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2016年7月29日 (金)

アデルADELの野外ライブ・ステージ「GLASTONBURY LIVE」

アデルのグラストンベリー・フェスティバル2016ライブ映像盤

       <Rock> (Bootleg)
       ADELE 「GLASTONBURY LIVE」
         Sylph Records / SY-1238 / 2016

Glastonbury
Live At Worthy Farm, Pilton, England June 25th 2016
SOUNDBOARD & PRO SHOT 109min

 アデルはアルバム『25』リリース後の今年6月(つい先月である)、イングランド・ピルトンで1970年から行われている大規模野外ロック・フェスティバルにて、大トリにてライブ・ステージを展開。その模様を完全収録したCD及びDVDが登場。勿論ブート盤である。
 これは世界の三大ロック・フェスティバルだけあって、そのスケールは大きい。正式名称は「Glastonbury Festival of Contemporary Performing Arts」である。なにせ3日間のステージに15万人の観客が集まるのだ。
 このアルバム、収録内容はCDとDVDは同じであるので、DVDを中心に紹介する。
 とにかく二日目大トリ、夜になっての大観衆に驚かされる。それを物ともせずにアデルがパワー全開で圧倒する。

Stage0
 このDVD映像はプロショツトだけあって、お見事。とにかく大会場ですから、よくここまで上手に撮ったなぁ~といったところ。サウンドはサウンド・ボードによると言うが、日本に於いてはブートと言えども近年のライブ録音が素晴らしいので、それと比較するとやっぱり落ちる。如何せんアデルの声が固い。これはまあ仕方が無いところだろうが、もう少しバックの演奏もしっかり聴きたいし、そんな意味で若干空しい(CDの方がサウンドは良好ではあるが、それでももう一歩と言ったところ)。まあ昔フロイドやクリムゾンのブートを漁っていた頃と比較すると、その出来の良さは格段に上なんですが・・・・。まあブートとしては、このステージの様子をここまで上手く捉えたというところで取り敢えずは評価は”良”としておこう。

Stage1DVD ( 109min. )
01. Intro
02. Hello
03. Rumour Has It
04. I'll Be Waiting
05. One and Only
06. <Chatiing With A Girl of 10 Year old Fan On The Stage>
07. Water Under the Bridge
08. Skyfall
09. Hometown Glory
10. Don't You Remember
11. Send My Love (to Your New Lover)
12. River  Lea
13. Rolling in the Deep
14. Make You Feel My Love (Bob Dylan cover)
15. <Chatiing With A Girl of 26 Year old Fan On The Stage>
16. Set Fire to the Rain
-Encore-
17. Film
18. When We Were Young
19. <Chat On The Stage>
20. Someone Like You
21. Outro

 さて内容だが、セットリストは上記のとおりで、1時間40分を超えてパワーフルなパフォーマンスで15曲を演じきって飽きさせない。アルバム『21』から7曲、アルバム『25』が5曲、そしてアルバム『19』から2曲。更に映画「007SKYFALL」からの”Skyfall”という構成。

 先ずはヒット曲”Hello”からで、いやはや会場も男女揃っての大合唱で、アデルの声も聴き取れないほどだ。しかしここまでアデルの人気は未だに続いていることに脱帽。とにかくもともと自由奔放な彼女のこと、ちょっと出だしの難しい”River  Lea”なんかは、とちってやり直ししてみせる一幕もあり、これもご愛嬌。逆にこんなところが又うけるんでしょうね。「007」の”Skyfall”は中盤の聴かせどころ。
 ” Don't You Remember”、”Rolling in the Deep”などヒット曲を連ねるが、取り敢えずは”Set Fire to the Rain”で一締めする。

Adelefan2large_tr_2 会場から、10歳の女の子や26歳の女性をステージに上げておしゃべりをしたり、相変わらずステージ上では彼女は饒舌である。
 とにかく会場全体を引きつけるアデルのステージは立派。アンコールによる最後の曲”Someone Like You”は『21』の締めの曲でもあるが、ステージから降りて観客とのふれあいサービスも行き届き、プロとしての意識も高い。そして会場との大合唱で幕を閉じるのである。

 ブートと言えども、一定のレベル以上の映像とサウンドで、つい先月のアデルの活動の姿も手に取るように観れるということは、時代の進歩を感ずるのである。

(視聴)ADELE   ”Live at GLASTONBURY 2016”

