(4) 三船敏郎「用心棒」 -私の映画史(18)-

    もう一つの時代劇の新しい潮流

     1950年代は、時代劇は東映が一つの形を作っていて、基本はまさに若きも老いたる者も楽しむという娯楽映画という基本的パターンであった。それは立ち回りにおいても舞台で演じられるような舞踊に近い優雅さがあった。
     しかし1960年代となって、この黒澤明の時代劇によって日本映画の時代劇も一変する。

    東宝=黒沢プロダクション 「用心棒」
                    (1961年4月公開)

    監督:黒澤 明                Photo
    脚本:菊島隆三  黒澤 明
    撮影:宮川一夫
    美術:村木与四郎
    音楽:佐藤 勝


    (キャスト)
    桑畑三十郎 ・・・三船敏郎
    新田の卯之助 ・仲代達矢
    小平の女房 ぬい・・・司葉子
    清兵衛の女房 おりん・・山田五十鈴
    新田の亥之吉 ・・・加東大介
    馬目の清兵衛 ・河津清三郎
    造酒屋徳右衛門 ・・志村喬
    清兵衛の倅 与一郎 ・・太刀川寛
    百姓の小倅 ・・・・・夏木陽介
    居酒屋の権爺 ・・東野英治郎

     黒澤明に作らせると、結論的には痛快時代劇なのだが、こうなるのかと・・・・、まさに新しさが詰まっていた。
     三船敏郎演ずる三十郎は、基本的には剣をとれば圧倒的に強い侍で、このあたりは東映時代劇となんら変わらないのだが、この映画のスタートには犬が人間の手首を加えて歩くところから始まって、その描写のリアリズムは当時の時代劇としては群を抜いていた。人を斬るにも実際にはこうするだろうと、その一太刀の神経の集中はすざまじい。そして血潮が飛び散るのも斬るというところを現実化しているし、その斬殺音も効果音として使われていて、その迫力は凄い。こんな時代劇を描いたところが如何にも黒沢だ。

    Photo_3 画面は、もう映画はカラーの時代なのだが、敢えてモノクロを生かしての陰影と、望遠レンズを使って緊迫感を出したり、かってなかった手法を取り入れて効果を上げている。
     お話は、ダシール・ハメットDashell Hammett(アメリカ 1894-1961)の「血の収穫Red Harvest」を元にしたものだという。三十郎がたまたま辿り着いた街には、二つの勢力があってまさに抗争の最中。その両者をうまく戦わせて両者を潰すという話だ。
     なかなかキャストも志村喬、山田五十鈴、仲代達矢そして司葉子などと充実していて、それぞれ納得の演技が展開する。

     この映画は、後にそのリメイク版としてイタリアでクリント・イーストウッド主演の『荒野の用心棒 A Fistful of Dollars』(日本1965年公開、エンニオ・モリコーネの主題曲”さすらいの口笛”が良かったですね)が作られたのは有名な話で、一世を風靡したマカロニ・ウェスタンの始まりでもあった。

     とにかく、チャンバラ時代劇というのは、人を斬るわけだから、そこにリアリティーを持ち込むとすざまじい映像となる。時に「60年安保闘争」という反対運動のデモ隊と警官隊との衝突という血みどろの闘いが現実の社会に起き、その時代背景の中から作られた映画には、リアリティーは自然に見る方にも求めるところがあったのかも知れない。それをやって見せた黒沢は、かってなかった時代劇の新時代を作り上げたのだった。

    (「用心棒」予告編)

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    2015年10月21日 (水)

    新星バーブラ・リカBarbra Licaのニュー・アルバム「LOVE SONGS」

    またまたカナダからの新星~日本でのお目見え第2弾

       <Jazz>
              BARBRA LICA 「LOVE SONGS」
           DO RIGHT! MUSIC / JPN / DR066CDDU / 2015

    Love_songs_2
    Barbra Lica(vocal)
    James Bryan(guitar)
    Lou Pomanti(piano,keyboards)
    Marc Rogers(bass)
    Larnell Lewis(drums)

