月下の秋の夜に~ウォルター・ラング・トリオWalter Lang Trio:「Moonlight Echoes」
とにかく優しい世界を・・・・・端正なタッチで
<Jazz>
Walter Lang Trio 「Moonlight Echoes」
ATELIER SAWANO / JPN / AS145 / 2015
Recorded on April 27 & 28. 2015 at Bayerisher Rundfunk Studio in Nürnberg
Walter Lang : piano
Thomas Markusson : bass
Sebastian Merk : drums
ドイツのピアニストのウォルター・ラングのニュー・アルバム。前作の『Starlight Reflection』の好評から、同メンバーにてのトリオ作で、今度は”Moonlightの世界”。丁度秋の静かな夜に月の光の下に聴くには、最も相応しいアルバムの登場である。彼のリリースされているアルバムは結構多いのだが、これは今回も澤野工房からで、二枚目になるもの。なかなか日本人向けの叙情性に富んでいる。
ウォルター・ラングは1961年生まれ、今が丁度ミュージシャンとしては最も円熟期ですね。それなりに充実していて13曲中オリジナル曲が7曲を占めている。
1. Sete Aneis
2. I Didn't Know What Time It Was
3. Every Time We Say Goodbye
4. Danca Da Fita
5. Alone Together
6. Before the Storm
7. What Makes the World Go 'Round
8. Well, I Thought So
9. Alberti
10. I've Got the World on a String
11. Semana Santa
12. Where or When
13. When the Day Is Gone
過去に彼の紹介はしているので省略するが、彼のピアノは繊細にして美しいメロディーを聴かせてくれるが、イタリア風の纏わり付いてくる哀愁の抒情性とは若干違う。これがドイツというところであろうか、バロック・クラシック調にも聴こえるピアノプレイも交えてのどちらかというと端正というところだ。
(参照)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/walter-lang-tri.html
さて、このアルバムの収録曲だが・・・
2曲目”I didn't know what time it was ”では、まさに月下の静かな夜が、夏を過ぎての自己を見つめるに相応しいムードを醸し出す。ベースも、もの哀しいを音を乗せてきて、ドラムスと共にトリオの良さを実感できる。
5曲目”Alone together”ポピュラーな名曲だが、ここでは結構スウィングしてみせ、ジャズの楽しさも忘れていない。
7曲目”What makes the world go 'round”はオリジナル曲。ベースからスタートしてピアノは非常に解りやすいメロディを奏でて気楽な気分で聴ける。
9曲目”Alberti”は、ピアノ、ベースそして優しいシンバルとブラッシの音、詩情そのもののの哀愁の演奏。
11曲目”Semana santa”のオリジナル曲は、ドラム・ソロも入って快活な曲。このアルバムの中では異色。
13曲目”When the day is gone”は、まさに郷愁の世界。
結論的に、ジャズ・ファンならずとも、ミュージック・ファンなら秋の夜に楽しめるアルバムだ。
(参考視聴)
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コメント
異議なし!! 私も早速入手し楽しんでいます。
投稿: 爵士 | 2015年10月15日 (木) 22時54分
爵士さんも・・・お楽しみですか!
若干、スリリングと言う点では不満かも知れませんが、こうした味はホッとした感覚に浸れて良いですね。
投稿: 風呂井戸 | 2015年10月17日 (土) 13時52分