« <今夏の美女狩りシリーズ>ブリジット・ミッチェルBrgitte Mitchell 「LET'S CALL IT LOVE」 | トップページ | <美女狩りシリーズ>オーディオ・マニアを凌駕するリン・スタンレーLyn Stanley »

2016年7月10日 (日)

エドワール・フェルレÉdouard Ferlet「BACH PLUCKED/UNPLUCKED」

珍しいピアノとチェンバロのデュオ

<Baroque Jazz>
Violaine Cochard/ Édouard Ferlet 「BACH   PLUCKED/UNPLUCKED」
ALPHA-CLASSICS / AUSTRIA / ALPHA 229 / 2015

Bach
Violaine Cochard : Clavecin
Édouard Ferlet : Piano & Compositions
(Recorded from 18 to 22 May 2015 at AUDIOLANE, FRANCE)


 私にとってはお気に入りの「ジャン・フィリップ・ヴィレ・トリオJean-Philippe Viret Trio」で注目株となったフランス生まれ(1971年)のジャズ・ピアニスト、エドワール・フェルレÉdouard Ferletのアルバムだ。これはかって取りあげた『Think BACH』(2012年)の続編的な企画であるが中身はこれまた斬新。
(参考)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/edouard-feriet.html

Fc

  なんとピアノとチェンバロ(ハープシコード)という組み合わせなのだ。昨年リリースされたものだが、遅まきながらここに取りあげる。とにかくチェンバロですからバロック時代というのは解るが、その感覚を超えてここでは不思議な世界となる。このチェンバロを演奏しているのはフランスの女性クラシック演奏家であるヴィオレーヌ・コシャールViolaine Cochardで、このやや前衛性のニュアンスのあるフェルレとのデュオということで注目してみたわけだ。

Ferletetcochard 演ずる曲は、バッハの曲ではあるが、そこはフェルレのこと、妥協なしにクラシックものとは一線を画くし、ジャズとクラシックの融合を図りつつも、時としてバッハのフレーズが出てくるが、むしろ自己の世界を構築している。
 まあ前作の『Think BACH』もそうだったが、私はバッハのジャズ化という感覚が好きで、そもそも思い起こすとそのパターンが私のジャズへの入り口であった(1960年代)。つまりその事始めがフランスのジャク・ルーシェの「プレイ・バッハ」シリーズだ。あれから既に50年の年月が過ぎている。そして今ここに前衛的に発展したフランスの洒落たフェルレによって、50年間も(笑)ジャズ化バッハを楽しむと言うことなのである。

546340_10151174617953749_435099413_(Tracklist)
1. JE ME SOUVIENWS(フェルレ)
   パルティータ1番BWV825ジーグより
2. APARTE(フェルレ)
   平均律クラヴィア曲集BWV855前奏曲より
3. UTOPIA(フェルレ)
   シンフォニアより
4. ENTRE ECORCE(フェレル)
   ソナタニ短調より
5. APRES VOUS(バッハ/フェルレ)
   フランス組曲4番よりアルマンドより
6. PHENIX(バッハ/フェルレ)
   ゴルドベルグ組曲20番BWV988より
7. A LA SUITE DE JEAN(フェルレ)
   無伴奏チェロ組曲1番BWV1007
8. ERBARME DICH(バッハ)
   マタイ受難曲BWV244より
9. JE ME SOUVIENS PLUS(フェルレ)
   パルティータ1番BWV825ジーグより
10. MAGNETIC TANGO(フェルレ)

 冒頭の曲”JE ME SOUVIENWS”は、フェルレのピアノが美的感覚のバッハ・フレーズを描くが、チェンバロは究めて冷たい音に徹している。
 M2.”APARTE”では冒頭から美しい世界を聴かせ、そして一転してリズムを無機質に演じて一筋縄には聴かせてくれない。その後両者での締めに向かって、クラシカルに、ジャジーに交互の展開で纏めているのである。いやはやニクイ演奏だ。
 そしてM3以降、是非とも聴いて欲しいが、フェルレのピアノが美しく、コシャールのチェンバロも究めてバロック調クラシックを美しく演じてみせる。しかしそれもやはり単純にはゆかない。そこがこのアルバムの聴きどころであり、フェルレの試みであるのだろう。
 とにかくバッハを題材に、フェルレはかなり前衛的なところも演じきっていて、その意外性がたまらないところ。そしてちらっとクラシック的美しさを叙情的聴かせて慰めてくれる。いやはやなんか私の弱点を手玉に取られた感があって、この味は忘れられない上に、何度も聴きたくなる癖になるアルバムであるのだ。

(視聴)Violaine Cochard/ Édouard Ferlet 「BACH   PLUCKED/UNPLUCKED」

|

« <今夏の美女狩りシリーズ>ブリジット・ミッチェルBrgitte Mitchell 「LET'S CALL IT LOVE」 | トップページ | <美女狩りシリーズ>オーディオ・マニアを凌駕するリン・スタンレーLyn Stanley »

ユーロピアン・ジャズ」カテゴリの記事

音楽」カテゴリの記事

JAZZ」カテゴリの記事

コメント

素晴らしいの一言。確かにしてやられた感があります。

投稿: 爵士 | 2016年7月12日 (火) 18時14分

爵士さん、こんにちわ。
 いやはや、爵士さんも圧倒されましたか?>このパターンはフェルレに喝采を浴びせたいですね。

投稿: 風呂井戸(photofloyd) | 2016年7月13日 (水) 09時25分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/193563/66377381

この記事へのトラックバック一覧です: エドワール・フェルレÉdouard Ferlet「BACH PLUCKED/UNPLUCKED」:

« <今夏の美女狩りシリーズ>ブリジット・ミッチェルBrgitte Mitchell 「LET'S CALL IT LOVE」 | トップページ | <美女狩りシリーズ>オーディオ・マニアを凌駕するリン・スタンレーLyn Stanley »