    Kevin Turcotte(trumpet on 8,9)
    Scott Irvine(tuba on 9)
    Reg Schwager(guitar on 8,9)
    Scott Alexander(bass on 3)
    Mark Kelso(drums on 3,8,9)

     またまたカナダからの女性ヴォーカルものの話題。2012年のアルバム『That's What I Do』が、日本では2013年に発売され好評であったとのことから(私は未聴)、今年このニュー・アルバムの登場によって私は初聴きとなったもの。
     彼女はカナダ・トロント生まれの若きジャズ・シンガー。Tracklistをみると、収録10曲中に彼女のオリジナル曲4曲が登場している。シンガーソング・ライターという技量の持ち主というところか。母親がプロ・シンガーで、しっかり教育されているらしい。

    Tracklist)
    1. So In Love (C. Porter)
    2. Coffee Shop (B. Lica, J. Bryan)
    3. That's What I Hate (B. Lica)
    4. Waking Up (B. Lica)
    5. Lovefool (P. Svensson, N. Persson)
    6. How Insensitive (A.C. Jobim, N. Gimbel)
    7. Did I Just Say That (B. Lica, J. Bryan)
    8. I Get A Kick Out Of You (C. Porter)
    9. Don't Get Around Much Anymore (D. Ellington, B. Russell)
    10. Secret Heart (R. Sexsmith)

     当初からドリス・デイやエラ・フィッツジェラルド、ペギー・リーなどを歌い始めたというだけあって、若い割にはジャズ心も感じ取れるが、そうは言ってもポップフィーリングはかなり感じ取れる。バックの演奏陣も曲によって変動していて一貫しての世界というのでなく、やっぱり何かヒットを求めて彼女のパターンを色々と試みている。

    Barbralica4 1曲目”So In Love ”は、リズムカルでなかなか面白いスタート。ドラムス、ベースも軽快な中に、ヴォリューム感はないが、如何にも若めの高めのしなやかな歌声による、意外に情感の込められていて、ちょっとキュートでな演唱が、粋に華々しく展開する。
     2,3,4曲目はオリジナル曲で、ジャズと言っても、かなりポップ感覚だが、アップ・テンポでない比較的しっとりと歌い込む方か。曲は思いの外簡素な仕上げ。
     こんな展開が続くアルバムだが、とにかくあどけない雰囲気のある発声で、ダイアナ・パントンもそうだがカナダってこういうのが人気があるのだろうか?。
     曲の演奏も音楽的なハイレベル・ハイセンスいう印象はなく、Jazzyに無難にこなしているといったところ。まだまだこれからの洗練されたジャズへの発展段階。
      6曲目”How Insensitive ”の歌い込みは、ギターの調べに乗って、そうは言ってもこの歳でなかなか説得力もある。これからの逸材であることは間違いなさそうだ。
     今は若い世界、こんなところで良いのだろうが、ジャズの道となると、歌唱力、曲の洗練さ、などなどもっともっと問われるところが出てくるだろう。更に深めて行くところが出来るかどうかというところであろう。

    (参考視聴)

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    2015年10月17日 (土)

    映画 時代劇回顧シリーズ(3) 勝新太郎「不知火検校」 / 60年安保闘争    -私の映画史(17)-

    「60年安保闘争」時代の映画(時代劇)の変化

     戦後のとにかく生きることを目的とした時代を経て、日本人は世界を、社会を、人間を、見つめる時代までようやく辿り着いた。その流れは、戦後のあの戦争を反省し、苦しい中にも人間らしく生きようとする事の意義を見つけること、そんな中で唯一の娯楽としての映画。しかもそのなかの時代劇は善と悪との対比によって悪を格好良く懲らしめる美徳に溢れた娯楽ものの世界でもあった。つまりそうで無ければ生きる事の意義が見つけられないほど戦後社会は厳しい環境にあったと言える。そして1950年代の後半には日本も一つの繁栄の兆しを感ずる社会の姿が進行する。又一般国民の生活にはテレビ社会の登場も広がつて、映画も一つの頂点を迎えそして下降の流れに入る。

     1960年は、歴史的国内大事件の所謂「60年安保闘争」の勃発である。その最中に作られ公開された時代劇には過去のパターンを覆す映画の登場を見るに至る。

    大映映画 勝新太郎「不知火検校」
                          (1960年9月公開)


