ピーター・ビーツPeter Beetsが演ずるショパン:「CHOPIN MEETS THE BLUES」
驚きのショパン~ニュー・ヨーク・ジャズに変身・・・・・
<Jazz>
PETER BEETS 「CHOPIN MEETS THE BLUES」
Criss Cross Jazz / Holland / Criss 1329 cd / 2010
Peter Beets(p), Joe Cohn(g), Reuben Rogers(b), Greg Hutchinson(ds)
Recorded at Systems Two Recording Studios, Brooklyn, N.Y. on November 9, 2009
先日ここでオランダのジャズ・ヴォーカリストのフェイ・クラーセンFay Claassen を取り上げた。それは彼女のリタ・ライスをトリビュートした最近作アルバム『LIVE AT THE AMSTRDAM CONCERTGEBOUW』だったが、ここで、バックのピアノ演奏を務めたのが、やはりオランダ出身のピーター・ビーツPeter Beetsだ(ドラムレスのピアノ、ギター、ベースのトリオで)。なかなか流麗なピアノの演奏で興味が持てたが、彼は2010年にショパンを取り上げたアルバムをリリースしており、私は最近聴いたのでここで考察しておく。
ショパン生誕200年に当たる2009年に、ピーター・ビーツは、このレコーディングの機会を得たというその録音モノ。
とにかくショパンとなれば、多分ピアニストの殆どは尊敬の念を持ち合わせているだろう。そしてジャズ・ピアニストと言えども、殆どはクラシック・ピアノを学んでのジャズ世界での活躍であるがため、多くのピアニストの気持ち中には何処かにショパンが居るのではないかと思うのである。
ピーター・ビーツは、オランダの本格的ジャズ・ピアニストで、1971年生まれで両親・兄弟全ての音楽一家として育っている。デン ・ ハーグの王立音楽院では 20 代前半で学んでおりその後はニュー・ヨークを始め本格的ジャズ畑で修行している。
(tracklist)
1.Nocturne in Eb Major, Opus 9 #2
2.Nocture in F Minor, Opus 55 #1
3.Mazurka in A Minor, Opus 17 #4
4.Prelude in B Minor, Opus 28 #6
5.Prelude in E Minor, Opus 28 #4
6.Nocturne in B Major, Opus 9 #3
7.Waltz in C# Minor, Opus 64 #2
8.Nocturne in F Minor, Opus 55 #1
さて、このアルバムはカルテット、そしてその前半を聴いてまずは驚くのは、むしろクラシック・ニューヨーク・ジャズと言って良いのか?、即興演奏を交えてのショパンのメロディは何処に?と思うくらいまさにジャズなのだ。基本的にはスウィング・ジャズで、所謂ビバップ・スタイル。とにかく解っていて良く聴かないとショパンのメロディーが見えてこないままに終わってしまうが、そのメロディーを思い出して聴くと、これが面白いように音の流れを操るピーター・ビーツの世界が見えてくる。
そしてピアノのメロディーだけでなく、ギターが更に即興を奏でてくるので彼らのオリジナル曲を聴いている気分にもなる。又ベース・ソロもオリジナル・ショパン・メロディーでなく、むしろピーター・ビーツの即興部分を更に発展するように聴かせてくれていて、とにかく面白い世界に連れて行ってくれる。
それでも”Nocturne in B Major, Opus 9 #3 ”、あたりでは、誰にでも解るようにショパン・メロディーを聴かせていて、やっぱりショパンなんだと思わせるところも憎いところ。
まあ、ショパンを聴こうと思ってはいけない。このメンバーのジャズ・カルテットを聴くと言った姿勢で納得が得られるというところ。
(視聴)”Waltz in C# Minor, Opus 64 #2 ”アルバム・バージョンとは異なる演奏
| 固定リンク
「音楽」カテゴリの記事
- 寺島靖国氏の看板アルバム 「Jazz Bar 2024」(2024.12.10)
- ジョン・バティステ Jon Batiste 「BEETHOVEN BLUES」(2024.12.05)
- ヨーナス・ハーヴィストJoonas Haavisto 「INNER INVERSIONS」(2024.11.25)
- コリン・ヴァロン Colin Vallon 「Samares」(2024.11.20)
- エミル・ヴィクリッキー Emil Viklicky Trio 「Moravian Rhapsody」(2024.11.30)
「JAZZ」カテゴリの記事
- 寺島靖国氏の看板アルバム 「Jazz Bar 2024」(2024.12.10)
- ジョン・バティステ Jon Batiste 「BEETHOVEN BLUES」(2024.12.05)
- ヨーナス・ハーヴィストJoonas Haavisto 「INNER INVERSIONS」(2024.11.25)
- コリン・ヴァロン Colin Vallon 「Samares」(2024.11.20)
- エミル・ヴィクリッキー Emil Viklicky Trio 「Moravian Rhapsody」(2024.11.30)
「CLASSIC」カテゴリの記事
- ジョン・バティステ Jon Batiste 「BEETHOVEN BLUES」(2024.12.05)
- ディミトリ・ナイディッチ Dimitri Naïditch「Chopin Sensations」(2024.07.08)
- 秋の夜長は「ショパン夜想曲」 (Jan Liieski, Koji Oikawa, Maurizio Pollini & Vladimir Ashkenazy)(2023.10.19)
- アントニオ・アルテーゼ Antonio ArteseTrio「Two Worlds」(2023.01.17)
- トルド・グスタフセンTord Gustavsen ノルウェー少女合唱団 「Sitlle Grender」(2023.01.12)
コメント