フレッド・ハーシュ・トリオThe Fred Hersch Trio のライブ・アルバム 「sunday night at the vanguard」
繊細にして瑞々しく緩急メリハリのある粋なピアノ・トリオ
<Jazz>
The Fred Hersch Trio 「sunday night at the vanguard」
Palmetto Records / USA / PM2183 / 2016
Recorded Live at the Village Vanguard,NYC on March 27, 2016
<Personnel>
Fred Hersch(piano)
John Hébert(bass)
Eric McPherson(drums)
そろそろピアノ・トリオの話題も・・・・、と言うことでフレッド・ハーシュFred Hersch (1955年オハイオ州、シンシナティ生まれ)の今年録音のライブ・アルバム。
彼の活動はもう35年以上の歴史を刻んできて、私もここで何回か取りあげたのだが、難病からの復活を見てから、このところ精力的な活動に復帰していることは何よりというところ。
このアルバムは、ライブものの有名なニューヨーク・ヴィレッジ・ヴァンガードでの今年3月の録音で、彼の相変わらずの繊細なピアノを中心としたトリオ・プレイに、その味を堪能できる。
1. A Cockeyed Optimist (Rodgers & Hammerstein)
2. Serpentine (Hersch)
3. The Optimum Thing (Hersch)
4. Calligram (for Benoit Delbecq) (Hersch)
5. Blackwing Palomino (Hersch)
6. For No One (Lennon/McCartney)
7. Everybody's Song But My Own (Wheeler)
8. The Peacocks (Rowles)
9. We See (Monk)
10. Solo Encore: Valentine (Hersch)
M2, M3, M4, M5とハーシュのオリジナル曲が続くアルバムで・・・・
M2.”Serpentine”は浮遊感覚の美しい曲で、ピアノのみでなく、トリオとしてのそれぞれの味が出ている。冒頭のピアノとベースのシンクロが美しく、中盤からのベースのソロ・パートも繊細なプレイでじっくり聴かせこの曲の展開に大きな効果を発揮している。
M3.”The Optimum Thing ”は、一転してテンポ・アップして4ビートでハーシュのピアノが前面に出て聴かせてくれるが、ここでは叙情性のメロディー世界と異なって、やや前衛的な難解な曲展開を聴かせる。
M4.”Calligram”は、やはりスタンダード曲演奏の拘束から放たれての独創性重視の自己の世界だ。ジャズ・ピアノの奥深さを見せつける。
M5”Blackwing Palomino ”も、ここには彼のリズムカルな心情を思いのまま弾いてみせる。
この4曲は、ハーシュが健康回復の充実感を謳歌している様として私は歓迎する部分だ。
そして後半はがらっとイメージを変えて、Paul McCartneyの曲M6.”For no one”の心にゆったりと響く優雅な曲として演奏され、心を休ませ豊かさに導いてくれる。
続くM7.”Everybody's Song But My Own ”はハイ・テンポの展開だが、私にはあまり意味をなさない曲だった。
M8.”The Peacocks ”は叙情的メロディーの曲というのではないのだが、次第に引き込まれていくこのトリオの繊細な交錯プレイに、彼らのトリオの存在感を十分感じ取れる曲。何回と聴き込んでみたい。
M10.”Solo Encore: Valentine ”のアンコールの締めの曲。ハーシュのピアノ・ソロで抒情的にしてしんみりと味わえる曲。こうゆうところを実はもう少し私は聴きたかったのだが、それは又次作に期待。
(視聴)
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