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2016年7月25日 (月)

(再発盤検証)ラドカ・トネフRadka Toneff 「Butterfly」

ノルウェーの伝説的歌姫のアウトテイク集の再発盤

 あの名盤スティーブ・ドブロゴスSteve Dorbrogoszのピアノとのデュオ『フェアリーテイルズFAIRYTALES』を吹き込んだ直後、82年に30歳の若さでその短い生涯を閉じてしまったノルウェーの伝説的歌姫、ラドカ・トネフ(25 June 1952 – 21 October 1982)。彼女の死後26年(2008年)にリリースされた貴重なアウトテイク集の再発盤がここに来て昨年末登場した。

(参考)「FAIRYTALES」http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/steve-dobrogosz.html

   <Jazz>
      RADOKA TONEFF 「butterfly」
      BOMBA RECORDS / JPN / BOM13002 / 2015

Butterflyw
Arildbass01 ラドカ・トネフのよきパートナーであったと言うバンド・メンバーのベーシスト・アーリル・アンナシェン(アリルド・アンデルセン)Arild Andersen(←)の選曲によったもので、これは彼女が一般に知られ注目を浴びる以前の録音されていたモノを集めたものだ。以下の12曲。

(Tracklist)
1.It's Been A Long Day
2.Pre-Dawn Imagination
3.Antonio's Song
4.Nature Boy
5.Sometime Ago
6.Like That
7.The Butterfly
8.Before Love Went Out Of Style
9.Black Coffee
10.My One And Only Love
11.He Ain't Heavy, He's My Brother
12.Don't Weep For The Lady

ラドカ・トネフ RADKA TONEFF (VOCAL)
ヨン・バルケ JON BALKE (PIANO)
スティーヴ・ドブロゴス STEVE DOBROGOSZ (PIANO)
ラーシュ・ヤンソン LARS JANSSON (PIANO)
ヨン・エベルソン JON EBERSON (GUITAR)
アーリル・アンナシェン ARILD ANDERSEN (BASS)
アレックス・リール ALEX RIEL (DRUM)
ヨン・クリステンセン JON CHRISTENSEN (DRUMS)
エスペン・ルード ESPEN RUD (DRUMS)
ノールショッピング交響楽団 NORRKOPING SYMPHONY ORCHESTRA

978x  いわゆる未発表音源集である。放送局の音源やジャズ・フェスティバルでの録音などを集めたものという。優しい声で、語りかけるかのように歌うトネフのヴォーカルが、今に甦って来て、確かに魅力溢れるアルバムだ。
 彼女の死は自殺とみられているが、その状況を察するに更に哀感が漂ってくる。
 このアルバムのように彼女は全てがこの囁くように歌い込むわけで無いことは知っている。結構かってはこのアルバムの”Black Coffe”に若干みられるように声を張り上げての歌い込みもあったのだ。しかしこのアルバムは一つの憂いを誘うべくこのように選曲されたものとみている。
 バックの演奏陣も振るっていて、スウェーデンで活躍中のスティーヴ・ドブロゴスはじめ 北欧の一流プレイヤーであるヨン・バルケやラーシュ・ヤンソン、アリルド・アンデルセン、アレックス・リールなどの名も見える。

  貴重なアルバムであることは間違いない。

(参考=Radoka Toneff : Discography)
Winter Poem (Zarepta Records)1977 – with the Radka Toneff Quintet
It Don't Come Easy (Zarepta Records)1979– with the Radka Toneff Quintet
Fairytales (Odin Records) 1982– with Steve Dobrogosz
Live in Hamburg (Odin Records)1992 – with Steve Dobrogosz, Arild Andersen, and Alex Riel (recorded in 1981)

(参考視聴)  Radka Toneff & Arild Andersen

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2016年7月21日 (木)

モニカ・ボーフォースMonica Borrfors 「Hello Young Lovers !」

まさに円熟の女性ジャズ・ヴォーカル

    <Jazz>
     Monica Borrfors「Hello Young Lovers !」
     GAZELL / SWE / GAFCD1119 / 2016

Hello_y_l
Recorded in the OAL Studio, Sollentuna , May, 2015

Monica Borrfors(vo)
Gösta Nilsson(p)
Filip Augustson(b)
Jesper Kviberg(ds)
Anders Bergcrantz(tp)
Fredrik Lindborg(ts)

