スティーヴン・ウィルソンSTEVEN WILSON ニュー・アルバム 「4 1/2」
これぞプログレッシブ・ロックの道だ!!
<Progressive Rock, Progre Metal>
STEVEN WILSON 「4 1/2」
KSCOPE / UK / KSCOPE529 / 2016 (Blu-ray Audio)
Steven Wilson(vocal, g, mellotron, perc ), Adam Holzman(key), Nick Beggs(b), Guthrie Govan(g), Dave Kilminster(g), Craig Blundell(dr), Marco Minnemann(dr), Chad Wackerman(dr), and Theo Travis(sax)
まずこのアルバムは、とにかく今やプログレッシブ・ロックの屋台骨となっているスティーヴン・ウィルソンのポーキュパイン・ツリーを離れてのソロ作品だ。アルバム・タイトルが示す通り、好評のソロ4枚目だった前作『HAND. CANNOT, ERACE.』とこれからの次作5枚目を結ぶ作品と言う位置づけにあるようだ。従って前作から1年という短期間をおいてのリリース。
(参照) http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2015/03/hand-cannot-era.html
しかし、繋ぎものとは言え、これもなかなかインパクトのあるアルバムに仕上がっている。私の仕入れたのはBlu-ray Audio盤。これには、DTS HD Master Audio 5.1の他、96/24 5.1 LPCM 及び96/24 stereo LPCM の三通りが収録されている(さすがミュージック・エンジニアですね)。
[Tracklist]は左の如くだが、前作のレコーディング・セッションで作られた未発表音源がメインで4曲、それと『The Ravin that refused to sing』時のレコーディングを1曲を収録している。更に最後の”Don't hate me”は、ポーキュパイン・ツリーの『STUPID DREAM』に収録されている曲で、2015年ツアーのライブ音源をベースにスタジオ録音を加えたセルフ・リメイクもの。
とにかく全て聴きどころがしっかりとした曲で、特にやや陰影のあるM4.”Sunday rain sets in”から、続くM5.”Vermillioncore”のヘビーにして軽快なる前衛的アプローチも見事、これぞロックの醍醐味というところ。この両曲の繋がりが私には好感度100%である。
又オープニング曲M1.”My book of regrets”のロックの多要素の組み込んだ曲展開は、やっぱりプログレですね。
M1、M6では、なんとなくピンク・フロイド風のギター・サウンドが聴こえてくるが、あのロジャー・ウォーターズの「The Wall Tour」のリード・ギターを務めたDave Kilminsterが参加していまる。彼は好評だった昨年の「HAND. CANNOT, ERACE.」ツアーにも参加していた。
M6.”Don't hate me”は、イスラエル出身のシンガーNinet Tayebをフィーチャーしており、哀愁感あるヴォーカルが聴けて、9分を超える曲に仕上げて説得力十分。スペーシーなプログレ因子の入ったところも聴きどころの1つ。
さて御本家の「PORCUPINE TREE」はどうなるのか?と、何時も心配しているのだが、とにかく今やプログレ界は彼の肩にかかっていると言っても過言ではない。次のソロ作品にも期待が大きくなるのである。
(試聴) ”Don't hate me”
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コメント
前略、前作から約1年あまりで、いきなりのニュー・アルバムということでビックリしました。さすがスティーヴン・ウィルソン、相変わらずワーカホリック状態のようです。
しかし、この人の創作意欲は、凄すぎますね。体の中から吐き出さないとどうにかなってしまうのでしょう。
このアルバムもそうですが、次のアルバムも期待できそうですね。
投稿: プロフェッサー・ケイ | 2016年3月26日 (土) 15時50分
プロフェッサー・ケイさんこんばんわ。
とにかく意欲と言い、中身と言い、彼はまさにプログレ界の名実ともにトップ・ランナーですね。
その他、クリムゾンのアルバム製作にエンジニアとしても実力を買われていますし、恐ろしいですね。
さと、これは「4」と「5」の間と言うことですので、「5」はどんな姿になるか期待が膨らみます。大いに期待しましょう。
投稿: 風呂井戸 | 2016年3月26日 (土) 20時57分