    2c43b6b5s制作:武田一義 原作:宇野信夫 脚本:犬塚稔 監督:森一生 撮影:相坂操一

     

    (キャスト)
    杉の市/勝新太郎、 生首の倉吉/須賀不二男、 鳥羽屋丹治/安倍徹、 勘次/光岡龍三郎、 不知火検校/荒木忍、 おきみ/山本弘子、 浪江/中村玉緒、 岩井藤十郎/丹羽又三郎、 おはん/近藤美恵子、 房五郎/鶴見丈二

     もともとこの『不知火検校』は、宇野信夫が十七代中村勘三郎のために執筆した歌舞伎芝居である。そして、1960年2月歌舞伎座で、中村勘三郎が七兵衛と検校の二役を演じて評判を呼んだ四幕十四場の芝居であった。
     とにかくこの映画の主人公杉の市というのは、徹頭徹尾の悪人で、按摩として身を立てる一方で、泥棒、詐欺、強請(ゆすり)、強姦、人殺しと、何に付けても極悪な悪事を働き、その果てなんと盲人の最高位である不知火検校にまで上りつめるという悪漢物語である。
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     こうゆう物語を”ピカレスク小説”とも言うが、もともとは16世紀にスペインで始まった小説で、ならず者というか悪人が主人公で、封建貴族の偽善を風刺したものらしい。そんな意味では、この映画は若干意味合いは異なっているが・・・・。

     まあとにかくこの悪人検校を演ずる勝新太郎が、こんなにピッタリなのには驚きを呼んだのだが、この映画の最後には取り巻いた群衆に石を投げられ、捕り方に縄をかけられ大八車に仰向けにくくられて市中引き回しで、それでも”馬鹿野郎”と叫び連れて行かれるという激しさであった。徹底徹尾、反省も良心の呵責もないのである。最後にこんな悪人がのさばった形で終わらせなかったところだけでも救いであったということか。

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     この映画を”ピカレスク・ロマン”という表現もあったようだが、”ロマン”というものではないだろうと思う。盲というハンディキャップを背負った人間を如何に擁護しようとも、この悪行三昧は評価されるモノではなかった。つまり「”悪”が人間になった姿」にむしろ驚いたというところが我々の感覚であって、これが不思議に”60年安保闘争”の社会に生まれたというところは、時代的産物としての評価もしておく必要があろうと思うのである。
     戦後15年にして、社会の変化と共に・・・・結果としては時代劇映画の新しい方向が見えたと言っていい作品だった。

                    *       *      *      *      *      *

      < 60年安保闘争を振り返る >

     ちょっと今日のテーマの主軸が変わってしまった感がありますが・・・「2015年安保問題」が進行中の現在、取り敢えず参考回顧です。

    60 1951年に締結された日米安全保障条約(安保条約)は、岸信介内閣により新安保条約の締結へと向かう。1960年5月20日、この新安保条約を岸内閣の自民党議員のみでの強行採決が行われ、”戦後ようやく築き上げてきた民主主義の危機”、”あの苦しい戦争が再び再来する可能性に対する危機感”、”強行採決というファシズムへの危機感”などに、日本社会党、日本労働組合総評議会(総評)、 原水爆禁止国民会議(原水禁)などが安保条約改定阻止のために結成した国民会議と、全日本学生自治会総連合(全学連)そして多くの市民が反対運動を展開。国会議事堂の周囲は連日反安保を掲げるデモ隊が取り巻いた。そして全学連主流派は国会突入などの行動も展開。
     もともと岸信介は戦前の東条内閣の閣僚でありA級戦犯容疑者になったこともあって、岸内閣の危険性から60年安保闘争の展開は、倒閣運動の性格を帯びつつも、「民主主義の擁護」「議会主義の擁護」へと自己を守る国民的運動となった大衆運動そのものだった。
     確かに岸信介は、警察、右翼支援団体、全日本愛国者団体会議、戦時中の超国家主義者も擁する組織も含めて、この国民的反対運動に対抗した。又更に陸上自衛隊の治安維持出動要請も行ったが、これは当時の赤城宗徳防衛庁長官の勇気ある拒否により行われなかった。
     条約は参議院の議決がないまま、6月19日自然成立したが、かって無かった歴史的大衆運動に次第に追い詰められた岸内閣は6月23日に総辞職を表明し退陣に至る。そして7月19日池田内閣が成立して、この反対運動も退潮の一途をたどった。
    (写真:朝日新聞社「アルバム戦後25年」より