138329917kyqe  ジャズ・ヴォーカルは殆ど女性にまかせろという時代だと思う。そのよって来たるところは、聴く者は男性が圧倒的に多いのかも知れない。そしてその魅力というのは可愛い魅力、美しい声の魅力、セクシーな魅力、ジャズ的センスに満ちている魅力、落ち着いた大人の世界の魅力などなど多彩だ。そんな中でここに取りあげるのは、まさに大人の包容力あるゆったりした世界でソフトでマイルドに包んでくれるジャズの一枚である。

 1980年から活躍しているスウーデンを代表するベテランで、大人の女性ジャズ・ヴォーカリスト、モニカ・ボーフォースMonica Borrfors(1954年生まれ)の久々の新作。2010年リリースの『Li'l Darlin』以来である。彼女のアルバムは数枚もっているが、これは彼女のリーダー作として10作目のアルバムになるらしい。
 スタンダードをしっとりと聴かせてくれます。とにかくベテランの味が満載のアルバム。

Band
 バックの演奏も充実。ピアノ・トリオをベースにトランペット、テナー・サックスが曲によって入る。特にピアノのGösta Nilssonは彼女の夫君で、私の持ち合わせているアルバムでは、私のお気に入りの1995年のアルバム『Slowfox』でも勿論関わっており、前作『Li'l Darlin'』(2009年)でも今回のピアノ・トリオは変わっていない。そしてこのアルバムではプロデュースとアレンジを行っていて、製作にはやはり彼の力が大きいようだ。

 この他参考までに、彼女は以前ここで取りあげた「スウィート・ジャズ・トリオ」との共演によるアルバムもなかなか魅力的な世界を演じてきている。(アルバム『a certain sadness』(2002年)、『Remembering Billie』(2004年))
(参照)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/monica-borrfors.html

List さてこのアルバムのTracklistは左のような16曲。特にアルバム・タイトル曲”Hello Young Lovers”にも表れているが、彼女の孫達に捧げられているアルバムとしても作り上げられたようだ。

 最後の曲”Epilogue after The Storm”のみはプロデューサーでピアニストのGösta Nilssonの曲で、締めくくりとしてのソロ演奏である。その他はスタンダード曲集であり(と言っても、私にとっては初聴きの曲も多い)、全てに彼女の暖かいマイルドにしてソフトなしかも英語による歌声が聴ける。
 特にM3.”Nature Boy”のしっとりとした歌い込みとバックのベースと共に描く世界は静かな落ち着いた夜の世界を感じ取れるのである。それは続いてM4.”It Never Entered My Mind”もミュートを効かしたトランペットの静かに響き渡る音と彼女のヴォーカルが素晴らしく共鳴して心に響いてくる。このあたりは完全に大人の世界ですね。
 又彼女のヴォーカル・アルバムであるが、M10.”Doxy”、M11”The Boy Next Door”、M12.”I Didn't Know What Time It Was”のようにバックの演奏陣がたっぷりと中間部でヴォーカル抜きで演ずるところもあって、このアルバムは演奏陣にとっても気合いが入って居るというか、プロデューサーのGösta Nilssonの意志が相当に入っていることが解る。

いやはやとにかくこれぞ大人のジャズ世界ですね。

(視聴)

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2016年7月16日 (土)

ジェフ・ベックJEFF BECKの逆襲「LOUD HAILER」

歓迎 :若き気分を復活させる~ロックってこれだった!!

    <Rock>
      JEFF BECK 「LOUD HAILER」
      Atco / E.U. / 812279445 / 2016

Loud_hailer
ジェフ・ベックJeff Beck(G)
ロージー・ボーンズRosie Bones(Vo)
カーメン・ヴァンデンバーグCarmen Vandenberg(G)
ダヴィデ・ソラッツィDavide SollazziDs)
ジョヴァンニ・パロッティGiovanni Pallotti(B)
(Tracklist)

1.“The Revolution Will Be Televised”「レヴォリューション・ウィル・ビー・テレヴァイズド」
2.“Live In The Dark”「リヴ・イン・ザ・ダーク」

3.“Pull It”「プル・イット」

4.“Thugs Club”「サグ・クラブ」
5.“Scared For The Children”「スケアード・フォー・ザ・チルドレン」
6.“Right Now”「ライト・ナウ」
7.“Shame”「シェイム」
8.“Edna”「エドナ」
9.“The Ballad Of The Jersey Wives”「ジャージーの妻たちのバラード」
10.“O.I.L.”「O.I.L.」
11.“Shrine”「シュライン」

