ティエリー・ラングThierry Lang Trio 「MOMENTS IN TIME」
とにかく万人向けの優しい美的感覚のピアノ・トリオ作品
このところ購入CDも整理が追いつかなく、気に入ったのも多いのだが、ようやくここに取りあげることが出来たモノが順次続きます。前回に続いて好感度抜群の、今度はベテランのピアノ・トリオもの。
<Jazz>
Thierry Lang Heiri Känzig Andi Pupato
「MOMENTS IN TIME」
Universal Music / SUI / 4768636 / 2016
スイスの人気ピアニスト:ティエリー・ラングThierry Lang (1956年スイスのRomont生まれ)のニュー・アルバム。彼の長年の多彩な活動から、2013年に原点回帰しての新生ピアノ・トリオがスタートしたが(アルバム「SERENITY」2013年)、その二作目だ。
もともとベースのHeiri Känzigは長年のお付き合いだが、パーカッションのAndi Pupatoはチューリッヒ出身で、前作からのトリオ・メンバー。
Thierry Lang(piano)
Heiri Känzig(bass except 6)
Andi Pupato(per except 6)
Recorded at Hardstudios, Winterthur August 18 & 19, 2015
1. Embrace
2. Mosquito Dance
3. Traces
4. Moby-Dick
5. Bass Song
6. Tender Waltz
7. Open Bonds
8. Moments In Time
9. P.S.
全曲オリジナル曲構成(Langが6曲、Kaenzigが1曲(M5)そして三人によるモノ2曲(M1, M7))。そしてスタート曲は 3人によるオリジナル曲だが、これがなかなか面白いと・・・それはティエリー・ラングものらしからぬパーカッションが先陣を切ってベース、ピアノが微妙な交錯で物語るスタイルであり、これだけでも今作に期待が持てる出だしなのだ。
とにかく全編何となく納得してしまう印象的な美メロディーを聴かせるラングのピアノにうっとりと言うところだ。このトリオがアルバムに登場させる曲群は、はっきり言って癖が無く取っつきやすい。それだけで万人向き。
「端麗なロマンティストと唯美的詩情描写」と宣伝されているが、まさにその通りと言って良い。暗くなくいやに明るいわけでなく、爽やかな世界に包んでくれる。Langは今年60歳になるんですね、そんな還暦になる人生の形成されたものがみえるような気がする。
斬新さや奇抜さなどはない為に、若干物足りなく感ずるかと思いきや、聴き終わった後の爽快感で十分トリオ・ファンを満足せてくれることは間違いない。
(視聴) Thierry Lang Trio
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コメント
Embrace が収録されている新譜ですね。これは聴いてみなくては ・・・。
投稿: 爵士 | 2016年6月 2日 (木) 21時03分
爵士さん、おはようございます。
彼らのオリジナル曲"Embrace"からスタートします。ティエリー・ラングとしては曲の入りが変わっていて、"おや、このアルバムは過去のものとは異なったパターンか?"と少々期待しましたが、大きな変化はありませんでした。それでも何時聴いても彼のアルバムは私なりに納得してしまいます。
投稿: 風呂井戸 | 2016年6月 3日 (金) 09時17分
風呂井戸さま、トラバをありがとうございます。
この透明感と美しさは比類なきものとおもってます。
なので、奇をてらうことがなくても とても満足しております。
また、かぶりつきで聴きたいピアニストの筆頭でございます。
投稿: Suzuck | 2016年6月 3日 (金) 16時14分
Suzuckさん、コメント、TB有り難うございます。
このThierry Langのアルバムは、意外に情報が少なく、私はSuzuckさんに教えられたようなところでした。
最終的に手にしたのは大分遅くなりましたが、彼の過去のモノも大分揃ってきた中で、これはやはり一緒に持っていて良いアルバムですね。
投稿: 風呂井戸 | 2016年6月 3日 (金) 17時56分