    (参考映像~60年安保闘争)

    (「不知火検校」予告編)

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    2015年10月13日 (火)

    月下の秋の夜に~ウォルター・ラング・トリオWalter Lang Trio:「Moonlight Echoes」

          とにかく優しい世界を・・・・・端正なタッチで

          <Jazz>
      
          Walter Lang Trio 「Moonlight Echoes」
         ATELIER SAWANO / JPN / AS145 / 2015

    Moonlight

    Recorded on April 27 & 28. 2015 at Bayerisher Rundfunk Studio in Nürnberg

    Walter Lang : piano
    Thomas Markusson : bass
    Sebastian Merk : drums

     ドイツのピアニストのウォルター・ラングのニュー・アルバム。前作の『Starlight Reflection』の好評から、同メンバーにてのトリオ作で、今度は”Moonlightの世界”。丁度秋の静かな夜に月の光の下に聴くには、最も相応しいアルバムの登場である。彼のリリースされているアルバムは結構多いのだが、これは今回も澤野工房からで、二枚目になるもの。なかなか日本人向けの叙情性に富んでいる。
     ウォルター・ラングは1961年生まれ、今が丁度ミュージシャンとしては最も円熟期ですね。それなりに充実していて13曲中オリジナル曲が7曲を占めている。

    Moonlightlist_21. Sete Aneis
    2. I Didn't Know What Time It Was
    3. Every Time We Say Goodbye
    4. Danca Da Fita
    5. Alone Together
    6. Before the Storm
    7. What Makes the World Go 'Round
    8. Well, I Thought So
    9. Alberti
    10. I've Got the World on a String
    11. Semana Santa
    12. Where or When
    13. When the Day Is Gone

     過去に彼の紹介はしているので省略するが、彼のピアノは繊細にして美しいメロディーを聴かせてくれるが、イタリア風の纏わり付いてくる哀愁の抒情性とは若干違う。これがドイツというところであろうか、バロック・クラシック調にも聴こえるピアノプレイも交えてのどちらかというと端正というところだ。

    (参照)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/walter-lang-tri.html

    0clip_image002_med2 さて、このアルバムの収録曲だが・・・
     2曲目”I didn't know what time it was ”では、まさに月下の静かな夜が、夏を過ぎての自己を見つめるに相応しいムードを醸し出す。ベースも、もの哀しいを音を乗せてきて、ドラムスと共にトリオの良さを実感できる。
     5曲目”Alone together”ポピュラーな名曲だが、ここでは結構スウィングしてみせ、ジャズの楽しさも忘れていない。
     7曲目”What makes the world go 'round”はオリジナル曲。ベースからスタートしてピアノは非常に解りやすいメロディを奏でて気楽な気分で聴ける。
     9曲目”Alberti”は、ピアノ、ベースそして優しいシンバルとブラッシの音、詩情そのもののの哀愁の演奏。
     11曲目”Semana santa”のオリジナル曲は、ドラム・ソロも入って快活な曲。このアルバムの中では異色。
      13曲目”When the day is gone”は、まさに郷愁の世界。

     結論的に、ジャズ・ファンならずとも、ミュージック・ファンなら秋の夜に楽しめるアルバムだ。

    (参考視聴)

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    2015年10月 9日 (金)