 ジェフ・ベックの6年振りになるオリジナル・スタジオ・アルバムが登場!。それがなんと”聴かせるベック”から”訴えるベック”の原点回帰・逆襲ヴォーカル・ロック・アルバムの登場。
 そして面白いことに賛否両論がわき上がっている。しかし”60-70年代ロック心”があるならば多分大歓迎だろう。そうそう私はその歓迎組(笑)。そうですロックってこれだった。

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  いやはやなんと女性ヴォーカル、女性ギタリストをメンバーに引き込んでいる。そうだよ、ベックももうお爺さんなんだから、孫のような娘連中を暴れさせるのも良いことだ。それは今や尖って売り出し中のロンドンのBONESの二人。ヴォーカルのロージー・ボーンズとギターのカーメン・ヴァンデンバーグだ。これにはいろいろとご意見あるようだが、私は大歓迎。

Jf4 さて、このアルバム11曲収録。ジェフ・ベック自身がプロデュースしており、共演のロージー・ボーンズやカーメン・ヴァンデンバーグと常時仕事をしているフィリッポ・シマッティFlippo Cimattiもアルバム制作に名を連ねている。従ってBONESとの完全な共作と言ってもよい。そして更にフィリッポが参加を要請したらしいドラマーのダヴィデ・ソラッツィとベーシストのジョヴァンニ・パロッティがリズム隊として参加。

 アルバム・タイトル「ラウド・ヘイラーLOUD HAILER」は、日本語では“大声で叫ぶ(携帯拡声器)”となると思うが、ジェフ・ベックは「今、世界で起こっている、不快な事を目にした時に声明を発表したいと思った。そして集会で使うメガホンが、大声で伝えたい自分の考えを表現するのにフィットすると思った」と語っているらしい。このあたりはベックにもまだまだ”ロック心”がちゃんと宿っていると思うのだが。

 更に、アルバムからの第1弾のシングルは2曲目の.“Live In The Dark”「リヴ・イン・ザ・ダーク」というハードなロック曲だ。しかしそれにも増してオープニングの.“The Revolution Will Be Televised”「レヴォリューション・ウィル・ビー・テレヴァイズド」は感動の強烈ヘビー・ロック。これに先ずは痺れてしまう。両者にもロージー・ボーンズのヴォーカルが乗ってくる。
Bones
 しかしこのアルバムはそれだけでは無い。バラード曲の5曲目“Scared For The Children”「スケアード・フォー・ザ・チルドレン」そして7曲目.“Shame”「シェイム」あたりは美しいベックのギターとロージー・ボーンズの歌い込みが聴かれる。彼女はハードなところとともにどっちもこなす芸達者であることが解る。こんなアルバムの色づけ展開は、百戦錬磨のベックによるところなのである。なにせ、ベックのハード・ロックからファンク、ソウル、ブルースと熟していくギター・ワークがこのアルバムで十分に活きているのだ。
 ロージー・ボーンズはこのアルバムの11曲のうち9曲で歌っていて(残りの2曲はインスト曲)、ファンク・ナンバーの”O.I.L.”まで、情緒豊かにしてパワフルなボーカルを楽しませてくれる。これも昨年開催されたロジャー・テイラーのバースデイ・パーティで、ベックがカーメン・ヴァンデンバーグのパフォーマンスに触れ、ひらめきがあっての事が、ジョインすることとなった直接のきっかけだということらしい。今までJoss Stoneなどとの共演をみれば決して不思議なことで無い。

 前アルバム『EMOTION & COMMOTION』 で”聴かせる、聴いてもらうロック”の完成によって、原点回帰したくなったジェフ・ベックが、親父心によって二人の女性を巻き込んでの”鋭く攻撃的ロック”(ちゃんと聴かせる曲も挿入して)の作成に至った事に喝采を浴びせるのである。

(視聴) ”Live in the Dark”, ”Scared for the children”

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2016年7月13日 (水)

