企画ものの恩恵 :リッチー・バイラーク Richie Beirach 「BALLADS Ⅱ」
歓迎: プライスダウン、デジタルリマスター で登場
<Jazz>
RICHIE BEIRACH 「BALLADS Ⅱ」
Sony Music / JPN / SICJ98 / 2015
Piano : Richie Beirach
Recorded at Masonic Temple, New York City, Jan. 20 & 21,1987
久々に企画モノの恩恵を受けている。リッチー・バイラークRichie Beirach(1947年、ニューヨーク生まれ)と言えば、私の最も愛するジャズ・ピアニストの中の一人であるが、特に彼のソロ・アルバムには過去には何度となく感動を受けてきた。
(参照)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/cat57671441/index.html
ところがここで紹介する1987年「Ballad Ⅱ」は手元に欠になっていてため、今回のSonyの名盤・レア盤をプライスダウン、デジタルリマスター盤サービスの”Jazz collection 1000”企画で手に入れることになった。いっやー、こうした企画は大歓迎ですね。それは音質のかなりの向上があることだけでも快感であるが、廉価であることも何に付けても大歓迎なのである。
過去に「Hubris」、「BALLADS」、「JAZZ ADAGIO」、「Live in Japan」、「Impression of Tokyo」などなどソロ・アルバムに魅了されていたのだが、 そもそも彼のピアノ・ソロ・アルバムは人気があるためか、過去に20枚という数に上っている。
この「BALLADS Ⅱ」は「BALLADS」」が好評にて、日本CBSソニーの依頼によってニュー・ヨークにて録音されたものだった。
内容は、オリジナルは4曲、スタンダードやカヴァー10曲という構成。それが素晴らしく音が改良している。
スタートの”My Funny Valentine”での澄んだ美しい音のピアノの響きには、当然彼の技量によるところは大きいが、それを生かした録音とCD作成技術の向上によって素晴らしい盤になっていて、背筋が寒くなるほどである。そして更にこの曲自身のバイラークの解釈による旋律の美しさも屈指の出来だ。
3.、6.、9.、12.の4曲がオリジナルだが、このアルバムに登場するものは過去のスタンダード曲として愛されているものに負けない美旋律を聴かせる。もともとバイラークはクラシックの教育もしっかり受けているところからか、その音楽的な評価も高いのは周知のところだ。
しかし過去の名盤を、このようにリマスターにより音の改良がなされると言うことは、大歓迎である。今ここにある過去の盤「BALLADS」と聴き比べると明らかに改善しているのが解る。
そしてその上にこのように廉価でのサービス提供を盛んにしてもらえれば、近年のCDの販売低下の寒い時代には、一つの開けた道として意義あるのではないかと、ちょっとこちらの都合のみ考えているが、実のところはどうなんでしょうかね。
(参考視聴)
| 固定リンク
« アダム・バウディフ&ヘルゲ・リエン・トリオAdam Bałdych & Helge Lien Trio 「Bridges」 | トップページ | 映画 時代劇回顧シリーズ (7) 勝新太郎「座頭市物語」 -私の映画史(21)- »
「音楽」カテゴリの記事
- アルマ・ミチッチ Alma Micic 「You're My Thrill」(2024.11.10)
- メロディ・ガルドー Melody Gardot 「THE ESSENTIAL」(2024.11.05)
- エレン・アンデション Ellen Andersson 「Impressions of Evans 」(2024.10.31)
- アーロン・パークス Aaron Parks 「Little Big Ⅲ」(2024.10.27)
- サマラ・ジョイ Samara Joy 「Portrait」(2024.10.22)
「JAZZ」カテゴリの記事
- アルマ・ミチッチ Alma Micic 「You're My Thrill」(2024.11.10)
- メロディ・ガルドー Melody Gardot 「THE ESSENTIAL」(2024.11.05)
- エレン・アンデション Ellen Andersson 「Impressions of Evans 」(2024.10.31)
- アーロン・パークス Aaron Parks 「Little Big Ⅲ」(2024.10.27)
- サマラ・ジョイ Samara Joy 「Portrait」(2024.10.22)
「リッチー・バイラーク」カテゴリの記事
- リッチー・バイラークRichie Beirachの未公開ライブ音源を加えての復刻盤 「INBORN」(2018.07.24)
- 企画ものの恩恵 :リッチー・バイラーク Richie Beirach 「BALLADS Ⅱ」(2015.11.18)
- リッチー・バイラークRichie Beirach とのお付き合い(3) : ジャパン・ソロ・ライブの一枚(2014.01.28)
- リッチー・バイラークRichie Beirach とのお付き合い : (2)彼から見た日本の姿は?(2014.01.20)
- リッチー・バイラークRichie Beirach とのお付き合い:(1)クラシックとジャズの世界(2014.01.16)
コメント
「BALLADS Ⅱ」、「BALLADS」の廉価版、我々にはありがたい企画。モノから離れられない我々世代にとっては ・・・。もっとも息子などはもっぱら聴き放題の配信サービスのようです。
投稿: 爵士 | 2015年11月19日 (木) 23時09分
爵士さん、信州の往復ご苦労様です。
確かに、ねぇ~~~
モノを手に持っていないと納得出来ないんですね。そんな意味でCDからは離れられない。
これからの時代は・・・私の感覚では、もう別世界になりつつあります。
投稿: 風呂井戸 | 2015年11月20日 (金) 17時54分
リマスターって発売前から分かっていたら、手元にあってももう1枚買っていたと思うぐらい、好きなアルバムでした。今回久しぶりに聴いて、その良さに改めて感激しましたです。
また「2」の方は、ブログにはもう仕込んでありまして、明日の朝、自動でアップする予定になっています。
TBさせていただきます。
投稿: 910 | 2015年11月22日 (日) 19時00分
Kudoさん、コメント、TB有り難うございます。
名盤は、リマスターによる音の改善やその時代に合った音作りを施しての再発は歓迎ですね。そして廉価であれば尚のことです(笑)。
もっと以前の1960-70年代ものでもマスターはかなりの良録音であることも多いようですし。
投稿: 風呂井戸 | 2015年11月23日 (月) 14時07分