    映画 時代劇回顧シリーズ(2) <仙台藩伊達家物語>中村錦之助「独眼竜政宗」・嵐寛寿郎「危うし!伊達六十二万石」    -私の映画史(16)-

    娯楽映画として、時代劇の華の時代(1950年代)の
         ”伊達六十二万石物語”2作

     とにかく1950年代というのは、最も映画界は華々しかったと言って良い。それは戦後1945年、日本は敗戦国としてGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の占領下で、CIE(民間情報教育局)、CCD(民間検閲支隊)などから日本映画は検閲を受け、特に戦前の娯楽映画の筆頭であったチャンバラ時代劇は、危険なもの(軍国主義)として禁止されていた。 そして1951年になって講和条約成立により、ようやく自由に映画が作れる時代に入り、娯楽映画の冴えたるものの時代劇映画の華々しい復活の時代を迎えることが出来た為だ。
     戦前の阪東妻三郎、大河内傳次郎、片岡知恵蔵、嵐寛寿郎、市川右太衛門、長谷川一夫らも復活したわけだが、若きニュー・スターの誕生もみた。その筆頭格が1954年デビューの中村錦之助(後に萬屋錦之介)だ。

    東映映画 中村錦之助「独眼竜政宗」
                            昭和34年(1959)作品

      監督:河野寿一    キャスト: 中村錦之助(伊達政宗)
      企画:辻野公晴          月形龍之介 (伊達照宗)
          小川貴也          岡田英次  (片倉小十郎)
      脚本:高岩肇                  大河内傳次郎 (勘助)
      撮影:坪井誠            佐久間良子 (千代)
      美術:鈴木孝俊          大川恵子   (愛姫)
      音楽:鈴木静一          浪花千栄子 (喜多子) 

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     とにかく1950年代後半は、時代劇で花を咲かせた東映は映画業界トップに躍り出た。そしてその主役が中村錦之助で、娯楽チャンバラ時代劇の華であった。社会はようやく娯楽を求めることに向き合えた時代になった一つの姿であった。
     錦之助の戦国武将ものでは、これは織田信長役に次ぐもので、見事な演技を見せたのがこの「独眼竜政宗」であった。言うならば彼の演技派へのスタートでもあったもの。翌年には「親鸞」、その後は「宮本武蔵」と流れていく。戦後の時代劇の歴史は彼の流れをみれば解るとまで言われる。
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     この映画の物語は、戦国乱世から豊臣秀吉により統一に向かっていた時代のもの。秀吉にとっては陸奥の伊達家の知勇ともに優れた政宗(錦之助)は一つの難物であった。そこで秀吉は暗殺団を送り、政宗を襲う。政宗はその一味の矢を右眼に受けて重症を負いながらも壮絶な闘いを果たし、生き延びる。この壮絶な闘いシーンは当時話題になったもの。
     政宗は難をなんとか逃れ、その後父親照宗や侍医などから心配なく回復し失明は逃れるとの話で、期待を持ちつつ治療に専念。回復宣言の二日前に待ちきれず、期待して眼を被った包帯をとって刀に映してみると、そこには回復どころか無残にも潰れた右目の醜い傷のみが見えた。その驚きと周囲からは治ると期待を持たされた事に裏切られた政宗の哀しく空しい胸中を見事に錦之助は演じた。その悲劇から奮い立つ政宗の姿を描いたもの。
     この映画は原作は無く、そもそも政宗の右眼は幼少時の病によって失明したと言われているのだが、それとは別にこの物語を作り出しての錦之助の演技を見せるべく脚本は書かれたのであろうと思う作品であった。まあ典型的な娯楽作品そのものであったとも言える。

                   ◇        ◇        ◇

    新東宝映画 
    嵐寛寿郎「危うし!伊達六十二万石」
                        昭和32年(1957年)作品

    4脚本三村伸太郎
    監督山田達雄
    キャスト 嵐寛寿郎:伊達甲斐
          明智十三郎:松前鉄之助
          中山昭二:板倉内膳正
          高田稔:伊達安芸 
          日比野恵子:浅倉
          太田博之:亀千代

     さてこちらは、仙台藩伊達家の江戸時代に於けるお家騒動である”伊達藩3代伊達綱宗隠居事件”が物語。この物語の元は、日本の貴重な文化であった”講談”であり、お馴染みの逆臣悪役の原田甲斐を取り上げたもの。その悪人を正義の味方「鞍馬天狗」の颯爽とした格好良さを演じてきた嵐寛寿郎が演ずるところに、これも娯楽的には大きな興味が持たれた作品。