<美女狩りシリーズ>オーディオ・マニアを凌駕するリン・スタンレーLyn Stanley

オーディオ・マニアが愛する?女性ヴォーカル3枚
「Lost in ROMANCE」、「POTIONS」、「Interludes」

Lynstanley62 いっや~~、これは事件でした。ジャズ愛好家には結構オーディオ・マニアがいる。そして彼らはジャズ・ミュージックを聴いているのだか?、サウンドを聴いているのだか?、よくどっちか解らない事がある。まあ私はその気持ちが実はよく解るんですが、とにかくよい音でよい音楽をというのはやっぱり人間の欲求だろうから・・・。
 そんな中で登場したのがこのリン・スタンレーLyn Stanley(←)だ。なんとSACDは勿論、LPそれも45回転盤とくるから、マニアが喜ぶ仕立てである。それと同時に、ほんとにオーディオ関係で講釈を言っていた昔が懐かしくなりながらも・・・・このデジタル時代によくもまぁ懲りずに・・・・と、思うのである。

 もちろん私はこれほどのモノには発掘力は無くて、オーディオ・マニアの友人から仕入れたアルバムが”狂”ではなくて”今日”のお話。

 まあ”美女狩り”と言っても、このポートレイトが今日話題の彼女。しかしこれは相当手の入った写真。年齢は問わずにいたほうが良さそうだ。

 アルバムは一挙に以下の3枚。2013年、2014年、2015年リリース。

Lost_in_rom<Jazz>

(1stアルバム)
Lyn Stanley
「LOST IN ROMANCE」
A.T.MUSIC / US / ATMSA3101 / 2015

From_the_50s_pot<Jazz>

(2ndアルバム)
Lyn Stanley
「FROM THE 50'S POTIONS」

A.T.MUSIC / US / ATMSA3103 / 2015

               
                 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

      <Jazz>
             (3rdアルバム)
      Lyn Stanley 「Interludes」
       A.T.MUSIC / US / ATMSA3104 / 2015

Interludes

(Tracklist)
1.How Long Has This Been Going On?
2.Just One of Those Things
3.Black Velvet
4.More Than You Know
5.Boulevard of Broken Dreams
6.Whole Lotta Love
7.Last Tango In Paris
8.Don’t Explain
9.Nice’n Easy
10.The Island
11.It’s Crazy
12.In A Sentimental Mood
13.I Was A Little Too Lonely
14.I’m A Fool To Want You

Lynunderstars_websmall どうですか、如何にもクラシック・ジャズ・ジャケに仕上げていますね。この辺りから狙いは解りますね。唄うリン・スタンレーは、まさに大人のフィメール・ジャズ・ヴォーカリストですね。そして過去の誰でも知ってるポピュラーなスタンダード・ナンバーを歌い上げる。その声の質は簡単に言うと宝塚の男役そのものですね。低音にヴォリューム感があって高音部は伸びますが、澄んで清楚というタイプではなく、ちょっとマイルドに若干故意に作り上げているパターン。

 彼女はワシントン州タマコ生まれ、年齢不詳。デューク・エリントン、ジュディー・ガーランドを敬愛しているといことからも推して知るべしというところ。
 ミシガン州立大学博士課程でマスメディアを学び米国有名企業で働き、宣伝広告、マーケティングなどの指導をしてきたという。社交ダンサーも交通事故を克服してナショナルチャンピオンとなっているらしい。

 2010年にピアニストの大御所ポール・スミスと出逢い、ヴォーカリストとしての訓練の後、’13年1stアルバム「LOST IN ROMANCE」リリースに至る。好評の為’14年には、2ndアルバム「FROM THE 50'S POSTIONS」をリリースして、1950年代を意識してのジャズ・ヴォーカルを展開し、これはその50年代と同じにアナログ・テープを用いて録音。ハイレゾダウンロードDSD音源、SA-CD、45回転LP、2トラ38㎝オープン・テープなどのオーディオを十分に意識し、自己レーベルでのリリースで、ハイエンドオーディオ愛好家に支持されるに至った。
 これまでの2枚とこの3rdアルバムのバックの演奏は特に際立った特徴は無い。まあ素直な演奏というか、現代的ジャズというアプローチでなく、ヴォーカルものの伴奏というところか。やはり録音は非常に素直で癖が無く音域が広い。それぞれの楽器の特徴が究めて繊細に録音されていて好感が持てる。ここがオーディオ・マニアに捉えられるところだろう。

 こうしてオーディオをかなり意識してのアルバムの出現というのは、デジタル時代にアナログの良さを原点回帰している今日、タイムリーな攻めなのであろうと思うのである。

(視聴)

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2016年7月10日 (日)

