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2016年3月11日 (金)

ゴーゴー・ペンギンGOGO PENGUIN のニュー・アルバム:「MAN MADE OBJECT」

抒情的ピアノに攻撃的ドラムスが絡んで・・・・・・

   <Jazz>
      GOGO PENGUIN 「MAN MADE OBJECT」
        Blue Note / Internatinal / B002443502 / 2016

4th

Rob Turner (ds)
Chris Illingworth (p)
Nick Blacka (b)

 E.S.T.のジュニア盤などと評して一昨年に彼らのアルバム『V.20』を取りあげたのだが、ここにニュー・アルバムの登場だ。
  相変わらずシンプルなアルバム・ジャケで、・・・・・そしてこれは出世作と言うことでしょうかね?、名門Blue Noteからの新譜である。
(参照) http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/gogo-penguin.html

(Tracklist)
1.All Res 
2.Unspeakable World 
3.Branches Break 
4.Weird Cat 
5.Quiet Mind 
6.Smarra 
7.Initiate 
8.GBFISYSIH 
9.Surrender To Mountain 
10.Protest 


 彼らはイギリス・マンチェスター出身、2009年にバンド結成でこれが三作目。前回紹介のアルバム『V.20』が、イギリスで権威のある音楽賞"マーキュリー・プライズ"にノミネートされ、世界中から一気に注目を集めることとなったらしい。私もその一人だが(笑)。
 さてこのニュー・アルバムも前作の流れを繋いでいる。クラシックの流れを感じさせるアコーステック・ピアノ・トリオでありながら、ただそれでは納まらない。これは若き者の挑戦でもあるのか、特にドラムスの攻撃性やエレクトロニックに加工されたサウンドも加味されているのは、まさに評されているように"アコースティック・エレクトロニカ・トリオ"といった色彩を呈する。そんなところから私は前回、”E.S.T.のジュニア盤”、”Progressive Jazz”と勝手に言ったのだったが、その線はやっぱり変わっていない。

Pjcf132_pengui_m
 まずM1”All Res ”のオープニングのピアノそしてベースの流れはクラシックを想わせる。しかしそこにドラムスが活発に入ってきて、おおこれはジャズだとふと聴く者をして現実感に目を覚まさせる。そのあたりの流れが結構楽しいです。
 しかしピアノもその先進性へのアプローチも負けていない。M2”Unspeakable World”では当初のリズムを刻む低音の響きはそれだ。そしてM3”Branches Break”の旋律の奏でる硬質な音もクリアにして幾何学的世界をイメージざせる。
  M6”Smarra ”のハイテンポの曲展開とエレクトロニックな音が響くと思いきや美しいピアノの旋律が流れてきて、こうした運びはモダンですね。ピアノ・トリオの従来感覚を超えている。
 M10”Protest ”のドラミングは、こりゃもうロックですね。ピアノもその演奏に同調して迫力の展開を聴かせてくれる。しかしクラシックからエレクトロニック・ジャズをカヴァーした曲展開と言えども、非常に聴き安いというのも彼らの特徴のように思う。
 さてここにE.S.T.のようなスリリングな味付けが濃厚になってくると一段と私は評価すると言ったところですが・・・・・・。いずれにしても期待株には相違ない。

(試聴) 「MAN MADE OBJECT」から.”All Res” 

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