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2016年1月14日 (木)

新春には・・・ヴィヴァルディVivaldi 「協奏曲集・”和声と創意への試み”Op.8~”四季”」

新春はポピュラーなクラシックで・・・・・・

 新春向けの音楽と言えば、クラシックと言ってももうポピュラーに近い誰もが知っているヴィヴァルディ(Antonio Vivaldi 1678-1741)の協奏曲集 《和声と創意への競演(試み)》 (Concerti a 4 e 5 "Il cimento dell'armonia e dell'inventione"Op.8) 作品8だ。その内、ヴァイオリン協奏曲集「四季」が最も親しまれているのだが、それは協奏曲第1番から第4番までの「春」「夏」「秋」「冬」に付けられた総称である。 そして最も新春向けは第一番の「春」ですね。

Imusici そしてヴィヴァルディの「四季」と言えば、日本では圧倒的に知られているのはイタリアのイ・ムジチ合奏団ものですね。(現在人気のアルバム ↓)

  I MUSICI 「ANTONIO VIVALDI < LE QUATRO STAGOONI 四季」 >
 Violin : Pina Carmirelli
  Recorded  Switzerland / 1982
  PHILIPS / West Germany / 410 001-2

 
 しかしこのヴィヴァルディの活躍したバロック・ミュージックの創始期においては、多分このイ・ムジチのヴァイオリン協奏曲の音(調べ)ではなく、楽器も現代楽器と異なり、古楽器と言われているものが使われていて、この時代の研究者にしてみると、もっと色々な意味でその時代に迫りたくなるもののようだ。

  そんな意味で、この新春にここに取り上げるのは、私がイ・ムジチと平行して良く聴いてきたもので、オリジナル楽器による自身のオーケストラであるエンシェント室内管弦楽団を結成して正統的な演奏を目指したホグウッドのアルバムがある。それは私自身もその世界に魅力を感じて、十数年前に好録音で定評のあるオワゾリールL'OISEU-LYREものとして購入し聴いてきたものだ。

<Classic>
   ヴィヴァルディ 協奏曲集「”和声と創意への競演」
Vivardi: IL CIMENTO DELL' ARMONIA E DELL'INVENTIONE, Op,8
  ボグウッド指揮/エンシェント室内管弦楽団
    L'OISEAU-LYRE / POCL-4168/9  /  1997

Hogwood_2
 <Recording > Location: KINGSWAY HALL, London
                      Dates: Novmber & December 1982


Hogwod_image   このアルバムの指揮者でありこの管弦楽団の創始者のホグウッドChristopher Jarvis Haley Hogwood(1941-2014)(→)は、イギリスの古楽関係の学者であり、又チェンバロ奏者でもあった。彼は1967年、「ロンドン古学コンソート」を設立して、中世・ルネサンスそしてバロック音楽の研究・紹介に頑張った。
 このアルバムは、そんなホグウッドの古楽演奏の一環として録音されたものだ。そんな意味でも興味のあるだった。

 さてこれは2枚組にして、この協奏曲集「”和声と創意への競演」の協奏曲第一番から第十二番まで全曲収録されている。このあたりもホグウッドものらしく、人気の第一番「春」ホ長調、第二番「夏」ト短調、第三番「秋」ヘ長調、第四番「冬」ヘ短調の四つの協奏曲のみに止まっていない。そんなところが研究者らしく、又彼のバロック音楽への入れ込みが感じられるところである。

 
このアルバムのレーベル「L'OISEAU-LYRE オワゾリール」というのは、イギリスにおける古楽復興に非常に重要な役割を果たしたレーベルだ。オーストラリア出身の女性が1932年にパリで興した出版社のレコード部門として1939年にスタートしたものという。(レーベルの名前に使われたオワゾリールとは、オーストラリアの琴鳥のフランス語表記)
 1953年からはイギリス・デッカの協力でアルバム制作を実施、1973年からはデッカ傘下の古楽専門のレーベルとなった。そしてその録音が秀逸で、バロックものであればこのレーベルなら間違いないと私はず~と信じてきている。

Hogwood3 内容は左のとおりだが、ヴァイオリン独奏者Soloistは六人仕立てだ。そして通奏低音はホグウッド自身が、ハープシコード、チェンバー・オルガンを奏し、その他にバロック・ギター、アーチリュート、テオルボが奏でる。
 もともとヴィヴァルディの「四季」という協奏曲は、当時とすれば彼のメロディの作り方や転調の仕方など、やや変則的な手法で作られた曲集の一環になるようだが、音楽学者で無くただ聴いて納得するだけの我々にとっては共感できればそれで良い。彼の協奏曲集の中では、それでもこの「四季」辺りは音楽的常識的な拘束された中での作品であったようだ。
 そんな歴史的雰囲気が如何に現代人の我々に響いてくるかを研究し尽くしてのホグウッドの演奏と言うことになる。

 私の好みはこの中でも第四番「冬」が好きですね。これには理屈が無く自己で共感を持って聴ければ良いわけで、そんな世界を感ずる協奏曲集ですね。第一楽章の厳しき冬の情景、ヴァイオリン独奏の恐ろしさの表現が凄い。第二楽章は、打って変わって寒中の暖かさの家の中の安らぎ、この独奏のメロデイーは美しい(私が最も安堵を感ずるのは、外は雪が燦々と降る中に、暖かい家の中で静かに好きな音楽が聴ける時である)。
  又、この「四季」以外もこのアルバムは楽しめるのだが、第七・八番の第二楽章の美しさは特筆モノである。

 さて余談であるが、私のパソコン歴はNEC製PC-8001以来の長きに及ぶが、感動の1985年のPC8801mkII SRでは、グラフィック機能強化とサウンド機能では、ヤマハの音源チップYM2203が搭載され、FM音源3音+SSG3音のサウンド機能を新たに標準装備した。画像とサウンドの進歩が格段にあったわけだが、その時のデモにヴィヴァルディの「四季」が使われ、特にやはり雪の燦々と降る”冬”が進歩したグラフィックとサウンドが印象的だったことを思い出す。今や「Windows10」の時代になっての懐かしきパソコンにも想いを馳せるのである。
 

           *          *         *         *

(PC8801mkII SR=1985年)懐かしの愛機の回顧(デモ)

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コメント

こんばんは

最近クラシックがまたよくなってきて、いろいろなアルバムを聴いています。ヴィヴァルディの四季は、イ・ムジチ合奏団のLPを持っています。テレマン、コレルリ、ヴィヴァルディと、このへんの弦楽合奏は聴きだすととまりません。

エンシェント室内管弦楽団のものは、輝かしい音色で、キビキビとした演奏ですね。こちらの方が、ヴィヴァルディの生きた時代の演奏に多分近いのでしょう。

投稿: azumino | 2016年1月17日 (日) 00時33分

azuminoさん、こんにちわ。コメントどうも有り難うございます。
 そうですね、私もかってはクラシック特に室内楽が好きでよく聴いた時があります。最近は少々離れていますが、又聴き出すと没頭するときが多分あると思います(笑)。
 テレマンもブロックフレーテ、オーボエ、フルートに纏わるものは特に好きでしたね。
 azuminoさんは、アクティブな毎日のようで羨ましく拝見しています。今年もご健闘ください。

投稿: 風呂井戸 | 2016年1月17日 (日) 11時29分

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