エドワール・フェルレÉdouard Ferlet「BACH PLUCKED/UNPLUCKED」

珍しいピアノとチェンバロのデュオ

<Baroque Jazz>
Violaine Cochard/ Édouard Ferlet 「BACH   PLUCKED/UNPLUCKED」
ALPHA-CLASSICS / AUSTRIA / ALPHA 229 / 2015

Bach
Violaine Cochard : Clavecin
Édouard Ferlet : Piano & Compositions
(Recorded from 18 to 22 May 2015 at AUDIOLANE, FRANCE)


 私にとってはお気に入りの「ジャン・フィリップ・ヴィレ・トリオJean-Philippe Viret Trio」で注目株となったフランス生まれ(1971年)のジャズ・ピアニスト、エドワール・フェルレÉdouard Ferletのアルバムだ。これはかって取りあげた『Think BACH』(2012年)の続編的な企画であるが中身はこれまた斬新。
(参考)http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/edouard-feriet.html

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  なんとピアノとチェンバロ(ハープシコード)という組み合わせなのだ。昨年リリースされたものだが、遅まきながらここに取りあげる。とにかくチェンバロですからバロック時代というのは解るが、その感覚を超えてここでは不思議な世界となる。このチェンバロを演奏しているのはフランスの女性クラシック演奏家であるヴィオレーヌ・コシャールViolaine Cochardで、このやや前衛性のニュアンスのあるフェルレとのデュオということで注目してみたわけだ。

Ferletetcochard 演ずる曲は、バッハの曲ではあるが、そこはフェルレのこと、妥協なしにクラシックものとは一線を画くし、ジャズとクラシックの融合を図りつつも、時としてバッハのフレーズが出てくるが、むしろ自己の世界を構築している。
 まあ前作の『Think BACH』もそうだったが、私はバッハのジャズ化という感覚が好きで、そもそも思い起こすとそのパターンが私のジャズへの入り口であった(1960年代)。つまりその事始めがフランスのジャク・ルーシェの「プレイ・バッハ」シリーズだ。あれから既に50年の年月が過ぎている。そして今ここに前衛的に発展したフランスの洒落たフェルレによって、50年間も(笑)ジャズ化バッハを楽しむと言うことなのである。

546340_10151174617953749_435099413_(Tracklist)
1. JE ME SOUVIENWS(フェルレ)
   パルティータ1番BWV825ジーグより
2. APARTE(フェルレ)
   平均律クラヴィア曲集BWV855前奏曲より
3. UTOPIA(フェルレ)
   シンフォニアより
4. ENTRE ECORCE(フェレル)
   ソナタニ短調より
5. APRES VOUS(バッハ/フェルレ)
   フランス組曲4番よりアルマンドより
6. PHENIX(バッハ/フェルレ)
   ゴルドベルグ組曲20番BWV988より
7. A LA SUITE DE JEAN(フェルレ)
   無伴奏チェロ組曲1番BWV1007
8. ERBARME DICH(バッハ)
   マタイ受難曲BWV244より
9. JE ME SOUVIENS PLUS(フェルレ)
   パルティータ1番BWV825ジーグより
10. MAGNETIC TANGO(フェルレ)

 冒頭の曲”JE ME SOUVIENWS”は、フェルレのピアノが美的感覚のバッハ・フレーズを描くが、チェンバロは究めて冷たい音に徹している。
 M2.”APARTE”では冒頭から美しい世界を聴かせ、そして一転してリズムを無機質に演じて一筋縄には聴かせてくれない。その後両者での締めに向かって、クラシカルに、ジャジーに交互の展開で纏めているのである。いやはやニクイ演奏だ。
 そしてM3以降、是非とも聴いて欲しいが、フェルレのピアノが美しく、コシャールのチェンバロも究めてバロック調クラシックを美しく演じてみせる。しかしそれもやはり単純にはゆかない。そこがこのアルバムの聴きどころであり、フェルレの試みであるのだろう。
 とにかくバッハを題材に、フェルレはかなり前衛的なところも演じきっていて、その意外性がたまらないところ。そしてちらっとクラシック的美しさを叙情的聴かせて慰めてくれる。いやはやなんか私の弱点を手玉に取られた感があって、この味は忘れられない上に、何度も聴きたくなる癖になるアルバムであるのだ。

(視聴)Violaine Cochard/ Édouard Ferlet 「BACH   PLUCKED/UNPLUCKED」

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2016年7月 7日 (木)

