ニッキ・パロットNicki Parott のベースでピアノ・トリオ・アルバム「STRICTLY CONFIDENTIAL」
スマートな洒落た世界は一級品
<Jazz>
Rossano Sportiello, Nicki Parott, Eddie Mrtz
「STRICTLY CONFIDENTIAL」
ARBORS RECORDS / USA / ARCD19449 / 2016
Rossano Sportiello(piano)
Nicki Parrott(bass,vocal)
Eddie Metz(drums)
Recorded on Oct. 5 and 6,2015 at Avatar Studios, N.Y.
(Tracklist)
1. Strictly Confidential
2. Sunset And The Mockingbird
3. John Hardy's Wife
4. What A Difference A Day Made *
5. Hallelujah, I Love Him So *
6. Misty
7. A Brush With Bunji
8. She
9. Shoe Shine Boy
10. What Are You Doing The Rest Of Your Life *
11. Pure Imagination
12. Sunny Morning
13. Close To You *
14. Shiny Stockings
15. How Beautiful Is Night
(*印4曲 Nicki のヴォーカルが入る)
Venus Recordsからニッキ・パロットのヴォーカル・アルバムが立て続けに出てますが、これはそれとは違ってARBORS RECORDSからの彼女のアルバム。
このレーベルからは、既に彼女のベース・プレイをフューチャーしたアルバム「Live At The Jazz Corner」(2012)や「It's A Good Day」 (2013)のピアノ・トリオものを楽しんで来た。
これらはロッサノ・スポルティエッロ(Piano)、ニッキ・パロット(Bass,Vocal)、エディ・メッツ(Drums)のスウィング・ジャズを演ずるトリオによるもので、今回取りあげたのは、このメンバーによるニュー・アルバムである。
そしてこのレーベルからは、その他過去にニッキ・パロット(B, V)とロッサノ・スポルティエッロ(P)のデュオ盤として「Peaple Will Say We're in Love」(2007)、「Do It Again」(2009)の2アルバム、又更にBecky Kilgre & Nicki Parrott「Two Songbirds of a Feather」(2015)というダブル女性ヴォーカルのアルバムもあった。
これらはベーシストとしてのニッキ・パロットが楽しめるところと、懐かしのスウィング・ジャズを肩の凝らないパターンで楽しませてくれるのだ。
さて、今回のニュー・アルバムだが、冒頭からアルバム・タイトルのM1.” Strictly Confidential ”が、軽快なタッチの肩の凝らないスウィング・トリオ・ジャズが展開。特にロッサノ・スポルティエッロの転がるようなピアノ・タッチが快感。
M2.”Sunset And The Mockingbird” スローな展開であるが、ピアノは流れるような展開で、ちょっと懐かしき時代を思い起こさせる。
M3.”John Hardy's Wife” は、ブラッシングによるリズムに、やはり軽快にピアノとベースが交互に展開して楽しい。
そして突如M4.”What A Difference A Day Made ”には、ニッキ・パロットの優しいヴォーカルが登場して気分一新。
その流れに、私の好きなM6. ”Misty ”が登場すると、もうたまりませんね。良い気分です。
M7. ”A Brush With Bunji ”は、歌うベースという感じでニッキのプレイを楽しめる。
又M10. ”What Are You Doing The Rest Of Your Life”は、情感たっぷりのニッキのヴォーカルが迫ってくる。
まあこんな感じのエレガントと言うに相応しいスマートにして軽快、時にしっとりした気分を持たせる演奏に、聴く者に心地よさを感じさせるご機嫌なアルバムなんですね。
アルバムを通して、ニッキ・パロットの全編ヴォーカルというのでないところが、又逆に彼女の嫌みの無いヴォーカルを引き立てる結果となり、これは成功の一枚とと言って良いだろう。とにかく重くないところが気が休まるし、美しく洒落た世界に引き込まれるアルバムだ。
(視聴)
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