      とにかく嵐寛寿郎が演ずる頭脳明晰にして剣の腕は超一流の悪人である原田甲斐は、凄みと迫力においては満点。さすがは”アラカン”であった。
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     当時、映画制作の諸会社での話題は、嵐寛寿郎の殺陣の立ち回りにおいては、そのスピードと凄みなどにおいてNo1であったと評判であったとか。又この悪役を大スターが演ずることは、いろろいな意味でタブーとも言われたが、そこはアラカン、文句なく挑戦したようだ。そしてその脚本も甲斐の悪事が明確となり、伊達安芸邸での甲斐の刃傷のシーンが最も見せ場として作られている。
     伊達綱宗の江戸屋敷に於ける乱行により、幼き亀千代が家督を相続するわけだが、甲斐は亀千代を毒殺して兵部の息子市正を当主にと企てるが成功せず、老臣伊達安芸らの訴えにより窮地に陥いる。そこで甲斐は安芸を殺害の刃傷に及ぶも、松前鉄之助らに殺される。この刃傷沙汰から殺されるまでの甲斐を演ずる嵐寛寿郎の殺陣と立ち回りの迫力が、流れる浄瑠璃の音に乗って、見せ所として見事なシーンを作って終わる。

     映画の華々しい時代の仙台伊達藩に関する二つの時代劇を取り上げたが、これらは当時の日本に於ける「最高の娯楽であった映画」というもの姿が見て取れる作品である。つまり”文芸”・”芸術”というよりは文句なく社会が求めた”娯楽”なのであって、そうしたものが当時の多くの人達に求められ受け入れられたのであった。映画を評するに一流、二流という表現があるが、これらはまさに娯楽としての一流であったと言える。

     この後、戦後の混乱から立ち上がっての日本人は、ようやく社会に於ける自己を見つめることが出来るようになり、そして大衆運動の”60年安保闘争”が勃発。日本の戦後の最も重大な事件を経て、新しい時代を迎える。映画もそんな社会を反映して、次の時代に移ってゆくのであった。

    (参考視聴) Youtubeに中村錦之助「独眼竜政宗」が見当たらないため、同年公開された戦国武将ものの「風雲児・織田信長」

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    2015年10月 8日 (木)

    中西 繁「哀愁のパリ」油彩画展からのお話

    今回は、パリの美しさと哀愁と・・・・・・そして人間性

     ここ一週間において、楽しく嬉しいイベントがありました。私がかってこのブログでも取り上げさせていただいた中西繁画伯の作品展を鑑賞できました。
     (中西繁先生については、ちょっと量がありますが、当ブログ・カテゴリー”中西繁http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/cat44430537/index.html”を、通して見て頂くと、私が何故期待しているかがご理解いただけると思います)

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             (中西繁画「雨のモンパルナス」F8~油彩画展案内から)

     実は今回の重大なイベントは、油彩画展鑑賞に加えての先生との”絵画は勿論ですが、それを超えたお話”が出来たことです。
     私は先生には以前にも書いた事があるのですが、三つのポイントで大きな関心を持っているのです。それは①「絵画の技術と美」、②「哀愁の心」、③「人間的・社会的問題意識」と言って良いでしょうか?。

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            (今回の「油彩画展」~中西繁先生の公開写真)

     そして今回の油彩画展は「哀愁のパリ」とテーマされてありますから、①および②が中心の世界ですが、実は私どもの為に数時間も用意して頂いたことになった”楽しい会合”によって、先生の魅力ポイントに④を追加したいと思っています。
      その追加ポイントは「魅力的な人間性」といったところでしょうか。この魅力は、感ずる者によって左右されるものであると思いますが、私にとっては更なる大きな魅力が感じ取れたと言うことで、今回のイベントの大きさを感じているところです。それはこの油彩画展に展示された作品に、あのパリのセーヌ川にかかる「ポン・デ・ザール」と「ボン・ヌフ」を描いた2作があったのですが(写真を撮るのは控えましたので、ここで紹介できないのですが)、そのセーヌ川の色の輝きです。これはなんと言っても観た者でなければ解らないところですが、まさにこれが中西繁画伯の人間性の輝きと思ったところです。絵画というのは、こうしたその人の姿が現れるところが素晴らしいですね。