<今夏の美女狩りシリーズ>ブリジット・ミッチェルBrgitte Mitchell 「LET'S CALL IT LOVE」

Jazzyな・・・キューティー・ヴォイスの登場

        <Jazz>
        Brgitte Mitchell 「LET'S CALL IT LOVE」
        MUZAK / JPN / MZCF1331 / 2016

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ブリジット・ミッチェルBrgitte Mitchell (vocal)

【LA session】:2,3,5,6,7,9
ラッセル・フェランテ(piano)
ディーン・パークス(guitar)
ジェフ・ハミルトン(drums)
エド・リヴィングストン(bass)
アルトゥーロ・サンドヴァル(trumpet/6)
ボブ・シェパード(soprano sax /3)
録音&ミックス:アル・シュミット/Capitol Studio, LA
マスタリング:グレッグ・カルビー/Sterling Sound, NY

【Rio de Janeiro session】:1,4,8,10
アムレット・スタマート(piano)
レオナルド・アムエド(guitar)
ネイ・コンセイソン(bass)
エリヴェルトン・シルヴァ(drums)
カルロス・マルタ(flute, bass-flute / 1,8,10)
録音:アレクサンダー・ハング/Drum Studio, Rio de Janeiro
ミックス:アル・シュミット/Capitol Studio, LA
マスタリング:グレッグ・カルビー/Sterling Sound, NY

Bm1w 2016初夏美女狩りシリーズ第3弾。(いっや~もう既に盛夏ですね)
 南アフリカ出身の女性シンガー・ブリジット・ミッチェルBrgitte Mitchell 、どうゆう流れか知らないが現在は香港を拠点として活動しているらしい。もともとはケープタウンの教会のコーラス隊で腕を磨いてきたと紹介されている。
 これは本格派ジャズというよりは、キュートなヴォイスで、かなりボピュラー寄りの女性ジャズ・ヴォーカルもの。
 バックはLAと Rio de Janeiroの2カ所でのスタジオ・セッションで、そこでの録音ものを纏めたものとなっている。
 アントニオ・カルロス・ジョビンのボサ・ノバ名曲はじめデイヴ・フィリッシュバーグやアビー・リンカーンなどのカヴァーもので構成されたアルバム。

Dont_explain 彼女はこの前には1stアルバムを2013年にリリースしており、それは「Don't Explain」(P-VINE / JPN / PCD93775)で、少し聴いてみると、そちらの方が、このアルバムよりはジャズよりのパターンのヴォーカル・アルバムだ。

   さて、今回のこの2ndアルバムは、Tracklistは下に記すが、オープニングはリオのセッション・グループの軽快なボサ・ノバ・リズムに乗っての”Lamento”。フルートもリズムを刻み昔聴いたハービー・マンを思い出した。なかなか彼女の確かにキュートと言える歌声が楽しい。
 2曲目”Throw It Away”は、LA Sessionのバックに、今度はしっとりと歌い上げる。なかなか彼女も芸達者だ。
 先の話のように、まあキュートな歌声の持ち主で若干ハスキーなところもあるが高音になるに従って澄んだ声になり、語って聴かせたり、リズムにのって体全体で歌い上げたり(イメージだが)、なかなか洒落た味も持ち合わせた楽しさ十分の聴きやすい声と曲の出来だ。
 とにかく異なったLAとRioの2つのセッションによりアメリカン・ジャズとボサ・ノバの曲の混成によって作り上げられたアルバムということで、変化があって飽きさせない。いっや~なかなか粋なアルバムです。

Bm2w  (収録曲)
1. ラメント
2. スロウ・イット・アウェイ
3. ロスト・イン・ザ・メモリー
4. メディテイション
5. ゼイ・オール・ラフト
6. コルコヴァード
7. ピール・ミー・ア・グレイプ
8. トリステ
9. ムーンライト
10. ワンス・アイ・ラヴド


(参考視聴)   Brgitte Mitchell

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2016年7月 3日 (日)

<初夏の美女狩りシリーズ>ソウルフル・ジャズ・ヴォーカル=レベッカRebecka Larsdotter「Wirlwind旋風」

スカンディナヴィアのトラッドの要素を持った女性ソウルフル・ジャズ・ヴォーカル

     <Jazz>
     Rebecka Larsdotter「Wirlwind 旋風」
      Losen Records / NOR / LOS155 / 2016

