<時にはクラシック?> ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ「クロイツェル」「スプリング」
ヴァイオリン・ソナタ の味わい
~そしてロック話も=デヴィッド・クロス、ダリル・ウェイ
やっぱり初冬の臭いのする晩秋のせいでしょうかね、私は時にクラシックが聴きたくなるんですが、このところそんなムードなんです。
そして好きなものの一つは”ヴァイオリン・ソナタ”なんですが、とにかくなんだかんだ言っても、このベェートーヴェンの2曲”クロイツェル”そして”スプリング(春)”には敵わないですね。これも先日の ジャズ・アルバムAdam Bałdych & Helge Lien Trioの 「Bridges」 を聴いての流れなんです・・・・・
<Classic>
MAEHASHI/ESCHENBACH 「Kreutzer & Spring」
CBS/Sony / JPN / 32DC679 / 1986
LUDWING VAN BEETHOVEN
Sonata No.9 in A Major for Piano and Violin. Op.47
Sonata No.5 in F Major for Piano and Violin. Op.24
Teiko Maehashi : Violin
Christoph Eschenbach : Piano
ヴァイオリン・ソナタというのは、ヴァイオリンとピアノによる二重奏の演奏形態でソナタ形式(3部分からなる楽曲形式、つまり提示部,展開部,再現部から成る)の楽曲のことを一般には言うので、ヴァイオリンと言えどもピアノも対等なかなり重要な位置を占める。むしろ古典的にはヴァイオリンの助奏付きピアノ・ソナタであって、ピアノのウェイトが高いのだが、特にベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタは、彼自身がピアノ奏者だけあって、そのピアノの役割の重要さが大きい。ところがしかしこの「クロイツェル」はヴァイオリン奏者に捧げる意味もあったためか、ヴァイオリンがピアノと対等に協奏させたところに魅力がある(この曲はいろいろと曰くがあるが、フランスのヴァイオリニストのルドルフ・クロイツェルに捧げられたもので「クロイツェル」と呼ばれているもの)。
こんな講釈はそれまでとして、やっぱり私の好みからはベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタの1から10番までの中で、この第9番イ長調作品47「Kreutzerクロイツェル」は最高なんです。それはやっぱりヴァイオリンが助奏役で無く、ピアノとバトルを展開するところが面白い。もともとヴァイオリンというのは美しい旋律を聴かせてくれるところが魅力の楽器だと思うのだが、弾きようによっては、それ以上のものがないと言うくらいにスリリングな展開と迫力のある楽器だと思う。そのあたりがこの曲では見え隠れするんですね。
(ちょっとロック話)
KING CRIMSON
実はそのヴァイオリンの迫力に気がついたのは、恥ずかしながら昔から聴いてきたクラシックと言うよりは、1960年代からのロックに魅せられた当初、あのプログレッシブ・ロックの雄:キング・クリムゾンKing Crimsonを聴くと、70年代にデヴィッド・クロスDevid Crossのヴァイオリンが入ると、ものすごくスリリングな音と展開になるんです。
最近リリースされた彼とロバート・フリップによるアルバム「STARLESS STARLIGHT」 (VIVID SOUND / VSCD-4294 / 2015 ~これは当時と違ってかなりアンヴィエントな世界ですが)がまさしくそれを思い出させます。
CURVED AIR
又ロックのついで話となれば、やっぱり1970年デビューのカーヴド・エアCurved Airを思い出しますね。ソーニャ・クリスティーナの魅力のヴォイスは勿論ですが、ダリル・ウェイDarryl Wayのヴァイオリンが忘れられない。彼らの1st「Airconditioning」の”Vivaldi”には度肝を抜かれ圧倒された。
そうそうダリル・ウェイズウルフWolf「CANIS-LUPUS」もスリリングでした。
そしてそして更に再結成されたカーヴド・エアの1974年の「Curved Air Live」の迫力。と、ロック話になってしまいそうであるので、なんとか元に話は戻すが・・・・・・。
・・・・・・話は戻って
ここに取り上げた前橋汀子とクリストフ・エッシェンバッハのベートーヴェン「クロイツェル」は、このアルバムのリリースされた1980年代の当時、CDとしては、なかでも録音が良かったために良く聴いた懐かしのアルバムなのである。今Amazonで探してみると、まだこのアルバム販売していますね、クラシックものはなかなか長生きです。
これを聴いてみると解りますが、クラシック・ヴァイオリン・ソナタと言えどもなかなか熱い演奏に惹かれます。非常にダイナミックであると同時に、ヴァイオリンの美しさ、ピアノの美しさもきちっと備えていて良いと言うところですが、特にクラシックですから多くの演奏家のものに接することが出来ますが、特にこの前橋ものは熱いですね。
前橋汀子は1943年生まれですから、現在は既に七十歳を超えてデビュー50周年も既に経過しているバイオリニスト。17歳にして当時のソ連サンクトペテルブルグ音楽院に留学している。2004年日本芸術院賞受賞、2007年エクソンモービル音楽賞受賞、2011年紫綬褒章受章。
しかしいずれにしてもこれはクラシックのヴァイオリン・ソナタであって、この晩秋に突入している今にして、なかなかシーズンを感ずるには良い気分で聴いているのである。
なお、このアルバムは更に日本では一番愛されている第5番へ長調作品24「スプリング(春)」も収録されていて、まさに典型的なベートーヴェンものと言って良い物です。
(参考)
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コメント
突然、失礼します。できれば中盤のロック話を盛り上げてほしかったです。
ロキシー・ミュージックでのエディ・ジョブソンのプレイもよかったです。当時はロキシーをプログレ・バンドだと真剣に思っていました。昔の話で恐縮です。
投稿: プロフェッサー・ケイ | 2015年11月25日 (水) 22時35分
プロフェッサー・ケイさん、こんばんわ。
中盤のロック話ですか・・・これは失礼しました。
ロキシー・ミュージックねぇ~~、もう英国ロック・シーンの登竜門のようなバンド、イーノあたりは初期からでしたが、追出されたんでしょうか?、カーヴド・エアとの関係と言えば、エディ・ジョプソン・・この人も器用な人でしたね。
いっや~~この頃って、今のようには見えない世界で、尚更興味津々だった気持ちを思い出させます。
投稿: 風呂井戸 | 2015年11月25日 (水) 23時05分