<初夏の美女狩りシリーズ>ソウルフル・ジャズ・ヴォーカル=レベッカRebecka Larsdotter「Wirlwind旋風」
スカンディナヴィアのトラッドの要素を持った女性ソウルフル・ジャズ・ヴォーカル
<Jazz>
Rebecka Larsdotter「Wirlwind 旋風」
Losen Records / NOR / LOS155 / 2016
Rebecka Larsdotter vocals on all tracks
Shai Maestro piano on tracks 2, 3, 4, 5, 9, 10, 11
Aaron Parks piano on tracks 1, 6, 7
Dayna Stephens saxophone on tracks 1, 3, 4, 6, 7, 11
Oz Noy guitar on track 8
Dennis Hamm keyboards on track 8
Rick Rosato bass on tracks 2, 3, 4, 5, 9, 10, 11
Ben Street bass on tracks 1, 6, 7
Hadrien Feraud bass on track 8
Ari Hoenig drums on tracks 2, 3, 4, 5, 9, 10, 11
Nate Wood drums on tracks 1, 6, 7
Gene Coy drums on track 8
こうした「美女狩りシリーズ」は、我が友人のお勧めも加わって、多彩になりつつあります。
まあこうしてジャズ・ヴォーカル界では、女性は尽きること無く出てくるわけで、完全に女性優位ですね。
このスウェーデン出身のレベッカ・ラーシュドッター(ラーシュドッテル)は、女性シンガー・ソングライター。オレブルーÖrebroとマルメMalmöの音楽大学の修士課程で学んだ後、ピアノの教師などしている。子供の頃からヴァイオリン、ピアノを演じてきており、2008年には大志を抱いてアメリカLAやNYにて目下活動中。
このアルバムは第2作目で、前作は『Feathers & Concrete』(Prophone PCD113)で、ジョニ・ミッチェルをモデルにしたものらしいが目下私は未聴。しかしこれで何となく方向は想像つきます。まあ期待の新人というところか。
さて彼女のヴォーカルものとは言え、これは簡単に片付けられない異色作。バックはピアノを始めサックス、ベース、ドラムスが中心だが、なかなか充実している。
ピアノにはアヴィシャイ・コーエン・トリオAvishai Cohen Trioで名を上げたShai Maestro 、そしてAaron Parksが担当していて、それぞれの曲でのピアノの位置も、その占めるウェイトも大きく、そこが聴きどころでもある。
曲は彼女のオリジナルものを中心に、ホレース・シルヴァー、ジミー・ヴァン・ヒューゼン、ハロルド・アーレンの曲も登場。しかしいずれにしてもスカンディナヴィアのトラッドか?と思われる節回しによるソウルフルな世界に包まれる。
オープニング曲”.Peace”では、静かなオーソドックスなピアノの演奏でスタートし、しかしそこに彼女のヴォーカルが入ってくると、これはソウルフルな異色ジャズの雰囲気に一変する。更にそこにサックスが加わるのだが、この落ち着いた雰囲気は悪くない。なんとも言えない一種独特な世界。
M2.”Tomorrow’s Yesterday”、M3.”Indigo Child”と彼女のオリジナル曲が登場し、一層その異色のジャズと言わしめる伝統的ミュージックという民謡のイメージが更に強くなる。
M5.”Kvar”では、Shai Maestroの静かに説得力あるピアノが美しい。
しかしM8.”Morning after Pill”では、バックにエレクリック・ギターが登場、なかなかロックぽいところを聴かせ、このアルバムでは異色な曲でアクセントになっていて面白い。
11.”My Shining Hour”はハイテンポなリズムに、サックスとピアノの掛け合いがJazzyで面白い。
彼女のヴォーカル自身は究めてオーソドックスであり発声も素直。中音域が主体で刺激性は少ないがなかなか好感を持って聴ける。
このようなアルバムは、普通は私はすぐ飛びつく度胸は無いのだが、友人お勧めの”この初夏美女狩り第2号”で、そんなところから知り得たもの。取り敢えず一聴に値する。
(Tracklist)
1.Peace(Horace Silver)
2.Tomorrow’s Yesterday(Rebecka Larsdotter)
3.Indigo Child(Rebecka Larsdotter)
4.Like Someone in Love(Jimmy van Heusen/Johnny Bruke)
5.Kvar(Rebecka Larsdotter)
6.Zane’s Tune(Rebecka Larsdotter)
7.Into(Rebecka Larsdotter)
8.Morning after Pill(Rebecka Larsdotter)
9.If the Wind Will Allow(Ari Hoenig/Rebecka Larsdotter)
10.Hmm(Rebecka Larsdotter)
11.My Shining Hour(Harold Arlen/Johnny Mercer)
(参考視聴) Rebecka Larsdotter (vocals)
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