155rebecka
3278064Rebecka Larsdotter vocals on all tracks
Shai Maestro piano on tracks 2, 3, 4, 5, 9, 10, 11
Aaron Parks piano on tracks 1, 6, 7
Dayna Stephens saxophone on tracks 1, 3, 4, 6, 7, 11
Oz Noy guitar on track 8
Dennis Hamm keyboards on track 8
Rick Rosato bass on tracks 2, 3, 4, 5, 9, 10, 11
Ben Street bass on tracks 1, 6, 7
Hadrien Feraud bass on track 8
Ari Hoenig drums on tracks 2, 3, 4, 5, 9, 10, 11
Nate Wood drums on tracks 1, 6, 7
Gene Coy drums on track 8


 こうした「美女狩りシリーズ」は、我が友人のお勧めも加わって、多彩になりつつあります。
 まあこうしてジャズ・ヴォーカル界では、女性は尽きること無く出てくるわけで、完全に女性優位ですね。

3276857_2 このスウェーデン出身のレベッカ・ラーシュドッター(ラーシュドッテル)は、女性シンガー・ソングライター。オレブルーÖrebroとマルメMalmöの音楽大学の修士課程で学んだ後、ピアノの教師などしている。子供の頃からヴァイオリン、ピアノを演じてきており、2008年には大志を抱いてアメリカLAやNYにて目下活動中。
 このアルバムは第2作目で、前作は『Feathers & Concrete』(Prophone PCD113)で、ジョニ・ミッチェルをモデルにしたものらしいが目下私は未聴。しかしこれで何となく方向は想像つきます。まあ期待の新人というところか。


 さて彼女のヴォーカルものとは言え、これは簡単に片付けられない異色作。バックはピアノを始めサックス、ベース、ドラムスが中心だが、なかなか充実している。
 ピアノにはアヴィシャイ・コーエン・トリオAvishai Cohen Trioで名を上げたShai Maestro 、そしてAaron Parksが担当していて、それぞれの曲でのピアノの位置も、その占めるウェイトも大きく、そこが聴きどころでもある。

 曲は彼女のオリジナルものを中心に、ホレース・シルヴァー、ジミー・ヴァン・ヒューゼン、ハロルド・アーレンの曲も登場。しかしいずれにしてもスカンディナヴィアのトラッドか?と思われる節回しによるソウルフルな世界に包まれる。
 オープニング曲”.Peace”では、静かなオーソドックスなピアノの演奏でスタートし、しかしそこに彼女のヴォーカルが入ってくると、これはソウルフルな異色ジャズの雰囲気に一変する。更にそこにサックスが加わるのだが、この落ち着いた雰囲気は悪くない。なんとも言えない一種独特な世界。
 M2.”Tomorrow’s Yesterday”、M3.”Indigo Child”と彼女のオリジナル曲が登場し、一層その異色のジャズと言わしめる伝統的ミュージックという民謡のイメージが更に強くなる。
 M5.”Kvar”では、Shai Maestroの静かに説得力あるピアノが美しい。
  しかしM8.”Morning after Pill”では、バックにエレクリック・ギターが登場、なかなかロックぽいところを聴かせ、このアルバムでは異色な曲でアクセントになっていて面白い。
 11.”My Shining Hour”はハイテンポなリズムに、サックスとピアノの掛け合いがJazzyで面白い。
 彼女のヴォーカル自身は究めてオーソドックスであり発声も素直。中音域が主体で刺激性は少ないがなかなか好感を持って聴ける。

 このようなアルバムは、普通は私はすぐ飛びつく度胸は無いのだが、友人お勧めの”この初夏美女狩り第2号”で、そんなところから知り得たもの。取り敢えず一聴に値する。

(Tracklist)
1.Peace(Horace Silver)
2.Tomorrow’s Yesterday(Rebecka Larsdotter)
3.Indigo Child(Rebecka Larsdotter)
4.Like Someone in Love(Jimmy van Heusen/Johnny Bruke)
5.Kvar(Rebecka Larsdotter)
6.Zane’s Tune(Rebecka Larsdotter) 
7.Into(Rebecka Larsdotter)
8.Morning after Pill(Rebecka Larsdotter) 
9.If the Wind Will Allow(Ari Hoenig/Rebecka Larsdotter)
10.Hmm(Rebecka Larsdotter)
11.My Shining Hour(Harold Arlen/Johnny Mercer)

(参考視聴) Rebecka Larsdotter (vocals)

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