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2016年7月16日 (土)

ジェフ・ベックJEFF BECKの逆襲「LOUD HAILER」

歓迎 :若き気分を復活させる~ロックってこれだった!!

    <Rock>
      JEFF BECK 「LOUD HAILER」
      Atco / E.U. / 812279445 / 2016

Loud_hailer
ジェフ・ベックJeff Beck(G)
ロージー・ボーンズRosie Bones(Vo)
カーメン・ヴァンデンバーグCarmen Vandenberg(G)
ダヴィデ・ソラッツィDavide SollazziDs)
ジョヴァンニ・パロッティGiovanni Pallotti(B)
(Tracklist)

1.“The Revolution Will Be Televised”「レヴォリューション・ウィル・ビー・テレヴァイズド」
2.“Live In The Dark”「リヴ・イン・ザ・ダーク」

3.“Pull It”「プル・イット」

4.“Thugs Club”「サグ・クラブ」
5.“Scared For The Children”「スケアード・フォー・ザ・チルドレン」
6.“Right Now”「ライト・ナウ」
7.“Shame”「シェイム」
8.“Edna”「エドナ」
9.“The Ballad Of The Jersey Wives”「ジャージーの妻たちのバラード」
10.“O.I.L.”「O.I.L.」
11.“Shrine”「シュライン」

 ジェフ・ベックの6年振りになるオリジナル・スタジオ・アルバムが登場!。それがなんと”聴かせるベック”から”訴えるベック”の原点回帰・逆襲ヴォーカル・ロック・アルバムの登場。
 そして面白いことに賛否両論がわき上がっている。しかし”60-70年代ロック心”があるならば多分大歓迎だろう。そうそう私はその歓迎組(笑)。そうですロックってこれだった。

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  いやはやなんと女性ヴォーカル、女性ギタリストをメンバーに引き込んでいる。そうだよ、ベックももうお爺さんなんだから、孫のような娘連中を暴れさせるのも良いことだ。それは今や尖って売り出し中のロンドンのBONESの二人。ヴォーカルのロージー・ボーンズとギターのカーメン・ヴァンデンバーグだ。これにはいろいろとご意見あるようだが、私は大歓迎。

Jf4 さて、このアルバム11曲収録。ジェフ・ベック自身がプロデュースしており、共演のロージー・ボーンズやカーメン・ヴァンデンバーグと常時仕事をしているフィリッポ・シマッティFlippo Cimattiもアルバム制作に名を連ねている。従ってBONESとの完全な共作と言ってもよい。そして更にフィリッポが参加を要請したらしいドラマーのダヴィデ・ソラッツィとベーシストのジョヴァンニ・パロッティがリズム隊として参加。

 アルバム・タイトル「ラウド・ヘイラーLOUD HAILER」は、日本語では“大声で叫ぶ(携帯拡声器)”となると思うが、ジェフ・ベックは「今、世界で起こっている、不快な事を目にした時に声明を発表したいと思った。そして集会で使うメガホンが、大声で伝えたい自分の考えを表現するのにフィットすると思った」と語っているらしい。このあたりはベックにもまだまだ”ロック心”がちゃんと宿っていると思うのだが。

 更に、アルバムからの第1弾のシングルは2曲目の.“Live In The Dark”「リヴ・イン・ザ・ダーク」というハードなロック曲だ。しかしそれにも増してオープニングの.“The Revolution Will Be Televised”「レヴォリューション・ウィル・ビー・テレヴァイズド」は感動の強烈ヘビー・ロック。これに先ずは痺れてしまう。両者にもロージー・ボーンズのヴォーカルが乗ってくる。
Bones
 しかしこのアルバムはそれだけでは無い。バラード曲の5曲目“Scared For The Children”「スケアード・フォー・ザ・チルドレン」そして7曲目.“Shame”「シェイム」あたりは美しいベックのギターとロージー・ボーンズの歌い込みが聴かれる。彼女はハードなところとともにどっちもこなす芸達者であることが解る。こんなアルバムの色づけ展開は、百戦錬磨のベックによるところなのである。なにせ、ベックのハード・ロックからファンク、ソウル、ブルースと熟していくギター・ワークがこのアルバムで十分に活きているのだ。
 ロージー・ボーンズはこのアルバムの11曲のうち9曲で歌っていて(残りの2曲はインスト曲)、ファンク・ナンバーの”O.I.L.”まで、情緒豊かにしてパワフルなボーカルを楽しませてくれる。これも昨年開催されたロジャー・テイラーのバースデイ・パーティで、ベックがカーメン・ヴァンデンバーグのパフォーマンスに触れ、ひらめきがあっての事が、ジョインすることとなった直接のきっかけだということらしい。今までJoss Stoneなどとの共演をみれば決して不思議なことで無い。

