ダニーロ・レアDanilo Reaのピアノ・ソロ・ニュー・アルバム「SOMETHING IN OUR WAY」
ロック心をジャズで・・・・・
<Jazz>
DANILO REA 「SOMETHING IN OUR WAY」
VM Italy / EU / 5419680412 / 2015
もはやイタリアン・ジャズ・ピアニストとしては大御所になりつつあるダニーロ・レアだが、ここに来てどうしたことか、なんとビートルズ、ローリング・ストーンズを取り上げてのロックの歴史へのトリビュート・アルバムを、彼のピアノ・ソロで作り上げた。
彼は1975年にデビューして以来、日本ではようやくなんと2004年になって、Vinus Records によって取り上げられた。そんなことでそれ以来は10年少々の歴史となるが、今作は日本からのリリースでなく、ご本家イタリアからの輸入盤。
私も、日本盤初物「Romantica」とか、トリオ盤の「DOCTOR 3 BLUE」、そしてソロ「Lirico」などのアルバムで彼の良さは十分堪能してきたが、彼は2000年以降にソロ・アルバムをリリースするようになって、ここに来てこんなアルバムに出会うこととなった。
今回のこのアルバムのジャケからいっても、ソロ・ピアノものとして気合いが入っている。収録曲は16曲、よくここまで徹底して、この2大ロックの大御所にアプローチしたものだと感心もしているところ。
スタートはやっぱりM1”Let it be”とポピュラーなところから意気込みの感じられる演奏。ピアノの鍵盤を叩くところも力がはいって、そして硬質な音で迫ってくる。M2、M3に進むにつれ彼流の情感が入ったタッチとなってきて、こうしてビートルズとローリングストーンズを織り交ぜて聴いていても、違和感が無い。
このダニーロ・レアの演奏は原曲のメロディーはわかりやすく取り込んで、彼のアドリブやインプロヴィゼイションはどちらかというと控えめ。しかしその情感を感じさせる演奏の展開はいかにも彼らしい。更に演奏技巧を前面に押しつけがましく出してこないところに既に境地に入っているジャズ・ピアニストといった感じだ。
ダニーロ・レアは1957年イタリア・ヴィチェンツァ生まれ、1975年にローマのサンタ・セシリア音楽院the Santa Cecilia music conservatory を卒業、すぐにトリオ・ディ・ローマRome Trioを結成。その後、多くのミューシシャンと交流。又日本でもジャズというよりポピュラーな感じでファンの多かったイタリアの国民的トランペッターの故ニニ・ロッソ’Nini’ Rossoの下で腕を磨いた。
1997年にエンゾ・ピエトロパオリEnzo Pietropaoliとファブリツィオ・スフェラFabrizio Sterraとで結成したトリオの「ドクター3」で活躍。
そこでの私が良く聴くのはアルバム(↓)
■ DOCTOR3 「BLUE」
(VIA VEETO JAZZ / ITA / JZ670620-07 / 2012)
Danilo Rea : piano
Enzo Pietropaoli : bass
Fabrizo Sferra : drums
スタートから私の好きなバカラックの”close to you”でスタート。広くポヒュラーな曲を取り上げ美しいバラードで埋め尽くした。
<アルバム「BLUE」-list>
1.CLOSE TO YOU (BURT BACHARACH)3.55
2.CANNONBALL (DAMIEN RICE)3.45
3.MY FUNNY VALENTINE (RODGERS / HART)3.19
4.FIRE AND RAIN (JAMES TAYLOR)5.01
5.UN GIORNO DOPO L’ALTRO (LUIGI TENCO)5.40
6.THE BLOWER’S DAUGHTER (DAMIEN RICE)4.36
7.THEME FROM “TO KILL A MOCKINGBIRD”(ELMER BERNSTEIN)6.37
8.DON’T LET ME BE LONELY TONIGHT (JAMES TAYLOR)5.28
9.THEME FROM “SCHINDLER’S LIST” (JOHN WILLIAMS) 6.45
10.GENERALE (FRANCESCO DE GREGORI)3.15
11.EMOZIONI (MOGOL/BATTISTI)5.55
(視聴) ”lose to You”
* * * *
(視聴)Danilo Rea "Beatles & Rolling Stones"
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コメント
ダニーロ・レアの新作ですか。ヴィーナスのエロジャケもDOCTOR3 「BLUE」も「Lirico」もイタリア男のパッションが共通して流れているように思います。さて新作は??
投稿: 爵士 | 2016年1月30日 (土) 23時24分
爵士さん、こんにちわ。
タニーロ・レアの新作にたどり着きました。これはソロですが、かなり気合いが入っているように感じます。
そうそう、これはヴィーナス盤ではありませんのでジャケは真面目(笑い)そうですが、ちょっと私にとっては意味不明のものがカラーで入っています(何でしょう?)。
投稿: 風呂井戸 | 2016年1月31日 (日) 09時55分
ビートルズ=アップル・レコード、転がる石は ・・・=ローリング・ストーンズの洒落でしょうか?
投稿: 爵士 | 2016年1月31日 (日) 22時20分
爵士さん!
いっやーー、そうですね、なるほどその通りでしょう。(パチパチ拍手)
そんな洒落に気がつかないと言うことは、私は結構老化現象ですね。(マイッタマイッタ)
結構、このジャケ洒落ていたんですね。
投稿: 風呂井戸 | 2016年2月 1日 (月) 00時09分