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2016年9月19日 (月)

イタリアン・ロックの軌跡(6)ロヴェツィオ・デッラ・メダリア「CONTAMINAZIONE汚染された世界」

イタリアン・クラシック・シンフォニック・ロックの美と哀愁の世界

<Progressive Rock>
          IL ROVESCIO DELLA MEDAGLIA
    「CONTAMINAZIONE汚染された世界」

        BMG / BVCM-37503 / 1974
        BMG - EDISON / JPN / ERC-32010 / 1989

Cont
Engineer : Rodolfo Bianchi
Producer : Luis Enriques Bacalov
Techncian : Franco Finetti
Written By Vita,Enriquez,Sergepy,Bardotti 


   秋の夜長を迎えて、ふと懐かしき時代に想いを馳せるのである。
 やっぱりイタリアン・プログレッシブ・ロックの感動は今でも忘れられない。それは私のミュージックとの関わり合いにおいても大きな役割を果たしてきた。
 何年も前に「イタリアン・ロックの軌跡」シリーズを、ここに開始したが中途半端で中断してしまっていたので(PFM)、今年はそれをそれなりのところまで纏めてみたいと言う気持ちなのである(暇があったらの話で、どうなるやら)。

A76576313707564667893_jpeg そして復活第一号がこのロヴェツィオ・デッラ・メダリアIL ROVESCIO DELLA MEDAGLIA だ(イタリア語で、”メダルの裏側”という意味)。そして最も最高傑作がこの彼らの3rdアルバム「CONTAMINAZIONE汚染された世界」
 このグループはRDMと呼ばれ、当初はサイケデリック・ヘビー&アート・ロック・グループとして親しまれた。メンバーは下記。

  • Pino Ballarini (voce, flauto)
    Enzo Vita (chitarra)
    Stefano Urso (basso)
    Franco Di Sabatino (tastiere) - dal 1973
    Gino Campoli (batteria)
  •  過去に1stアルバム「La Bibbia」(1971)、2ndアルバム「Io Come Io」(1972)があって、2ndアルバムからプログレッシブな感覚が盛り込まれている。
      そしてFranco Di Sabatino(キーボード)が1973年に加入して、当時のイタリア・プログレ・バンドの流行形は整った。そしてこの3rdが最後のアルバムであり、77年解散してしまった。
     (なおこのバンド、1993年ギターのVitaにより再結成、2013年来日)
  • Contlist_2 このアルバムは13曲構成だが(左)、あのバロック音楽のバッハの曲をモチーフとしている。それはバカロフLuis Enriques Bacalovによって企画されたものだ。このバカロフはイタリア・プログレを世界に知らしめた男で、オザンナにはアルバム「ミラノ・カリブロ9」ニュー・トロルスにはアルバム「コンチェルトグロッソ」にてオーケストラを導入して、クラシック・シンフォニック・ロックの形を作り上げ、我々のようなプログレ・ファンを痺れさせた男だ。

     とにかくヴォーカルの美しさは勿論だが、M1”消滅した世界”のスタートで、シンセの永遠なる響き、次第に表れるバッハの旋律、そしてロックの醍醐味へと流れて行く導入のうまさには感動だ。
     そしてダイナミックM3”静寂なる響き”を経てM4”目覚め・・そして再び夢の中”ではストリングス・オーケストラとオルガンの喩えられないほどの美しさが響き、イタリア独特の哀愁あるヴォーカル、壮大な盛り上がりはまさに当時のロック界に衝撃であった。

      M6”君に捧げる歌”、これはかってのLPではA面最後の曲だが、美しさと哀愁とをキーボードとカンツォオーネのヴォーカルの冴えたるもので描き、心に響く。

     しかし後半に入って驚くのは、ヘビー・ロックの味をしっかり盛り込んでのクラシック・シンフォニック・ロックを作り上げているところである。
      M9”独房503号室”、M10”汚れた1760年”におけるアコースティック・ギターの美しさとフルート、チェンバロ、オーケストラのアンサンブルの技、そしてパイプオルガンの響きの壮大さを加味して当にプログレッシブ。
     そしてM12”絢爛豪華な部屋”の内省的静寂の対比的登場はお見事。

     多分、こうした世界を全く知らずに、クラシック、ジャズ、ロック、ポップなど多岐に渡る現代ミュージックを楽しんでいる輩が殆どあろうと思う今、もし機会があったら一度これを聴けば驚きの世界だろうとここで紹介するのである。

     久しぶりにかってのイタリアン・プログレッシブ・ロックの並ぶ棚に目をやり、まず一番にこのRDMのアルバムに手を付け、この「秋の感傷」をスタートさせた私であった。

    (試聴)

    (視聴)  2013年ジャパン・ライブ

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    コメント

    このバンドは、イタリアのプログレ界では比較的早い時期に登場していますね。草創期に活躍したのでしょうか。

     自分はイタリアのプログレ界については認識不足でよくわかりません。今後の展開が楽しみです。

    投稿: プロフェッサー・ケイ | 2016年9月19日 (月) 21時48分

     プロフェッサー・ケイさん、コメントどうも有り難うございます。
    イタリア・プログレは1970-1975年位が盛んでしてクリムゾン、ELPやフロイドの流れと、イタリア独特のクラシックとの融合、カンツォーネの流れ、カンタゥトーレの活動などで大きなムーブメントがあった。
     日本ではむしろリアルタイムでなく、遅れてファンを獲得していったんですが、キングの力が多きかったといっていいのでは>私なんかは大分お世話になった。
     イタリアが世界に知られたのはPFMの活動でしたが、彼らも1stは1972年ですから、考えて見れば短い期間の大きなムーブメントだったわけですね。
     RDMのこのアルバムも、新宿のEDISONがファンからの要請が大きくCDでリリースしてくれたのですが、それは1980年代後半でそして大売れでしたので、日本では結構長生きのイタリアの波でした。

    投稿: 風呂井戸(photofloyd) | 2016年9月19日 (月) 23時03分

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