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2016年8月25日 (木)

カロ・ジョゼCaro Josée 「Turning Point」

ムーディーな洒落たジャズを~これもベテランの味

   <Jazz>
    Caro Josée「Turning Point」
    Skip Records / Germ /LC10482 / 2012

Turning_point

Produced by Martin Scheffler, Andreas Paulsen & Caro Josee .
Recorded 2011 in Bendestorf and Hamburg, Germany.

Jazzaudio5 カロ・ジョゼCaro Josée、日本でそれ程馴染みのある歌手では無いが、ドイツのベテラン・ジャズ・シンガーだ。1958年生まれだから現在57歳というところか。
 このアルバム、もともと寺島靖国の『for Jazz Audio Fans Only vol.5』(TERASHIMA RECORDS / TYR-1031 / 2012 →)に、アルバム冒頭の曲”La Terrazza”が取りあげられ注目されたと言って良いだろう。

51_2 彼女のアルバムは、調べるとライブものを除いて過去に9枚あるが(末尾参照)、現在我々の手に入るのは2枚のアルバムぐらいしかなく、近作は、 『Summer Ease』(SkipRecords / GER / SKP9129 / 2016 →)である。しかし話題性からは、この2012年の『Turning Point』が勝るので、ここに取りあげたと言うところ。

 もう30年以上前の1978年にドイツの音楽の祭典ECHOの前身にあたるGerman Record Prizeにおいてナショナル・ポップ・アーティストを獲得したという話(当時20歳)があるので、ドイツでは長く愛されてきたシンガーなんだろうと推測される。
 このアルバムは彼女の取り巻きの総力を挙げてというところか、バック演奏陣が多彩で、ドイツの名門放送局バンドの「NDR ビッグバンド」のトランペッターReiner Winterschladenの名前も見える。

(MEMBERs)
Caro Josée- Vocals
Reiner Winterschladen - Trumpet
Manusch weiss - Guitar
Enzo Weiss - Rhythm Guitar
Martin Scheffler - Guitars
Thomas Biller - Double Bass
Julien Kravetz - Drums
Robbie Smith - Drums, Percussion
Andreas Paulsen - Piano
Jean Jacques Kravetz - Fender Rhodes
Pascal Kravetz - Organ
Zwetelina Haubold - Violin
Okko Becker & Alexander Hopf - String Arrangements;

 彼女のややハスキーな、そしてスモーキーに、更に年齢の割にはキュートなヴォイスによって、ムーディーに魅力たっぷりに唄われるアルバムである。
 やはりドイツだけあって録音もリアル。そんなところも寺島靖国に選ばれた一つの因子だと思うが、それにも増して彼女のヴォーカルはM1.は軽快なスタートであるが、その中にも女性らしいムードがあり、M2.になるとさすがベテラン、その歌い込みが見事な曲で、ストリングスをバックにピアノ、ギターの調べが効果を上げる中で、見事な大人のムードを盛り上げる。
 更にM3.では、ミュートを効かせたトランペットの登場で、彼女の唄は更に味付けがジャジーにしっとりとして、一層そのムードは深遠な世界に導く。
 M7.、M10.、M11.などスロー・ナンバーが良いですね。
 しかしM5.を聴くと、かっては結構ポップな曲をこなしていたのではと想像もする。ちょっと昔のアルバムも聴いてみたいところだ。

Caro20607grunw(Tracklist)
1.  La Terrazza
2.  Paris
3.  The Lawyer's Wife
4.  Night Time
5.  Bouillabaisse
6.  Mona Lisa Liut
7.  A Love Like This
8.  No Stars In My Sky
9.  SOS
10.  It's Impossible
11.  Mi Amor

(参考:Caro Josée  Discography )
1977 Caro & JCT Band It's Nothing But Higher Pinball Records (TELDEC)
1980 Caro Caro (WEA Records)
1983 Caro The Boy is Mine (WEA Records) (Europa)
1984 Caro The Boy is Mine (Rocshire Records/MCA-Universal) (USA)
1988 Caro Josy T. (Intercord) (Soundtrack zum Film)
1991 Caro Volcano (Virgin Records)
2005 Caro Eternity (Adhip Records/Moon Sound Records)
2012 Caro Josée Turning Point (Skip Records) *
2016 Caro Josée Summer Ease (Skip Records)

(視聴)Caro Josée ”It's Impossible”

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