 前アルバム『EMOTION & COMMOTION』 で”聴かせる、聴いてもらうロック”の完成によって、原点回帰したくなったジェフ・ベックが、親父心によって二人の女性を巻き込んでの”鋭く攻撃的ロック”(ちゃんと聴かせる曲も挿入して)の作成に至った事に喝采を浴びせるのである。

(視聴) ”Live in the Dark”, ”Scared for the children”

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コメント

 ジェフ・ベックの新作期待しています。この前の連休中にCDショップに赴こうと思ったのですが、バタバタしていて行きそびれました。

 専任の女性ボーカルと女性ギタリストに惹かれます。ぜひ購入して聞いてみます。それにしてもジェフ・ベックは昔のまんまの姿かたちですね。同時代のクラプトンやペイジと比べてみると一目瞭然。

 これも若い女性との共演のおかげでしょうか。

投稿: プロフェッサー・ケイ | 2016年7月19日 (火) 23時47分

プロフェッサー・ケイ様こんにちわ。
 そうですね、ジェフ・ベックは女性を上手く使ってきていますね。ヴォーカルではJoss Stone、 iMogen Heap、Imelda May、そして今回はRosie Bonesとなかなかよいオジさん(お爺さん?)ぶりを発揮して・・・・。そうそうそもそもTal Wilkenfeldのベースの成功から、Rhonda Smith、さらにはVeronca Bellinoのドラムスと、やっばりこれも若さの秘訣でしょうか(笑い)。今回のロックの原点回帰は、丁度ここらでよいタイミングと思っています。彼はロッカーなんですから。

投稿: 風呂井戸(photofloyd) | 2016年7月20日 (水) 18時50分

ロックなんだからね、聴かせるとかじゃなくて反骨心剥き出しにしてやるってのがあるのが当たり前ですし。そういうのをここでまたやってくれてるってのが嬉しいですねぇ。

投稿: フレ | 2016年7月24日 (日) 22時25分

 フレさん、お早うございます。コメント、TB有り難うございます。
 そうです・・・。ロックなんですから、尖って反骨して、そして格好良く。おまけにその上に更にクリムゾン、スティーブン・ウィルソン、ウォーターズ・フロイドしていりゃ最高です。

投稿: 風呂井戸(photofloyd) | 2016年7月25日 (月) 07時39分

TBありがとうございました。

Beck師匠をギタリストとしてとらえると確かに賛否両論出てくると思いますが、ギタリストでもありロッカーでもありと考えれば、自ずとこのアルバムに対峙するスタンスも定まりますね。

ところで勝手ですが貴ブログをリンク先に追加させていただきました。
(問題あるようでしたら仰ってください)

投稿: 奇天烈音楽士 | 2016年7月26日 (火) 22時10分

奇天烈音楽士さん、わざわざこちらまでありがとうございます。
 ウォーターズ・フロイドの新譜をいまだに待っているという私ですが(噂はあります)・・・よろしく願します。TBもありがとうございました。
 ジェフ・ベックのようにギターで人の心を捉えて、そしてガツンとロックするところはさすがですね。70歳代頑張れ・・ですね。
 リンク先に貼っていただけるのは光栄です。

投稿: 風呂井戸(photofloyd) | 2016年7月27日 (水) 09時05分

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受信: 2016年7月24日 (日) 22時22分

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