     さて、この点については、いずれもう少し究めたいと思っていますが、今日はこんなイベントがあって、私にはこんなプラス・ポイントが加わったと言うことを記させて頂いて、いずれここに詳しく紹介したいと思っているところです。

    (参考映像) 中西繁展「廃墟と再生」

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    2015年10月 4日 (日)

    ニッキ・パロットNicki Parrott ニュー・アルバム:「Sentimental Journey」

    今度はヴィーナス・レコードから、ちょっと洒落たアルバム

     いっや~~、なかなか頑張っていると言うか、レコード会社も畳み込んできますね、人気者となればの事でしょうか?。ニッキ・パロットのもう今年になって三枚目のアルバムですね。
     (参照)当ブログ「カテゴリー”ニッキ・パロット”」
         http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/cat40025561/index.html

           <Jazz>
                       Nicki Parrott 「Sentimental Journey」
                       Venus Records / JPN / VHCD-1178/ 2015

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    ニッキ・パロット Nicki Parrott (vocals & bass)
    ジョン・ディ・マルティーノ John Di Martino (piano)
    アドリアン・カニングハム Adrian Cunningham (tenor sax, clarinet & flute)
    フランク・ヴィニョラ Frank Vignola (guitar)
    アルビン・アトキンソン Alvin Atkinson (drums)

    Recorded at Trading 8's Studio,New York on April.28-29, 2015
    Produced by Tetsuo Hara Engineered by Isaiah Abolin


     今度は、ドリス・ディの人気曲を集めて、ニッキ流のジャズ・ヴォーカルに仕上げたちょっと洒落たアルバム。今年の春にニュー・ヨークのスタジオで二日間で仕上げたもので、彼女はドリス・ディのファンなので、何時も歌っているモノを集めてのものなんでしょう。まあ懐かしい曲のオンパレードでムードも満点。

    (tracklist)
    1. イッツ・マジック It’s Magic
    2. アゲイン Again
    3. ジャスト・ワン・オブ・ゾーズ・シングス Just One of those things
    4. フールズ・ラッシュ・イン Fools Rush In
    5. イフ・アイ・ギブ・マイ・ハート・トゥ・ユー If I Give My Heart To You
    6. アイル・シー・ユー・イン・マイ・ドリームス I'll see you in my dreams
    7. ケ・セラ・セラ Que Sera, Sera
    8. ザット・オールド・フィーリング That Old Feeling
    9. マイ・ワン・アンド・オンリー・ラブMy One and Only Love
    10. ブルー・スカイ Blue Skies
    11. キサス・キサス・キサス Que Sas (in English it's called Perhaps and I would sing it in Spanish and English)
    12. シークレット・ラブ Secret Love
    13. センチメンタル・ジャーニー Sentimental Journey
    14. ドリーム・ア・リトル・ドリーム・オブ・ミー Dream A Little Dream Of Me

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     どの曲もお馴染みで聴くにも疲れないのだが、それはそのことだけで無く、ニッキの歌唱の特徴であるクセが無くマイルドでそしてソフトでといったところが出ているのでしょうね。彼女のベース・プレイの音もあるが、それよりもヴォーカル中心のアルバムですね。ウィーナス・レコードはどうもそんな取り扱いで売り込みますね。そう新鮮味はないが、まあ秋の夜には、ちょっとリラックスして聴くには良いアルバムです。
     ちょっとびっくりしたのは、14曲目の”Dream A Little Dream Of Me”だが、なんとアナログ・LP時代の懐かしのスクラッチ・ノイズ入っているではないか、いやはやこれもオールド・ソングを思い起こす演出なのでしょうかね?(それとも私の盤が異常なのでしょうか?)。
     アルバム・タイトルには曲”Sentimental Journey ”を取り上げているのだが、私が聴くに”Secret Love ”の方が良かったですね、もっともこっちが私の好きな曲であったためかも知れないが。
     とにかく誰にも勧められるアルバムだ。

    (参考視聴) 

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